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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

刑事訴訟法 第382条

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事実の誤認があつてその誤認が判決に影響を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて明らかに判決に影響を及ぼすべき誤認があることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第382条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第382条の条文原文は「事実の誤認があつてその誤認が判決に影響を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証…」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第382条は第二章に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第382条の前の条は刑事訴訟法第381条です。
  7. 刑事訴訟法第382条の次の条は刑事訴訟法第382条の2です。
  8. 刑事訴訟法第382条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第382条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第382条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/382
裁判例 24件に引用されています

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わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法382条は、事実誤認を理由に控訴するには、控訴趣意書に一審の記録と取調べ済み証拠に現れた事実を援用するよう求める。新証拠の持ち込みは原則制限される。

Q · 一審で有罪になったら、控訴して新しい証拠を出せば一からやり直せるの?

原則として一審の記録に現れた事実しか使えません

刑事訴訟法382条により、事実誤認を理由に控訴するなら、控訴趣意書に「訴訟記録および原裁判所で取り調べた証拠に現れた事実」を援用し、明らかに判決に影響する誤認があると裁判所を信じさせる必要があります。控訴審は事後審であり、一審をゼロからやり直す場ではありません。新証拠は「やむを得ない事由」がなければ取り調べてもらえません(382条の2)。最高裁は、事実認定を覆すには論理則・経験則に照らして不合理だと具体的に示すよう求めています(最判平成24.2.13)。

解説

一審で有罪判決を受けた。あなたは「裁判官が事実を取り違えている、本当はやっていない」と確信し、だから控訴する。ここで多くの人が致命的な誤算をする。控訴審は、一審をゼロからやり直す場ではない。刑訴法382条が突きつけるのは、事実誤認を理由に控訴するなら、控訴趣意書に「訴訟記録と一審で取り調べた証拠の中に現れている事実」を引いて、明らかに判決を左右する誤認があると裁判所を信じさせる材料を援用せよ、という冷たい要求だ。つまり、戦場は一審で作られた記録の中。一審で言い損ねたこと、出し損ねた証拠は、原則として持ち込めない。控訴審は「事後審」であり、一審の判断が論理則・経験則に照らして不合理かを審査する場であって、新しい主張をぶつけ直す場ではない。一審の法廷で勝負はほぼ決していた、その現実を382条は静かに告げている。

法的な位置づけ

刑事訴訟法382条は、事実誤認を理由とする控訴の趣意書作成に関する規定であり、控訴趣意書には、訴訟記録および原裁判所で取り調べた証拠に現れた事実であって、明らかに判決に影響を及ぼすべき誤認があると信ずるに足りるものを援用すべき旨を定める。控訴審を事後審と位置づける構造の核心をなす。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.14日以内に控訴申立書を提出 判決言渡しの日から14日以内に控訴申立書を提出する。これが絶対の第一関門で、起算点は判決書の送達日ではなく言渡日である(刑訴法373条)。一日でも過ぎると控訴できない
  2. 2.一審の記録と取調べ済み証拠を総ざらい 弁護人とともに訴訟記録と一審で取り調べた証拠を全件見直し、事実認定が論理則・経験則に反する箇所を頁単位で特定する。控訴審で使えるのは原則この記録の中だけだと割り切る
  3. 3.控訴趣意書に記録上の事実を援用して論証 控訴趣意書に、記録に現れた具体的事実を頁を特定して援用し(382条)、最判平成24.2.13の枠組みに乗せて「なぜ一審の認定が不合理か」を論証する。漠然と『事実誤認がある』と書くだけでは土俵に上がれない
  4. 4.新証拠は『やむを得ない事由』を別途主張 一審で請求できなかった新証拠がある場合は、382条の2の『やむを得ない事由』を別途主張する。ただし採用のハードルは高く、新証拠頼みの控訴は通りにくいため過度な期待はしない

よくある質問 AI による整理

Q1控訴と上告は何が違いますか?

控訴は第一審判決に対する第二審への不服申立て、上告は控訴審判決に対する最高裁等への不服申立てです。上告理由は憲法違反・判例違反などに限定され、控訴より狭くなります。

Q2事後審とはどういう意味ですか?

控訴審が一審をやり直すのではなく、一審で作られた記録を基にその当否を後から審査する構造です。新たな証拠調べは原則制限され、記録の枠内で判断されます(刑訴法382条・393条)。

Q3刑事事件の控訴期限は何日ですか?

