受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

刑事訴訟法 第98条

クイックジャンプ
  1. 保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定があつたとき、又は勾留の執行停止の期間が満了したときは、検察事務官、司法警察職員又は刑事施設職員は、検察官の指揮により、勾留状の謄本及び保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定の謄本又は期間を指定した勾留の執行停止の決定の謄本を被告人に示してこれを刑事施設に収容しなければならない。
  2. 2.前項の書面を所持しないためこれを示すことができない場合において、急速を要するときは、同項の規定にかかわらず、検察官の指揮により、被告人に対し保釈若しくは勾留の執行停止が取り消された旨又は勾留の執行停止の期間が満了した旨を告げて、これを刑事施設に収容することができる。ただし、その書面は、できる限り速やかにこれを示さなければならない。
  3. 3.第七十一条の規定は、前二項の規定による収容についてこれを準用する。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第98条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第98条の条文原文は「保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定があつたとき、又は勾留の執行停止の期間が満了したときは、検察事務官、司法警察職員又は刑事施設職員は、検察官の指揮により、…」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第98条は第八章 被告人の召喚、勾引及び勾留に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第98条の前の条は刑事訴訟法第97条です。
  7. 刑事訴訟法第98条の次の条は刑事訴訟法第98条の2です。
  8. 刑事訴訟法第98条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第98条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第98条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/98
裁判例 1件に引用されています

関連度の高い1件を表示しています

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法98条は、保釈や勾留執行停止が取り消されたとき、検察官の指揮で勾留状と取消決定の謄本を示して被告人を刑事施設に収容すると定める。新たな逮捕状は不要である。

Q · 保釈されて家に帰れたのに、また施設に戻されることってあるんですか?

あります。取消決定の謄本一枚で収容され、新たな逮捕状は不要です。

刑事訴訟法98条により、保釈や勾留執行停止を取り消す決定が出たとき、または期間指定型の執行停止が満了したとき、検察官の指揮で被告人は刑事施設に収容されます。新たな逮捕状は不要で、既に発付済みの勾留状の謄本と取消決定の謄本を示すだけで足ります(1項)。急速を要し書面を持っていないときは、口頭で取消し・満了の旨を告げて先に収容でき、書面は速やかに後で示します(2項)。

解説

保釈が認められて自宅に戻れた。多くの被告人はここで「無罪放免」に近い気分になる。だがそれは錯覚だ。保釈とは、勾留という拘束が一時的に停止されているだけの状態であり、刑事訴訟法98条は、その停止が解除されたとき何が起きるかを定めている。保釈や勾留の執行停止が取り消される決定が出たとき、あるいは執行停止の期間が満了したとき、検察事務官・司法警察職員・刑事施設職員が、検察官の指揮のもとで、勾留状の謄本と取消決定の謄本を被告人に示し、刑事施設に収容する。ここで決定的なのは、新たな逮捕状がいらないという一点だ。あなたを再び拘束するのに必要なのは、すでに出ている勾留状と、取消しの決定書の謄本だけ。しかも2項では、急速を要するときは書面を持っていなくても、口頭で「取り消された」と告げて先に収容できる(書面は後で示す)。保釈中に条件を軽く見た瞬間、この条文があなたを駅から動き出す列車の中へ引き戻す。

法的な位置づけ

刑事訴訟法98条は、保釈または勾留の執行停止が取り消された場合および執行停止の期間が満了した場合における被告人の収容手続を定める規定である。検察官の指揮のもと、勾留状の謄本と取消決定の謄本を示して刑事施設に収容するものとし、新たな令状の発付を要しない。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.保釈条件の書面を常時確認できる場所に置く 保釈・執行停止中は、保釈許可決定に付された条件(被害者への接触禁止、指定区域外への移動制限、出頭義務など)の書面をいつでも確認できる場所に保管し、一行一行を厳守する
  2. 2.期間指定型の執行停止は満了日を管理する 勾留執行停止が期間指定型の場合、満了の瞬間に取消手続なしで当然に収容の対象になる。満了日をカレンダーに固定し、延長や再度の執行停止が必要なら満了前に弁護人を通じて申立てる
  3. 3.収容通知時、謄本の内容と指揮者・日時を記録する 収容の際に示された勾留状謄本・取消決定謄本の内容を確認し、いつ誰の指揮で示されたかを記録する。急速収容(2項)で書面の呈示が著しく遅れた場合はその経緯も記録し、弁護人に即連絡する
  4. 4.取消しに不服なら抗告を検討する(収容は止まらない前提で) 取消決定に不服があれば抗告(刑訴419条)を検討する。ただし普通抗告には執行停止効がなく(同425条)、抗告しても収容は進行する。身柄が施設にある前提で弁護人と方針を詰める

よくある質問 AI による整理

Q1保釈の取消しに新しい逮捕状は必要ですか?

