刑事訴訟法 第452条
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再審においては、原判決の刑より重い刑を言い渡すことはできない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第452条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第452条の条文原文は「再審においては、原判決の刑より重い刑を言い渡すことはできない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第452条は第四編に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第452条の前の条は刑事訴訟法第451条です。
- 刑事訴訟法第452条の次の条は刑事訴訟法第453条です。
- 刑事訴訟法第452条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第452条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第452条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/452
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法452条は、再審で原判決より重い刑を言い渡すことを禁じる規定。日本の再審は利益再審のみで、申立てによって刑が重くなることは絶対にない。
Q · 再審をやり直したら、逆に刑が重くなることはありますか?
ありません。452条が原判決の刑を上限に固定します。
刑事訴訟法452条により、再審では原判決の刑より重い刑を言い渡すことはできません。日本の再審は被告人の利益のためにのみ認められる「利益再審」であり、検察官が重罰を求める不利益再審は1948年の現行法制定で廃止されました。そのため再審を申し立てても刑が加重される危険はゼロで、失うのは費用と時間だけです。新証拠があるなら、リスクの非対称性を活かして早く動くのが得策です。
解説
確定した有罪判決は、もう何をしても動かせない。多くの人はそう思い込んで、無実を訴える気力すら手放してしまう。だが日本の刑事司法には、確定判決を覆す最後の扉が一つだけ残されている。再審だ。そして刑事訴訟法452条は、その扉を開けようとするあなたに、ひとつの保証を差し出す。再審でやり直しても、元の判決より重い刑になることは絶対にない。これは見た目以上に重い意味を持つ。もし再審で刑が重くなる可能性があれば、無実を主張する人は「藪をつついて蛇を出す」恐怖で、申立てそのものを躊躇する。452条はその恐怖を構造ごと取り除く。日本では戦後、被告人に不利益な再審そのものが廃止され、再審は無罪・減刑の方向にしか開かれない。袴田事件で死刑確定から無罪を勝ち取れたのも、この一方通行の仕組みが土台にあったからだ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法452条は再審における不利益変更禁止を定める規定であり、確定した有罪判決に対する再審の審理において、原判決の刑より重い刑を言い渡すことを禁じる。再審が被告人の利益の方向にのみ機能することを担保し、誤判救済の申立てを萎縮させない構造を支える。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.再審事由に該当するか確認 真犯人の自白、新たな科学鑑定、アリバイ証明などの新証拠が、刑訴435条の再審事由(無罪を言い渡すべき明らかな新証拠など)に当たるかを精査する。量刑不服や同じ証拠の蒸し返しでは足りない
- 2.冤罪・再審に実績のある弁護団へ相談 一般の法律事務所より、冤罪・再審を専門に手がける弁護団を最初から探す。法テラスや日弁連の人権救済窓口、支援団体が入口になる。再審は持ち出しになりやすく引き受け手が限られるため、専門窓口が近道
- 3.確定記録の証拠開示を請求 検察庁が保管する未開示証拠の中に再審の鍵が眠っていることが多い。請求段階で粘り強く開示を求めた事件ほど再審開始決定にこぎつけている。開示の角度を変えれば過去に棄却された案件でも再挑戦の余地がある
- 4.再審請求書を提出して争う 再審事由を疎明した再審請求書を確定判決をした裁判所に提出する。452条があるため、請求して刑が重くなる心配は不要。失うのは費用と時間のみで、リスクとリターンが構造的に非対称に有利だと理解して動く
よくある質問 AI による整理
Q1再審とは何ですか?
確定した有罪判決を、新証拠などを理由にやり直す非常救済手続です。日本では被告人の利益のためにのみ開かれ、回数や期間の制限はありません(刑訴435条以下)。
Q2不利益変更禁止とは?
やり直しの審理で、元の判決より重い刑を言い渡せないという原則です。刑訴452条が再審について、402条が控訴審について定めています。
Q3再審で刑は重くなる?
なりません。刑訴452条が原判決の刑を上限に固定しているため、再審で一日でも重い刑を宣告することは法的にできません。
Q4再審の請求はいつまでにすべき?
期間制限はなく、確定後いつでも可能です。本人死亡後も近親者が請求できます(刑訴439条)。ただし証拠の風化を考えれば早期着手が鉄則です。
Q5死刑確定後でも再審できる?
できます。袴田事件のように死刑確定者が再審無罪を勝ち取った例もあります。452条があるため、争っても刑が重くなる危険はありません。
Q6利益再審と不利益再審の違いは?
利益再審は被告人に有利な方向のやり直し、不利益再審は重罰を求めるやり直しです。日本では不利益再審が1948年に廃止され、現在は利益再審のみです。
Q7再審が認められる条件は?
無罪を言い渡すべき明らかな新証拠の発見など、刑訴435条の再審事由が必要です。単なる量刑不服や事実の蒸し返しでは認められません。
Q8再審無罪になったら補償はある?
あります。刑事補償法に基づき、身柄拘束日数に応じた補償を請求できます。長期拘束の冤罪では補償額が高額になります(刑事補償法、最新の改正状況をご確認ください)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1再審って、無罪になる以外に意味あるんですか?
あります。減刑のための再審も可能で、例えば殺人から傷害致死への事実誤認の訂正で刑が下がる道もあります。452条により、やり直して刑が上がることは決してありません(刑訴435条以下)。実務のポイント:再審で無罪が確定すれば、刑事補償法に基づき身柄拘束1日あたり最大12,500円の補償を請求できます(刑事補償法4条、最新の改正状況をご確認ください)。袴田事件級の長期拘束では補償額が巨額になる。再審は「やり直し」だけでなく、その先の補償までつながっている
Q2一度再審がダメでも、また申し立てられますか?
