刑事訴訟法 第91条
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- 勾留による拘禁が不当に長くなつたときは、裁判所は、第八十八条に規定する者の請求により、又は職権で、決定を以て勾留を取り消し、又は保釈を許さなければならない。
- 2.第八十二条第三項の規定は、前項の請求についてこれを準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第91条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第91条の条文原文は「勾留による拘禁が不当に長くなつたときは、裁判所は、第八十八条に規定する者の請求により、又は職権で、決定を以て勾留を取り消し、又は保釈を許さなければならない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第91条は第八章 被告人の召喚、勾引及び勾留に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第91条の前の条は刑事訴訟法第90条です。
- 刑事訴訟法第91条の次の条は刑事訴訟法第92条です。
- 刑事訴訟法第91条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第91条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第91条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/91
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法91条は、勾留による拘禁が不当に長くなったとき、裁判所が請求または職権で勾留を取り消すか保釈を許さなければならないと定める義務規定である。
Q · 起訴されてから何ヶ月も勾留が続いているけど、出してもらう方法はないの?
「不当に長い」と認められれば裁判所に釈放が義務づけられます
刑事訴訟法91条により、勾留による拘禁が不当に長くなったとき、裁判所は第88条所定の者の請求または職権で、決定をもって勾留を取り消すか保釈を許さなければなりません。起訴後の被告人勾留には被疑者段階のような確定的な日数の上限がなく、2ヶ月ごとに更新されますが、拘束が一線を越えたと認められれば裁判所は釈放を義務づけられます。請求できるのは被告人本人だけでなく、配偶者・親・兄弟姉妹も独立して請求できます(82条3項準用)。
解説
あなたの家族が起訴され、裁判が始まったのに、何ヶ月も拘置所から出られない。弁護人に聞くと「否認しているから保釈は難しい」と言われ、面会のたびにやつれていく姿を見るしかない。多くの人がここで諦める。だが刑事訴訟法91条は別の道を用意している。起訴後の被告人勾留には、被疑者段階のような明確な日数制限がなく、2ヶ月ごとに更新され、理屈の上では裁判が終わるまで続きうる。その拘束が「不当に長くなった」と裁判所が認めたとき、裁判所は勾留を取り消すか、保釈を許さなければならない。注目すべきは語尾だ。「できる」ではなく「しなければならない」。これは裁判官の裁量ではなく義務である。そして請求できるのは被告人本人だけではない。配偶者、親、兄弟姉妹も、それぞれ独立して請求できる(82条3項準用)。家族が動かせるカードが、ここにある。
法的な位置づけ
刑事訴訟法91条は、被告人勾留による拘禁が不当に長期化した場合の救済規定である。勾留が不当に長くなったとき、裁判所は第88条所定の者の請求または職権により、決定をもって勾留を取り消し、又は保釈を許さなければならない。これは裁判所の裁量ではなく、法的義務として構成される点に特徴がある。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.勾留の経過を時系列で記録する 起訴日、各勾留更新の日付、証人尋問・証拠調べの進捗を時系列で整理する。「不当に長い」は審理の進行と拘束期間の対比で判断されるため、この記録が判断材料の土台になる
- 2.拘束を続ける不利益を示す資料を集める 被告人の健康状態を示す診断書、就労・家族・養育の状況など、勾留継続による具体的不利益を裏づける資料を揃える。高齢・持病は「不当に長い」の重要な判断要素になる
- 3.罪証隠滅のおそれが減る節目を狙う 証人尋問や証拠調べが終わった直後など、隠滅できる証拠が事実上なくなる節目に合わせて、保釈・勾留取消しを請求する。同じ請求でも提出時期で結果が変わる
- 4.家族が独立して請求し、勾留理由開示も併用する 配偶者・親・兄弟姉妹が弁護人とは別に保釈・勾留取消しを請求する。並行して勾留理由開示(82条)を請求し、裁判所に公開法廷で拘束理由を説明させ、不当な長期勾留への圧力をかける
よくある質問 AI による整理
Q1被告人勾留に期間の上限はありますか?
確定的な上限はありません。公訴提起時から2ヶ月、その後1ヶ月ごとに更新され(60条2項)、理屈の上では裁判が終わるまで続きえます。
Q2勾留取消しと保釈は何が違いますか?
勾留取消し(87条・91条)は勾留自体を消滅させる処分で保証金不要、保釈(89条以下)は保証金を条件に身体拘束を解く処分です。
Q3家族でも保釈や勾留取消しを請求できますか?
できます。被告人本人のほか、配偶者・直系親族・兄弟姉妹は弁護人と独立して請求できます(88条、82条3項準用)。
Q4「不当に長い」と認められる目安はありますか?
明確な月数基準はなく、罪の重さ・事件の複雑さ・審理の進行度・被告人の健康や年齢を総合して判断されます(91条)。
Q5保釈請求が却下されたら、もう諦めるしかないですか?
諦める必要はありません。証拠調べ終了など事情が変われば再請求でき、勾留が続く限り何度でも請求できます。
Q6勾留理由開示とは何ですか?
裁判所が公開の法廷で勾留の理由を説明する手続です(82条)。拘束の正当性を可視化し、長期勾留への圧力になります。
Q7保釈保証金が用意できない場合はどうなりますか?
保釈支援団体の立替制度や、保証書による代用(94条)を弁護人と検討できます。資力不足だけで保釈を諦める必要はありません。
Q8起訴後の勾留が続くと仕事はどうなりますか?
長期欠勤を理由に懲戒解雇へ動かれる恐れがあります。91条による早期釈放が、雇用喪失を防ぐ分岐点になりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1否認していると、本当に保釈されないんですか?