不要です。刑事訴訟法98条の収容は逮捕ではなく、既に発付済みの勾留状の謄本と取消決定の謄本を示すだけで実行されます。裁判官の新たな令状は介在しません。

Q2勾留執行停止の期間が満了したらどうなりますか?

取消しの手続すら不要で、当然に収容の対象になります(98条1項)。書面を示されて収容が再開するため、延長が必要なら満了前に申立てる必要があります。

Q3収容のとき書面は見せてもらえますか?

原則は勾留状謄本と取消決定謄本を示してから収容します。ただし急速を要し書面がないときは、口頭で告げて先に収容でき、書面は速やかに後で示されます(98条2項)。

Q4保釈取消決定に抗告すれば収容を止められますか?

止められません。保釈取消決定への抗告は普通抗告で、普通抗告には執行停止の効力がありません(刑訴425条)。争う権利はあっても身柄は施設に収容されます。

Q5保釈中に何をすると取り消されますか?

保釈条件違反(被害者への接触、指定区域外への移動、出頭義務違反など)が典型です。検察官の請求で96条の取消決定が出ると、98条で収容されます。

Q6収容と逮捕は何が違うのですか?

逮捕は新たな令状で身柄を拘束する処分、収容は既存の勾留状の執行を再開する処分です。98条の収容は逮捕ではないため、新たな逮捕状を要しません。

Q7保釈が取り消されると保証金はどうなりますか?

96条により全部または一部が没取されうります。98条の収容と保証金没取はワンセットで動くため、条件違反では身柄と金の両方を失う可能性があります。

Q8管轄区域外でも収容できますか?

できます。98条3項が刑訴71条を準用し、勾留状の管轄区域外での執行と同様の手続で収容が行われます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1保釈中に条件をうっかり破ったら、すぐ刑務所みたいな所に戻されるんですか?

正確には刑務所ではなく刑事施設(勾留先)への収容です。条件違反があると検察官の請求で96条による取消決定が出され、98条で収容が実行されます。新たな逮捕状は不要で、既存の勾留状と取消決定の謄本を示すだけで足ります。実務のポイント:取消しと同時に保釈保証金の没取(96条)が起きることが多く、身柄だけでなく数百万円の保証金も失いかねない。条件違反は「一回くらい」が通用しない世界で、弁護人は保釈時にこの重さを強調するが、本人は解放の安心感で聞き流しがちです

Q2収容されるとき、いきなり連れて行かれるんですか? 書類は見せてもらえるんですか?

原則は、検察官の指揮のもとで勾留状の謄本と取消決定の謄本を本人に示してから収容します(98条1項)。ただし急速を要し書面を持っていないときは、口頭で取消し・期間満了の旨を告げて先に収容でき、書面はできる限り速やかに後で示します(同2項)。実務のポイント:つまり「書面を見せろ、見せるまで動かない」という抵抗は2項の急速収容では通りません。重要なのは、いつ誰の指揮で、どの書面がいつ示されたかを記録し弁護人に渡すこと。手続の遅滞が著しければ、それ自体が後の防御材料になり得ます

