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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 8 分8 分8 分

刑事訴訟法 第378条

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  1. 左の事由があることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつてその事由があることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。
  2. 一不法に管轄又は管轄違を認めたこと。
  3. 二不法に、公訴を受理し、又はこれを棄却したこと。
  4. 三審判の請求を受けた事件について判決をせず、又は審判の請求を受けない事件について判決をしたこと。
  5. 四判決に理由を附せず、又は理由にくいちがいがあること。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第378条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第378条の条文原文は「左の事由があることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつてその事由があることを信…」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第378条は第二章に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第378条の前の条は刑事訴訟法第377条です。
  7. 刑事訴訟法第378条の次の条は刑事訴訟法第379条です。
  8. 刑事訴訟法第378条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第378条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第378条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/378
裁判例 41件に引用されています

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わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法378条は、管轄の違法・公訴処理の違法・審判対象の逸脱・理由不備の四つを絶対的控訴理由と定め、判決への影響を問わず原判決を破棄させる。

Q · 一審の有罪判決を控訴で覆したい。誤りが判決に影響したと証明しなくても破棄できる場合があるって本当?

理由不備など四つの絶対的控訴理由なら影響を問わず破棄されます

刑事訴訟法378条は四つの絶対的控訴理由を定めます。①不法に管轄・管轄違を認めた、②公訴の受理・棄却が違法、③審判の請求を受けた事件を裁かず又は請求のない事件を裁いた、④判決に理由がない又は理由にくいちがいがある、の四つです。相対的控訴理由(379条以下)と異なり、その瑕疵が判決に影響したかを一切問わず、存在さえ示せば原判決は破棄されます。ただし破棄は無罪を意味せず、差戻しや自判による再審理に進みます(刑訴法397条以下)。

解説

一審で有罪判決を受けて控訴する。だが控訴審で逆転できる確率は、実のところ一割前後しかない。理由は単純で、控訴理由の大半は『その誤りが判決に影響を及ぼすことが明らかだ』と立証しなければならず、その壁が高いからだ。ところが刑事訴訟法378条が並べた四つの事由は別格である。管轄やその欠如を不法に認めた、公訴の受理や棄却を不法に行った、起訴されていない事件を裁いた(あるいは起訴された事件を裁き残した)、判決に理由がない、または理由が食い違っている。この四つは『絶対的控訴理由』と呼ばれ、その瑕疵が結論に影響したかどうかを一切問わず、存在しさえすれば原判決は破棄される。あなたが控訴趣意書を書くとき、まずこの四つに当たらないかを最優先で点検する理由がここにある。とりわけ四号の理由不備・理由齟齬は、判決書を精読すれば法律家でなくても気付ける武器になりうる。

法的な位置づけ

絶対的控訴理由とは、刑事訴訟法378条が列挙する四類型の重大な手続的瑕疵をいい、その存在が認められれば判決への影響の有無を問わず原判決が破棄される控訴理由を指す。不法な管轄の認定、公訴受理・棄却の違法、審判対象の逸脱、理由不備・理由齟齬がこれに該当し、影響の明白性を要する相対的控訴理由と区別される。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.まず控訴申立てで期限を確保する 判決言渡しの日の翌日から14日以内に、控訴申立書を判決をした原裁判所へ提出する(刑訴法373条)。中身の精査より先に、この期限を確保することが最優先
  2. 2.判決書を378条の四事由で点検する 判決書を入手し、①管轄・管轄違の認定、②公訴受理・棄却、③審判対象(起訴状の訴因と判決認定範囲のズレ)、④主文と理由の整合・理由相互の矛盾を順に点検。とくに4号の理由齟齬は法律家でなくても気付ける武器になる
  3. 3.援用すべき事実を訴訟記録から抽出する 該当事由があれば、訴訟記録および原裁判所で取り調べた証拠に現れた事実から、その事由を信じるに足りる根拠を抽出する。記録にない新主張は門前払いになるため、記録上の事実に限定する
  4. 4.控訴趣意書を指定期限内に提出する 裁判所が指定する提出期限内に、378条の事由と援用事実を記載した控訴趣意書を提出する(刑訴法376条)。一日でも徒過すると控訴は棄却される(刑訴法386条)

よくある質問 AI による整理

Q1絶対的控訴理由とは何ですか?

刑訴法378条が定める四類型の重大な手続違反です。管轄の違法、公訴処理の違法、審判対象の逸脱、理由不備・理由齟齬を指し、判決への影響を問わず原判決が破棄されます。

Q2刑事控訴はいつまでに申し立てればいいですか?

