刑事訴訟法 第87条
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- 勾留の理由又は勾留の必要がなくなつたときは、裁判所は、検察官、勾留されている被告人若しくはその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹の請求により、又は職権で、決定を以て勾留を取り消さなければならない。
- 2.第八十二条第三項の規定は、前項の請求についてこれを準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第87条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第87条の条文原文は「勾留の理由又は勾留の必要がなくなつたときは、裁判所は、検察官、勾留されている被告人若しくはその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹の請…」で始まります。
- 刑事訴訟法第87条は第八章 被告人の召喚、勾引及び勾留に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第87条の前の条は刑事訴訟法第86条です。
- 刑事訴訟法第87条の次の条は刑事訴訟法第88条です。
- 刑事訴訟法第87条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第87条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第87条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/87
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法87条は、勾留の理由または必要がなくなったとき、裁判所が請求または職権で勾留を取り消さなければならないと定める。保証金は不要で、家族も請求できる。
Q · 保釈金が用意できなくても、勾留から出る方法はありますか?
あります。理由や必要が消えれば保証金なしで取り消されます
刑事訴訟法87条の勾留取消しは、勾留の理由(逃亡・証拠隠滅のおそれ)または勾留の必要そのものがなくなったとき、保証金なしで裁判所が勾留を取り消す制度です。保釈(88条以下)が保証金を前提とするのと異なり、要件さえ満たせば金銭は不要です。請求できるのは本人と弁護人だけでなく、配偶者・直系の親族・兄弟姉妹も自分の名で請求でき、裁判所の職権による取消しも認められます。
解説
勾留と保釈を混同している人は多い。保釈は保証金を積んで一時的に外に出る制度だが、87条の勾留取消しはまったく別物だ。逃亡のおそれも証拠隠滅のおそれも消えた、あるいは勾留を続ける必要そのものがなくなった。そのとき裁判所は『決定で勾留を取り消さなければならない』。保証金は一円も要らない。さらに請求できるのは本人と弁護人だけではない。あなたが配偶者・親・子・兄弟姉妹なら、勾留されている家族のために自分の名前で取消しを請求できる。検察官側の証人尋問が終わり、隠滅すべき証拠がもう残っていない局面、ここが分水嶺だ。多くの被告人は保釈金を用意できずに諦めるが、取消しの要件さえ満たせば、金を積まずに出られる道がある。それを知っているかどうかで、留置場で過ごす日数が変わる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法87条が定める勾留の取消しとは、勾留の理由または勾留の必要が消滅したときに、裁判所が決定によって勾留を解く制度をいう。請求権者は検察官・被告人・弁護人・法定代理人・保佐人・配偶者・直系の親族・兄弟姉妹に及び、職権による取消しも認められる。保証金を要する保釈とは法的性質を異にする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.勾留状を確認し取消事由を特定する 勾留状を入手し、勾留の理由(60条の逃亡・証拠隠滅のおそれ)が具体的に何かを特定する。どの理由が消えたのか、または勾留の必要が過大なのかを切り分ける
- 2.請求権者を確認する(家族も可) 配偶者・直系の親族(親や子)・兄弟姉妹は、弁護人を待たず自分の名で取消請求が可能。82条3項の準用により各自が別々に請求できることを確認する
- 3.理由が消える局面を狙う 証拠隠滅のおそれが客観的に消える局面(検察官側の証人尋問終了後など)を狙う。公判の進行表を確認し、最も効く時機に請求書を出せるよう準備する
- 4.取消請求書を裁判所へ提出する 理由・必要が消滅したことを裏づける資料や身元引受の上申書を添えて、取消請求書を裁判所へ提出する。弁護人と連携すると認容率が上がる
- 5.却下されたら抗告・準抗告で争う 請求が却下されたら、被告人勾留は抗告(419条)、被疑者勾留は準抗告(429条)で速やかに不服を申し立てる。遅れると身体拘束が事実として積み上がる
よくある質問 AI による整理
Q1勾留の取消しとは何ですか?
勾留の理由または必要がなくなったときに、裁判所が決定で勾留を解く制度です(刑事訴訟法87条)。保証金を要する保釈と異なり、要件を満たせば無償で身体拘束が解かれます。
Q2勾留取消しに保釈金は必要ですか?
