刑事訴訟法 第377条
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- 左の事由があることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、その事由があることの充分な証明をすることができる旨の検察官又は弁護人の保証書を添附しなければならない。
- 一法律に従つて判決裁判所を構成しなかつたこと。
- 二法令により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
- 三審判の公開に関する規定に違反したこと。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第377条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第377条の条文原文は「左の事由があることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、その事由があることの充分な証明をすることができる旨の検察官又は弁護人の保証書を添附しなけれ…」で始まります。
- 刑事訴訟法第377条は第二章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第377条の前の条は刑事訴訟法第376条です。
- 刑事訴訟法第377条の次の条は刑事訴訟法第378条です。
- 刑事訴訟法第377条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第377条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第377条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/377
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法377条は、裁判所の構成の違法・無資格裁判官の関与・公開規定違反の三事由を絶対的控訴理由と定め、判決への影響を問わず原判決を破棄させる。主張には保証書の添付が必要。
Q · 証拠も揃っていて有罪。それでも控訴で判決を覆す方法はある?
手続が壊れていれば、有罪でも判決は破棄されます
刑事訴訟法377条は絶対的控訴理由を定めます。裁判所の構成が違法だった、判決に関与できない裁判官が関与した、審判の公開規定に違反した、このいずれかがあれば、あなたが本当に有罪でも、誤りが判決に影響したかを問わず原判決は破棄されます。ただし、この三事由で控訴するには控訴趣意書に「十分に証明できる」旨の検察官または弁護人の保証書を添付しなければなりません(同条柱書)。
解説
一審で有罪判決を受けた。証拠も揃っていて、控訴しても無駄だと言われた。多くの人はここで肩を落とす。だが刑事訴訟法377条は、まったく別の戦い方を用意している。控訴理由には二種類ある。一つは「判決の結論が間違っている」と争うもので、これは「その誤りが判決に影響したことが明らか」だと立証しないと通らない。もう一つが、この377条が定める絶対的控訴理由だ。(1)裁判所の構成が法律に従っていなかった、(2)除斥や忌避されるべき裁判官が判決に関与した(つまり中立であるべき裁判官に資格がなかった)、(3)公開すべき審判を非公開でやった。この三つのどれか一つでもあれば、あなたが本当に有罪であっても、その誤りが判決に影響したかどうかを問わず、控訴審は判決を破棄しなければならない。ただし関門がある。この三事由を理由に控訴するときは、控訴趣意書に「その事由を十分に証明できる」という検察官または弁護人の保証書(証明できると請け合う書面)を添付しなければならない。手続のどこが壊れているかを見抜けるかどうかが、勝敗を分ける。
法的な位置づけ
刑事訴訟法377条は絶対的控訴理由を定める規定であり、判決裁判所の構成の違法、関与できない裁判官の関与、審判公開規定の違反という三事由を列挙する。これらは判決への影響を要件とせず、存在すれば原判決の破棄を義務づける点で相対的控訴理由と区別される。主張には保証書の添付を要する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.一審判決後すぐ公判調書で手続面を精査 判決の中身(証拠・量刑)より先に、公判調書で裁判所の構成、関与した裁判官の資格、審理が公開で行われたかを確認する。絶対的控訴理由は記録の形式面に眠っている
- 2.377条各号への該当を特定 裁判所構成の違法(1号)、除斥事由など無資格裁判官の関与(2号、刑訴法20条)、公開規定違反(3号、憲法82条)のいずれに当たるかを切り分ける。相対的理由(379条)との境界も確認する
- 3.期間内に控訴を申し立てる 判決宣告の翌日から14日以内に控訴申立書を提出する(刑訴法373条)。この期間を逃すと絶対的控訴理由の武器ごと失う
- 4.保証書の裏付け証拠を固める 「十分に証明できる」旨の保証書を添付できるだけの証拠(公判調書、裁判官の除斥事由を示す資料、傍聴制限の記録等)を、趣意書提出の最終日から逆算して収集する
- 5.保証書を添付して控訴趣意書を提出 控訴裁判所が指定する最終日までに、377条の事由と保証書を添付した控訴趣意書を提出する(刑訴法376条・377条)。期限徒過の主張は原則受理されない
よくある質問 AI による整理
Q1絶対的控訴理由とは何ですか?
