刑事訴訟法 第289条
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- 死刑又は無期若しくは長期三年を超える拘禁刑に当たる事件を審理する場合には、弁護人がなければ開廷することはできない。
- 2.弁護人がなければ開廷することができない場合において、弁護人が出頭しないとき若しくは在廷しなくなつたとき、又は弁護人がないときは、裁判長は、職権で弁護人を付さなければならない。
- 3.弁護人がなければ開廷することができない場合において、弁護人が出頭しないおそれがあるときは、裁判所は、職権で弁護人を付することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第289条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第289条の条文原文は「死刑又は無期若しくは長期三年を超える拘禁刑に当たる事件を審理する場合には、弁護人がなければ開廷することはできない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第289条は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第289条の前の条は刑事訴訟法第288条です。
- 刑事訴訟法第289条の次の条は刑事訴訟法第290条です。
- 刑事訴訟法第289条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第289条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第289条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/289
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法289条は、死刑・無期または長期三年を超える拘禁刑にあたる事件では弁護人がなければ開廷できないと定める。弁護人が不在なら裁判長が職権で国選弁護人を付す。
Q · 重い罪で起訴されたら、弁護士なしで自分一人で裁判を受けることはできるの?
できない。弁護人がいなければ開廷できず職権で国選が付く
刑事訴訟法289条により、死刑・無期または長期三年を超える拘禁刑にあたる事件は必要的弁護事件で、弁護人がなければ開廷できません(1項)。弁護人が不在・不出頭のときは、裁判長が職権で弁護人を付さなければなりません(2項)。被告人本人が「弁護士はいらない」と言っても、資力がなくても、その意思を超えて国選弁護人が付きます。2004年改正では、弁護人が出頭しないおそれがある段階で裁判所が先回りして国選を付せるようになりました(3項)。
解説
あなたが重い罪で起訴されたとき、最後にあなたを守るのは「無罪推定」でも「黙秘権」でもない。隣の席に座る弁護人の存在そのものだ。刑事訴訟法289条は、死刑・無期・長期三年を超える拘禁刑にあたる事件では、弁護人がいなければ法廷を開くことすらできないと定める。これを必要的弁護事件と呼ぶ。意味は重い。あなたにお金がなくても、私選弁護人を解任しても、極端な話、あなた自身が「弁護士なんていらない」と言い張っても、裁判長は職権であなたに弁護人を付けなければならない(2項)。さらに2004年の改正で、弁護人が来ないおそれがある段階で、裁判所が先回りして国選弁護人を付けられるようにもなった(3項)。なぜここまでするのか。重罪事件で素人が一人で検察官と渡り合えば、有罪・量刑の判断が公正さを失うからだ。この条文は、あなたの意思を超えてでも作動する、刑事手続の安全装置である
法的な位置づけ
刑事訴訟法289条は必要的弁護を定める規定であり、死刑・無期または長期三年を超える拘禁刑にあたる事件では弁護人の在廷がなければ開廷できない旨を規律する。弁護人が不在の場合、裁判長は職権で弁護人を付さなければならず(2項)、弁護人が出頭しないおそれがある段階でも裁判所が職権で付しうる(3項)。被告人の同意による弁護人省略は認められない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.起訴状を受け取ったら弁護人の有無をまず確認 必要的弁護事件かどうか(罪名と法定刑)を確認する。死刑・無期・長期三年超の拘禁刑にあたるなら弁護人なしには審理が進まないため、放置しても裁判所が国選を付ける。ただし誰になるかは選べない
- 2.自分で選びたいなら法テラス・弁護士会へ即連絡 「当たり外れのある国選」より特定分野(裁判員裁判・否認事件)に強い弁護人を望むなら、起訴直後に法テラス(日本司法支援センター)か弁護士会の刑事当番に連絡し、私選または国選の選任手続を急ぐ
- 3.弁護人と方針が合わないときは解任より面会で調整 解任すると審理が止まるが、3項により裁判所が先回りで国選を付け、しかも事案を知らない弁護人に切り替わるリスクを負う。まず面会を重ねて弁護方針をすり合わせる方が合理的。それでも信頼関係が破綻なら理由を具体的に裁判所へ示す
- 4.弁護人不在のまま開廷されかけたら即異議 弁護人が在廷しないのに審理が進められそうになったら、その場で異議を述べ調書に残させる。必要的弁護違反は訴訟手続の法令違反として控訴理由になりうる(377条・379条)ため、第一審での記録化が控訴審での強力な梃子になる
よくある質問 AI による整理
Q1必要的弁護事件とは何ですか?
死刑・無期または長期三年を超える拘禁刑にあたる事件で、弁護人がいなければ開廷できない事件のことです。刑事訴訟法289条が根拠で、弁護人不在では一秒も審理できません。
Q2どんな罪が必要的弁護事件になりますか?
