刑事訴訟法 第336条
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被告事件が罪とならないとき、又は被告事件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡をしなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第336条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第336条の条文原文は「被告事件が罪とならないとき、又は被告事件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡をしなければならない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第336条は第五節 公判の裁判に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第336条の前の条は刑事訴訟法第335条です。
- 刑事訴訟法第336条の次の条は刑事訴訟法第337条です。
- 刑事訴訟法第336条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第336条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第336条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/336
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法336条は、被告事件が罪とならないとき、又は犯罪の証明がないときは、判決で無罪を言い渡すと定める。立証責任は検察官にあり、合理的な疑いが残れば無罪となる。
Q · 無罪判決が出れば、それで事件は完全に終わりなんですか?
立証責任は検察官にあり、合理的な疑いが残れば無罪
刑事訴訟法336条により、被告事件が罪とならないとき(前段)、又は犯罪の証明がないとき(後段)は無罪が言い渡されます。被告人が自ら無実を証明する必要はなく、検察官が合理的な疑いを超える立証に失敗すれば無罪です。ただし無罪は即・終結ではありません。検察官は無罪判決に控訴でき(刑事訴訟法351条)、判決の日から14日以内に控訴がなければ無罪が確定します。確定後に初めて、刑事補償などの手続へ進めます。
解説
裁判官が「主文。被告人は無罪」と告げる。その瞬間、多くの人は全てが終わったと思う。だが刑事訴訟法336条を本当に理解している人は、そこで気を緩めない。この条文は無罪を二つの入口に分けている。一つは「罪とならないとき」、事実は認められても、それが法律上の犯罪に当たらない場合(正当防衛などで違法性が消える類)。もう一つは「犯罪の証明がないとき」、検察官が合理的な疑いを超える立証に失敗した場合だ。後者こそが「疑わしきは被告人の利益に」の正体である。そしてあなたが知らないかもしれない事実、無罪判決が出ても検察官はそれに控訴できる。アメリカのような二重処罰の禁止が、日本では無罪後の検察上訴を妨げない。無罪は終点ではなく、まだ一つの通過点でありうる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法336条は無罪判決を定める規定であり、被告事件が罪とならないとき(前段)、又は被告事件について犯罪の証明がないとき(後段)に、裁判所が判決で無罪を言い渡すべき旨を規定する。立証責任は検察官にあり、合理的な疑いが残る限り有罪とはできないという原則を手続上具体化したものである。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.無実の証明より検察立証の弱点に集中する 336条後段は検察官の立証失敗だけで無罪を導く。自分の無実を全面立証しようと消耗するより、主要証拠の矛盾・物理的不可能性に合理的な疑いを一つ作る方針を弁護人と固める
- 2.黙秘権を活用し不用意な供述を避ける 不用意な供述が検察立証を補強しないよう、取調べでの対応方針を弁護人と統一する。供述するか黙秘するかは戦略であり、感情で答えない
- 3.無罪判決後は検察官の控訴期間を見極める 第一審で無罪を得ても確定ではない。判決の日から14日(刑事訴訟法373条)の控訴期間が過ぎるまで祝杯を挙げない。控訴があれば控訴審の準備に入る
- 4.無罪確定後に刑事補償を請求する 無罪が確定したら、抑留・拘禁日数に応じた刑事補償を確定の日から3年以内に請求する。違法な捜査があれば国家賠償も重ねて検討する
よくある質問 AI による整理
Q1無罪率はどのくらいですか?
日本の刑事裁判の有罪率は極めて高いと言われ、無罪は統計上ごく少数です。だからこそ336条後段「犯罪の証明がない」をどう勝ち取るかが弁護の核心になります。
Q2無罪推定とは何ですか?
有罪判決が確定するまで被告人は無罪と扱われる原則です。336条は立証責任を検察官に置き、合理的な疑いが残れば無罪とすることで、この原則を手続上具体化しています。
Q3無罪判決に検察官は控訴できますか?
