刑事訴訟法 第278条の3
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- 裁判所は、必要と認めるときは、検察官又は弁護人に対し、公判準備又は公判期日に出頭し、かつ、これらの手続が行われている間在席し又は在廷することを命ずることができる。
- 2.裁判長は、急速を要する場合には、前項に規定する命令をし、又は合議体の構成員にこれをさせることができる。
- 3.前二項の規定による命令を受けた検察官又は弁護人が正当な理由がなくこれに従わないときは、決定で、十万円以下の過料に処し、かつ、その命令に従わないために生じた費用の賠償を命ずることができる。
- 4.前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
- 5.裁判所は、第三項の決定をしたときは、検察官については当該検察官を指揮監督する権限を有する者に、弁護士である弁護人については当該弁護士の所属する弁護士会又は日本弁護士連合会に通知し、適当な処置をとるべきことを請求しなければならない。
- 6.前項の規定による請求を受けた者は、そのとつた処置を裁判所に通知しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第278条の3は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第278条の3の条文原文は「裁判所は、必要と認めるときは、検察官又は弁護人に対し、公判準備又は公判期日に出頭し、かつ、これらの手続が行われている間在席し又は在廷することを命ずることができる…」で始まります。
- 刑事訴訟法第278条の3は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第278条の3の前の条は刑事訴訟法第278条の2です。
- 刑事訴訟法第278条の3の次の条は刑事訴訟法第279条です。
- 刑事訴訟法第278条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第278条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第278条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/278_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法278条の3は、裁判所が検察官・弁護人に出頭と在廷を命じることができ、正当な理由なく従わなければ10万円以下の過料を科せると定める。
Q · 裁判で弁護人や検察官が法廷に来ないとき、裁判所は何かできるの?
出頭と在廷を命じ、従わなければ過料を科せます
刑事訴訟法278条の3により、裁判所は必要と認めれば検察官や弁護人に出頭と在廷を命じられます。正当な理由なく従わなければ、決定で10万円以下の過料と、欠席で生じた費用の賠償を科せます(3項)。さらに検察官は指揮監督権者へ、弁護士は所属弁護士会や日弁連へ通知され(5項)、懲戒手続の入口になります。過料決定には3日以内に即時抗告が可能です(4項)。
解説
刑事裁判が始まったのに、弁護人や検察官が法廷に現れず、期日が空転する。勾留されている被告人にとっては拘束が延び、精神的にも経済的にも消耗するだけだ。刑事訴訟法278条の3は、この空転を裁判所の側から止める仕組みである。裁判所は必要と認めれば、検察官や弁護人に対し、公判準備や公判期日に出頭し、その間在廷せよと命じることができる。命令を正当な理由なく無視すれば、決定で10万円以下の過料を科され、さらに欠席で生じた費用の賠償まで命じられる。それだけではない。検察官なら指揮監督権限を持つ者に、弁護士なら所属弁護士会や日弁連に通知され、懲戒手続の入口に立たされる。かつて出廷拒否は弁護側の引き延ばし戦術として使われたが、この条文はその武器を裁判所の手で無力化する。あなたの裁判が誰のせいで止まっているのか、その責任を可視化する装置だ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法278条の3は出頭在廷命令を定める規定であり、裁判所が必要と認めるとき、検察官または弁護人に対し公判準備および公判期日への出頭と、その間の在廷を命じることができる旨を規定する。命令に正当な理由なく従わない場合の過料・費用賠償、および弁護士会等への通知も併せて定める訴訟指揮の担保規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.弁護人・検察官の欠席を期日ごとに記録する 公判が止まっている事実を、期日の日付と欠席理由の有無とともに記録に残す。後で出頭在廷命令の発令を求めるときの客観的根拠になる
- 2.裁判所に出頭在廷命令の発令を求める上申書を出す 国選なら裁判所書記官に、私選なら弁護人本人に書面で改善を要求したうえで、改善されなければ裁判所に278条の3の発令を求める上申書を提出する
- 3.(命令を受けた側)欠席の正当な理由を事前に届ける 別件期日や疾病などやむを得ない事情があるときは、欠席の前に必ず書面で裁判所へ理由を届ける。事前通知の有無が『正当な理由』の判断を大きく左右する
- 4.過料決定が出たら3日以内に即時抗告する 決定の告知日から3日以内に即時抗告を提起する(4項・刑訴422条)。費用賠償命令の額や算定根拠もあわせて争う
よくある質問 AI による整理
Q1出頭在廷命令とは何ですか?
裁判所が検察官や弁護人に対し、公判準備や公判期日への出頭とその間の在廷を命じる訴訟指揮上の命令です。刑事訴訟法278条の3が根拠で、空転する審理を裁判所側から止める仕組みです。
Q2弁護人が裁判に来ないとどうなりますか?
裁判所は出頭在廷命令を出せ、正当な理由なく従わなければ10万円以下の過料を科せます。さらに弁護士会や日弁連へ通知され、懲戒手続につながる可能性があります。
Q3出頭在廷命令の過料はいくらですか?
10万円以下です(3項)。あわせて命令違反で生じた費用の賠償も命じられます。額や算定根拠は即時抗告で争えます。
Q4出頭在廷命令に従わないとどうなりますか?
決定で10万円以下の過料と費用賠償を科され、検察官は指揮監督権者へ、弁護士は弁護士会・日弁連へ通知されます(5項)。本当の打撃は過料より懲戒手続です。
Q5過料決定の即時抗告はいつまでですか?
決定の告知から3日以内です(刑事訴訟法422条)。この期間を過ぎると過料が確定し、争えなくなります。
Q6出頭在廷命令は被告人にも出ますか?
