刑事訴訟法 第95条
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- 裁判所は、適当と認めるときは、決定で、勾留されている被告人を親族、保護団体その他の者に委託し、又は被告人の住居を制限して、勾留の執行を停止することができる。この場合においては、適当と認める条件を付することができる。
- 2.前項前段の決定をする場合には、勾留の執行停止をする期間を指定することができる。
- 3.前項の期間を指定するに当たつては、その終期を日時をもつて指定するとともに、当該日時に出頭すべき場所を指定しなければならない。
- 4.裁判所は、必要と認めるときは、第二項の期間を延長することができる。この場合においては、前項の規定を準用する。
- 5.裁判所は、期間を指定されて勾留の執行停止をされた被告人について、当該期間の終期として指定された日時まで勾留の執行停止を継続する必要がなくなつたと認めるときは、当該期間を短縮することができる。この場合においては、第三項の規定を準用する。
- 6.第九十三条第四項から第八項までの規定は、第一項前段の規定により被告人の住居を制限する場合について準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第95条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第95条の条文原文は「裁判所は、適当と認めるときは、決定で、勾留されている被告人を親族、保護団体その他の者に委託し、又は被告人の住居を制限して、勾留の執行を停止することができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第95条は第八章 被告人の召喚、勾引及び勾留に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第95条の前の条は刑事訴訟法第94条です。
- 刑事訴訟法第95条の次の条は刑事訴訟法第95条の2です。
- 刑事訴訟法第95条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第95条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第95条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/95
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法95条は、裁判所が職権で勾留の執行を一時停止できると定める。保証金は不要で、葬儀や手術など一時的な事情に対応し、令和5年改正で終期と出頭場所の指定が必須となった。
Q · 保釈金が払えなくても、家族の葬儀のために一時的に出してもらう方法はありますか?
保証金は不要。裁判所が職権で一時的に身柄を解く制度があります
刑事訴訟法95条の「勾留の執行停止」により、裁判所は職権で、勾留中の被告人を親族・保護団体に委託し、又は住居を制限して、一時的に身柄拘束を解くことができます。保釈と違い保証金は不要で、近親者の葬儀、本人の手術・出産、重要試験などの一時的・具体的な事情に用いられます。ただし令和5年改正により、裁判所は停止期間の終期を日時で指定し、出頭すべき場所も指定します(95条2項〜5項)。指定の時刻に戻らなければ取消し・収容となり、新設された不出頭等の罪に問われうるため、必ず指定どおり出頭する必要があります。
解説
「保釈」という言葉は誰でも知っている。だが勾留された人を一時的に外へ出すルートが、保釈のほかにもう一本あることは、ほとんど知られていない。刑事訴訟法95条の「勾留の執行停止」である。保釈との決定的な違いは二つ。第一に、保証金が要らない。保釈は数百万円の保証金を積まなければ認められないことが多いが、執行停止は金銭を必要としない。第二に、これは被告人が請求して勝ち取る権利ではなく、裁判所が職権で判断する制度だ。使われる場面は具体的で切実である。近親者の葬儀、本人の手術や出産、重要な試験。勾留という壁に、人道的な必要が空ける一時的な小窓だと考えればいい。ただし「停止」であって「解放」ではない。令和5年(2023年)の改正で、裁判所は停止期間の終期を日時で指定し、その時刻に出頭すべき場所まで指定するようになった。指定の時刻に戻らなければ、それ自体が新たな罪に問われうる。
法的な位置づけ
勾留の執行停止は、刑事訴訟法95条が定める制度で、裁判所が職権により、勾留中の被告人を親族・保護団体等に委託し、又は住居を制限して、勾留の執行を一時的に停止するものをいう。保証金を必要とせず、葬儀・手術・出産等の一時的な必要に対応する点で、保証金を前提とする保釈(88条以下)と区別される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.緊急の具体的事情が生じた当日に弁護人へ連絡 近親者の葬儀、本人の手術・出産、重要試験など、日時の限られた事情が生じたら、その日のうちに弁護人へ連絡する。執行停止は時間との勝負であり、申立てから決定まで時間がかかるため即時着手が要
- 2.事情を裏付ける資料を揃えて上申 弁護人を通じて裁判所に執行停止を求める。診断書・入院予定表、葬儀の通知、受験票など、事情の具体性と一時性を示す資料を必ず添える。資料の厚みが裁判所の職権発動を左右する
- 3.戻る日時と出頭場所を明確にする 令和5年改正で、停止期間の終期を日時で指定し、出頭すべき場所も指定する運用が必須となった(95条3項)。終期と出頭場所をセットで示し、付される委託先・制限住居の条件を確認する
- 4.指定日時に必ず出頭し、必要なら期限前に延長申立て 指定された日時に指定場所へ必ず戻る。遅刻・不出頭は取消し(96条)に直結し、逃亡と評価されれば以後の保釈・執行停止が絶望的になる。事情が長引くなら終期前に延長を申し立てる(95条4項)
よくある質問 AI による整理
Q1勾留の執行停止とは何ですか?
