刑事訴訟法 第36条
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被告人が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判所は、その請求により、被告人のため弁護人を附しなければならない。但し、被告人以外の者が選任した弁護人がある場合は、この限りでない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第36条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第36条の条文原文は「被告人が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判所は、その請求により、被告人のため弁護人を附しなければならない。但し、被告人以外の者が選…」で始まります。
- 刑事訴訟法第36条は第四章 弁護及び補佐に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第36条の前の条は刑事訴訟法第35条です。
- 刑事訴訟法第36条の次の条は刑事訴訟法第36条の2です。
- 刑事訴訟法第36条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第36条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第36条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/36
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法36条は、貧困等で弁護人を選任できない被告人の請求により、裁判所が国選弁護人を附すと定める。必要的弁護事件を除き請求が必要で、私選弁護人がいれば対象外となる。
Q · お金がなくて弁護士を頼めないとき、裁判所が無料で弁護人をつけてくれるの?
請求すればつくが、有罪時に費用負担を命じられることがある
刑事訴訟法36条により、貧困その他の事由で弁護人を選任できない被告人は、その「請求により」裁判所から国選弁護人を附されます。鍵は『請求』で、死刑・無期・長期3年超の必要的弁護事件(289条)を除けば、自分から請求しない限り弁護人なしで手続が進みます。また被告人以外の者が私選弁護人をつけていれば但書により国選はつきません。さらに完全無料とは限らず、有罪判決時に国選費用を訴訟費用として負担するよう命じられることがあります(181条)。
解説
起訴状が自宅に届いた。弁護士を頼む金はない。ここで多くの人は『起訴されれば国が自動で弁護士をつけてくれる』と信じて待つ。その思い込みが命取りになる。刑事訴訟法36条は、被告人が貧困その他の事由で弁護人を選任できないとき、裁判所はその『請求により』弁護人を附さなければならないと定める。鍵は『請求により』の五文字だ。死刑・無期・長期3年超の必要的弁護事件(289条)を除けば、あなたが自分から請求しない限り、弁護人なしで法廷に立たされる。さらに但書がある。家族や知人が私選弁護人をつけていれば、国選はつかない。そして見落とされがちな事実、国選は完全な無料ではない。有罪判決を受ければ、その弁護費用を訴訟費用としてあなたに負担させる決定が出ることがある(181条)。権利は、知って行使した者にだけ届く。
法的な位置づけ
刑事訴訟法36条は国選弁護人の選任を定める規定であり、被告人が貧困その他の事由により弁護人を選任できない場合に、裁判所がその請求に基づき被告人のため弁護人を附す義務を負う旨を規定する。被告人以外の者が選任した私選弁護人がある場合は、但書により適用されない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.まず資力を確認し資力申告書を準備 自分の資産・収入を確認し、資力申告書を準備する。資力が基準額(おおむね50万円、最新の改正状況をご確認ください)未満なら、裁判所に直接国選弁護人を請求できる
- 2.起訴後、裁判所に国選弁護人の選任を請求 起訴されたら、できるだけ早く裁判所に国選弁護人の選任を『請求』する(36条)。待っていても自動ではつかない。必要的弁護事件(289条)でない限り、請求しなければ弁護人なしで手続が進む
- 3.資力が基準額以上なら弁護士会へ私選の申出 資力が基準額以上の場合は、まず弁護士会へ私選弁護人選任の申出が必要になることがある(36条の2)。申出をしても選任できなかったときに国選請求の道が開ける
- 4.起訴前は当番弁護士→勾留時に被疑者国選を請求 逮捕直後でまだ起訴前なら、家族がすぐ当番弁護士(弁護士会、初回無料)を呼ぶ。勾留が決まったら被疑者国選(37条の2)を請求し、起訴後の36条による継続受任につなげる
よくある質問 AI による整理
Q1国選弁護人とは何ですか?
貧困その他の事由で弁護人を選任できない被告人のために、裁判所が請求に基づいて附する弁護人です。刑事訴訟法36条が根拠で、被告人段階では原則として請求が必要です。
Q2国選弁護人の費用は誰が払いますか?
原則として公費ですが、完全無料とは限りません。有罪判決を受けると、国選費用を訴訟費用として被告人に負担させる決定が出ることがあります(181条)。
Q3国選弁護人はいつから請求できますか?
36条の国選は『被告人』、つまり起訴後の制度です。起訴前は被疑者国選(37条の2)が勾留決定後に使え、それ以前の空白は当番弁護士で埋めます。
Q4被疑者国選と被告人国選の違いは何ですか?
