刑事訴訟法 第355条
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原審における代理人又は弁護人は、被告人のため上訴をすることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第355条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第355条の条文原文は「原審における代理人又は弁護人は、被告人のため上訴をすることができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第355条は第一章 通則に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第355条の前の条は刑事訴訟法第354条です。
- 刑事訴訟法第355条の次の条は刑事訴訟法第356条です。
- 刑事訴訟法第355条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第355条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第355条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/355
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法355条は、原審の代理人または弁護人が被告人のために独立して上訴できると定める。被告人本人が動けなくても、弁護人が14日の上訴期間内に控訴を提起できる。
Q · 判決のあと自分で控訴状を出せなくても、弁護士が代わりに控訴してくれますか?
はい、原審の弁護人が被告人のため独立して上訴できます
刑事訴訟法355条により、原審における代理人または弁護人は、被告人のために独立して上訴(控訴・上告)できます。実刑判決でその場で勾留され、本人が書面を出せない状況でも、原審の弁護人が控訴状を提出すれば、14日の上訴期間内に上訴権が保全されます。ただし356条により、被告人が明示で「上訴しない」と意思表示した場合、弁護人はこれに反して上訴できません。いったん提起した上訴は357条で取り下げも可能です。
解説
懲役や禁錮(2025年6月から拘禁刑)の実刑判決を言い渡された瞬間、その場で身柄を拘束されることがある。頭が真っ白になり、控訴の期限である14日が、何もできないまま過ぎていく。ここで効いてくるのが刑事訴訟法355条だ。上訴(控訴・上告)できるのは被告人本人だけではない。原審で付いていた代理人や弁護人が、あなたのために独立して上訴できる。あなたが一枚の書面も書けなくても、弁護人が控訴状を出せば上訴権は守られる。ただし無制限ではない。356条により、あなたが明示で「上訴しない」と言えば、弁護人はそれに反して上訴できない。沈黙しているうちは弁護人が動けるが、あなたの明確な拒否は弁護人の上訴権を止める。この二重構造を知っているかどうかで、迷っている14日間に権利を失うか守り抜くかが分かれる
法的な位置づけ
刑事訴訟法355条は、原審における代理人または弁護人に、被告人のための独立した上訴権を認める規定である。被告人本人の上訴権(351条)とは別に、原審で選任されていた弁護人が控訴・上告を提起でき、被告人が判決後の混乱や身柄拘束により自ら手続を取れない場合の防御権を補完する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.判決前に弁護人へ権利保全を依頼 判決公判の前に、弁護人へ「不利な結果なら権利保全のため控訴を出しておいてください」と明示で頼んでおく。判決後の混乱した14日間に意思決定を迫られるより、事前の一言で上訴権を確保できる
- 2.判決言渡日から14日の上訴期間を即カウント 判決が告知された日を起点に控訴期限14日をカウントする。初日は算入しない(刑訴55条)。最終日が休日の場合は翌日まで延びる
- 3.原審の弁護人に控訴提起を依頼(355条) 身柄拘束等で本人が動けない場合、原審の弁護人に連絡し、被告人のため控訴状を提出してもらう。本人が一枚も書面を出せなくても355条により上訴は成立する
- 4.控訴審の弁護人を選任(審級ごと) 弁護人の選任は審級ごとに必要なため、控訴審の弁護人を私選か国選かを早期に決めて選任する。原審弁護人の控訴提起と、控訴審の弁護活動は別個の段取りになる
- 5.上訴しない場合は356条で明示の意思を書面化 上訴を望まない場合、356条に基づき「上訴しない」旨を明示の意思表示として書面で残す。口頭より書面のほうが弁護人の上訴権との関係が確実になる
よくある質問 AI による整理
Q1刑事訴訟法355条とは何ですか?
原審の代理人または弁護人が、被告人のために独立して上訴できることを定めた規定です。被告人本人の上訴権(351条)とは別の、防御権を補完する仕組みです。
Q2弁護人は被告人の同意なく控訴できますか?
原則できますが、356条により被告人が明示で「上訴しない」と意思表示した場合は、その意思に反して上訴できません。沈黙のうちは弁護人が上訴できます。
Q3控訴の期限は何日ですか?
控訴・上告とも14日です(刑訴358条・373条等)。判決が告知された日から進行し、初日は算入されません(刑訴55条)。1日でも過ぎると上訴権は消滅します。
Q4原審の弁護人と控訴審の弁護人は同じですか?
