刑事訴訟法 第351条
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- 検察官又は被告人は、上訴をすることができる。
- 2.第二百六十六条第二号の規定により裁判所の審判に付された事件と他の事件とが併合して審判され、一個の裁判があつた場合には、第二百六十八条第二項の規定により検察官の職務を行う弁護士及び当該他の事件の検察官は、その裁判に対し各々独立して上訴をすることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第351条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第351条の条文原文は「検察官又は被告人は、上訴をすることができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第351条は第一章 通則に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第351条の前の条は刑事訴訟法第350条の29です。
- 刑事訴訟法第351条の次の条は刑事訴訟法第352条です。
- 刑事訴訟法第351条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第351条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第351条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/351
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法351条は、検察官と被告人が判決に不服がある場合に上訴できると定める。控訴期間は判決宣告の翌日から14日で、被害者には上訴権がない。
Q · 一審で有罪になったけど、もう争えないの?誰が上訴できるの?
検察官と被告人は判決の翌日から14日以内に上訴できます
刑事訴訟法351条により、上訴できるのは当事者である検察官と被告人だけです。上訴とは控訴・上告・抗告の総称で、控訴期間は判決宣告の翌日から14日です。被害者は当事者ではないため自分では上訴できず、検察官に求めることしかできません。なお被告人だけが控訴し検察官が控訴しなければ、不利益変更の禁止(402条)により刑が重くなることはありません。
解説
一審で有罪判決を受け、頭が真っ白になっている被告人がまず知るべきは、裁判はまだ終わっていないという一点だ。刑事訴訟法351条は、検察官と被告人の双方に上訴権を与える。上訴とは控訴(高裁へ)、上告(最高裁へ)、抗告(決定への不服)の総称で、要するに上の裁判所にもう一度判断を求める権利である。重要なのは、この権利を持つのは「当事者」だけだという点だ。あなたが被害者なら、判決が軽すぎると感じても自分では上訴できない。動かせるのは検察官だけで、その判断にあなたの正義は委ねられる。さらに2項は、警察官など公務員の職権濫用事件で、検察が起訴しなかったため裁判所が付審判に付した特殊なケースを扱う。この場合、検察官役を務める指定弁護士が独立して上訴できる。市民が検察の不起訴をひっくり返す数少ない回路が、ここに埋め込まれている。
法的な位置づけ
刑事訴訟法351条は上訴権の主体を定める規定であり、検察官と被告人という当事者に控訴・上告・抗告をする権利を認める。第2項は、付審判に付された事件で検察官の職務を行う指定弁護士が、その裁判に対し独立して上訴できる特則を定める。被害者など当事者以外の者は上訴権を有しない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.上訴できる主体と期限をまず確認 上訴権を持つのは検察官と被告人だけ(351条)。被害者は持たない。判決宣告の翌日から控訴・上告は14日、即時抗告は3日。起算は宣告日の翌日であり判決書到達日ではない点を確認する
- 2.まず控訴申立書だけ先に提出して権利を確保 14日以内に必要なのは『控訴申立書』一枚を第一審裁判所へ提出すること(373条、374条)。詳細な『控訴趣意書』は裁判所が指定する後日の期限まででよい(376条)。理由が固まらなくても先に申立てる
- 3.控訴審の国選弁護人を請求 資力がなければ控訴審でも国選弁護人を請求できる。申立てと同時または直後に請求し、趣意書の作成を弁護人と進める
- 4.検察官が上訴したか確認しリスクを見極める 検察官の上訴期限も同じ14日。期限間際に検察が上訴していないと原裁判所で確認できれば、不利益変更の禁止(402条)が確実に働き、控訴審で刑が重くなる恐れは消える
- 5.上告は理由を憲法違反・判例違反に絞る 控訴が棄却されたら最高裁へ上告できるが、理由は憲法違反や判例違反などに限られる(405条)。一審・控訴審とは武器の形が違うため、争点の組み方を弁護人と詰める
よくある質問 AI による整理
Q1上訴とは何ですか?