被疑者国選(37条の2)は起訴前の勾留段階、被告人国選(36条)は起訴後の制度です。同じ弁護人が起訴後も継続受任することが多いです。
Q5国選弁護人は解任できますか?
信頼関係が築けない場合でも解任・再選任は容易ではありません。原則として裁判所が選任し(36条・38条)、被告人が自由に交代させることはできません。
Q6国選弁護人の資力基準はいくらですか?
おおむね50万円が目安とされます(最新の改正状況をご確認ください)。基準額未満なら直接国選請求が可能、以上なら弁護士会への私選申出が必要になる場合があります(36条の2)。
Q7当番弁護士と国選弁護人は何が違いますか?
当番弁護士は弁護士会の初回無料相談で、逮捕直後から使えます。国選弁護人は刑事訴訟法上の制度で、被疑者国選・被告人国選とは別の仕組みです。
Q8必要的弁護事件とは何ですか?
死刑・無期・長期3年超の罪に関する事件で、弁護人不在では公判を開けません(289条)。この場合は被告人の請求がなくても弁護人が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1お金がないと、本当に無料で弁護士をつけてもらえるんですか?
貧困その他の事由で弁護人を選任できなければ、請求により裁判所が国選弁護人を附す(36条)。ただし完全無料とは限らず、有罪判決時に国選費用を訴訟費用として負担するよう命じられることがある(181条、最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:実務では資力の乏しい被告人に裁判所が訴訟費用の負担を命じないことも多いが、これは裁量。最初から『無料』と決めつけず、判決時の費用負担の見込みを弁護人に確認する
Q2逮捕されてすぐ国選弁護人を呼べますか?
36条の国選は『被告人』、つまり起訴後の制度であり、逮捕直後・起訴前は対象外。勾留が決まれば被疑者国選(37条の2)が使えるが、逮捕から勾留までの初動は当番弁護士(弁護士会、初回無料)で埋める。実務のポイント:この初動72時間は取調べで最も重要な局面。『国選はまだ』と待つ間に不利な供述調書ができてしまう。逮捕の一報を受けたら、家族がすぐ弁護士会の当番弁護士を呼ぶのが鉄則
Q3国選弁護人って、自分で選べるんですか?
原則として選べない。裁判所が選任する(36条、38条)。弁護人を指名したいなら私選になるが費用は自己負担。実務のポイント:国選弁護人の対応にばらつきがあるのは事実だが、いったん選任されると解任は容易でない。資力があり事件が重大なら、経験ある弁護士を私選で選ぶ価値はある。逆に資力がなければ国選を最大限使い倒す姿勢が現実的だ
Q4家族が逮捕されたとき、私が弁護士を頼んだら本人の国選は受けられなくなりますか?
本人以外が私選弁護人を選任すると、但書により国選はつかない(36条但書)。良かれと思った私選が、結果的に公費の選択肢を消すことになる。実務のポイント:私選を頼むなら費用負担の覚悟を決め、国選で行くなら家族は私選をつけず本人が請求する流れに整理する。方針を決めずに家族が別々に動くと、自分で選択肢を一つ潰してしまう
間違えやすい点 AI による整理
- 『起訴されれば国選弁護人は自動でつく』と思われているが、被告人段階では原則『請求』が要る(36条)。死刑・無期・長期3年超の必要的弁護事件(289条)を除けば、黙っていれば弁護人なしで手続が進む。権利は存在しても、行使しなければ宙に浮く
- 『国選は無料だ』ということは多くの人が知っている。だがその先を知らない。有罪判決を受けると、国選弁護費用を訴訟費用としてあなたに負担させる決定が出ることがある(181条)。タダだと信じて争い方を雑にすると、敗訴と費用負担の二重の打撃を受ける
- 『逮捕されたらすぐ国選弁護人を呼べばいい』という問いの立て方そのものが誤っている。逮捕直後・起訴前・勾留前には、本条の国選も被疑者国選も使えない空白の瞬間がある。『国選』とひとくくりにする前提が、最も大事な初動72時間の対応を誤らせる。その隙間を埋めるのは当番弁護士という別制度だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象段階 | 36条(被告人国選):起訴後 | 30条(私選):被疑者・被告人いずれも 37条の2(被疑者国選):起訴前の勾留段階 |
| 選任の要件 | 貧困その他の事由 + 請求(必要的弁護事件は請求不要) | 本人または一定の者の選任意思 貧困その他の事由 + 勾留 + 請求 |
| 弁護人の選択 | 裁判所が選任、被告人は原則選べない | 本人が自由に選べる 裁判所が選任、被疑者は原則選べない |