間違えやすい点 AI による整理

  • 「保釈されたから、もう拘束はされない」と思い込む人が多い。だが保釈は勾留状そのものを消すわけではなく、執行を止めているだけ。取消しがあれば、生きている勾留状がそのまま再起動する。あなたが解放されたと信じている根拠は、実は宙づりにされた拘束に過ぎない
  • 「再び施設に入れられるなら、また逮捕状が必要なはずだ」という前提そのものが誤っている。98条の収容は逮捕ではない。すでに発付済みの勾留状の謄本と取消決定の謄本を示すだけで足り、裁判官の新たな令状は介在しない。問いの立て方を間違えると、手続の正体を見誤る
  • 取消決定に対して抗告すれば収容を止められると考える人がいるが、深刻さを見落としている。保釈取消決定への抗告は普通抗告であり、普通抗告には執行停止の効力がない(刑訴法425条)。つまり抗告しても収容はそのまま進む。争う権利はあるが、身柄はすでに施設の中、という落差を知らないと致命的だ
比較の観点この条文ほかの条文
条文の役割98条:取消し後の収容手続(謄本呈示・検察官指揮)96条:取消しの発動原因+保証金没取
70条:勾留状の執行構造(検察官指揮)
発動のきっかけ取消決定・執行停止期間の満了条件違反・逃亡のおそれ等の取消事由
勾留状の発付
新たな令状の要否不要(既存勾留状+取消決定謄本で足りる)—(決定で発動)
勾留状そのものが令状
金銭への影響収容自体に金銭効果なし保証金の全部または一部を没取しうる
なし

他国ではどう定めているか 3 か国

台湾
中華民国刑事訴訟法第117条

台湾も停止羈押後に再執行羈押(再収容)を認める。事由は逃亡・条件違反等で、日本の取消し+収容構造と機能的に対応する。

韓国
대한민국 형사소송법 제102조

韓国も保釈・勾留執行停止の取消しと、それに伴う再収容を規定する。取消事由が生じた際に身柄を再び拘束する点で日本と類似。

ドイツ
StPO § 123

ドイツは勾留状の執行猶予(Aussetzung des Vollzugs)の取消しを定め、取消しにより執行猶予が失効し収容が再開する。既存の勾留状を基礎とする点で日本98条と構造が近い。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし保釈中に、被害者とされる人へうっかり SNS でメッセージを送ってしまったら? 検察官は保釈条件違反として取消しを請求し、96条で取消決定が出れば、98条であなたは刑事施設に戻される。新たな逮捕状はいらない。すでにある勾留状と取消決定の謄本だけで、収容は実行される
  • 勾留の執行停止で親の葬儀のために一時的に外に出られた。だが指定された期間は3日。期間満了の瞬間、取消しの手続すら不要で、書面一枚を示されて収容が再開する。延長してほしいなら、満了する前に動くしかない
  • 保釈中の家族が突然「収容」の通知を受けた。あなたは「また逮捕されたのか」とパニックになる。だがこれは逮捕ではなく収容だ。手続は検察官の指揮で進み、勾留状と取消決定の謄本を本人に示すのが原則。ただし急速を要する場合(2項)は書面なしで先に収容され、書面はできる限り速やかに後から示される

取るべき行動

被害を受けた側:1. あなた自身が保釈・執行停止中なら、保釈条件の書面をいつでも確認できる場所に置き、被害者とされる人への接触・指定区域外への移動・出頭義務を厳守する2. 執行停止が期間指定型なら、満了日をカレンダーに固定し、延長が必要なら満了前に弁護人を通じて申立てる3. 収容の通知を受けたら、示された勾留状謄本・取消決定謄本の内容を確認し、いつ誰の指揮で示されたかを記録、弁護人に即連絡4. 取消しに不服があれば抗告(刑訴法419条)を検討、ただし収容自体は止まらない前提で動く

訴えられた側:1. 家族・身元引受人の立場なら、本人が保釈条件を理解しているか繰り返し確認し、条件違反の芽を事前に潰すのが最大の防御2. 突然「収容」の通知が来ても、これは逮捕ではなく既存の勾留状の再起動だと理解し、パニックで不用意な発言をさせない3. 2項の急速収容で書面の呈示が後回しになった場合、その経緯を記録して弁護人に伝える4. 保証金没取(96条)の可能性も同時に検討、没取を争う余地があるか弁護人と詰める

時効(請求できる期限):執行停止が期間指定型の場合、指定期間の満了により取消しの手続なしに当然に収容の対象となる。満了前に延長・再度の執行停止を申し立てなければ間に合わない。取消決定に対する不服申立ては抗告(刑訴法419条)だが、普通抗告には執行停止効がなく(同425条)、抗告しても収容は進行する(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:98条は、取消事由が生じた際の収容の即時実効性と、身体の自由を再び奪う以上必要となる適正手続保障とを、原則(1項の謄本呈示)と例外+歯止め(2項の急速収容と速やかな書面呈示義務)の構造で配分した規定と理解される。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定に伴い、保釈・勾留執行停止の取消し後の収容手続として整備された。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

刑事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第八章 被告人の召喚、勾引及び勾留

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›