殺人・強盗・傷害致死・現住建造物放火など法定刑の重い罪です。長期三年を超える拘禁刑にあたるかどうかで判断され、裁判員裁判対象事件はほぼ全て含まれます。
Q3私選弁護人と国選弁護人の違いは何ですか?
私選は自分で選んで費用を払う弁護人、国選は資力不足等のとき裁判所が選任し費用は原則国が負担します。必要的弁護事件で弁護人が不在なら職権で国選が付きます。
Q4起訴される前の取調べでも弁護人は必ず付きますか?
289条は起訴後の公判の規定です。起訴前は被疑者国選(37条の2)で対象が限られ自動ではありません。取調べ段階の空白がもっとも危険な時期です。
Q5必要的弁護事件で弁護人なしに審理が進んだらどうなりますか?
訴訟手続の法令違反として控訴理由になりえます(377条・379条)。第一審でその場で異議を述べ、調書に残しておくことが控訴審での梃子になります。
Q6裁判員裁判は必ず必要的弁護事件ですか?
裁判員対象事件はほぼすべて重罪で、必要的弁護事件と重なります。だから報道で被告人に必ず弁護人がついているのは演出ではなく289条の効果です。
Q7国選弁護人を断ることはできますか?
必要的弁護事件では弁護人なしで開廷できないため、実質的に断れません。本人が拒否しても裁判長が職権で付します(2項)。自分で弁護する自由は認められません。
Q8国選弁護人の費用は誰が払いますか?
原則として国が立て替えます(刑訴38条)。ただし有罪判決のときは訴訟費用として被告人に負担を命じられる場合があります(刑訴181条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1お金がなくても、ちゃんとした弁護士をつけてもらえるんですか?
必要的弁護事件なら、資力に関係なく弁護人なしでは開廷できません(289条2項)。費用が払えなければ国選弁護人が付き、報酬は原則として国が負担します(刑訴38条)。実務のポイント:国選でも刑事弁護に熱心な弁護士は多く、私選より劣るとは限りません。ただし担当はあなたが選べないので、もし特定分野(裁判員裁判、否認事件)に強い人を望むなら、起訴直後に弁護士会の刑事当番や法テラスで早めに動いた方が、希望が通りやすい
Q2重い罪で起訴されたけど、弁護士なしで自分一人で戦うことはできますか?
できません。死刑・無期・長期三年を超える拘禁刑にあたる事件は必要的弁護事件で、あなたが拒否しても弁護人がいなければ法廷を開けません(289条1項・2項)。本人の同意で省略することは認められていません。実務のポイント:これは被告人の自由より手続の客観的公正を優先した設計です。だから「弁護人と方針が合わない」場合でも、弁護人を消す方向ではなく、付いた弁護人をどう使い倒すかを考えるのが現実的な戦い方になる
Q3裁判の途中で弁護士が来なくなったら、その日の審理はどうなるんですか?
必要的弁護事件では、弁護人が在廷しなくなった時点でその期日は続行できません。裁判長は職権で国選弁護人を付さなければならず(289条2項)、出頭しないおそれの段階でも裁判所が先回りで付けられます(同3項)。実務のポイント:2004年改正でこの3項が新設されたのは、弁護人不在を作って審理を引き延ばす戦術が問題化したから。今は引き延ばしが効かない構造になっており、解任しても自分が築いた弁護方針を失うだけに終わりやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 「弁護士を頼むお金がないと、まともな裁判が受けられない」と思い込んでいる人が多い。これは前提が誤っている。必要的弁護事件では、資力の有無に関係なく、弁護人がいなければ開廷できない。お金がないこと自体は、あなたが弁護人を得られない理由にならない
- 国選弁護人が付くのは「被告人が頼んだとき」だと思われがちだが、本条2項はそう書いていない。弁護人がいなければ、裁判長は職権で、つまり被告人の申立てがなくても付さなければならない。あなたが沈黙していても、辞退の意思を示しても、安全装置は勝手に作動する
- 「弁護人を解任し続ければ裁判を引き延ばせる」と考える人がいるが、これは仕組みの深刻さを読み違えている。3項は、弁護人が出頭しないおそれがある段階で裁判所が先回りして国選を付けられるよう2004年に新設された。引き延ばし戦術は封じられており、むしろ自分で選んだ弁護人を失うだけに終わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動の根拠 | 289条:必要的弁護(事件の重さで当然に) | 36条:被告人の請求による国選 37条:裁判所の裁量による国選 |
| 被告人の申立て要否 | 不要。職権で当然に付す(2項) | 必要。貧困等を理由に請求する 不要だが付すかは裁判所の裁量 |
| 弁護人なしの開廷 | 一切できない(1項) | 請求がなければ可能 裁量で付さなければ可能 |
| 対象 | 死刑・無期・長期三年超の拘禁刑事件 | 資力が乏しい被告人全般 上記以外で必要と認める事件 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も最軽本刑三年以上の罪等を強制辯護事件とし、選任がなければ審判長が公設辯護人または指定辯護人を付す。重さ基準で当然に弁護を要する構造が日本と類似する。