できます(刑事訴訟法351条)。日本では無罪への検察官控訴は二重の危険とされません。判決の日から14日以内に控訴がなければ無罪が確定します。
Q4「罪とならず」とはどういう意味ですか?
事実は認められるが、正当防衛などで違法性や責任が阻却され、法律上犯罪が成立しない場合です。336条前段にあたり、後段の「証明なし」とは意味が異なります。
Q5合理的な疑いとは何ですか?
通常人が確信を抱けない程度に有罪が疑わしい状態です。検察官の立証に合理的な疑いが残れば、被告人が無実を証明しなくても336条後段で無罪となります。
Q6痴漢冤罪でも無罪を取れますか?
可能です。鍵は無実の証明ではなく、検察官の立証に合理的な疑いを一つ残せるかです。供述の矛盾や物理的不可能性を突くことが336条後段の無罪につながります。
Q7無罪になると前科は残りますか?
残りません。無罪は「罪を犯していない、または証明されていない」という司法判断です。ただし捜査機関の前歴記録の扱いは別問題なので注意が必要です。
Q8無罪判決の理由は確認できますか?
判決書で「罪とならず」か「犯罪の証明がない」かを確認できます。同じ無罪でも一事不再理の射程や刑事補償の判断に影響するため、理由の区別が重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1無罪と不起訴って、何が違うんですか?
不起訴は検察官が起訴しない処分で、そもそも裁判が開かれません。無罪は裁判の結果として裁判所が下す判決(刑事訴訟法336条)です。不起訴には「嫌疑なし」「嫌疑不十分」「起訴猶予」があり、起訴猶予は『罪はあるが起訴を見送る』もの。実務のポイント:起訴猶予は前科にはならないが、捜査機関の前歴記録は残ります。無罪はそもそも『罪を犯していない、または証明されていない』という司法判断で、意味の重みが全く違う。同じ『有罪にならなかった』でも、後の人生での扱いが変わる
Q2無罪なら、勾留されていた間の補償や慰謝料はもらえますか?
刑事補償法に基づき、無罪が確定すれば抑留・拘禁された日数に応じて補償されます(1日あたり上限12,500円程度、最新の改正状況をご確認ください)。さらに違法な捜査・起訴があれば国家賠償法1条で別途賠償を求められます。実務のポイント:刑事補償は『適法な勾留でも無罪なら補償する』制度で、捜査の違法を問わず請求できる。一方、国家賠償は違法性の立証が必要でハードルが高い。まず刑事補償を確実に取り、違法があれば国賠を重ねる、というのが現実的な順序
Q3一度無罪になったら、もう同じ事件で裁かれませんよね?
確定後は一事不再理(憲法39条)により、同じ事件で再び裁かれることはありません。ただし条件は『確定』であること。第一審の無罪判決に検察官が控訴すれば(刑事訴訟法351条)、控訴審で覆る可能性があります。実務のポイント:日本はアメリカと違い、無罪判決への検察官の上訴を二重の危険とは扱わない。だから第一審の無罪は『勝利』だが『確定勝利』ではない。控訴期間14日を無事に過ぎて初めて、本当に終わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「無罪になるには自分の無実を証明しなければならない」と多くの被告人は考える。だがこの問いの立て方自体が誤っている。336条後段が要求するのは検察官の立証であって、あなたは無実を証明する義務を負わない。検察官が合理的な疑いを残したまま終われば、それだけで無罪だ。証明責任がどちらにあるかの誤解が、不必要な自白や妥協を生む
- 「無罪判決が出れば即釈放、事件は完全に終わり」と思われているが、検察官は無罪判決に控訴できる(刑事訴訟法351条)。第一審の無罪が控訴審で覆ることは現実にある。無罪が確定するまでは、まだ被告人としての立場が続いている
- 「罪とならず」と「証明がない」はどちらも無罪、と知っている人は多い。だがその違いの深刻さを知る人は少ない。前者は事実を認めた上で法的に犯罪不成立、後者は事実自体が証明されていない。同種の証拠が後に出たときの一事不再理の射程、刑事補償の判断、社会的評価の回復、そのすべてがこの区別で変わってくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 判決の性質 | 336条:無罪(実体判断・本案判決) | 337条:免訴(実体審理を打ち切る形式裁判) 338条:公訴棄却(手続不適法による形式裁判) |