必要ありません。保釈金(保証金)が要るのは保釈(88条以下)で、87条の勾留取消しは勾留の理由や必要が消えれば金銭の有無に関わらず取り消されます。
Q3勾留取消しは誰が請求できますか?
検察官・被告人本人・弁護人・法定代理人・保佐人に加え、配偶者・直系の親族・兄弟姉妹も自分の名で請求できます。裁判所が職権で取り消すこともあります。
Q4勾留取消しの「理由がなくなった」とはどういう状態ですか?
逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれ(60条の勾留理由)が客観的に消えた状態を指します。検察官側の証人尋問が終わり隠滅対象の証拠が残っていない局面が典型です。
Q5勾留取消しが認められるのはどんなときですか?
勾留の理由が消えたとき、または事案の軽さに比べ拘束が過大で勾留の必要がなくなったときです。比例原則の観点から過剰な身体拘束は取消しの対象になります。
Q6勾留取消しの請求が却下されたらどうすればよいですか?
被告人勾留なら抗告(419条)、被疑者勾留なら準抗告(429条)で不服を申し立てます。最初の請求書に不服申立てを見据えた理由づけを仕込むと切り替えが速くなります。
Q7被疑者でも勾留取消しを請求できますか?
できます。87条は207条により被疑者勾留にも準用されます。起訴前で保釈が使えない段階でも、取消しという出口は残されています。
Q8勾留取消しの請求に期限はありますか?
請求自体に期限はなく、勾留が続く限りいつでも請求できます。ただし却下決定への不服申立て(抗告・準抗告)は速やかに行う必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保釈と勾留取消しって、何が違うんですか?
保釈(88条以下)は保証金を積んで勾留の執行を止める制度で、保証金が戻る前提で一時的に外に出ます。一方87条の勾留取消しは、勾留の理由か必要そのものが消えたときに、保証金なしで勾留を解く制度です。実務のポイント:保釈は被告人にしか使えませんが、勾留取消しは被疑者段階(207条準用)でも使えます。起訴前で保釈が使えない局面でも、取消しという出口は残っている。弁護人がここを見落とすと、出られる人が留め置かれる
Q2家族が逮捕されたんですが、私が何か手続できますか?
できます。87条は82条3項を準用するので、配偶者・直系の親族(親や子)・兄弟姉妹は、弁護人とは別に自分の名で勾留取消しを請求できます。各自が別々に請求する形です。実務のポイント:実務では弁護人が請求するのが普通ですが、家族の請求権は弁護人選任が遅れているときの保険になる。さらに家族が身元引受人として上申書を出すと、逃亡のおそれが低いことの裏づけになり、取消しが通りやすくなる
Q3病気で体調が悪いんですが、これで勾留を取り消してもらえますか?
病気は原則として87条の取消事由ではありません。理由か必要が『なくなった』ことが要件で、病気は勾留の執行を一時的に止める勾留執行停止(95条)の問題です。実務のポイント:取消しと執行停止は出口が別で、間違えると主張が空振りします。重病なら執行停止で病院へ、逃亡・証拠隠滅のおそれが消えたなら取消しで釈放、と使い分ける。弁護人にどちらの筋で攻めるか最初に確認すると速い
間違えやすい点 AI による整理
- 「外に出るには保釈金が必要」と思い込んでいる人が多いが、87条の勾留取消しに保証金は一切要らない。勾留の理由か必要が消えていれば、金銭の有無と無関係に裁判所は取り消さなければならない。保釈一択だと思った瞬間、無料の選択肢を自分で捨てている
- 「勾留取消しは弁護人がやるもの」と知ってはいても、その射程の広さを知らない。82条3項を準用する結果、配偶者・直系の親族(親や子)・兄弟姉妹まで、それぞれが自分の名で請求できる。家族が動けるという事実を知らないために、弁護人選任で手間取っている間、本人は留置場に留め置かれ続ける
- 「取消しを請求すれば早く出られるか」という問いの立て方そのものがずれている。87条は理由か必要が『なくなった』ときの制度であって、最初から勾留すべきでなかったなら、勾留裁判への不服申立てで争うのが筋だ。出口を間違えると、勝てる主張を負ける土俵で戦うことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 法的性質 | 87条:理由・必要の消滅による勾留の取消し | 88条:保証金を積んで勾留の執行を止める保釈 95条:一時的に勾留の執行を止める勾留執行停止 |