判決言渡しの日から14日以内です(刑訴法373条)。起算点は判決書の送達日ではなく言渡日である点に注意が必要です。期限を過ぎると控訴できません。

Q4控訴趣意書はいつまでに出しますか?

控訴裁判所が指定する提出期限までです(刑訴法376条)。一日でも過ぎると中身を読まれずに控訴が棄却されます(386条)。控訴申立てとは別の期限です。

Q5控訴を取り下げるとどうなりますか?

控訴の取下げにより一審判決が確定します。取下げ後は同じ判決に対して再び控訴することはできません。慎重な判断が必要です。

Q6控訴審はどこの裁判所で開かれますか?

地方裁判所・簡易裁判所の第一審に対する控訴は高等裁判所が審理します。裁判員裁判で有罪となった事件も、控訴審はプロの裁判官のみで構成されます。

Q7事実誤認と法令違反の控訴は何が違いますか?

事実誤認は事実認定の誤りを争うもので382条が記録上の事実の援用を求めます。法令違反は法の適用や解釈の誤りを争うもので、立証の枠組みが異なります。

Q8国選弁護人は控訴審でも付きますか?

一定の要件を満たせば控訴審でも国選弁護人を選任できます。ただし記録の読み込みに時間がかかるため、できるだけ早く依頼することが重要です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1控訴したら、一審で出せなかった新しい証拠を出せますか?

原則として難しいです。控訴審は事後審で、382条は一審の記録と取り調べ済み証拠に現れた事実の援用を求めます。新証拠は「やむを得ない事由によって一審で請求できなかった」場合に限り取り調べてもらえます(382条の2)。実務のポイント:弁護士は「控訴で逆転」に過度な期待を抱かせません。実務では勝負は一審で決まると考え、控訴は一審記録の弱点を突く作業だと割り切る。新証拠頼みの控訴はまず通らないと知っているからです

Q2事実誤認の控訴って、実際どれくらい認められるんですか?

事実誤認による破棄は容易ではありません。最高裁は、控訴審が一審の事実認定を覆すには、その認定が論理則・経験則に照らして不合理だと具体的に示す必要があるとしました(最判平成24.2.13)。単なる心証の違いでは覆りません。実務のポイント:この判例以降、事実誤認破棄のハードルは明確に上がりました。趣意書がこの枠組みを踏まえず「裁判官の判断は誤り」と感情的に書かれていると、裁判官は中身を読む前に勝敗を見切ります

Q3控訴趣意書って自分で書いてもいいんですか?

法律上は本人でも書けますが、382条の援用要件と最高裁の枠組みを満たすには高度な記録分析が要ります。提出期限を一日でも過ぎれば控訴棄却です(386条)。実務のポイント:控訴趣意書の質が控訴審の結論をほぼ決めます。私選・国選を問わず、控訴審から弁護人を代える場合は記録の読み込みに時間がかかるため、できるだけ早く依頼すること。期限直前の依頼は、それだけで勝率を下げます

間違えやすい点 AI による整理

  • 「控訴すれば新しい証拠を出して一からやり直せる」という前提そのものが誤っている。控訴審は事後審であり、原則として一審の記録と取り調べ済みの証拠の範囲で、その事実認定が不合理かを審査する。新証拠は「やむを得ない事由」がなければ取り調べてもらえない(382条の2)。問いの立て方を間違えると、控訴の戦略そのものが土台から崩れる
  • 「事実誤認を主張すれば裁判官が記録を見直してくれる」ことは知っていても、そのハードルの高さを知らない人が多い。最高裁は、控訴審が一審の事実認定を覆すには、その認定が論理則・経験則に照らして不合理だと「具体的に示す」必要があるとした(最判平成24.2.13)。単に「納得できない」では一行も動かない
  • 「控訴趣意書は弁護士が適当に書く儀礼的な書面」と思われがちだが、実際はここが控訴審の主戦場だ。382条が要求する「記録に現れた事実の援用」を外すと、事実誤認の主張は土俵に上がる前に失格する
比較の観点この条文ほかの条文
条文の役割382条:事実誤認控訴での記録上の事実の援用要件382条の2:やむを得ない事由がある場合の新証拠の取調べ
397条:事実誤認を理由とする原判決の破棄
新証拠の扱い記録に現れた事実のみ援用可、新証拠は原則対象外やむを得ない事由があれば例外的に取調べ可
破棄の当否を判断する終局段階の規定
適用場面控訴趣意書の作成段階控訴審での証拠調べ請求の段階
控訴審の終局判断の段階

