刑事訴訟法 第88条
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- 勾留されている被告人又はその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹は、保釈の請求をすることができる。
- 2.第八十二条第三項の規定は、前項の請求についてこれを準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第88条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第88条の条文原文は「勾留されている被告人又はその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹は、保釈の請求をすることができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第88条は第八章 被告人の召喚、勾引及び勾留に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第88条の前の条は刑事訴訟法第87条です。
- 刑事訴訟法第88条の次の条は刑事訴訟法第89条です。
- 刑事訴訟法第88条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第88条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第88条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/88
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法88条は、勾留中の被告人本人のほか、弁護人・配偶者・直系親族・兄弟姉妹も独立して保釈を請求できると定める。ただし保釈は起訴後の被告人に限られる。
Q · 家族が起訴された。保釈の請求は弁護士に頼むしかないの?
配偶者・親・子・兄弟姉妹も自分の名前で請求できます
刑事訴訟法88条1項により、保釈の請求ができるのは被告人本人・弁護人だけではありません。法定代理人・保佐人・配偶者・直系の親族(親や子)・兄弟姉妹も、本人とは独立して自分の名前で保釈を請求できます。ただし保釈は起訴された後の「被告人」のための制度で、起訴前の「被疑者」段階ではいくら保証金を用意しても請求できません。まず「もう起訴されたのか、まだ捜査中か」を確認することが出発点になります。
解説
家族が逮捕され、警察署から出てこない。テレビドラマで見た「保釈金を払えばすぐ出られる」という知識で動こうとする。だがここに最初の、そして最も致命的な落とし穴がある。保釈は起訴された後の「被告人」にしか使えない制度であり、起訴前の「被疑者」には保釈という選択肢そのものが存在しない。逮捕から起訴まで最大23日、この間どれだけ保証金を積んでも保釈はできない。88条が動き出すのは、検察官が起訴した瞬間からだ。そしてもう一つ、多くの人が知らないこと。保釈を請求できるのは被告人本人や弁護人だけではない。配偶者、親、子、兄弟姉妹も、本人とは独立して自分の名前で請求できる(同条1項)。本人が拘置所の中で何もできなくても、外にいるあなたが動ける。誰がいつ動けるかを知っているかどうかで、家族が社会に戻る日が何週間も変わる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法88条は保釈の請求権者を定める規定であり、勾留中の被告人本人に加え、弁護人・法定代理人・保佐人・配偶者・直系の親族・兄弟姉妹に独立した保釈請求権を認める。請求できるのは起訴後の被告人に限られ、起訴前の被疑者には適用されない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.起訴されたかどうかを真っ先に確認する 弁護人や担当の警察・検察に、本人が「起訴されたのか、まだ捜査段階か」を確認する。起訴前の被疑者には保釈制度がないため、ここを取り違えると時間を浪費する
- 2.家族として保釈請求の主体になることを確認する 配偶者・親・子・兄弟姉妹は、本人や弁護人とは独立して自分の名前で保釈を請求できる(88条1項)。本人が動けない場合でも家族が請求主体になれることを確認し、弁護人と役割分担する
- 3.身元引受書・保証金・勤務先協力書面を揃える 身元引受書、保証金(相場150万〜300万円、判決確定後に戻る預け金)、勤務先の協力書面など、逃亡・罪証隠滅のおそれが低いことを示す資料を準備する。資金がなければ保釈支援協会の立替・貸付制度も検討する
- 4.起訴後できるだけ早く保釈請求書を提出する 請求は起訴後いつでも可能だが、勾留が長引くほど裁判所は現状維持に傾きやすい。起訴された当日〜数日以内に請求書を提出し、権利保釈(89条)に該当するか、裁量保釈(90条)の必要性を主張する
- 5.却下されたら3日以内に準抗告で争う 保釈請求が却下された場合、決定の告知から3日以内に準抗告(429条)を申し立てる。否認事件で罪証隠滅のおそれを指摘されたときは、主要証拠が既に検察の手中にあること、関係者と接触しない誓約を具体的に示す
よくある質問 AI による整理
Q1保釈とは何ですか?