裁判所が職権で、勾留中の被告人を親族・保護団体に委託し、又は住居を制限して、勾留の執行を一時的に停止する制度です(刑訴95条)。保証金を必要としません。
Q2勾留の執行停止はどうやって申し立てますか?
厳密には権利としての請求権はなく、裁判所の職権発動を促す形になります。弁護人を通じ、葬儀通知・診断書・受験票など事情を裏付ける資料を添えて上申するのが実務です。
Q3勾留の執行停止が認められる事情にはどんなものがありますか?
近親者の葬儀、本人の手術・入院・出産、重要な国家試験など、日時の限られた具体的・一時的な必要が典型です。具体性が高いほど認められやすくなります。
Q4勾留の執行停止に期間の制限はありますか?
令和5年改正で、裁判所は停止期間の終期を日時で指定します(95条3項)。指定日時までに指定場所へ出頭する義務があり、必要なら延長申立てが可能です(4項)。
Q5勾留の執行停止と保釈は同時に使えますか?
両者は別制度です。保釈が逃亡・証拠隠滅のおそれで却下されても、執行停止は判断枠組みが異なるため別途検討される余地があります。状況に応じて使い分けます。
Q6勾留の執行停止の条件にはどんなものが付きますか?
親族・保護団体への委託、住居の制限のほか、93条準用により適当と認める条件が付きます(95条1項・6項)。付された条件は厳格に守る必要があります。
Q7勾留の執行停止は被疑者にも使えますか?
起訴前の被疑者勾留にも刑訴207条により準用され、裁判官が判断します。被告人だけでなく捜査段階でも一時的な身柄解放の余地があります。
Q8勾留の執行停止の期間は延長できますか?
裁判所が必要と認めれば延長できます(95条4項)。終期が来る前に弁護人を通じて延長を申し立てる必要があり、無断で滞在を延ばすことはできません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保釈と勾留の執行停止って、何が違うんですか?
保釈(刑事訴訟法88条以下)は被告人側が請求し、保証金を積んで身柄を解いてもらう制度で、原則として裁判が終わるまで継続します。執行停止(95条)は裁判所が職権で、葬儀や手術など一時的な事情のために身柄を解く制度で、保証金は不要です。実務のポイント:保釈が証拠隠滅・逃亡のおそれで却下された人でも、執行停止は判断枠組みが違うため別途認められることがある。弁護人によっては保釈一本で攻めて執行停止を見落とすこともあるので、緊急の事情があるなら自分から『執行停止は使えませんか』と聞くべき
Q2お金が全然ないんですが、それでも一時的に出してもらえますか?
執行停止は保証金を必要としないので、経済的理由で保釈を諦めた人にも道があります。ただし無条件ではなく、住居の制限や親族・保護団体への委託といった条件が付くのが通常です(95条1項・6項、93条準用)。実務のポイント:執行停止は『権利』ではなく裁判所の裁量なので、ただ申し立てるだけでは弱い。葬儀の日程表、入院予定、受験票など、事情の具体性と一時性を示す資料をどれだけ揃えられるかで結果が変わる。資料の厚みが裁量を動かす
Q3葬儀に出たあと、戻らなかったらどうなりますか?
