刑事訴訟法 第392条
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- 控訴裁判所は、控訴趣意書に包含された事項は、これを調査しなければならない。
- 2.控訴裁判所は、控訴趣意書に包含されない事項であつても、第三百七十七条乃至第三百八十二条及び第三百八十三条に規定する事由に関しては、職権で調査をすることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第392条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第392条の条文原文は「控訴裁判所は、控訴趣意書に包含された事項は、これを調査しなければならない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第392条は第二章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第392条の前の条は刑事訴訟法第391条です。
- 刑事訴訟法第392条の次の条は刑事訴訟法第393条です。
- 刑事訴訟法第392条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第392条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第392条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/392
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法392条は控訴審の調査範囲を定める。控訴裁判所は控訴趣意書に書かれた事項を必ず調査し、書かれていない事項は重大事由に限り職権で調査できるにとどまる。
Q · 控訴すれば、上級審が事件を一から全部見直してくれるの?
原則として控訴趣意書に書いた争点しか調べません
刑事訴訟法392条により、控訴裁判所が必ず調査するのは控訴趣意書に書かれた事項だけです(1項)。記載のない事項は、377条から383条の重大事由に限り職権で調査『できる』にとどまり(2項)、これは裁判所の裁量であって義務ではありません。日本の控訴審は『事後審』であり、第一審のやり直しではなく原判決の誤りを点検する場です。したがって、弁護人が控訴趣意書に争点を書き落とせば、第一審に重大な誤りがあってもその点は審理されないまま確定します。
解説
第一審で有罪判決を受け、控訴を申し立てた。ここで多くの人が誤解している。控訴さえすれば、上級審が事件をゼロから全部見直してくれると。違う。控訴審が必ず調べるのは、あなたの弁護人が『控訴趣意書』に書き込んだ事項だけだ(1項)。書かなかった争点は、原則として審理の対象にすらならない。たとえ第一審に重大な事実誤認があっても、控訴趣意書にその主張を書き落とせば、その誤りは是正されないまま確定する。唯一の例外が2項。訴訟手続の法令違反、法令適用の誤り、量刑不当、事実誤認など、377条から383条の重大事由に限り、控訴審は書かれていなくても職権で調べることが『できる』。だが『できる』であって『しなければならない』ではない。職権発動は裁判所の裁量で、最初から当てにしてはいけない。あなたの運命は、控訴趣意書という一通の書面に何を書き込めたかで、法廷に立つ前に半分決まっている。
法的な位置づけ
刑事訴訟法392条は控訴審の調査範囲に関する規定であり、控訴裁判所は控訴趣意書に包含された事項を必ず調査する義務を負う一方、記載されない事項については377条から383条所定の重大な事由に限って職権で調査できることを定める。日本の控訴審が事後審として機能する構造を支える中核規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.控訴趣意書の提出期限を最優先で確認 控訴申立て後、控訴裁判所が指定する控訴趣意書の提出期限を真っ先に確認する。これを逃すと控訴棄却の決定(386条)を受けるおそれがある
- 2.第一審の記録と判決理由を弁護人と総点検 第一審の訴訟記録と判決理由を弁護人と一緒に総ざらいし、訴訟手続の法令違反・法令適用の誤り・量刑不当・事実誤認(379条〜382条)のうち主張できる事由を漏れなく洗い出す
- 3.控訴理由を控訴趣意書に漏れなく記載 洗い出した争点を控訴趣意書に正面から書き切る。一つでも書き落とせばその争点は原則審理されないため、職権調査(2項)には頼らず全争点を記載する
- 4.提出前に控訴趣意書の中身を自分の目で確認 弁護人任せにせず、提出前に控訴趣意書に何が書かれているかを当事者自身が確認する。主張すべき争点が抜けていないか、国選弁護人の書面が形式的でないかを点検する
よくある質問 AI による整理
Q1控訴趣意書とは何ですか?