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国刑事訴訟法第361条以下

台湾の第二審(控訴審)は原則覆審制で、新証拠の提出が日本より広く認められる点が事後審の日本と対照的である。

韓国
대한민국 형사소송법 제361조의5

韓国は항소理由として사실오인を列挙する。事後審的運用がなされるが、日本ほど新証拠を厳格に制限しないとされる。

ドイツ
StPO §§ 312 ff.(Berufung)

ドイツは Berufung が事実審の再審理、Revision が法律審という二層構造で、事実誤認は Berufung で広く争える。

アメリカ
Jackson v. Virginia, 443 U.S. 307 (1979)

米国の上訴審は証拠の十分性を『合理的な事実認定者基準』で審査し、事実認定への介入は限定的である。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 痴漢で起訴され、一審で有罪。あなたは「満員電車で手が当たっただけ、故意ではない」と訴え続けたが認められなかった。控訴したいが、382条が要求するのは、一審の記録と取調べ済み証拠の中から「事実認定がおかしい」と言える材料の援用だ。一審で防犯カメラの提出を求めていなかったなら、控訴審で出すのは原則として困難。一審の弁護の段階で勝負はほぼ決していた
  • 判決の翌日、あなたに残された控訴期限はたった14日。さらに控訴したあとも、控訴趣意書の提出期限が待っている。もしこの期限を一日でも過ぎたら、中身を一行も読まれずに控訴は棄却される(刑訴法386条)。事実誤認をどう構成するか、記録のどこを引くか、その設計を誰がいつ始めるかで結末が変わる
  • 共犯者の供述だけで有罪にされた。あなたは「あいつが嘘をついている」と叫びたい。だが控訴審が見るのは、その供述が記録上どれだけ不合理かだけだ。
  • 友人が一審で有罪になり「控訴して新しい証人を呼ぶ」と意気込んでいる。あなたは382条と382条の2を知っているから、「新証拠はやむを得ない事由がないと使えない、まず一審記録を読み直せ」と止められる。この一言が、友人の無駄な期待と費用を救う

取るべき行動

被害を受けた側:1. 判決言渡しから14日以内に控訴申立書を提出、これが絶対の第一関門(刑訴法373条) 2. 一審の訴訟記録と取り調べ済み証拠を弁護人と総ざらいし、「事実認定が論理則・経験則に反する箇所」を頁単位で特定3. 控訴趣意書に、その記録上の事実を具体的に援用し(382条)、最判平成24.2.13の枠組みに乗せて「なぜ不合理か」を論証4. 新証拠があるなら「やむを得ない事由」(382条の2)を別途主張、ただし過度な期待はしない

訴えられた側:1. 控訴された被害者・検察側は、一審判決の事実認定が記録に照らして合理的であることを再確認2. 相手の控訴趣意書が382条の援用要件を満たしているか、記録外の主張に依拠していないかを点検3. 不十分なら「控訴趣意書の不備」「事後審の枠を超えた主張」として答弁書で反論4. 被害者なら被害者参加制度(刑訴法316条の33)を通じて、一審の心証を維持する意見を述べる

時効(請求できる期限):控訴申立は判決言渡しの日から14日以内(刑訴法373条)。控訴趣意書は控訴裁判所が指定する提出期限まで(刑訴法376条)。期限徒過は控訴棄却(刑訴法386条)。起算点は判決言渡日であり、判決書の送達日ではない点に注意(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:現行法上、控訴審は覆審ではなく事後審であり、382条は事実誤認の控訴に『記録に現れた事実の援用』を要求することで審理の重心を一審に置く。382条の2による新証拠の厳格な制限と一体で、誤判救済と一審中心主義の均衡を図るものと解されている。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和23年(1948年) 制定:現行刑事訴訟法の制定。旧法の覆審制を改め、控訴審を事後審とし、事実誤認の控訴に記録上の事実の援用を要求する構造を採用した。
  2. 2.昭和28年(1953年) 改正:382条の2を新設し、やむを得ない事由がある場合に限り新証拠の取調べを許容する例外を設け、事後審の枠組みを補強した。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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