受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 8 分8 分8 分

刑事訴訟法 第435条

クイックジャンプ
  1. 再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができる。
  2. 一原判決の証拠となつた証拠書類又は証拠物が確定判決により偽造又は変造であつたことが証明されたとき。
  3. 二原判決の証拠となつた証言、鑑定、通訳又は翻訳が確定判決により虚偽であつたことが証明されたとき。
  4. 三有罪の言渡を受けた者を誣告した罪が確定判決により証明されたとき。但し、誣告により有罪の言渡を受けたときに限る。
  5. 四原判決の証拠となつた裁判が確定裁判により変更されたとき。
  6. 五特許権、実用新案権、意匠権又は商標権を害した罪により有罪の言渡をした事件について、その権利の無効の審決が確定したとき、又は無効の判決があつたとき。
  7. 六有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。
  8. 七原判決に関与した裁判官、原判決の証拠となつた証拠書類の作成に関与した裁判官又は原判決の証拠となつた書面を作成し若しくは供述をした検察官、検察事務官若しくは司法警察職員が被告事件について職務に関する罪を犯したことが確定判決により証明されたとき。但し、原判決をする前に裁判官、検察官、検察事務官又は司法警察職員に対して公訴の提起があつた場合には、原判決をした裁判所がその事実を知らなかつたときに限る。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第435条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第435条の条文原文は「再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができる。」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第435条は第四編に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第435条の前の条は刑事訴訟法第434条です。
  7. 刑事訴訟法第435条の次の条は刑事訴訟法第436条です。
  8. 刑事訴訟法第435条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第435条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第435条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/435
裁判例 53件に引用されています

関連度の高い3件を表示しています

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法435条は、確定した有罪判決に対し、証拠偽造や虚偽証言、無罪を示す明らかな新証拠の発見など7つの事由がある場合に限り、有罪を受けた者の利益のため再審を請求できると定める。

Q · 最高裁まで争って有罪が確定したら、もう絶対にやり直せないの?

確定後でも7つの事由があれば再審を請求できます

刑事訴訟法435条により、有罪が確定した後でも、その言渡しを受けた者の利益のために再審を請求できます。鍵となる事由は7つに限られ、証拠書類の偽造(1号)、証言の虚偽(2号)、無罪を言い渡すべき明らかな証拠の新発見(6号)などです。実務で最も多いのは6号の新証拠で、新証拠は旧証拠と総合して確定判決に合理的な疑いを生じさせれば足ります(最決昭和50.5.20白鳥決定)。出訴期間の制限はなく、出所後でも本人死亡後でも請求できます。

解説

無実の罪で刑が確定した。普通ならそこで終わりだと誰もが思う。日本の刑事裁判は三審制で、最高裁まで争って負ければ判決は確定し、もう動かせない。だが刑訴法435条は、その確定判決にもう一度だけ風穴を開ける非常口を用意している。再審だ。あなたが知っておくべきは、再審が三審制の延長ではなく、まったく別系統の救済手続だという点。そして開くための鍵は七種類しかない。証拠が偽造だったと証明された(1号)、証言が虚偽だった(2号)、有罪の根拠になった裁判が後で覆った(4号)、特許が無効になった(5号)、そして実務で圧倒的に多いのが6号、無罪を言い渡すべき明らかな証拠を新たに発見したとき。免田、財田川、松山、袴田。死刑確定者すら救った再審は、すべてこの435条の七つの扉のどれかをこじ開けて始まった。確定した有罪は、絶対ではない。

法的な位置づけ

再審とは、確定した有罪判決について、刑事訴訟法435条所定の7つの事由がある場合に限り、有罪の言渡しを受けた者の利益のために裁判のやり直しを認める非常救済手続である。通常の三審制とは別系統であり、確定判決の法的安定性を維持しつつ、誤判から個人を救済するための例外的制度として位置づけられる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.7つの事由のどれに当たるかを特定する 刑訴435条の1号〜7号のうち、自分の事案がどの事由に該当するかを見極める。実務で最多は6号の『無罪を言い渡すべき明らかな証拠の新発見』。偽証なら2号、原判決の前提裁判が覆ったなら4号と、入口の扉を先に決める
  2. 2.新証拠の明白性を旧証拠との総合で検討する 6号を狙う場合、新証拠が単独で無罪を証明する必要はない。確定判決の旧証拠と総合して『合理的な疑い』が生じるか(白鳥決定の基準)を検討し、明白性を最大化できる形に証拠を束ねてから提出する
  3. 3.再審に強い弁護士・支援弁護団に接触する 独力での書面提出より、再審を専門的に手がける弁護士や各地の再審支援弁護団・日弁連に直接当たる方が圧倒的に早い。国選がつきにくい手続なので、アクセス確保を最優先にする
  4. 4.刑の執行停止を同時に申し立てる 死刑確定や服役中であれば、再審請求と同時に刑の執行停止を申し立てる(刑訴442条)。死刑確定者にとっては執行を物理的に止める時間稼ぎの生命線。請求書を磨くより前にこの一手を打てるかが生死を分ける
  5. 5.棄却されても新証拠で再請求する 再審請求が一度棄却されても、新たな証拠があれば再請求は可能。袴田事件のように棄却と請求を繰り返した末に開始した例もある。検察官保管の未開示証拠の開示請求を弁護団を通じて続けることが鍵

よくある質問 AI による整理

Q1再審とは何ですか?