韓国は死刑・無期または短期三年以上の懲役等の事件で被告人に弁護人がないとき職権で国選弁護人を選任する。基準の立て方は異なるが必要的国選の発想は共通する。
ドイツは重罪(Verbrechen)や上級裁判所の管轄事件等を列挙して必要的弁護を定める。事件類型を列挙する点で、刑の重さで括る日本とアプローチが異なる。
米国は連邦最高裁判例により、重罪被告人には資力がなくても州が弁護人を付すことを修正6条・14条の要請とした。判例で確立した点が立法で明文化された日本と対照的。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし重罪で起訴された被告人が、初公判の直前に「この弁護士は信用できない」と私選弁護人を解任したら、裁判はどうなるか。答えは、止まる。必要的弁護事件では弁護人不在のまま開廷できないので、裁判所は職権で国選弁護人を付け直すまで審理を進められない。被告人本人の意思だけでは、弁護人なしの裁判を成立させられない
- あなたが裁判員裁判の対象事件(殺人、傷害致死、強盗致傷など)の被告人になったとする。これらはほぼすべて必要的弁護事件だ。あなたが「自分で弁護する」と希望しても認められない。国選弁護人が必ず付く、それは権利であると同時に、あなたが拒否できない手続条件でもある
- 弁護人が公判の途中で病気や辞任で在廷しなくなった瞬間、その日の審理は続行できなくなる。裁判長はその場で職権による国選選任に動く。証人尋問の途中でも止まる、それくらい絶対的な条件だ
- 起訴状が届いて初公判まであと十日。私選弁護人を頼む金がない。何もしなくても、必要的弁護事件なら裁判所が国選弁護人を付ける。だが「自分で良い弁護人を選びたい」なら、法テラスの相談予約は今日動かないと間に合わない
取るべき行動
被害を受けた側:1. あなたが重罪で起訴された側で弁護人がいないなら、まず慌てない。必要的弁護事件では弁護人なしに審理は進まないので、放置しても裁判所が国選を付ける2. ただし「誰に当たるか分からない国選」より自分で選びたいなら、起訴状を受け取った直後に法テラス(日本司法支援センター)か弁護士会に連絡し私選または国選の選任手続を急ぐ3. 私選弁護人に不満があり解任したい場合、次の見通しを立ててから動く。空白期間に重要な期日が来ると不利4. 弁護人不在のまま開廷されかけたら、その場で異議を述べ調書に残させる
訴えられた側:1. 弁護人を出頭させない、解任を繰り返すといった引き延ばし戦術は通用しない。3項により裁判所が先回りで国選を付け、審理は進む2. むしろ自分で築いた弁護方針を失い、事案を知らない国選弁護人に切り替わるリスクを負う3. 弁護人との方針対立があるなら、解任ではなく面会を重ねて方針をすり合わせる方が合理的4. それでも信頼関係が破綻しているなら、解任理由を具体的に裁判所へ示し、適切な国選選任を求める
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。必要的弁護事件で弁護人不在のまま開廷・審理された場合、訴訟手続の法令違反として控訴理由になりうる(刑訴377条・379条)ため、争うなら控訴は判決の告知から14日以内(刑訴373条)。起算点は判決言渡しの日(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:必要的弁護は被告人の利益保護にとどまらず、重罪事件における手続の客観的公正の確保を目的とする制度であると解される。ゆえに被告人本人の同意があっても弁護人を省略することは許されず、自己決定の自由より適正手続の保障が優先される。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年) 公判の充実・迅速化を目的とする改正で、弁護人が出頭しない、または出頭しないおそれがある場合に裁判所・裁判長が職権で国選弁護人を付する仕組み(現2項・3項に対応する規律)を整備し、弁護人不在による審理停滞を防いだ
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 懲役・禁錮の拘禁刑への統合に伴い、対象範囲の文言を「長期三年を超える拘禁刑に当たる事件」へと整理した。必要的弁護事件の実質的範囲は維持
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 改正:公判の充実・迅速化を目的とする改正で、弁護人が出頭しない、または出頭しないおそれがある場合に裁判所・裁判長が職権で弁護人を付する規律(2項・3項)を整備し、弁護人不在による審理停滞・引き延ばしを防いだ。
- 2.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年6月1日)施行 改正:懲役・禁錮の拘禁刑への統合に伴い、対象範囲の文言を「長期三年を超える拘禁刑に当たる事件」へ整理した。必要的弁護事件の実質的範囲は維持されている。
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