控訴の理由を具体的に記載して控訴裁判所に提出する書面です。刑事訴訟法392条1項により、控訴審が必ず調査するのはこの書面に書かれた事項に限られます。
Q2控訴審は第一審のやり直しですか?
違います。日本の控訴審は『事後審』で、第一審の審理をやり直すのではなく、原判決に誤りがあったかを主に書面で点検する場です。調査範囲は控訴趣意書の記載が基本です。
Q3控訴趣意書の提出期限はいつまでですか?
控訴裁判所が指定します(刑事訴訟規則236条)。期限内に提出しないと控訴棄却の決定を受けることがあります(刑事訴訟法386条1項1号)。
Q4職権調査とは何ですか?
控訴趣意書に書かれていない事項でも、377条から383条の重大事由に限り控訴裁判所が自ら調査できる制度です(392条2項)。ただし『できる』であって義務ではありません。
Q5控訴趣意書に書き忘れたらどうなりますか?
原則としてその争点は審理されません。第一審に重大な誤りがあっても、控訴趣意書に書かれていなければ是正されないまま確定する可能性が高くなります。
Q6事後審と続審の違いは何ですか?
事後審は原判決の当否を点検する方式、続審は第一審の審理を引き継いで続ける方式です。日本の刑事控訴審は事後審を採り、調査範囲も控訴趣意書に限定されます。
Q7国選弁護人の控訴趣意書に不満がある場合はどうすればいいですか?
争点の漏れに気付いたら、提出期限前であれば弁護人と内容を詰め直すか、私選弁護人への切替えや補充主張を検討します。提出後は原則として書き足せません。
Q8控訴審で新しい証拠を出せますか?
控訴審でも事実の取調べはできます(393条)が、その範囲は控訴趣意書で主張された争点に関連する事項が基本です。無制限の新証拠提出が保証されるわけではありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1控訴すれば、裁判所がもう一回ちゃんと全部調べ直してくれるんですよね?
そうとは限らない。控訴審が必ず調べるのは、控訴趣意書に書かれた事項だけだ(刑事訴訟法392条1項)。日本の控訴審は『事後審』で、第一審のやり直しではなく、その判断に誤りがあったかを主に書面ベースで点検する場である。実務のポイント:だからこそ控訴趣意書の出来が結果を決める。弁護人が争点を一つ書き落とせば、第一審に明白な誤りがあってもその点は審理されずに確定する。提出前に必ず中身を自分の目で確認すること。
Q2弁護人が書き忘れた争点を、裁判官のほうで気付いて拾ってくれることはないんですか?
可能性はあるが、保証はない。訴訟手続の法令違反・量刑不当・事実誤認など重大な事由(377条〜383条)については、控訴審は書かれていなくても職権で調査『できる』とされている(392条2項)。ただし『できる』であって『義務』ではなく、発動するか否かは裁判所の裁量だ。実務のポイント:実務では、職権調査を期待して争点を省くのは自殺行為に等しい。書くべきことは全部、控訴趣意書に正面から書き切る、これが鉄則。
間違えやすい点 AI による整理
- 「控訴すれば上級審が一から全部見直してくれる」と信じられているが、控訴審は原則として控訴趣意書に書かれた事項しか調べない(392条1項)。日本の控訴審は『事後審』であり、第一審のやり直しではなく、原判決に誤りがあったかを点検する場にすぎない
- 「とりあえず控訴しておけば、あとから主張を足せる」という前提そのものが誤っている。控訴趣意書には裁判所が指定する提出期限があり、それを過ぎてから新たな争点を持ち込むのは原則認められない。問うべきは『控訴するか否か』ではなく『期限内に争点を何本書き切れるか』だ
- 職権調査(2項)の存在は知られているが、その『できる』という言葉の重さを軽く見ている人が多い。これは裁判所の裁量であって義務ではない。書き落とした争点を裁判官が拾い上げてくれる保証は、限りなくゼロに近いと考えるべきだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 役割 | 392条:控訴審が何を調査するか(調査範囲) | 384条:控訴申立ての理由を377〜382・383条に制限 393条:控訴審における事実の取調べの可否 |