出ません。278条の3が名指しするのは検察官と弁護人だけです。被告人の出頭は283条以下の別の規律で動いています。
Q7検察官が出廷しないと刑事裁判はどうなりますか?
検察官の出席は開廷の要件です(刑訴282条)。出廷しなければ開廷できず、裁判所は278条の3の出頭在廷命令で出席を担保します。
Q8弁護人の欠席で裁判が延びるのを止める方法はありますか?
被告人や関係者が、審理が止まっている不利益を書面で裁判所に訴え、出頭在廷命令の発令を促せます。国選なら解任・再選任請求も並行できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国選弁護人がちゃんと弁護してくれず、法廷にも来ません。我慢するしかないんですか?
我慢する必要はない。裁判所は弁護人に出頭在廷命令を出せ(278条の3第1項)、従わなければ過料を科せる。さらに弁護士会への通知(5項)から懲戒につながる道もある。実務のポイント:国選弁護人の交代は『被告人と弁護人の信頼関係が破壊された』と認められれば可能。単なる相性ではなく、欠席や連絡不通といった客観的な不誠実の記録を残しておくことが、解任と再選任を実現する鍵になる
Q2過料って罰金と同じですか? 前科になりますか?
違う。過料は秩序罰で、刑罰である罰金とは別物であり、前科にはならない。本条の過料は決定の形で科され、即時抗告で争える(4項)。実務のポイント:弁護人にとって本当に怖いのは10万円ではなく、5項の弁護士会や日弁連への通知である。これが懲戒手続の端緒となり業務停止などに至れば、収入と信用への打撃は過料の比ではない。だからこそ実務では命令違反は極めて稀だ
間違えやすい点 AI による整理
- 『弁護人が来なければ裁判は止まる、だから出廷拒否は被告人を守る戦術になる』と思われがちだが、必要的弁護事件(刑事訴訟法289条)で確かに開廷はできない一方、裁判所は出頭在廷命令と過料でその不在を強制的に埋めにいく。引き延ばしは長続きしない
- 過料は罰金より軽い『軽微なペナルティ』と捉えられているが、本当の打撃は10万円ではない。弁護士会や日弁連への通知から始まる懲戒手続だ(5項)。過料そのものより、その先の業務停止や信用失墜のリスクがはるかに重い
- 『出頭命令は被告人にも及ぶ』と考える人がいるが、問いの立て方が違う。本条が名指しするのは検察官と弁護人だけである。被告人の出頭は283条以下の別の規律で動いており、混同すると自分の義務の所在を見誤る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する対象 | 278条の3:検察官・弁護人の出頭と在廷を命じる権限 | 282条:公判廷の構成(検察官の出席が開廷要件) 289条:必要的弁護事件(弁護人在廷の要否) |
| 効果 | 命令違反に10万円以下の過料+費用賠償+弁護士会等への通知 | 検察官不出席なら開廷できない 弁護人不在では開廷できない(一定の重罪事件) |
| ねらい | 当事者欠席による審理空転を裁判所側から強制的に止める | 適正な公判廷の成立を確保 重大事件における被告人の防御権保障 |
他国ではどう定めているか 2 か国
ドイツは弁護人(特に必要的弁護の場合)が不出頭・退廷したときの取扱いを定め、遅延を生じさせた弁護人に費用負担を命じうる点で機能的に近い
米国は弁護人・検察官の不出頭を裁判所の固有の侮辱権限(contempt power)で制裁する構造で、過料という独立類型ではなく侮辱罪として処理される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが被告人として勾留されている。公判期日が来るたびに弁護人が現れず、審理が一度も前に進まない。あなたが裁判所に事情を訴えれば、裁判所は出頭在廷命令を出し、それでも来ない弁護人に過料を科せる。長期勾留を止める一手がここにある
- もしあなたが弁護人で、別件と期日が重なり連絡もせず欠席したら、どうなるか。単なる『うっかり』は『正当な理由』にならない。10万円の過料と、所属弁護士会への通知が待っている
- 過料の決定を受けた検察官や弁護人に残された時間は3日。即時抗告の提起期間は3日しかない(刑事訴訟法422条)。この3日を逃せば過料は確定し、争う道は閉じる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 弁護人の欠席で審理が止まっている事実を、期日ごとに記録する(日付と理由の有無を残す) 2. 国選なら裁判所書記官に、私選なら弁護人本人に書面で改善を要求3. 改善されなければ裁判所に対し、出頭在廷命令(278条の3)の発令を求める上申書を提出4. それでも不誠実が続くなら、国選は解任・再選任の請求、私選は解任を検討し、並行して弁護士会への懲戒請求も視野に入れる
訴えられた側:1. 出頭在廷命令を受けたら、欠席せざるを得ない事情(別件期日や疾病など)を事前に書面で裁判所へ届け、『正当な理由』を確保する2. それでも過料決定が出たら、決定の告知から3日以内に即時抗告(4項、刑事訴訟法422条) 3. 弁護士会・日弁連への通知(5項)に備え、経緯を時系列で整理し弁明を準備4. 費用賠償命令の額や算定根拠も即時抗告で争える
時効(請求できる期限):過料決定に対する即時抗告は、決定の告知の日から3日以内(刑事訴訟法422条)。この期間を過ぎると過料が確定し、争えなくなる。出頭在廷命令そのものに期限の定めはなく、命令違反の判断は各期日ごとに個別に行われる
学説
通説:本条の過料は刑罰ではなく秩序罰であり、前科にはならない。もっとも実務上の抑止力の中心は過料そのものではなく、5項の弁護士会・日弁連への通知を端緒とする懲戒手続にあると解されている。
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