判決への影響を問わず、その存在だけで原判決の破棄が義務づけられる控訴理由です。刑訴法377条・378条が列挙し、事実誤認や量刑不当など影響の立証を要する相対的理由と区別されます。
Q2刑事控訴の期限は何日ですか?
判決宣告の日の翌日から14日以内です(刑訴法373条、初日不算入)。この期間内に控訴申立書を提出しないと、絶対的控訴理由があっても主張する機会を失います。
Q3刑訴法377条と378条はどう違いますか?
どちらも絶対的控訴理由ですが、377条の三事由は控訴趣意書に保証書の添付を要します。378条(管轄誤り・審判の請求漏れ等)は保証書を要しない類型です。
Q4審判が非公開で行われたら判決は破棄されますか?
法的根拠なく非公開で進めた場合、憲法82条の公開原則違反として377条3号に当たり、内容が有罪でも原判決は破棄されます。
Q5裁判官に除斥事由があると控訴できますか?
判決に関与できない裁判官(除斥事由のある裁判官など、刑訴法20条)が判決に関与していれば、377条2号の絶対的控訴理由になります。
Q6保証書を添付しないと控訴はどうなりますか?
377条の三事由で控訴するのに保証書を欠くと、形式不備として主張が退けられる可能性があります。証明の裏付けを固めてから趣意書に添付するのが実務です。
Q7控訴趣意書の提出期限はいつですか?
控訴申立てとは別に、控訴裁判所が指定する最終日までに提出します(刑訴法376条)。377条の事由はこの趣意書に保証書を添えて主張します。期限徒過は致命的です。
Q8377条の三事由には何が含まれますか?
(1)法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと、(2)関与できない裁判官が判決に関与したこと、(3)審判の公開に関する規定に違反したこと、の三つです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1控訴理由に「絶対的」と「相対的」があるって聞きました。何が違うんですか?
相対的控訴理由(事実誤認の刑訴法382条、量刑不当の381条など)は「その誤りが判決に影響を及ぼすことが明らか」と立証して初めて破棄される。一方377条の絶対的控訴理由は、影響の有無を問わず破棄が義務づけられる。実務のポイント:弁護人は控訴記録を読むとき、まず絶対的控訴理由(377条・378条)がないか先に探す。見つかれば立証ハードルが一気に下がるからだ。事実や量刑から組み立てるのは、絶対的理由がないと確認した後の二番手戦略にすぎない
Q2保証書って、弁護士に頼めば形式的に書いてもらえるものなんですか?
保証書は検察官または弁護人が「その事由を十分に証明できる」と請け合う書面(刑訴法377条)で、形式的な紙ではなく証明の見込みがあることが前提だ。裏付けなく出せば、後で証明できず控訴が崩れる。実務のポイント:実務では、保証書を添付できるだけの証拠(公判調書、裁判官の除斥事由を示す資料)を先に固めてから377条を主張する。確証がないなら、相対的控訴理由(379条の訴訟手続の法令違反)で攻めた方が現実的なことも多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「控訴は一審の証拠をもう一度争う場だ」と思って戦略を立てる人が多い。だがその問いの立て方そのものがずれている。377条の絶対的控訴理由は、あなたが有罪か無罪かをいったん脇に置く。証拠の中身ではなく、裁判という機械が法律どおりに組み立てられたかだけを問う、別の戦場だ
- 絶対的控訴理由があれば判決が破棄されることは知っていても、その「絶対」の重みを甘く見ている人がいる。相対的控訴理由(事実誤認や量刑不当)は「誤りが判決に影響したことが明らか」という高い壁を越えないと通らない。だが377条の三事由は、影響の有無を一切問わない。たとえ百人が見て有罪でも、裁判官の構成が違法なら判決は消える。この立証ハードルの差が、控訴の勝率を根本から変える
- 「絶対的控訴理由なら、理由さえ書けば自動的に通る」と思われがちだが、377条には独自の関門がある。この三事由で控訴するには、控訴趣意書に検察官または弁護人の保証書を添付しなければならない。証明の裏付けなしに主張だけ並べても、形式不備で退けられる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 性質 | 377条:絶対的控訴理由(保証書を要する類型) | 378条:絶対的控訴理由(保証書を要しない類型) 379条:相対的控訴理由(訴訟手続の法令違反) |