否認それ自体が保釈を禁じる理由ではありません。ただし権利保釈の除外事由に「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」があり(89条4号)、否認事件はこれを認められやすいのが実情です。実務のポイント:証人尋問や証拠調べが終われば、隠滅できる証拠は事実上なくなります。弁護人はこの「証拠調べ終了」のタイミングを狙って保釈請求を重ねる。同じ請求でも、出す時期で結果が正反対になることを、経験ある弁護人は知っている
Q2「不当に長い」って、何ヶ月勾留されたら認められるんですか?
明確な月数基準はありません。罪の重さ、事件の複雑さ、審理がどれだけ進んだか、被告人の健康・年齢などを総合して判断されます(91条)。実務のポイント:「不当に長い」を正面から主張するより、健康悪化の診断書や審理長期化の具体的事実を積み上げて「職権での発動」を促す上申書が実務では効く。裁判所は条文を機械的に当てはめるのではなく、釈放を正当化できる材料を欲しがっている。その材料をこちらから揃えるのが勝ち筋だ
間違えやすい点 AI による整理
- 「起訴されたら、勾留にも被疑者のときみたいな日数制限があるはず」と思っている人が多い。実は被告人勾留に確定的な上限はなく、2ヶ月ごとに何度でも更新されうる。「いつか自動的に出られる」という期待そのものが、立てた前提から誤っている
- 保釈という言葉は知っていても、その「重さ」を知らない人は多い。起訴後に勾留が続くと、勤務先は長期欠勤を理由に懲戒解雇へ動き、家計が崩れ、子の養育環境まで揺らぐ。身体拘束は「不便」ではなく、生活基盤の連鎖的崩壊の引き金だ
- あなたから見れば「無実だから堂々と否認している」。だが裁判所から見れば「否認=罪証隠滅のおそれが残る」と評価されうる。この見え方の落差が、否認する被告人ほど勾留が長引くという逆説を生む。落差を埋めるのが弁護人の仕事だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動の引き金 | 91条:勾留による拘禁が「不当に長くなった」とき | 89条:保釈請求があり除外事由に当たらないとき(権利保釈) 87条:勾留の理由・必要が消滅したとき |
| 裁判所の対応 | 勾留取消しか保釈を「許さなければならない」(義務) | 原則として保釈を「許さなければならない」(必要的) 勾留を取り消さなければならない(必要的) |
| 保証金の要否 | 取消しなら不要、保釈なら必要 | 原則として保証金が必要 不要(勾留自体が消える) |
| 請求権者 | 被告人・配偶者・直系親族・兄弟姉妹・弁護人(88条) | 被告人・配偶者・直系親族・兄弟姉妹・弁護人(88条) 被告人側の請求または職権 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は羈押期間に明文の上限と延長回数制限(108条)を置く点で日本と異なり、加えて具保停止羈押(110条)で保釈に相当する救済を用意する。
韓国は구속취소(93条)と보석(94条)を区別し、加えて구속적부심사(214条의2)で拘束の当否を早期に争える点が手厚い。
ドイツは未決勾留が原則6ヶ月を超えてはならず、超える場合は高等裁判所の特別審査を要する(§ 121)。日本のような明確な上限がない構造と対照的。
米国は迅速裁判法で起訴・公判の期限を定め、保釈改革法で原則保釈を制度化。長期拘束は迅速裁判条項違反として争われうる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 夫が起訴されてから4ヶ月、保釈請求は二度却下された。「証拠隠滅のおそれ」が理由だが、証人尋問はもう終わっている。隠滅できる証拠が事実上なくなった今、91条の不当長期と89条の権利保釈を組み合わせて、三度目の請求を組み立てる場面だ
- あなたは無実を主張して否認している。認めれば早く出られると取調官に示唆されたが、嘘の自白はしたくない。その結果、勾留が更新され続けて半年。否認を貫く代償として身体の自由が削られていくとき、91条は否認の当否とは別軸の救済を与える
- もし審理が一年以上に及び、被告人が高齢で持病を抱えていたら? 体調悪化は「不当に長い」の重要な判断要素になる。次の勾留更新まであと10日、診断書を揃えて職権発動を促す上申書を出せるかが分かれ目になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 勾留の経過を時系列で記録:起訴日、各更新の日付、証人尋問・証拠調べの進捗。「不当に長い」は審理の進行と拘束期間の対比で判断される2. 配偶者・親・兄弟姉妹は弁護人とは別に、独立して保釈・勾留取消しを請求できる(88条、82条3項) 3. 被告人の健康状態(診断書)、就労・家族状況など「拘束を続ける不利益」を示す資料を集める4. 証拠調べ終了など、罪証隠滅のおそれが減る節目を狙って請求する
訴えられた側:1. 取調べでは黙秘権を行使しつつ、勾留の長期化には弁護人を通じて保釈・勾留取消しを請求する2. 否認していても保釈は不可能ではない、証拠が保全され関係者と接触の危険が低いことを具体的に示す3. 保証金が用意できない場合、保釈支援団体の立替制度や保証書(94条)の活用を弁護人と検討する4. 一度却下されても、審理の進行で事情が変われば再請求できる、諦めない
時効(請求できる期限):91条の請求自体に特定の期限はなく、勾留が続く限りいつでも、何度でも請求できる。ただし被告人勾留は公訴提起時から2ヶ月、その後1ヶ月ごとに更新される(60条2項)ため、更新の節目が判断の現実的な区切りになる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:91条の「不当に長い」は固定的な月数基準ではなく、被疑事実の軽重・事件の複雑さ・審理の進行度・被告人の健康や年齢などを総合して判断される。義務規定であり、要件を満たせば裁判所の釈放は羈束される、と解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:戦後の刑事訴訟法全面改正により、身体拘束への司法的歯止めの一環として、不当に長期化した勾留の取消し・保釈を裁判所に義務づける本条が設けられた。
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