執行停止は取り消され(96条)、直ちに収容されます。さらに令和5年(2023年)改正で、正当な理由なく指定日時に出頭しない行為は新設された不出頭等の罪に問われうるようになりました(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:一度でも戻らなかった記録が残ると、その後の保釈・執行停止の審査で『逃亡のおそれ』が決定的に重くなり、判決まで一切外に出られなくなることが多い。目先の数時間のために、その後の数か月の自由を失う
間違えやすい点 AI による整理
- 「身柄を出してもらうには保釈金が必要」と思い込んでいる人が多い。執行停止は保証金を必要としない。お金がなくても、正当で具体的な事情があれば一時的に外に出る道はある
- 執行停止という制度は知っていても、その「一時性」の重さを軽く見ている人がいる。これは解放ではなく停止。指定された日時に指定された場所へ戻る義務があり、令和5年改正でその管理は厳格化された。戻らなければ、新設された不出頭等の罪に問われうる(最新の改正状況をご確認ください)
- 「執行停止を申請したい」という問いの立て方そのものがずれている。これは被告人が請求して勝ち取る権利(保釈における権利保釈のようなもの)ではなく、裁判所が職権で判断する制度。あなたにできるのは『請求』ではなく、裁判所が職権を発動したくなる具体的な事情と裏付け資料を、弁護人を通じて提示することだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動主体・性質 | 勾留の執行停止(95条):裁判所が職権で判断する裁量処分 | 保釈(88条):被告人側が請求する制度(権利保釈・裁量保釈) 勾留の取消し(87条):勾留の理由・必要が消滅した場合の取消し |
| 保証金の要否 | 保証金は不要 | 原則として保証金が必要(数百万円となることも) 保証金は不要 |
| 効果の持続 | 一時的な停止。終期に指定場所へ出頭し勾留が復活 | 原則として判決確定まで継続 勾留自体が消滅(恒久的) |
| 典型場面 | 葬儀・手術・出産・重要試験など日時限定の必要 | 判決まで在宅で防御活動を行いたい場合 勾留の必要性そのものが失われた場合 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は責付(適当な者への引渡し)や住居制限により保証金を要さずに停止羈押を認める。保証金不要で身柄拘束を緩める点で日本の執行停止と発想が近い
韓国は『구속의 집행정지』として、相当な理由があるとき勾留の執行を停止できる制度を明文化。名称・構造とも日本に最も近い
ドイツは Haftverschonung として、住居届出・出頭・保証金等の条件付きで勾留状の執行を停止する。条件設定により身柄拘束を緩める枠組みが日本と類似する
米国は事前釈放を保釈・条件の枠組みで扱い、人道的な一時外出は furlough(一時帰宅)として運用される。保証金を前提としない日本の執行停止とは制度設計が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、勾留されている本人が重い病気で手術が必要になったら、留置場のまま放置されるのか。実は95条の執行停止で、入院・手術のために一時的に身柄を解く道がある。診断書と入院予定を弁護人がどれだけ早く裁判所に示せるかが、ときに命に直結する
- あなたが勾留されていて、三日後に卒業のかかった国家試験がある。執行停止が認められれば受験できる。だが申立てから決定まで時間がかかる。今日、弁護人に動いてもらわなければ間に合わない
- 妻の出産に立ち会いたい。保釈金は用意できない。執行停止なら金銭は不要だ。
- 執行停止で葬儀には出られたが、酒を飲んで指定時刻に戻らなかった。これは執行停止の取消事由(96条)になるだけでなく、逃亡と評価されれば、その後の保釈も執行停止も一切認められなくなる。一時的な自由は、戻ってこそ意味がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 緊急で具体的な事情(近親者の葬儀、本人の手術・出産、重要試験など)が生じたら、その日のうちに弁護人へ連絡する2. 弁護人を通じて裁判所に執行停止を求める。診断書、葬儀の通知、受験票など、事情を裏付ける資料を必ず添える3. 戻る日時(期間の終期)と、その時刻に出頭する場所を明確にする。令和5年改正でこの指定が必須になった4. 保証金は不要だが、住居の制限や親族・保護団体への委託といった条件が付くことがある(95条6項、93条準用)。付された条件は一字一句守る
訴えられた側:1. 執行停止が認められたら、付された条件(制限住居、委託先、行動範囲)を厳格に守る2. 指定された日時に、指定された場所へ必ず戻る。遅刻や不出頭は執行停止の取消し(96条)に直結し、逃亡と評価されれば以後の保釈・執行停止が絶望的になる3. 事情が長引くなら、期限が来る前に弁護人を通じて期間延長を求める(95条4項)。無断で滞在を延ばさない4. 戻れば勾留は復活する。一時的な自由であることを忘れず、この間に証拠隠滅や接触禁止に触れる行動は絶対にしない
時効(請求できる期限):執行停止に『時効』はないが、令和5年改正により裁判所が停止期間の終期を日時で指定する(95条3項)。指定された日時までに指定場所へ出頭する義務があり、これを過ぎると取消し・収容、さらに新設された不出頭等の罪に問われうる(最新の改正状況をご確認ください)。期間延長は終期が来る前に申し立てる必要がある
学説
通説:勾留の執行停止は、被告人に請求権が認められた権利保釈とは異なり、裁判所の職権による裁量処分と解されている。一時的・具体的な必要性と、逃亡・証拠隠滅のおそれの程度を総合考慮して判断され、住居制限や委託などの条件を付して身柄拘束の実効性とのバランスが図られる。
改正沿革 AI による整理
- 令和5年(2023年)改正、令和6年(2024年)施行 勾留の執行停止に期間指定の仕組みを導入。裁判所が停止期間の終期を日時で指定し、出頭すべき場所を指定する制度(2項から5項)を整備し、執行停止中の所在不明・逃亡事案に対応するため管理を厳格化した
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定により、勾留中の被告人を親族・保護団体に委託し又は住居を制限して勾留の執行を停止できる制度として整備された
- 2.令和5年(2023年) 改正:停止期間の終期を日時で指定し出頭場所を指定する仕組み(2項〜5項)を導入。執行停止中の所在不明・逃亡事案に対応するため管理を厳格化し、不出頭等への対応を整えた(令和6年施行)
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