| 費用負担 | 原則公費、有罪時に償還を命じられうる(181条) | 全額自己負担 原則公費、有罪時に償還を命じられうる(181条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
必要的弁護事件で指定辯護人(公設弁護人または指定律師)を付す。日本の請求主義より職権付与の色彩が強い類型を含む。
国選弁護人。未成年・高齢・障害・重罪など一定の場合は請求によらず職権で選任する点が日本より広い。
notwendige Verteidigung(必要的弁護)として裁判所が職権で Pflichtverteidiger を選任。資力要件ではなく事件の重大性で判断する設計。
連邦最高裁が貧困な被告人への国選弁護を憲法上の権利として確立。請求の有無を問わず保障する点が日本の請求主義と対照的。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが痴漢の冤罪で逮捕され、そのまま起訴されたら? 貯金は数万円、弁護士費用30万円は出せない。ここで36条の国選を請求できる。だが請求しなければ、否認事件を一人で争うことになる。証拠の精査も反対尋問の準備もないまま法廷に立つ恐ろしさは、経験した者にしか分からない
- 在留外国人のあなたが入管法違反で起訴された。日本語の読み書きに不安がある。国選弁護人も国選通訳も、資力がなければ憲法37条と本条で保障される。『外国人だから無理』と諦める人ほど、この権利を取りこぼす
- 国選で無事に弁護を受けた。だが有罪判決の主文の後、『訴訟費用は被告人の負担とする』の一言。国選費用の請求書が後から来る。無料だと思っていた人ほど驚く
- 逮捕から72時間。まだ起訴されていないこの段階では、本条の国選はまだ使えない。被疑者国選も勾留決定が出てから。この初動の空白を埋められるのは当番弁護士だけ。残り時間は刻一刻と減る
- 家族が逮捕されたと連絡が来た。あなたが私選弁護人を急いで頼むと、皮肉にも但書が働いて本人の国選請求権が消える。良かれと思った行動が、選択肢を一つ潰すことがある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 起訴されたら、できるだけ早く裁判所に国選弁護人の選任を『請求』する(36条)、待っていてもつかない2. 資力申告書を提出、資力が基準額(おおむね50万円、最新の改正状況をご確認ください)未満なら直接国選請求が可能3. 基準額以上なら、まず弁護士会へ私選弁護人選任の申出が必要になる場合がある(36条の2) 4. 逮捕直後でまだ起訴前なら、当番弁護士(弁護士会、初回無料)を呼び、勾留段階で被疑者国選(37条の2)を請求しておく
訴えられた側:1. ある程度の資力があるなら、私選なら弁護人を選べるが費用は自己負担、国選なら選べないが公費、この分岐をまず判断2. 国選でも有罪時に訴訟費用負担を命じられうる(181条)、無罪を争う事件ほどこのリスクと弁護の質を天秤にかける3. 家族が良かれと私選をつけると但書で本人の国選請求権が消える、家族間で方針を統一してから動く4. 弁護人との信頼関係が築けない場合でも解任・再選任は容易でないので、初動の選任段階で慎重に動く
時効(請求できる期限):国選弁護の請求に特定の時効はないが、起訴後すみやかに請求すべき。必要的弁護事件(289条、死刑・無期・長期3年超)は弁護人不在では公判を開けない。被疑者段階の国選(37条の2)は勾留請求があった時点から請求でき、起訴前の初動72時間の空白は当番弁護士で埋める
学説
通説:36条の国選弁護は請求主義を原則とし、貧困その他の事由と請求を要件とする。憲法37条3項の弁護人依頼権を実質化する制度であり、必要的弁護事件(289条)では請求の有無にかかわらず弁護人を要する点で例外をなす。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定により、貧困等で弁護人を選任できない被告人への国選弁護を、その請求により附す制度として規定。
- 2.平成16年(2004年) 改正:被疑者国選弁護制度(37条の2)を創設(平成18年施行)。起訴前の被疑者にも一定の重大事件で国選を可能とし、36条の被告人国選を補完。
- 3.平成28年(2016年) 改正:被疑者国選の対象を勾留全件に拡大(平成30年施行)。起訴前後を通じた国選弁護体制が整備された。
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