刑事訴訟法 第92条
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- 裁判所は、保釈を許す決定又は保釈の請求を却下する決定をするには、検察官の意見を聴かなければならない。
- 2.検察官の請求による場合を除いて、勾留を取り消す決定をするときも、前項と同様である。但し、急速を要する場合は、この限りでない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第92条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第92条の条文原文は「裁判所は、保釈を許す決定又は保釈の請求を却下する決定をするには、検察官の意見を聴かなければならない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第92条は第八章 被告人の召喚、勾引及び勾留に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第92条の前の条は刑事訴訟法第91条です。
- 刑事訴訟法第92条の次の条は刑事訴訟法第93条です。
- 刑事訴訟法第92条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第92条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第92条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/92
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法92条は、裁判所が保釈の許否を決定する際に検察官の意見を聴く義務を定める。ただし検察官の意見に拘束力はなく、最終判断は裁判官が行う。
Q · 保釈を申請したのに検察官が反対したら、もう諦めるしかないの?
検察官が反対しても、最終的に決めるのは裁判官です
刑事訴訟法92条1項により、裁判所は保釈を許可・却下する決定の前に検察官の意見を必ず聴かなければなりません。しかし検察官の意見は裁判所を拘束しません。最終判断は裁判官にあり、弁護人が罪証隠滅や逃亡のおそれがないことを具体的に立証すれば、検察官の反対を覆して保釈が認められた例は数多くあります。検察官の意見には「然るべく(実質的に反対しない)」と「不相当(反対)」があり、保釈交渉の主戦場はこの意見をどう中和するかにあります。
解説
家族が起訴され、弁護士から「保釈を申請しましょう」と言われ、数百万円の保証金も準備した。それでも保釈が下りないことがある。なぜか。保釈を許すかどうかを最終的に決めるのは裁判官だが、その決定の前に、裁判所は必ず検察官の意見を聴かなければならない。刑事訴訟法92条がそう命じている。ここで検察官が「不相当」と述べると、現実には保釈が認められにくくなる。だが覚えておくべきは、検察官の意見は裁判所を拘束しないという一点だ。法律上、最終判断はあくまで裁判官にある。検察官が反対しても、弁護人が罪証隠滅や逃亡のおそれがないことを具体的に立証すれば、保釈は通る。つまりこの条文は、検察官に「関所」の役割を与えつつ、最後の鍵は裁判官の手元に残している。保釈交渉の主戦場が、検察官の意見をどう中和するかにあると分かれば、あなたの動き方は根本から変わる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法92条は、保釈の許否および勾留取消しの決定における検察官の意見聴取を定める手続規定である。裁判所は保釈を許可・却下する決定に先立ち検察官の意見を聴く義務を負うが、その意見に法的拘束力はなく、保釈の最終判断は裁判所の権限に属する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.起訴後すぐ弁護人と保釈請求の準備 起訴された直後に弁護人と保釈請求を準備する。起訴前には保釈そのものが存在しないため、勾留段階では勾留理由開示や準抗告を使い、起訴と同時に保釈へ切り替える
- 2.検察官の意見を「然るべく」に近づける布石 保釈請求の前に、被害者との示談、身元引受人の確保、パスポート提出の申し出、定職・家族の存在を疎明する資料を固める。意見が出てから動くと手遅れになりやすい
- 3.否認事件でも罪証隠滅のおそれを具体的に否定 否認事件では検察が罪証隠滅のおそれを理由に反対しやすい。否認イコール隠滅ではないとする裁判例を引き、証拠が既に収集済みで隠滅の現実的余地がない点を立証する
- 4.却下されたら準抗告で再判断を求める 検察官の不相当意見で保釈が却下されても終わりではない。準抗告(刑事訴訟法429条)で別の裁判体に再判断を求め、事情を尽くせば結論が変わることがある
よくある質問 AI による整理
Q1保釈の検察官の意見とは何ですか?
保釈の許否を決める前に裁判所が聴かなければならない検察官の見解です。刑事訴訟法92条1項が義務付けており、「然るべく」と「不相当」の二系統があります。
Q2検察官が不相当と言ったら保釈は通らないですか?