判決などに不服があるとき、上級裁判所に再審査を求めることです。控訴(高裁へ)・上告(最高裁へ)・抗告(決定への不服)の総称で、刑訴法351条が主体を定めます。
Q2控訴と上告の違いは何ですか?
控訴は一審判決を高裁で争う手続き、上告は控訴審判決を最高裁で争う手続きです。上告は憲法違反や判例違反など理由が限定される点(405条)が大きく異なります。
Q3上訴できる期限はいつまでですか?
控訴・上告は判決宣告の翌日から14日以内です(373条、414条)。即時抗告は3日以内(422条)。判決書が届いた日ではなく宣告日の翌日が起算点です。
Q4抗告とは何ですか?
判決ではなく決定・命令に対する不服申立てです。勾留や保釈の決定などが対象で、即時抗告は3日以内など期間が短く定められています。
Q5上訴を取り下げることはできますか?
できます。上訴審の判決前であれば上訴を取り下げられます。ただし取下げ後は同じ判決について再び上訴できなくなる点に注意が必要です。
Q6検察官はどんなときに上訴しますか?
無罪判決や量刑が軽すぎると判断した場合などに上訴します。検察官が上訴すると不利益変更の禁止が働かず、控訴審で刑が重くなる可能性が生じます。
Q7付審判事件で指定弁護士は上訴できますか?
できます。351条2項により、検察官の職務を行う指定弁護士は、その裁判に対し独立して上訴できます。検察の不起訴を覆す数少ない回路です。
Q8上訴しないとどうなりますか?
上訴期間(14日)を過ぎると判決は確定し、原則として二度と争えません。残されるのは再審という極めて狭い例外だけです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1控訴したら、かえって刑が重くなることってあるんですか?
被告人だけが控訴し、検察官が控訴していなければ、不利益変更の禁止(402条)により原判決より重い刑は科せません。重くなり得るのは検察官も上訴した場合だけです。実務のポイント:軽微な事件で検察官がわざわざ控訴することは実務上多くありません。14日の期限間際に検察が上訴したかを原裁判所で確認してから動けば、リスクの有無を見極められます
Q2判決に不満な被害者なんですが、自分で控訴できますか?
できません。上訴権を持つのは当事者である検察官と被告人だけで(351条)、被害者は当事者ではありません。できるのは担当検察官に控訴を求める意見を伝えることまでです。実務のポイント:被害者参加制度(316条の33以下)でも上訴権までは与えられません。ただし相手が公務員の職権濫用犯で検察が不起訴にした場合は、付審判請求(262条)という別ルートが残されています
Q3弁護士がまだ決まっていないのに14日しかない、間に合いますか?
間に合います。14日以内に必要なのは『控訴申立書』一枚を第一審裁判所へ出すこと(373条、374条)で、詳しい理由を書く『控訴趣意書』は裁判所が後日指定する期限まで出せます(376条)。実務のポイント:まず本人が申立書だけ出して権利を確保し、その後で控訴審の国選弁護人を請求するのが定石。理由が固まらないまま期限を逃すのが最悪のパターンです
間違えやすい点 AI による整理
- 「憲法が三審制を保障しているから、必ず最高裁まで争える」と思っている人が多い。だが最高裁は、憲法32条の裁判を受ける権利は上訴や三審制までは保障していないと繰り返し判断してきた。上訴できるのは法律(刑事訴訟法)がそう定めているからにすぎず、争える範囲も法律が決める。前提が違う
- 「控訴すれば刑が重くなるかもしれないから怖い」と知っている人でも、その怖さが多くの場合は杞憂だと知らない。被告人だけが控訴し検察官が控訴しなければ、不利益変更の禁止(402条)により原判決より重い刑は科せない。リスクを過大評価して、せっかくの権利を捨てている
- 被害者から見れば「軽すぎる判決は自分が控訴して正す」べきに思える。だが法律から見れば、被害者は当事者ではなく上訴権を持たない。動かせるのは検察官だけ。この落差を知らないまま、貴重な14日を『自分で何とかする』方法を探して空費してしまう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 上訴できる主体 | 351条:検察官・被告人(当事者) | 353条:被告人の法定代理人・保佐人の独立上訴 355条:原審の代理人・弁護人が被告人のためにする上訴 |