できます。再審請求に回数制限や期間制限はなく、新たな証拠があれば何度でも請求可能です(刑訴435条以下)。一度の棄却で道が閉ざされるわけではありません。実務のポイント:確定判決の記録は検察庁が保管しており、その中の未開示証拠をどこまで引き出せるかが再審の最大のカギ。近年は証拠開示の運用が少しずつ改善し、過去に出てこなかった証拠が再審で表に出る事例が増えている。だから「前回ダメだった」案件でも、証拠開示の角度を変えれば再挑戦の余地がある
Q3弁護士費用が払えなくても再審できますか?
再審請求の段階は国選弁護の対象外であることが多く、費用面のハードルは確かにあります。ただし法テラスの利用や、冤罪事件に取り組む弁護団への相談という道があります。実務のポイント:再審は手間がかかる割に報われにくく、弁護士の持ち出しになりがちで、引き受け手が少ないのが実情です。だからこそ、一般の法律事務所より、冤罪・再審を専門に手がける弁護団を最初から探すのが近道。日弁連や支援団体が窓口を持っている
間違えやすい点 AI による整理
- 「確定判決はもう絶対に変えられない」と思い込んでいる人が多いが、再審という例外の扉が法律に組み込まれている。しかも452条のおかげで、扉を開けてやり直しても刑が重くなるリスクはゼロ。試すこと自体に法的な代償がない
- 再審は「無罪を勝ち取るためだけの制度」だと思われがちだが、減刑のための再審も成立しうる。罪名や事実認定の誤りを正して刑を軽くする道もある。多くの人は、この「刑を軽くする再審」の存在自体を知らないまま諦めている
- 「再審を起こせば検察が逆襲してくるのでは」と身構える人がいるが、その問いの前提そのものが崩れている。日本では被告人に不利益な再審が1948年に廃止された。検察側から有罪・重罰を求める再審という土俵自体が、もう存在しない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用される審理 | 刑訴452条:再審の審理 | 刑訴402条:控訴審 刑訴435条:再審事由(審理の入口) |
| 規律内容 | 原判決の刑より重い刑を言い渡せない | 被告人が控訴した事件で原判決より重い刑を言い渡せない 新証拠など、再審を開始できる事由を限定列挙 |
| 前提 | 確定判決+再審開始決定(刑訴448条) | 未確定の第一審判決+被告人側の控訴 確定判決+刑訴435条の事由の存在 |
| 目的 | 誤判救済の申立てを萎縮させない | 上訴権の行使を萎縮させない 法的安定性と誤判救済の両立 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は上訴審で不利益変更禁止を採るが、再審については被告人に不利益な再審(§422)を許容する点で日本と根本的に異なる
韓国は再審で原判決より重い刑を言い渡せないと定め、日本452条とほぼ同一の構造。やはり利益再審を基本とする
ドイツも被告人の利益のための再審において不利益変更を禁じる。reformatio in peius の禁止という共通の手続伝統に立つ
米国は二重の危険条項を背景に、再審理での報復的な刑の加重を制限する。州ごとに運用は分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 新証拠が見つかって再審を申し立てたら、逆に刑が重くなるんじゃないか。その心配は無用だ。452条が天井を固定している。原判決の刑が上限であり、それを一日たりとも超える宣告は法的にできない。だから「やってみる」こと自体にリスクはない
- 懲役12年が確定して服役中のあなたに、真犯人の自白という新証拠が届いた。再審請求に期限はないが、証拠は風化し証人の記憶は薄れていく。動くなら今しかない。そして仮に再審で覆らなくても、刑が13年に延びることは決してない。失うものは費用と時間だけだ
- 死刑が確定した親族のため、家族が再審を準備する。請求しても刑が重くなる危険はゼロ。残るリスクは費用と労力だけである
- もし再審の場で検察官が「やはりもっと重く罰すべきだ」と主張してきたら、どうなる。できない。被告人に不利益な再審は戦後に廃止された。再審の土俵は、最初から被告人に有利な方向へしか傾かないように作られている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 新証拠(真犯人の自白、新たな科学鑑定、アリバイ証明など)を確保し、再審事由(刑訴435条)に該当するか確認する2. 冤罪事件に実績のある弁護士・弁護団に相談、法テラスや日弁連の人権救済窓口も入口になる3. 確定記録の証拠開示請求が突破口、検察庁が保管する未開示証拠を洗い直す4. 452条があるため、請求して刑が重くなる心配は不要。失うのは費用と時間のみで、リスクとリターンが構造的に非対称に有利だと理解して動く
訴えられた側:1. 事件の被害者・遺族側の場合、加害者が再審請求しても、刑が軽くなることはあっても重くなることはないとまず理解しておく2. 再審開始決定が出ても、それは即無罪ではなく審理のやり直しにすぎず、被害者参加制度(刑訴316条の33以下)で意見を述べられる3. 担当検察官と連絡を取り、開始決定への即時抗告の見込みを確認する4. 報道対応の窓口を一本化し、不用意な発言を避ける
時効(請求できる期限):再審請求に期間制限はない。有罪判決が確定した後であればいつでも可能で、有罪を言い渡された者が死亡した後でも、配偶者・直系親族・兄弟姉妹が請求できる(刑訴法439条)。ただし証拠の風化を考えれば、早期着手が実務上の鉄則
学説
通説:現行刑訴法は不利益再審を廃止し再審を利益再審に純化させたと解する。452条はこの理念を量刑面で具体化した規定であり、再審が被告人に不利益な方向へは一切作用しないことを担保するものと位置づけられる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定により、被告人に不利益な再審を廃止。再審を利益再審に限定したうえで、本条が原判決の刑を上限とする不利益変更禁止を明文化した
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