保証金を納めることを条件に、勾留中の被告人を一時的に身体拘束から解放する制度です。判決確定までの身柄拘束を緩める仕組みで、起訴後の被告人にのみ認められます。
Q2保釈は誰が請求できますか?
刑事訴訟法88条1項により、被告人本人・弁護人・法定代理人・保佐人・配偶者・直系の親族・兄弟姉妹が、それぞれ独立して請求できます。本人を待たず家族が動けます。
Q3起訴前でも保釈できますか?
できません。保釈は起訴後の被告人のための制度で、起訴前の被疑者段階では存在しません。逮捕から起訴まで最大23日間は、保証金を積んでも保釈はできません。
Q4保釈金の相場はいくらですか?
事案により異なりますが、一般的な事件で150万〜300万円程度が目安とされます。逃亡や証拠隠滅をしなければ判決確定後に返還されます(最新の運用はご確認ください)。
Q5保釈請求はいつできますか?
起訴された後であればいつでも請求できます。法定の期限はありませんが、勾留が長引くほど不利になりやすいため、起訴後できるだけ早く請求するのが有利です。
Q6保釈が却下されたらどうすればいいですか?
却下決定の告知から3日以内に準抗告(刑事訴訟法429条)で争えます。また事情の変化を理由に再度保釈請求をすることも可能です。
Q7保釈と釈放の違いは何ですか?
釈放は身体拘束の解放全般を指し、保釈はその一手段です。保釈は保証金の納付と条件遵守を前提に拘束を解くもので、違反すれば再勾留や保証金没収となります。
Q8家族が逮捕されたらまず何をすべきですか?
まず起訴されたか捜査段階かを確認します。起訴前なら勾留自体を争い、起訴後なら家族として88条による保釈請求を弁護人と並行して準備します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保釈金って戻ってくるんですか?それとも払ったら没収ですか?
原則として戻ってきます。保釈保証金は、被告人が逃げず裁判にきちんと出頭することを担保する預け金で、判決確定後に返還されます(刑事訴訟法93条、94条)。逃亡や証拠隠滅をすると没収されます。実務のポイント:保証金を一括で用意できない人向けに、日本保釈支援協会などの立替・貸付制度がある。相場の150万〜300万円が手元になくても保釈を諦める必要はない。弁護人はこの制度を知っているが、聞かれないと積極的に案内しないことがある(最新の運用状況をご確認ください)
Q2認めれば保釈されやすいって本当ですか?無実でも認めた方が得なんですか?
実務上、否認事件は罪証隠滅のおそれを理由に保釈が却下されやすい傾向があり、人質司法と批判されています。ただし無実なのに認めれば前科がつき、その後の人生に重くのしかかります。実務のポイント:近年は否認でも保釈を認める裁判官が増えており、弁護人が証拠隠滅の現実的危険がないことを具体的に立証できれば突破できる。この点は実務上、裁判官による判断の差が大きい論点でもある。虚偽の自白に追い込まれる前に、保釈に強い弁護人を探すべきだ
間違えやすい点 AI による整理
- 「保釈金さえ払えば早く出られる」という問いの立て方そのものが誤っている。起訴前の被疑者には保釈制度がなく、いくら金を積んでも出られない。あなたが本当に確認すべきは「もう起訴されたのか、まだ捜査段階なのか」という一点だ
- 保釈請求は弁護士しかできないと思い込まれているが、配偶者・親・子・兄弟姉妹も独立して請求できる(88条1項)。弁護人がまだ正式についていない段階でも、家族が自分の名前で動ける
- 保釈は「請求さえすれば認められるもの」と軽く考えている人が多いが、否認事件では罪証隠滅のおそれを理由に却下される確率が跳ね上がる。請求できることと、認められることの間には深い溝がある。この溝の深さを知らないまま楽観すると、却下の通知で二度打ちのめされる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 88条:保釈の請求権者(誰が請求できるか) | 89条:権利保釈(原則として認めるべき場合) 90条:裁量保釈(職権で認める判断基準) |
