刑事訴訟法 第383条
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- 左の事由があることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、その事由があることを疎明する資料を添附しなければならない。
- 一再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること。
- 二判決があつた後に刑の廃止若しくは変更又は大赦があつたこと。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第383条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第383条の条文原文は「左の事由があることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、その事由があることを疎明する資料を添附しなければならない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第383条は第二章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第383条の前の条は刑事訴訟法第382条の2です。
- 刑事訴訟法第383条の次の条は刑事訴訟法第384条です。
- 刑事訴訟法第383条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第383条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第383条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/383
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法383条は、再審事由や判決後の刑の廃止・変更・大赦を控訴理由とする場合、控訴趣意書にその事由を疎明する資料の添付を義務づける規定である。
Q · 判決の後に法律が廃止されたり大赦があったら、控訴で争えるんですか?
争えますが、疎明資料の添付が必須です
刑事訴訟法383条により、再審の請求ができる事由(1号)や、判決後の刑の廃止・変更・大赦(2号)を控訴理由とする場合は、控訴趣意書にその事由を疎明する資料を添付しなければなりません。陳述書、改正法の条文と施行日、大赦の根拠などがこれにあたります。資料を付けずに事由だけ書くと不適法とされ、審理されないおそれがあります。証拠が揃うのを待たず、控訴趣意書の差出最終日から逆算して資料化を先に進めることが重要です。
解説
有罪判決を受けた後、控訴で戦う方法には二つの世界がある。一つは「第一審のどこが間違っていたか」を争う世界で、法令違反、量刑不当、事実誤認といった王道がここに並ぶ。だが383条は、まったく別の扉を開ける。「判決の後に起きたこと」や「再審に値する事由」でも控訴できると定めているのだ。たとえば有罪判決の後にその罪を定めた法律が廃止された、刑が軽く改正された、大赦があった。あるいは決め手だった証人が偽証だったと判明した、真犯人が現れた。こうした事情は本来なら判決が確定してから「再審」で争うものだが、383条はそれを控訴の段階に前倒しできる近道を用意している。ただし罠がある。これらの事由は、ただ主張するだけでは足りない。控訴趣意書に「その事由を疎明する資料」、つまり一応確からしいと裁判所に思わせる証拠を添付しなければならない。資料を付け忘れた瞬間、せっかくの近道は審理されないまま閉じる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法383条は、控訴理由の疎明に関する規定である。再審の請求ができる事由、または判決後における刑の廃止・変更もしくは大赦を理由として控訴を申し立てる場合、控訴趣意書に当該事由を疎明する資料を添付すべき義務を当事者に課す。通常の控訴理由と異なり、主張に加えて疎明資料の添付が適法要件となる点に特色がある。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.確定前か・14日以内かを真っ先に確認 控訴は判決宣告日の翌日から14日以内(刑訴373条)。383条の事由は判決確定前にしか控訴では使えないため、まず時間軸を確定させる
- 2.383条の事由該当性を弁護人と精査 再審の請求ができる事由(1号、刑訴435条参照)か、判決後の刑の廃止・変更・大赦(2号)かを切り分け、どの号で主張するかを確定する
- 3.疎明資料を収集・整形する 陳述書、証人の翻意を記録した書面、改正法の条文と施行日・経過規定、大赦の根拠など、その事由が一応確からしいと示す資料を揃え、趣意書添付用に整える
- 4.差出最終日までに添付して提出 裁判所が指定する控訴趣意書の差出最終日(刑訴376条)までに、疎明資料を添付した控訴趣意書を提出する。一枚の付け忘れが理由全体を不適法にする
よくある質問 AI による整理
Q1控訴趣意書に疎明資料を添付し忘れたらどうなりますか?
事由だけ書いても不適法とされ、その理由が審理されないおそれがあります。383条は疎明資料の添付を義務づけているため、事由に気付いた段階から資料化を先に進めるのが安全です。
Q2判決後に刑が廃止・軽減されたら控訴で争えますか?
確定前であれば383条2号の控訴理由になります。改正法の条文・施行日・経過規定を示す疎明資料を控訴趣意書に添付する必要があります。
Q3大赦があると判決はどうなりますか?
判決確定前に大赦があり、その罪が対象なら383条2号の控訴理由になります。恩赦の根拠を疎明資料として添付して主張します。
Q4控訴趣意書の差出最終日とは何ですか?
裁判所が指定する控訴趣意書の提出期限です(刑訴376条)。383条の疎明資料はこの日までに添付しないと原則として顧みられません。
Q5控訴提起期間は何日以内ですか?
判決宣告日の翌日から14日以内です(刑訴373条、初日不算入)。この期間を過ぎると控訴自体ができなくなります。
Q6規制薬物の法改正で量刑が変わったら控訴できますか?
判決後・確定前にその規制が緩和されたなら383条2号の控訴理由になりえます。改正法と施行日、経過規定の資料添付が前提です。
Q7再審と控訴ではどちらが早く決着しますか?
確定前なら控訴段階で383条1号として再審級の事由を前倒し主張でき、確定を待って再審を狙うより数年単位で早く決着する場合があります。
Q8刑事訴訟法383条をわかりやすく言うと?
再審に値する新事情や、判決後の刑の廃止・大赦を控訴理由にできるが、その場合は控訴趣意書に「一応確からしい」と示す資料を必ず付けよ、という規定です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1控訴趣意書に疎明する資料を付け忘れたら、もうその理由では争えないんですか?