| 被告人意思との関係 | 351条:本人の意思で上訴 | 353条:本人と独立して上訴できる 356条:被告人の明示意思に反する上訴は不可 |
| 期間・理由の制約 | 351条:主体のみ定める(期間・理由は別条) | 373条:控訴期間は14日 405条:上告理由は憲法違反・判例違反等に限定 |
| 被告人のみ上訴の効果 | 351条:当事者主義の起点 | 402条:不利益変更の禁止(刑は重くならない) — |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は『當事人』に上訴権を認める点で日本と同様。被害者(告訴人)の上訴権は原則認められない構造も近い
韓国も検察官と被告人を上訴権者とする。戦後の日本法の影響を強く受けた条文構成
ドイツは検察官と被告人に加え、検察官は被告人の利益のためにも上訴できる点が特徴。職権主義の伝統を残す
米国は被告人の上訴権を認める一方、二重の危険(Double Jeopardy)により検察官の上訴は厳しく制限される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 一審で実刑判決が出た。控訴すべきか。控訴して逆に刑が重くなったらどうする、という不安で踏み出せないかもしれない。だが検察官が控訴していなければ、不利益変更の禁止(402条)でその恐れはない。判決翌日から14日、動かなければ確定する
- もし控訴期間の14日を1日でも過ぎたら、どうなる? 判決は確定し、原則として二度と争えない。残されるのは再審という極めて狭い例外だけだ
- あなたの家族が留置場で警察官に暴行され死亡した。検察は身内に甘く不起訴。だが付審判請求が認められ、指定弁護士が公訴を維持して臨んだ一審は無罪。ここで指定弁護士は351条2項により独立して上訴できる。検察に握りつぶされかけた事件が、なお上の裁判所へ進む
- 高裁で控訴が棄却された。まだ最高裁がある。上告期限は同じく14日だが、上告できる理由は憲法違反や判例違反などに絞られる。残された武器の形が一審とは違うことを、ここで初めて知る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被害者は上訴権を持たない(351条)。判決が軽すぎると感じたら、まず担当検察官に控訴を求める意見を、14日の上訴期間内に伝える。被害者参加制度(刑訴法316条の33以下)の窓口や被害者支援センター経由で。 2. 相手が警察官など公務員の職権濫用犯で検察が不起訴にした場合は、不起訴通知から7日以内に付審判請求(262条、263条)を検討。 3. 民事の損害賠償(民法709条)は刑事とは別軌道で進められる
訴えられた側:1. 控訴するなら、判決宣告の翌日から14日以内に『控訴申立書』を第一審裁判所へ提出(373条、374条)。趣意書は後日でよいので、まず申立てで権利を確保。 2. 資力がなければ控訴審でも国選弁護人を請求できる。 3. 検察官が上訴したか確認、していなければ不利益変更の禁止(402条)が働く。 4. 上告(最高裁)は理由が憲法違反・判例違反などに限られる(405条)ので、争点の組み方を弁護人と詰める
時効(請求できる期限):控訴・上告は判決宣告の日の翌日から14日以内(373条、414条)。即時抗告は3日以内(422条)。起算は宣告日の翌日であり、判決書が届いた日ではない点に注意(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:351条の上訴権は当事者である検察官と被告人に専属し、被害者は上訴権を持たない。当事者主義と手続の明確性を重視する設計であり、その弊害は付審判(266条以下)における指定弁護士の独立上訴権(351条2項)によって部分的に補われると解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:連合国占領下で全面改正された現行刑事訴訟法において、上訴権の主体を当事者に限定する規定として整備。英米型当事者主義への転換を反映する。
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