確定した有罪判決を、刑事訴訟法435条所定の7つの事由がある場合に限ってやり直す非常救済手続です。通常の三審制とは別系統で、誤判救済のための例外制度です。

Q2再審の請求はどこの裁判所にするのですか?

原判決をした裁判所に対して行います(刑訴438条)。地裁が確定させた判決ならその地裁が、高裁が確定させたなら当該高裁が管轄します。弁護人を通じた書面で請求するのが実務です。

Q3再審に時効はありますか?

ありません。刑訴441条により、刑の確定後何年経っても、刑の執行が終わった後でも、有罪を受けた者が死亡した後でも請求できます。出訴期間の制限がない点が大きな特徴です。

Q4再審が認められる確率はどのくらいですか?

再審開始決定に至る割合は極めて低いのが実情です。最大の壁は新証拠の明白性の立証と、再審に精通した弁護士へのアクセスです。数字より、どの事由に当てはまるかの見極めが先決です。

Q5再審請求中に刑の執行は止まりますか?

自動では止まりません。刑訴442条により、再審請求と同時に刑の執行停止を申し立てることができます。死刑確定者にとっては執行を物理的に止める生命線になります。

Q6白鳥決定とは何ですか?

最決昭和50年5月20日のことで、6号の『明らかな証拠』は新証拠単独ではなく旧証拠と総合して確定判決に合理的な疑いを生じさせれば足りる、と判断した先例です。再審の門を実質的に広げました。

Q7再審請求は何回でもできますか?

一度棄却されても、別の新証拠があれば再請求が可能です。袴田事件は棄却と請求を繰り返した末に再審が開始しました。一回の棄却で諦める必要はありません。

Q8再審開始決定が出たら無罪が確定したということですか?

違います。435条が開くのは再審『開始』の扉にすぎません。開始決定の後、もう一度公判をやり直し、そこで無罪判決を得て初めて冤罪が晴れます。二段階構造に注意が必要です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1一度有罪が確定したら、もう何をやっても覆らないんですよね?

いいえ。刑訴法435条の再審なら、確定後でも覆る道があります。三審制で負けても、新証拠の発見(6号)や証拠が偽造だったことの証明(1号)など七つの事由があれば請求できます。実務のポイント:再審の最大の関門は実は弁護士へのアクセスです。再審を専門的に手がける弁護士は全国でも限られ、国選もつきにくい。日弁連や各地の再審支援弁護団に直接当たるのが、独力で書面を書くより圧倒的に早い

Q2DNA 鑑定みたいな新しい証拠があれば、必ず再審してもらえるんですか?

必ずではありません。6号は無罪を言い渡すべき『明らかな証拠をあらたに発見したとき』です。新証拠単独ではなく、旧証拠と総合して確定判決に合理的な疑いが生じるか(最決昭和50.5.20白鳥決定)で判断されます。実務のポイント:同じ DNA 再鑑定でも、誰がどの手法で行ったかで証明力が大きく変わる。検察側に鑑定資料の開示を求める証拠開示をどこまで引き出せるかが、近年の再審の主戦場になっている

Q3本人が亡くなっていても、家族が名誉を回復させることはできますか?

できます。刑訴法439条は、有罪を受けた本人が死亡した場合でも、その配偶者、直系の親族、兄弟姉妹が再審を請求できると定めています。名誉回復のための死後再審です。実務のポイント:本人死亡後に再審無罪が確定すると、刑事補償法に基づく補償金が遺族に支払われる場合がある。当時の記録や証拠を保全しておくことが、何年も後で効いてくる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「最高裁で負けたら全部終わり」と思われているが、再審は三審制とは別系統の非常救済手続だ。確定後でも、出所後でも、本人が死亡した後ですら請求できる。表の裁判が閉じても、裏の扉はまだ開く
  • 再審が難しいことは知られているが、その本当の壁を知る人は少ない。6号の『明らかな証拠』は、それ単独で無罪を証明する必要はなく、旧証拠と総合して確定判決に『合理的な疑い』を生じさせれば足りる(最決昭和50.5.20白鳥決定)。この基準を誤解し、決定的証拠を求めすぎて、勝てたはずの請求を自ら諦める人がいる
  • 「再審が認められた=無罪」と思い込みやすいが、435条が開くのは再審『開始』の扉にすぎない。開始決定の後、もう一度公判をやり直し、そこで無罪を勝ち取って初めて冤罪が晴れる。二段階あることを見落とすと、開始決定の喜びで足元をすくわれる
比較の観点この条文ほかの条文
規律内容435条:再審を開ける7つの事由(偽造・虚偽証言・新証拠等)439条:誰が請求できるか(請求権者の範囲)
441条:いつまで請求できるか(出訴期間)
キーワード1号偽造/2号虚偽証言/6号明らかな新証拠本人・配偶者・直系の親族・兄弟姉妹(死後請求を含む)
期間制限なし(確定後・執行終了後・本人死亡後も可)
実務での使いどころどの扉(事由)を開けるかを最初に特定する起点本人死亡後に遺族が名誉回復を図る死後再審
出所後・数十年後でも諦めず請求できる根拠