| 保証金 | 不要 | 必要(保証金を納付) 原則不要 |
| 主な要件 | 勾留の理由または必要がなくなったこと | 除外事由に当たらないこと(権利保釈・裁量保釈) 病気など身体上の事情等、執行停止の相当性 |
| 効果 | 勾留そのものが消滅し釈放 | 勾留は残るが執行停止で釈放(保証金で担保) 勾留は残るが一時的に執行停止 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は『羈押於其原因消滅時,應即撤銷羈押』と定め、原因消滅時の即時撤銷を義務づける点で日本87条と発想が共通する。
韓国も구속의 취소として、구속의 사유가 없거나 소멸된 때の取消しを定め、請求権者の範囲が広い点も日本と類似する。
ドイツは勾留の前提が消滅したとき、または拘束が事案に比して過大なとき(比例原則)に勾留状を取り消すとし、87条の二事由構成と対応する。
米国は保釈・条件付釈放を中心とし、拘束理由が満たされない場合に釈放する枠組み。日本の『無償の取消し』に正確に対応する制度はなく、釈放は条件設定と一体で運用される。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 兄が痴漢の疑いで勾留された。家族として何もできないと思っていたが、87条はあなた(兄弟姉妹)に直接の請求権を与える。弁護人の選任を待たずとも、配偶者・親・子・兄弟姉妹は自分の名で勾留取消しを請求できる。
- もし起訴後、検察官側の証人尋問がすべて終わったらどうなる? あなたが被告人なら、もう隠滅できる証拠は残っていない。証拠隠滅のおそれという勾留理由が客観的に消えた瞬間、87条の取消請求を出す最適のタイミングが来ている。多くの弁護人がこの一点を狙う
- 勾留取消しの請求をしたが却下された。あなたに残された手は、被告人勾留なら抗告(419条)、被疑者勾留なら準抗告(429条)。不服申立てには時機がある。動きが遅れれば公判はそのまま進み、身体拘束は事実として積み上がっていく
- 万引きで現行犯逮捕され、被害額は数千円。それなのに勾留が続いている。事案の軽さに比べて身体拘束が重すぎるなら、勾留の『必要』がないとして取消しを求められる。比例原則は条文の文言の裏に生きており、ここを突くのが弁護の腕の見せどころだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず勾留状を確認し、勾留の理由(60条の逃亡・証拠隠滅のおそれ)が具体的に何かを特定する2. 配偶者・親・子・兄弟姉妹なら、弁護人を待たず自分の名で取消請求が可能。各自が別々に請求する必要がある(82条3項準用) 3. 証拠隠滅のおそれが消える局面(証人尋問終了後など)を狙って請求書を出す4. 私選・国選いずれかの弁護人と連携し、理由が消滅したことを裏づける資料や身元引受の上申書を添える
訴えられた側:1. 被告人本人として、勾留の『理由』と『必要』のどちらが消えたのかを切り分ける。証拠隠滅なら証拠の所在、逃亡なら住居・身元引受人の有無を具体的に示す2. 事案の軽さに比して拘束が過大なら『必要なし』を正面から主張3. 請求が却下されたら、被告人勾留は抗告(419条)、被疑者勾留は準抗告(429条)で速やかに不服を申し立てる4. 病気など身体上の事情は取消しではなく勾留執行停止(95条)が筋。出口を選び間違えないこと
時効(請求できる期限):取消しの請求自体に期限はなく、勾留が続く限りいつでも請求できる。請求を却下する決定への不服申立ては、被告人勾留なら抗告(刑事訴訟法419条、通常抗告は原則として期間制限なし)、被疑者勾留なら準抗告(同429条)による(最新の手続要件をご確認ください)
学説
通説:87条の取消事由は『勾留の理由』の消滅と『勾留の必要』の消滅の二本立てで理解される。前者は60条の逃亡・証拠隠滅のおそれの消失、後者は比例原則に照らした拘束継続の相当性の喪失を指すとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 改正:旧刑事訴訟法の全部改正により現行法を制定。戦後の人権保障の理念を反映し、身体拘束の司法統制と勾留取消しの規定を整備した。
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