| 焦点 | 本人+弁護人・法定代理人・保佐人・配偶者・直系親族・兄弟姉妹 | 除外事由がなければ保釈を許さなければならない 除外事由があっても裁判所が相当と認めれば許せる |
| 実務での使いどころ | 本人が動けないとき家族が請求主体になる根拠 | 通常事件で保釈を勝ち取る原則的な土台 否認事件など除外事由に当たる場合の突破口 |
他国ではどう定めているか 4 か国
被告およびその輔佐人・弁護人が随時、具保による停止羈押を裁判所に声請できる点で、請求主体を本人以外にも広げる構造が日本と類似する。
被告人本人のほか弁護人・法定代理人・配偶者・直系親族・兄弟姉妹などが保釈を請求できると定め、日本の88条とほぼ同じ請求権者の範囲を採る。
ドイツは独立した『保釈』制度ではなく、勾留命令の執行停止(条件付き釈放)として構成し、保証金提供等を条件に拘束を緩める。請求主体より裁判所の職権判断に重心がある。
米国は起訴前後を問わず審理前の釈放・拘禁を一体的に規律し、保証金より逃亡・危険性の評価を重視する。家族が独立して請求するというより被告人側の申立てが中心。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 夫が逮捕されて10日。「保釈金を用意したら出られますか」と弁護士に聞いたら「まだ起訴されていないので保釈はできません」と返され、頭が真っ白になった。起訴前と起訴後で制度が全く違うことを、この瞬間に初めて知る人がほとんどだ
- もし、あなたの子どもが起訴され、本人は拘置所の中で身動きが取れないとしたら? 保釈請求はあなた(親)が自分の名前で出せる。本人や弁護人の動きを待つ必要はない。直系の親族として、あなたには88条が定める独立した請求権がある
- あなたが身に覚えのない罪で起訴され、無罪を主張している。だが実務では「否認している=罪証隠滅のおそれあり」として保釈が却下されやすい。認めれば出られて、争えば出られないという逆説。これが人質司法と批判される現実だ
- 起訴された当日。保釈請求は早ければ早いほどいい。勾留が続くほど職場の席も家庭も崩れていく。今日動くか、来週まで待つかで、その後の人生が変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず起訴されたかを確認。起訴前なら保釈は使えないので、勾留理由開示請求(82条)や勾留決定への準抗告で勾留自体を争う道を検討2. 起訴後なら、配偶者・親・子・兄弟姉妹として自分の名前で保釈請求できる(88条1項)、弁護人と並行して動く3. 身元引受書、保証金(相場150万〜300万円、無事終われば戻る金)、勤務先の協力書面を揃える4. 請求は起訴後できるだけ早く出す
訴えられた側:1. 起訴されたら即座に弁護人と保釈請求を準備、勾留が長引くほど不利になる2. 権利保釈(89条)の除外事由に当たらないか確認、当たる場合は裁量保釈(90条)で必要性を訴える3. 否認事件で罪証隠滅のおそれを指摘されたら、主要証拠が既に検察の手中にあること、関係者と接触しない誓約を具体的に示す4. 保証金が用意できない場合、保釈支援協会の立替・貸付制度も選択肢に入れる
時効(請求できる期限):保釈請求自体に法定の期限はなく、起訴後はいつでも請求できる。ただし早いほど有利。請求が却下された場合は、その裁判の告知から3日以内に準抗告(429条)で争える。勾留は原則2か月、以後1か月ごとに更新されるため、更新のタイミングも再請求の好機となる
学説
通説:88条1項は保釈の請求権者を被告人本人に限定せず、弁護人や近親者にまで広げることで、身体拘束された本人が自ら動けない場面でも自由回復の途を確保する趣旨と解されている。請求できることと、89条・90条により実際に許されることは別問題と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定により、保釈の請求権者を被告人本人のほか弁護人・近親者に広げる規定として置かれた。
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