383条は疎明資料の添付を義務づけているので、付けずに事由だけ書いても不適法とされ、その理由が審理されないリスクがあります。控訴審の裁量で補正を認める運用もありますが、当てにはできません。実務のポイント:実務では控訴趣意書の差出最終日に駆け込みになりがちで、資料の準備が間に合わず形式不備で蹴られるのが典型的な失敗です。事由に気付いた瞬間から資料化を先に走らせるのが分かれ目です
Q2新しい証拠が見つかったんですが、これは再審ですか、控訴ですか?
判決が確定する前か後かで土俵が変わります。確定前なら、無罪を示す明白な新証拠は383条1号(再審級の事由)、より一般的な事実誤認の証拠は382条の2で控訴審に出す道があります。確定後に初めて使えるのが435条の再審です。実務のポイント:確定を待って再審を狙うより、控訴段階で出した方が早く決着する場合があります。確定前に証拠を握っているなら、再審という言葉に引きずられず、まず控訴の枠で使えないかを弁護人に確認してください
間違えやすい点 AI による整理
- 控訴理由はどれも「趣意書に書けば裁判所が調べてくれる」と思われがちだが、383条の事由だけは別ルールで、疎明する資料の添付が義務づけられている。書いただけ、主張しただけでは不適法として審理されないことがある。深刻なのは、この一手間を知らずに期限を迎え、正当な事由が形式不備で蹴られる人が現実にいるという点だ
- 「無罪を示す新証拠が見つかったから再審で争おう」と考える人は多いが、判決がまだ確定していない段階では土俵が違う。確定前なら再審ではなく控訴、それも383条や382条の2が正しい入口だ。問いの立て方そのものを間違えると、何年も遠回りすることになる
- 「法改正で刑が軽くなっても、すでに有罪判決を受けた自分には関係ない」と思い込んでいる人がいるが、判決後でも確定前なら383条2号の控訴理由になりうる。確定したかどうかという一線で、同じ法改正の恩恵が届くか届かないかが分かれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 使える時点 | 383条:判決後・確定前(控訴段階) | 382条の2:控訴段階(事実誤認等の新証拠) 435条:判決確定後(再審) |
| 対象事由 | 再審級の事由・判決後の刑の廃止/変更/大赦 | やむを得ない事由で第一審に出せなかった事実・証拠 確定判決を覆す明白な新証拠等(再審事由) |
| 疎明資料 | 趣意書に疎明資料の添付が必須(適法要件) | やむを得ない事由を疎明する資料の添付が必要 再審請求書に証拠を添えて請求 |
| 確定の要否 | 確定前であること | 確定前であること 確定後であること |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も「判決後の刑罰の廃止・変更・免除」を上訴第三審の理由とし(381条)、確定後の再審を420条で別建てとする。確定の前後で入口を分ける構造が日本と類似する
韓国は控訴理由を列挙する361条の5の中に、再審請求事由や判決後の刑の廃止・変更・赦免を明示的に含めており、日本383条と発想が近い
ドイツは確定判決を対象とする再審(Wiederaufnahme)を § 359で規律する。控訴段階で再審級事由を前倒しする日本383条1号のような橋渡し規定とは制度設計が異なる
米国は新証拠等を理由とする再審理の申立て(new trial)を Rule 33で、確定後救済を post-conviction relief で扱う。疎明資料添付を適法要件とする日本383条のような形式要件は同形ではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、第一審で有罪になった後に、あなたを有罪にした決め手の証人が「あれは嘘だった」と告白したら、どうなる。これは383条1号の再審級の事由にあたる。だが控訴趣意書の提出期限まであと10日。告白を録音し、陳述書にまとめ、疎明資料として添付する作業を今夜から始めないと、その告白は法廷で顧みられないまま終わる
- あなたは規制薬物の事件で有罪判決を受けたが、控訴中にその規制が法改正で緩和された。判決後の刑の変更にあたり、383条2号で控訴理由になる。ただし主張するには、改正法の条文と施行日、経過規定を示す資料を趣意書に添付しなければ、裁判所はその事由を取り上げない
- 大赦があった。あなたの罪がその対象に入っていた。判決が確定する前なら、383条がその一事を控訴理由に変える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 判決後で確定前という時間軸をまず確認する。控訴提起は判決宣告日の翌日から14日以内(刑訴373条)。2. 383条の事由、すなわち再審級の新証拠や証人の偽証判明、判決後の法改正・刑の廃止変更、大赦に当たるかを弁護人と精査する。3. 最重要は疎明資料。陳述書、改正法の条文と施行日、大赦の根拠など、その事由が一応確からしいと示す資料を集める。4. 裁判所が指定する控訴趣意書の差出最終日までに、必ず資料を添付して提出する。一枚の付け忘れが理由全体を不適法にする
訴えられた側:1. 相手方が383条で控訴してきたら、まず疎明資料が趣意書に適法に添付されているかを確認し、添付がなければ理由の不適法を主張する。2. 再審事由(刑訴435条)の要件、とりわけ新証拠の明白性を満たすかを争う。3. 「判決後の刑の変更」主張には、その改正が本当に被告人に有利か、経過規定で実際に適用されるかを精査する。4. 大赦主張には対象犯罪と時期の該当性を確認し、形式と実質の両面から反論を組む
時効(請求できる期限):控訴提起期間は判決宣告日の翌日から14日(刑訴373条、初日不算入)。383条の疎明資料は控訴趣意書に添付し、裁判所が指定する控訴趣意書の差出最終日(刑訴376条)までに提出しなければならない。この最終日を過ぎて出した資料は原則として顧みられない(最新の運用をご確認ください)
学説
通説:383条が定める疎明資料の添付は、控訴を適法とするための要件と解されており、事由のみを記載して資料を欠く控訴趣意書はその限りで不適法とされうる。再審級の事由を確定前に審理させるための手続的担保と位置づけられる。
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