通らないとは限りません。検察官の意見は裁判所を拘束せず、最終判断は裁判官にあります。逃亡・罪証隠滅のおそれを具体的に否定すれば覆る例があります。
Q3起訴前に保釈は申請できますか?
できません。保釈は起訴後の制度で、起訴前の勾留段階には保釈そのものが存在しません。起訴前は勾留理由開示や準抗告で対応します。
Q4保釈の検察官の意見「然るべく」とはどういう意味ですか?
裁判所の判断に委ねるという趣旨で、実質的に反対しないサインです。弁護人は請求前の準備でこの意見を引き出すことを目指します。
Q5保釈が却下されたら次の手段はありますか?
あります。準抗告(刑事訴訟法429条)で別の裁判体に再判断を求められます。事情変更を主張して再請求する方法もあります。
Q6否認していると保釈は認められないのですか?
否認それ自体は保釈拒否の正当な理由になりません。検察は罪証隠滅のおそれを主張しますが、否認イコール隠滅ではないとする裁判例が積み上がっています。
Q7保釈の保証金はいくらくらいですか?
資力や事件の性質で決まり、数十万円から重大事件では一千万円超になることもあります。逃亡すれば全額没取され、条件を守れば返還されます。
Q8被害者は保釈に反対の意見を伝えられますか?
伝えられます。担当検察官に報復や証人威迫の不安を伝えれば、検察官は92条の意見に反映し、接近禁止を保釈条件に求めることもできます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1検察官が反対したら、もう保釈は無理ですよね?
そんなことはありません。刑事訴訟法92条で裁判所は検察官の意見を聴く義務はありますが、その意見に従う義務はないからです。最終判断は裁判官にあり、弁護人が罪証隠滅・逃亡のおそれがないことを具体的に立証すれば、検察官の反対を覆して保釈が認められた事案は数多くあります。実務のポイント:検察官の意見には「然るべく」と「不相当」の二系統があり、「然るべく」は実質的に反対しないというサインです。弁護人はまずこの「然るべく」を引き出すため、請求前に示談や身元引受の準備を固めます。意見が出てから動いても手遅れになりやすい
Q2保証金って戻ってくるんですか? 払いっぱなし?
判決が確定し、保釈の条件(出頭義務など)を守り通せば、保証金は全額返還されます(刑事訴訟法93条、94条)。逆に逃亡したり呼び出しに応じなかったりすると、没取されて戻りません。実務のポイント:保証金は被告人本人の資力だけでなく、親族が立て替えても構いません。さらに保釈保証書を発行する協会の制度を使えば、手元に現金がなくても保釈金を立て替えてもらえる場合があります。「お金がないから保釈は無理」と諦める前に弁護人に相談を
Q3急いでいるとき、検察官の意見を飛ばして決めることはあるんですか?
保釈の場合は飛ばせません。92条1項は保釈の許可・却下に検察官の意見聴取を必須としています。ただし2項但書により、勾留を取り消す決定で急速を要する場合だけは、検察官の意見を聴かずに先に決定できます。実務のポイント:この但書が効くのは、被告人の体調急変など一刻を争う勾留取消の場面です。保釈には適用されないので、保釈で「急ぎだから意見聴取を省いてほしい」と求めても通りません。緊急性を活かしたいなら、保釈ではなく勾留取消や勾留執行停止という別ルートを検討するのが実務の発想です
間違えやすい点 AI による整理
- 「検察官が保釈に反対したら絶対に通らない」と思われているが、検察官の意見は裁判所を拘束しない。最終判断は裁判官にあり、検察官の「不相当」を覆して保釈が認められる事案は現実に存在する。反対の一言で諦めるのは、相手の権限を過大評価した敗北だ
- 「逮捕されたらすぐ保釈を申請できる」と考えている人が多いが、問いの立て方そのものが誤っている。保釈は起訴後の制度であって、起訴前の勾留段階では保釈そのものが存在しない。起訴前にできるのは勾留理由開示や準抗告であって、保釈ではない。この違いを知らないと、一番苦しい起訴前の時期に的外れな手を打つことになる