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国刑事訴訟法第420条

台湾も受判決人の利益のための再審事由を列挙する点で日本と同構造。近年『新証拠』要件が緩和され、確定判決に疑いを生じさせる証拠で足りるとされる。

韓国
대한민국 형사소송법 제420조

韓国も有罪確定者の利益のための再審事由を列挙。日本法の構造を継受しており、偽証・偽造・新証拠などの事由が並ぶ。

ドイツ
StPO § 359

ドイツの被告人に有利な再審(Wiederaufnahme zugunsten des Verurteilten)。偽造証拠・偽証・新事実新証拠などを事由とし、日本の母法的位置にある。

アメリカ
Fed. R. Crim. P. 33 / habeas corpus

米国は確定後の救済を新規裁判の申立てや人身保護令状、ポスト・コンビクション手続で扱う。大陸法のような統一的『再審』条文ではなく、複数の手続が役割を分担する。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、あなたの父が数十年前に有罪が確定し、ずっと無実を訴え続けていたとしたら。当時は存在しなかった DNA 鑑定で、保管されていた証拠から別人の型が出た。6号の『あらたに発見した明らかな証拠』に該当しうる。技術の進歩が、過去の確定判決を後から揺さぶる
  • あなたを有罪に追い込んだ目撃証言が、実は偽証だった。その証人が偽証罪で有罪確定すれば、2号により再審の扉が開く。重要なのは、偽証を『確定判決で証明』する必要があること。証言が怪しいだけでは足りず、別の刑事裁判での決着が前提になる
  • 特許侵害で刑事有罪になった経営者。だが後に、その特許自体が無効審決で消滅した。5号は、権利が無効になれば再審を認める。知的財産の決着が、刑事判決をひっくり返す導線になる
  • 服役を終え、出所して何年も経った。今さら蒸し返しても意味がないと諦めかけている。だが再審に出訴期間はない。刑の執行が終わった後でも、請求できる(441条)。むしろ時間が経って真犯人の自白や新証拠が出た瞬間こそ動くべきとき
  • 再審請求が一度棄却された。弁護団は落胆したが、ここで終わりではない。別の新証拠があれば、再請求は可能。袴田事件は何度も棄却と請求を繰り返した末に再審が開始した。あと一手の証拠開示が、流れを変えることがある

取るべき行動

被害を受けた側:1. 七つの事由のどれに当たるかを特定する。実務で最多は6号の新証拠2. 確定記録と証拠物を取り寄せ、新証拠が旧証拠と総合して合理的な疑いを生むか検討する(白鳥決定の基準) 3. 再審に強い弁護士や各地の再審支援弁護団に直接接触、独力での書面提出より優先する4. 死刑確定や服役中なら、再審請求と同時に刑の執行停止(442条)を申し立てる5. 一度棄却されても、新たな証拠があれば再請求は可能。一回の棄却で諦めない

訴えられた側:1. 本人が死亡していても、配偶者、直系の親族、兄弟姉妹なら請求できる(439条) 2. 当時の確定記録、証拠物、鑑定資料の保全を最優先にする。時が経つほど証拠は散逸する3. 検察官が保管する未開示証拠の開示請求を、弁護団を通じて行う。近年の再審開始の決め手はここに眠っていることが多い4. 再審が開始されても無罪確定までは別途公判が必要。長期戦を覚悟し、支援体制と資金計画を組む

時効(請求できる期限):再審請求に出訴期間の制限はない。刑の確定後何年経っても、刑の執行が終わった後でも、有罪を受けた者が死亡した後でも請求できる(刑訴法441条、439条)。ただし新証拠の発見や事由の立証が、時の経過で事実上困難になる現実的な限界はある

学説

総合評価説(通説・判例):6号の明白性は新証拠のみで判断するのではなく、確定判決が用いた旧証拠と新証拠を総合的に評価し、確定判決の事実認定に合理的な疑いが生じるかで判断するとする立場。白鳥・財田川両決定が採用し、現在の実務の基礎となっている。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定により、有罪を受けた者の利益のための再審(利益再審)として7つの請求事由を整理して規定。旧法下の不利益再審を廃し、誤判救済に純化した。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

刑事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第四編

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›