判決言渡しの日の翌日から14日以内です(刑訴法373条、初日不算入)。その後、裁判所が指定する期間内に控訴趣意書を提出する必要があります。

Q3控訴趣意書には何を書けばいいですか?

控訴理由を具体的に記載します。378条の事由は、訴訟記録および原裁判所で取り調べた証拠に現れた事実を援用して、その存在を信じるに足りる根拠を示す必要があります。

Q4理由齟齬とはどういう意味ですか?

判決の主文と理由、または理由中の事実認定どうしが論理的に両立しない状態をいいます。378条4号の破棄事由で、判決書を一行ずつ照合して探します。

Q5控訴審では新しい証拠を出せますか?

控訴審は原則として事後審で、新証拠の提出は厳しく制限されます。378条の事由も訴訟記録と原審証拠に現れた事実しか援用できません。

Q6裁判員裁判の判決にも378条は使えますか?

使えます。市民6名が加わった重大事件の判決でも、理由に矛盾があれば4号で破棄されます。裁判員が関与した結論でも例外ではありません。

Q7略式命令の後の正式裁判の判決でも争えますか?

正式裁判で出た判決が理由を欠けば、378条4号で争えます。罰金一つの軽い事件でも、論理破綻という武器は重大事件と同じ形で手に入ります。

Q8控訴趣意書の提出期限を過ぎたらどうなりますか?

控訴は棄却されます(刑訴法386条)。絶対的控訴理由という強い武器を握っていても、期限管理を外した瞬間に武器ごと失います。

この条文についての質問 AI による整理

Q1理由がないって、どの程度なら『理由不備』になるんですか?

結論だけ書いて、なぜその結論に至ったかの認定や説明が欠けている場合が典型です。一部でも理由が示されていれば原則として理由不備にはなりませんが、有罪の核心部分について判断を示していない、証拠の標目を欠くといった場合は四号に当たりえます(刑訴法378条4号、335条)。実務のポイント:理由『不備』より理由『齟齬』の方が見つけやすい。主文と理由、あるいは理由の中の事実認定同士が論理的に両立しない箇所を、判決書を一行ずつ突き合わせて探す。経験ある弁護人ほど、まずここから読む

Q2絶対的控訴理由と普通の控訴理由って、何がそんなに違うんですか?

普通の控訴理由(訴訟手続の法令違反379条、法令適用の誤り380条など)は『その誤りが判決に影響を及ぼすことが明らかだ』と立証して初めて破棄されます。378条の四事由はこの立証が要らず、事由の存在さえ示せば破棄されます(刑訴法397条1項)。実務のポイント:立証のハードルがまるで違うので、控訴を組み立てるときはまず378条に当てはまらないかを最優先で探す。当てはまれば、影響の明白性という最も争いになる論点を丸ごと回避できる

Q3控訴審で破棄されたら、その場で無罪放免ですか?

いいえ。378条で破棄されても、それは原判決が消えるだけです。高裁が自ら判決し直す(自判)か、地裁へ差し戻して審理をやり直します(刑訴法397条、400条)。管轄違いなら管轄裁判所へ移送されることもあります。実務のポイント:破棄イコール勝訴ではない。差戻し後に再び有罪になる可能性も残る。だから絶対的控訴理由を主張するときも、差戻し審を見据えた実体面の主張を並行して準備しておくのが実務の定石です

間違えやすい点 AI による整理

  • 「控訴すれば一審のやり直しで、また一から証拠を出せる」と思っている人が多いが、控訴審は原則として事後審だ。新証拠の提出は厳しく制限され、378条の絶対的控訴理由も『訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現れている事実』しか援用できない。一審で出し損ねた材料は、控訴審ではほぼ使えない
  • 『判決に理由が書いてある』ことは誰でも知っているが、その理由が論理として成立しているかまで突き合わせる人は少ない。有罪の結論と、根拠とされた事実認定が噛み合っていなければ四号の理由のくいちがいだ。判決書を一行ずつ照合すると、経験ある裁判官の判決でも矛盾が残ることがある。あなたが思うよりこの落とし穴は深い
  • 「絶対的控訴理由があれば必ず無罪になる」と考えるのは、問いの立て方そのものが違う。378条は原判決を破棄するだけで、無罪を意味しない。破棄後は高裁が自ら判決し直すか、地裁に差し戻して審理をやり直す(刑訴法397条以下)。手に入るのは『もう一度の審理』であって『無罪』ではない
比較の観点この条文ほかの条文
立証負担378条(絶対的控訴理由):事由の存在を示せば足り、影響の明白性は不要379条(訴訟手続の法令違反):誤りが判決に影響したことが明らかであると立証要
377条(絶対的控訴理由・構成等):378条と同じく影響を問わない
対象となる瑕疵管轄・管轄違、公訴受理・棄却、審判対象の逸脱、理由不備・理由齟齬上記以外の訴訟手続上の法令違反一般
裁判所の構成違法、不法な公開停止、審判関与違法等
破棄の効果存在さえ示せば原判決を破棄(影響不問)。破棄後は差戻し・移送・自判影響の明白性が認められれば破棄
存在さえ示せば原判決を破棄(影響不問)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国刑事訴訟法第379条