| 判決への影響の立証 | 不要(存在すれば破棄) | 不要(存在すれば破棄) 必要(判決に影響を及ぼすことが明らか) |
| 対象事由 | 裁判所構成の違法・無資格裁判官の関与・公開規定違反 | 管轄違い・審判請求の漏れ等 その他の訴訟手続の法令違反全般 |
| 手続上の特則 | 控訴趣意書に検察官・弁護人の保証書を添付 | 保証書添付は不要 保証書添付は不要、影響を主張・立証 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は『当然違背法令』として列挙事由を絶対的上訴理由とする点で日本と発想を共有するが、保証書添付という独自の手続要件は持たない。
韓国も項目列挙型の항소이유を定め、裁判所構成の違法や公開規定違反を含む。保証書類似の要件はない。
ドイツの absolute Revisionsgründe が本条の系譜上の源流。裁判体の不適法な構成・除斥裁判官の関与・公開原則違反を絶対的上告理由とする構造が酷似する。
米国の structural error 法理は、一定の重大な手続的瑕疵を harmless error 分析の対象外として自動破棄する点で機能的に類似する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 一審で有罪。控訴できるのは判決の翌日から14日(刑訴法373条)。もし、その法廷を構成した裁判官の一人が、実はあなたの事件の被害者の親族だったとしたら? それは除斥事由(刑訴法20条)で、377条2号の絶対的控訴理由になる。だが控訴趣意書の提出期限を逃せば、その武器ごと消える
- 傍聴人を全員退廷させ、法的根拠なく非公開で進められた審理。これは憲法82条が定める公開原則の違反であり、刑訴法377条3号で判決はやり直しになる。中身が有罪でも、だ
- あなたが裁判をやり直したい被告人で、一審の合議体が定足数を欠いていた疑いがある。だが「疑い」だけでは足りない。377条は控訴趣意書に保証書の添付を求める。証明できる確証を先に固めてから書面を出す、その順番を間違えると形式不備で門前払いになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 控訴できるのは判決宣告の翌日から14日(刑訴法373条)、まずこの期間内に控訴申立書を出す2. 弁護人と一審の公判調書・訴訟記録を精査し、裁判所の構成・関与裁判官の資格・審理の公開状況に法令違反がないか確認3. 377条の事由が見つかれば、控訴趣意書に「十分に証明できる」旨の弁護人の保証書を添付4. 証拠(公判調書、裁判官の除斥事由を示す資料等)を趣意書提出の最終日から逆算して固める。期限徒過は致命的
訴えられた側:1. 相手方が377条の絶対的控訴理由を主張してきたら、まずその事由が本当に存在するか、保証書の裏付けが十分かを精査2. 手続は適法だったと反論する答弁書を準備3. 仮に手続の瑕疵が認められても、それが377条各号の絶対的理由に当たるのか、それとも単なる訴訟手続の法令違反(379条の相対的理由)にすぎないかを切り分ける。相対的理由に落とせれば「判決に影響なし」と主張して維持を狙える
時効(請求できる期限):控訴申立ては判決宣告の日の翌日から14日以内(刑訴法373条、初日不算入)。控訴趣意書は控訴裁判所が指定する最終日までに提出し、377条の事由はこの趣意書に保証書を添付して主張する。期限を過ぎた主張は原則として受理されない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:377条の三事由は判決への影響を要件としない絶対的控訴理由であり、その存在が認められれば原判決は当然に破棄される。これは手続の適正そのものを結論から独立して保障する趣旨であり、相対的控訴理由(379条以下)との立証ハードルの差として現れる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定により、絶対的控訴理由と保証書添付の要件が定められた。戦後の当事者主義・公開原則の強化を反映する。
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