| 原則 | 控訴趣意書に書かれた事項を必ず調査(1項) | 法定の控訴理由がなければ控訴は不適法 必要があるときに事実の取調べができる |
| 例外・裁量 | 377〜383条の重大事由は職権調査『できる』(2項) | 理由の制限自体に裁量の余地はない 取調べを行うかは裁判所の判断に委ねられる |
他国ではどう定めているか 4 か国
第二審法院は原審判決のうち上訴された部分を調査すると定め、調査範囲を上訴の対象に限る点で日本392条と同方向。ただし台湾の第二審は伝統的に覆審的色彩が強い。
韓国の控訴審も控訴理由に記載された事項の審判を基本とし、職権調査の余地を残す点で日本と類似する。
ドイツの Revision(法律審)では原判決の審査範囲が申立てと理由に拘束されるが、法令違反の職権審査が一定範囲で認められる点が職権調査と対応する。
米国の控訴審は原則として下級審で提起・保全された争点のみを審理するが、重大かつ明白な誤り(plain error)は提起がなくても是正しうる点が職権調査に近い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 控訴趣意書の提出期限は控訴裁判所が指定する。あなたの事件で残り10日。弁護人が事実誤認の主張を一本書き落とせば、その争点は二度と審理されない。期限を過ぎれば控訴棄却の決定(386条)すらありうる。今夜のうちに弁護人と何を書くか詰めるかどうかで、結末が変わる
- 第一審の量刑が重すぎると感じたら、控訴審を動かすには何を書けばいい? 量刑不当(381条)を控訴趣意書に正面から主張しない限り、控訴審は刑の重さを見直さない。職権調査(2項)という抜け道はあるが、あてにして争点を省けば、その判断は固まったまま確定する
- 国選弁護人が控訴趣意書を形式的に整えただけだった。本当に争うべき事実認定の問題が抜け落ちていた。それに気付いたのは、控訴棄却の判決を受けた後だった
取るべき行動
被害を受けた側:1. 控訴申立て後、控訴裁判所が指定する控訴趣意書の提出期限を最優先で確認する、これを逃すと控訴棄却の決定を受ける(386条) 2. 第一審の記録と判決理由を弁護人と総点検し、訴訟手続の法令違反・法令適用の誤り・量刑不当・事実誤認(379条〜382条)のうち主張できる事由を漏れなく洗い出す3. 一つでも書き落とせばその争点は原則審理されない、職権調査(2項)には頼らない4. 国選弁護人の控訴趣意書が薄いと感じたら、私選への切替えや補充の主張を検討する
訴えられた側:1. 相手方(検察官等)が控訴してきた場合、まず相手の控訴趣意書を入手し、どの事由(377条〜383条)を主張しているか特定する2. 控訴審の調査は原則その書面に書かれた範囲に限られるため、反論はその争点に集中させる3. 答弁書で各主張に的確に反論し、職権調査(2項)で不利な事情を拾われないよう原判決の正当性を補強する4. 第一審の有利な事実認定が覆されないよう、事実の取調べ(393条)の要否も見据えて準備する
時効(請求できる期限):控訴趣意書の提出期限は控訴裁判所が指定する(刑事訴訟規則236条)。控訴申立て自体は、判決宣告日の翌日から14日以内(刑事訴訟法373条)。指定された期間内に控訴趣意書を差し出さないと、控訴棄却の決定を受ける(刑事訴訟法386条1項1号)。(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:392条1項の控訴審は事後審であり、調査範囲は控訴趣意書の記載事項を原則とする。2項の職権調査は誤判救済のための例外的安全弁であって、裁判所の裁量に委ねられ、当事者がこれを当てにして争点設定を怠ることは許されないと解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:刑事訴訟法全部改正により、英米法的な当事者主義・事後審構造を採用。覆審型の旧控訴制度を改め、控訴審の調査範囲を控訴趣意書の記載事項に原則限定する現行の枠組みが形成された。
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