台湾も『當然違背法令』として絶対的上訴理由を限定列挙し、影響の有無を問わず破棄する点で日本378条と構造が近い。

韓国
대한민국 형사소송법 제361조의5

韓国は항소이유を列挙し、判決に影響を及ぼした法令違反等を定める。絶対的破棄事由の限定列挙という発想は日本と類似する。

ドイツ
StPO § 338(absolute Revisionsgründe)

ドイツは absolute Revisionsgründe として裁判所構成の違法等を列挙し、その存在のみで原判決を破棄する。日本377・378条の直接的な母法的モデル。

アメリカ
Structural error doctrine(Arizona v. Fulminante, 1991)

米国は構造的誤り(structural error)の類型に限り harmless error 分析を経ずに自動的に破棄する。影響不問という点で機能的に類似するが、判例法上の概念である。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 一審で実刑判決。控訴申立期間は判決言渡しの翌日から14日(刑訴法373条)しかない。その短い間に判決書を読み込み、378条の絶対的控訴理由に当たる瑕疵がないか探す。理由欄が結論だけで論証を欠いていれば、四号で一発勝負ができる。あと数日、重い紙束を机に放り出している場合ではない
  • もし、裁判所が起訴されてもいない余罪まで判決の中で有罪認定していたら、どうなる? それは三号の『審判の請求を受けない事件について判決をした』に当たる。被告人に有利でも不利でも、審判対象の枠を外した判決は破棄される
  • 弁護人として控訴趣意書を起案する。訴訟記録と原審で取り調べた証拠に現れた事実から、四つの事由を信じるに足る根拠を援用しなければならない。記録にない新主張は門前払いだ
  • 簡易裁判所が、本来は地方裁判所が裁くべき重い事件を判決してしまった。これは一号の『不法に管轄を認めた』に当たる。当事者が気付かないまま一審を終えても、控訴審で覆せる余地が残る

取るべき行動

被害を受けた側:1. 判決言渡しの翌日から14日以内に控訴申立書を原裁判所へ提出し(刑訴法373条)、まず期限を確保する2. 判決書を入手し、378条の四事由を順に点検。とくに主文と理由の整合、起訴状の訴因と判決の認定範囲のズレを精査3. 該当があれば、訴訟記録と原審で取り調べた証拠から『その事由を信じるに足りる事実』を控訴趣意書に援用する4. 裁判所が指定する控訴趣意書の提出期限を厳守、徒過すれば棄却される

訴えられた側:1. 相手(被告人または検察官)が378条を持ち出してきたら、その事由が訴訟記録・原審証拠に本当に現れているかを反論の起点にする2. 四号の理由齟齬を突かれた場合、判決理由を全体として読めば矛盾はないと再構成する答弁を準備する3. 絶対的控訴理由は影響の有無を問わないため、影響軽微という反論は通用しない。事由の存在自体を否定する一点突破に集中する4. 破棄されても差戻しで再度争える可能性を見据え、二審以降の立証計画を並行して立てる

時効(請求できる期限):控訴申立は判決言渡しの日の翌日から14日以内(刑訴法373条、初日不算入)。その後、裁判所が定める期間内に控訴趣意書を提出し(刑訴法376条)、徒過すれば控訴棄却(刑訴法386条)。378条の事由はこの控訴趣意書で援用する必要がある

学説

通説:378条の四事由は刑事裁判の枠組み(管轄・公訴の適否・審判対象の同一性・理由の存在)を支える骨格的瑕疵であり、結論が正しく見えても正当性の土台を欠くため、影響の有無を問わない絶対的破棄という強い効果が与えられると説明される。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定により、絶対的控訴理由として四類型を限定列挙。旧刑事訴訟法の上訴構造を引き継ぎつつ、当事者主義的な控訴審制度として再構成された。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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