刑事訴訟法 第335条
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- 有罪の言渡をするには、罪となるべき事実、証拠の標目及び法令の適用を示さなければならない。
- 2.法律上犯罪の成立を妨げる理由又は刑の加重減免の理由となる事実が主張されたときは、これに対する判断を示さなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第335条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第335条の条文原文は「有罪の言渡をするには、罪となるべき事実、証拠の標目及び法令の適用を示さなければならない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第335条は第五節 公判の裁判に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第335条の前の条は刑事訴訟法第334条です。
- 刑事訴訟法第335条の次の条は刑事訴訟法第336条です。
- 刑事訴訟法第335条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第335条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第335条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/335
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法335条は、有罪判決に罪となるべき事実・証拠の標目・法令の適用を示すことを義務づける。主張された正当防衛などの争点に判断を欠けば理由不備となる。
Q · 弁護人が正当防衛を主張したのに、有罪判決にその判断が書かれていなかったら争えますか?
主張した争点に判断がなければ理由不備で破棄できます
刑事訴訟法335条2項により、犯罪の成立を妨げる理由(正当防衛・責任能力の不存在等)や刑の加重減免の理由が主張されたとき、裁判所はその判断を判決に示さなければなりません。明示的に主張した争点に裁判所が一言も触れずに有罪とした場合、それは理由不備(刑訴378条4号)にあたり、内容の当否を問う前に、その手続的欠陥だけで判決を破棄させる根拠になります。ただし、主張は争点として明示し公判調書に残しておく必要があります。
解説
刑事裁判で「有罪」と告げられたとき、多くの人は主文(懲役○年)にしか目が行かない。だが本当に読むべきは、その手前にある理由の部分だ。刑事訴訟法335条は、裁判所が有罪を言い渡すなら、必ず三つを判決に書けと命じる。罪となるべき事実、証拠の標目、法令の適用、この三点だ。さらに2項が決定的に重要。あなた側の弁護人が「正当防衛だった」「責任能力がなかった」「自首した」などと主張したなら、裁判所はその主張に対する判断を必ず判決に書かなければならない。逆に言えば、明示的に主張した争点に裁判所が一言も触れずに有罪にしたら、それは「理由不備」となり、判決そのものを破棄させる武器になる(刑訴378条4号)。判決書は裁判所からの一方的な宣告ではない。あなたの主張に応答する義務を裁判所に課した、双方向の文書なのだ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法335条は、有罪の言渡しにあたり判決へ記載すべき事項を定める規定である。1項は罪となるべき事実・証拠の標目・法令の適用の明示を求め、2項は犯罪の成立を妨げる理由や刑の加重減免の理由が主張された場合に、その判断を示す義務を裁判所に課す。これを欠くと理由不備となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.判決書・判決理由を直ちに入手する 有罪判決の言渡し後、判決書または判決理由を速やかに入手する。控訴期間は宣告翌日から14日と短いため、量刑の数字より先に理由欄全体を確保することが最優先
- 2.主張した争点ごとに判断の有無を照合する 公判で主張した正当防衛・心神喪失・過剰防衛・自首などの争点を一つずつ書き出し、判決の『弁護人の主張に対する判断』欄に応答が書かれているかを1:1で照合する
- 3.理由不備・理由齟齬の箇所を特定する 主張したのに判断がない箇所、または証拠の羅列だけで論理の橋が架かっていない箇所を洗い出し、335条違反として刑訴378条4号に構成できるか検討する
- 4.14日以内に控訴を申し立てる 理由不備を核に控訴理由書を構成し、判決宣告翌日から14日以内に控訴を申し立てる。弁護人がいない場合は当番弁護士・国選弁護人に直ちに相談し、刑事控訴に強い弁護人を選ぶ
よくある質問 AI による整理
Q1有罪判決の理由とは何ですか?
裁判所が有罪と認定した根拠を示す部分です。刑事訴訟法335条1項により、罪となるべき事実・証拠の標目・法令の適用の三点を判決に明示する必要があります。
Q2理由不備とは何ですか?
判決に必要な理由が欠けている状態です。335条の記載義務を満たさないと理由不備(刑訴378条4号)となり、絶対的控訴理由として判決破棄の根拠になります。
Q3罪となるべき事実はどこまで具体的に書く必要がありますか?