- 保釈に保証金が要ることは知っていても、その金額の重さを甘く見ている人が多い。保証金は被告人の資力や事件の性質で決まり、数十万円から、重大事件では一千万円を超えることもある。しかも一時的な預け金ではなく、逃亡すれば全額が没取される。金額の現実を知らないまま「保釈すればいい」と簡単に口にできない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 92条:保釈決定における検察官の意見聴取(手続) | 89条:権利保釈(必要的保釈)と除外事由 90条:裁量保釈(職権保釈)の判断 |
| 裁判所の権限 | 検察官の意見を聴く義務はあるが拘束されない | 除外事由がなければ原則として許可しなければならない 諸事情を考慮して職権で許可できる |
| 被告人側の主戦場 | 検察官意見の中和(示談・身元引受・準抗告) | 除外事由(重大犯罪・常習・罪証隠滅)に当たらない立証 逃亡・隠滅のおそれがないことの積極的疎明 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は具保停止羈押(保証金による羈押の停止)として規律し、許可の判断は裁判所が行う点で日本の保釈に近い
韓国も保釈の許可決定前に検事の意見を聴くことを定めており、意見聴取の構造が日本と類似する
ドイツは勾留状の執行停止(Außervollzugsetzung)として規律し、条件付き釈放の判断は裁判所が行う
米国は連邦法で保釈条件を定め、逃亡・社会的危険のおそれを基準に検察の主張を踏まえて裁判官が判断する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、起訴された家族の保釈を申請したのに、検察官が「不相当」と意見を出したら、もう諦めるしかないのか。いや、検察官の意見は裁判所を拘束しない。弁護人が逃亡・罪証隠滅のおそれを具体的に否定すれば、検察官の反対を覆して保釈が認められた例は珍しくない。問題は、それを知らずに最初の却下で心が折れることだ
- あなたが暴行事件の被害者で、加害者が起訴された。加害者が保釈されて報復されるのが怖い。あなたは担当検察官に「保釈に反対してほしい」と伝えられる。検察官はその声を踏まえて92条の意見を述べ、必要なら被害者への接近禁止を保釈条件に付すよう求める。被害者の沈黙は、検察官の意見の弱さに直結する
- 勾留されたまま起訴された被告人。保釈請求から検察官の意見聴取、裁判所の決定まで、早ければ即日、長くて数日。あと1日早く動けば、年末年始を留置場ではなく自宅で過ごせたかもしれない
- あなたが容疑を否認して起訴された。検察は「否認イコール罪証隠滅のおそれあり」として保釈に強硬に反対する。これがいわゆる人質司法だ。だが否認それ自体は保釈拒否の正当な理由にならないという裁判例が積み上がっている。争う余地は確実にある
取るべき行動
被害を受けた側:1. あなたが犯罪被害者なら、担当検察官に連絡し、保釈に反対である旨と理由(報復のおそれ、証人威迫の不安)を具体的に伝える。検察官はこれを92条の意見に反映できる2. 被害者参加制度(刑事訴訟法316条の33以下)の利用を検討3. 保釈が認められる場合でも、被害者・証人への接近禁止を保釈条件に付すよう検察官経由で求める4. 加害者の身柄状況が不安なら、検察官に連絡先を伝えて動きがあれば知らせてもらうよう頼んでおく
訴えられた側:1. 起訴されたら直ちに弁護人と保釈請求の準備、起訴前にはそもそも保釈は存在しないと心得る2. 検察官の意見を「然るべく」に近づける布石を先に打つ:被害者との示談、身元引受人、パスポート提出の申し出、定職・家族の存在を疎明する資料3. 否認事件でも「否認イコール罪証隠滅」ではないと裁判例を引いて反論4. 却下されたら準抗告(429条)、それでも駄目なら事情変更を主張して再請求する
時効(請求できる期限):保釈請求自体に法定の期限はなく、起訴後であればいつでも請求できる。請求を受けた裁判所は検察官の意見を聴いたうえで速やかに決定する(実務上は即日から数日)。第一審判決の言渡し後も保釈は可能だが、保釈の効力は判決が確定するまでである
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