| 言渡しの要件 | 罪とならない、又は犯罪の証明がない | 確定判決を経た・時効完成・大赦等 公訴提起の手続が無効・管轄違い等 |
| 一事不再理の射程 | 確定すれば同一事件で再訴不可(憲法39条) | 免訴も確定で再訴遮断の効果 公訴棄却は要件を整えれば再起訴の余地 |
| 刑事補償の可否 | 無罪確定で抑留・拘禁日数に応じ請求可 | 免訴でも一定の場合に補償の余地 公訴棄却でも一定の場合に補償の余地 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も犯罪を証明できない場合に無罪を諭知する点で同旨。検察官が無罪判決に上訴できる点も日本と類似する。
韓国も犯罪の証明がない場合に無罪判決を言い渡す。検察官の上訴が認められる点も日本と共通する。
ドイツも in dubio pro reo を採り、合理的な疑いが残れば無罪。検察官は無罪判決に上訴できる。
米国は合理的疑いを超える証明を憲法上要求する一方、二重の危険条項により無罪判決への検察官上訴は原則禁止。この点が日本と決定的に異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが満員電車で痴漢と疑われ起訴された。やっていない。だが日本の有罪率は99.9% と言われる。それでも336条後段「犯罪の証明がない」を勝ち取れば無罪になる。鍵は、あなたが無実を証明することではない。検察官の立証に合理的な疑いを一つ残せるかどうかだ
- もし第一審で無罪を勝ち取ったのに、検察官が控訴してきたら? あなたの「無罪」はまだ確定していない。控訴審で逆転有罪になる事件は実在する。無罪判決の日に祝杯を挙げる前に、検察官の控訴期間が過ぎるのを待つ必要がある
- 正当防衛で相手を負傷させた。事実は全て認めた。それでも336条前段「罪とならず」で無罪になりうる。
- 無罪が確定した。だが勾留されていた日数の補償を求めるなら、無罪裁判の確定から3年以内に刑事補償を請求しないと権利が消える。失った時間に対し、1日あたり上限12,500円が支払われる(刑事補償法、最新の改正状況をご確認ください)
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被告人が無罪になったら、まず判決理由を確認、「罪とならず」か「証明がない」かで意味が違う2. 検察官に控訴を促すことはできるが、控訴の判断は検察官に属する。被害者参加制度(刑事訴訟法316条の33以下)で意見を述べる道はある3. 刑事で無罪でも、民事の損害賠償(民法709条)は立証基準が異なり別途請求できる4. 民事は「証拠の優越」で足り、刑事の「合理的疑いを超える」より基準が低い、刑事無罪でも民事で勝てる場合がある
訴えられた側:1. 無実なら、自分で無実を証明しようと消耗するより、検察立証の弱点に集中する。336条後段は検察の証明失敗で無罪になる2. 黙秘権を最大限に活用、不用意な供述が検察立証を補強しないよう弁護人と方針を統一3. 第一審で無罪を得ても確定ではない、検察官の控訴期間(14日)を見極める4. 無罪確定後は刑事補償(刑事補償法)と訴訟費用の補償を請求、勾留日数分の補償を確実に取りに行く
時効(請求できる期限):無罪判決に対する検察官の控訴提起期間は、判決の日から14日(刑事訴訟法373条)。無罪確定後の刑事補償の請求は、無罪の裁判が確定した日から3年以内(刑事補償法7条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:336条後段の「犯罪の証明がない」とは、検察官が合理的な疑いを超える証明に至らなかった場合を指す。立証責任は全面的に検察官にあり、被告人に無実の証明義務は課されないとするのが通説・判例の立場である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定により、当事者主義・無罪推定を基調とする手続のもとで無罪判決の要件を336条に規定。前段「罪とならず」と後段「証明なし」の二類型を明文化した。
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