起訴状の訴因(刑訴256条)に対応し、構成要件に該当する具体的事実を特定して記載する必要があります。日時・場所・行為が曖昧だと理由不備の余地が生じます。
Q4刑事の控訴はいつまでにできますか?
判決宣告日の翌日から起算して14日以内です(刑訴373条)。1日でも過ぎると判決が確定し、335条違反があっても原則として争えなくなります。
Q5裁判員裁判でも335条2項は適用されますか?
適用されます。裁判員が評議で議論した争点でも、判決書に判断が書かれなければ理由不備になりえます。市民の議論と判決文のずれが控訴審で精査されます。
Q6正当防衛の主張に判断がないとどうなりますか?
主張が明示され記録されていれば、335条2項違反の理由不備となり、控訴審で判決を破棄させる武器になります。判決を受け取ったらまずこの項を確認します。
Q7量刑の理由も335条で書く必要がありますか?
335条2項は刑の加重減免の理由が主張された場合の判断を要求します。自首など減免事由を主張したのに判断がなければ理由不備の対象となります。
Q8判決書はいつ受け取れますか?
言渡し時に判決理由が告げられ、判決書(または判決書謄本)は請求により交付されます。控訴期間は14日と短いため、入手後すぐに理由欄を精読すべきです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1判決で『証拠を総合すれば有罪』としか書いてなかったら、それで文句を言えますか?
争える可能性があります。335条1項は『証拠の標目』を示すよう求めますが、判例上、なぜその証拠から罪となるべき事実が認定できるかの論理が破綻していたり、弁護側の主張への応答を欠いていれば理由不備(刑訴378条4号)となります。実務のポイント:証拠の標目は『どの証拠で認定したか』を示せば足り、証拠ごとに詳細な評価まで書く義務はないというのが実務の運用。だから攻めどころは1項の証拠列挙より、2項の『弁護側主張への判断漏れ』のほうが圧倒的に多い。弁護人が控訴で狙うのもそこだ
Q2弁護士が法廷でちらっと正当防衛に触れただけでも、裁判所は判決に書かなきゃいけないんですか?
ここが微妙な分かれ目です。335条2項の判断義務が生じるのは、犯罪の成立を妨げる理由や刑の加重減免の理由が『主張された』場合。単なる感想的な言及では足りず、争点として明示的に主張する必要があるというのが判例の立場です。実務のポイント:だから経験ある弁護人は、正当防衛や心神喪失を弁論要旨に明記し公判調書に残す。曖昧に流すと裁判所に『主張とは認められない』と切られ、判断漏れを後で突けなくなる。主張は口頭の勢いではなく、書面と記録で固めるのが鉄則
間違えやすい点 AI による整理
- 「有罪判決の理由なんて、専門家が読む形式的なものだ」と思われがちだが、335条2項は被告人にとって最強の防御装置になる。明示的に主張した正当防衛や責任能力の争点に裁判所が判断を示さなければ、内容の当否を問う前に、その手続的欠陥だけで判決が破棄されうる。形式の話ではなく、勝敗の話だ
- 「弁護人が法廷で口にすれば、335条2項の判断義務は発動する」と考える人がいるが、ここに落とし穴がある。判断義務が生じるのは『主張された』とき。漠然と触れただけでは足りず、争点として明示的に主張し、調書に記録されている必要がある。だから弁護戦略では、争点を曖昧に流さず、はっきりと主張として立てて記録に残すことが決定的になる
- あなたから見れば「証拠が並んでいるのだから理由は十分だ」と映る。だが法律から見れば、証拠の標目を列挙するだけでは335条を満たさない。なぜその証拠から罪となるべき事実が認定できるのか、弁護側の反論をなぜ退けるのか、その論理の橋が架かっていなければ理由不備となる。この『並べた』と『示した』の落差が、控訴審の主戦場になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 335条:有罪判決に示すべき理由(事実・証拠・法令適用+主張への判断) | 44条:裁判一般に理由を附する原則 336条:無罪判決の言渡し |
| 適用される判決 | 有罪の言渡し | 判決・決定・命令を含む裁判全般 犯罪の証明がない/罪とならない場合 |
| 主張への応答義務 | 犯罪成立阻却・刑の加重減免の主張に判断必須(2項) | 理由を附する一般義務にとどまる 無罪理由の記載で足りる |
| 違反したときの効果 | 理由不備として絶対的控訴理由(378条4号) | 個別規定により理由不備となりうる 理由不備として絶対的控訴理由 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も有罪判決書に理由の記載を求め、特に310条で認定事実と証拠の関係、被告の主張を採らない理由などを記すよう要求する点で日本と発想が近い
韓国は有罪判決に犯罪となる事実・証拠の要旨・法令の適用を明示させ、被告の主張に対する判断も求める点で日本335条とほぼ同型
ドイツは判決理由に認定事実と証拠評価の記載を求め、被告の主張への応答を含めて詳細な理由付けを要求する。理由不備は上訴理由となる
米国は陪審が一般評決で理由を示さないのが原則。陪審によらない審理では、当事者の請求があれば裁判所が事実認定を特定して示す点が対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが傷害事件の被告人で、公判で弁護人が一貫して「正当防衛だった」と主張した。それなのに有罪判決の理由欄に正当防衛への判断が一行も書かれていない。もし、これに気付かず控訴期間を逃したら? 本来勝てたはずの破棄理由を自ら捨てることになる。判決を受け取った夜、まず探すべきはここだ
- 裁判員裁判で評議の際、市民の裁判員が「これは過剰防衛では」と議論した。だが最終的に作られた判決書に、その点への判断が反映されていない。裁判員が参加しても335条2項は適用される。市民感覚で出た争点も、判決に書かれなければ理由不備になりうる
- あなたの家族が被告人になり、弁護人が「心神耗弱」を主張した。証拠の標目に精神鑑定書が挙がっているのに、責任能力への判断が判決にない。あと14日、控訴申立ての期限が迫る。この三日間で判決書を精読し、335条2項違反を見つけられるかが分水嶺
- あなたが詐欺の被告人で、弁護人が「だます意図はなかった(故意の不存在)」と争った。判決が証拠を並べただけで、なぜ故意ありと認定したかの理由を書いていなければ、それも理由不備の足がかりになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. あなたが被害者参加人として有罪・厳罰を求める立場なら、判決理由に『罪となるべき事実』が具体的かつ十分に書かれているか確認する。事実認定が薄いと、被告側に控訴の足がかりを与える2. 検察官と連携し、公判で立証した事実が判決にきちんと反映されているか照合3. 無罪・一部無罪となった場合は、検察官の控訴可否(刑訴351条以下)を検察官と相談4. 民事の損害賠償は別軌道で進める(民法709条)。刑事判決の認定事実は民事でも有力な証拠になる
訴えられた側:1. 判決言渡し後、判決書(または判決理由)を直ちに入手し、自分が公判で主張した争点ごとに『判断が書かれているか』を一つずつ照合する2. 主張したのに判断がない、または理由が証拠の羅列だけで論理が欠けている箇所を洗い出す3. それを理由不備・理由齟齬(刑訴378条4号)として控訴理由書に構成、控訴は判決翌日から14日以内4. 弁護人がいない場合は当番弁護士・国選弁護人に直ちに相談、335条2項違反の指摘は刑事控訴に強い弁護人を選ぶ
時効(請求できる期限):控訴の申立ては、判決宣告日の翌日から起算して14日以内(刑訴373条、刑訴358条)。この期間を1日でも過ぎると判決は確定し、335条違反があっても原則として争えなくなる。上訴権回復(刑訴362条以下)は自己の責によらない場合に限られ、極めて例外的
学説
通説:335条1項の証拠の標目は、どの証拠で罪となるべき事実を認定したかを示せば足り、証拠ごとの詳細な評価まで記載する義務はない。実務上の争点はむしろ2項にあり、明示的に主張された犯罪成立阻却・刑の加減免事由への判断漏れが理由不備の中心的な攻めどころとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定により、有罪判決に示すべき理由を定める規定として設けられた。当事者主義的改革のもと、主張された争点への判断義務(2項)が組み込まれた。
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