別です。弁護人の選任は審級ごとのため、控訴審では改めて選任が必要です。原審弁護人は355条で控訴提起はできますが、控訴審の弁護活動は新たな選任が前提です。
Q5法定代理人も被告人のため上訴できますか?
できます。353条により、被告人の法定代理人または保佐人は被告人のために上訴できます。355条の弁護人上訴とあわせ、上訴権者は複線化されています。
Q6検察官も上訴できますか?
できます。351条により検察官も上訴権者です。無罪や量刑不当を理由に検察官が控訴・上告することがあり、その場合は被告人側が答弁書等で対応します。
Q7身柄拘束中でも上訴できますか?
できます。本人が拘置所内で書面を出しにくくても、355条により原審の弁護人が被告人のために控訴を提起でき、上訴権が保全されます。
Q8上訴期間を過ぎたらどうなりますか?
上訴権は消滅し、判決が確定します。控訴・上告は14日(刑訴373条等)、初日不算入(55条)。期限管理は本人と弁護人の双方で行うのが安全です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁護士が勝手に控訴したら、私はもう取り下げられないんですか?
取り下げられます。上訴は357条で取り下げが認められており、さらに356条で、弁護人の上訴は被告人の明示した意思に反してはできません。つまりあなたが「控訴しない」と明示すれば弁護人は上訴できず、いったん控訴されても後から取り下げられます。実務のポイント:弁護人がまず権利保全のため控訴を出し、依頼者が14日を過ぎてからじっくり検討して取り下げる、という二段構えが実務では定番です。迷っているなら、まず出してもらって時間を稼ぐのが鉄則
Q2国選弁護人でも、判決のあと控訴してくれますか?
原審の国選弁護人も355条の「原審における弁護人」に含まれ、あなたのために上訴できます。ただし国選弁護人の選任は審級ごとなので、控訴審の弁護人は改めて選任が必要です(私選か国選かを選ぶ)。実務のポイント:国選だから判決で終わり、と思い込んで何も頼まずにいると、原審弁護人も「依頼がない」と動かないことがあります。判決前に「不利なら控訴をお願いします」と明示で伝えておく。この一言の有無で14日の運命が変わる
Q3私が留置されていて連絡が取りにくい間に、家族が控訴できますか?
家族そのものには上訴権はありませんが、法定代理人や保佐人なら被告人のため上訴できます(353条)。実務上は原審の弁護人(355条)が上訴するのが最も確実なルートです。実務のポイント:身柄拘束中は自分で書類を出すのが極めて難しいので、上訴権を持つのが「本人・法定代理人・原審弁護人」と複線化されているのは、まさにこの場面のための設計。家族はまず原審の弁護人に連絡を入れるのが最短手です
間違えやすい点 AI による整理
- 「上訴は被告人本人が書面で出すものだ」と思い込み、期限管理を全部自分で抱え込む人がいる。だが問いの立て方が違う。上訴できるのは本人だけではなく、原審の弁護人も、法定代理人や保佐人(353条)も、それぞれ独立して上訴できる。一人で14日を背負う前提そのものが誤っている
- 弁護人が上訴できることは知っていても、その上訴が「被告人の明示した意思に反してはできない」(356条)という制約の重さを知らない人が多い。あなたが明確に「控訴しない」と言えば、弁護人の上訴権はそこで止まる。黙っていることと、明示で拒否することは、法的にまったく違う扱いになる
- 「弁護人が控訴してしまったら、もう取り下げられない」と思われがちだが、上訴は357条で取り下げられる。弁護人が権利保全のためいったん控訴しておき、後日あなたが熟慮して取り下げる、という二段構えは実務で普通に使われる手だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 上訴権者 | 355条:原審の代理人・弁護人 | 351条:検察官・被告人本人 353条:法定代理人・保佐人 |
| 権利の性質 | 被告人のための独立した上訴 | 本人・検察官の固有の上訴権 被告人のための独立した上訴 |
| 本人意思との関係 | 356条により明示の意思に反せない | 本人の固有権で制約なし 356条により明示の意思に反せない |
| 典型場面 | 身柄拘束で本人が動けない実刑判決後 | 通常の上訴・検察官上訴 未成年・被保佐人である被告人 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も原審の代理人・弁護人が被告の利益のため上訴できる旨を明文化しており、日本355条とほぼ同趣旨
韓国も原審の代理人・弁護人による被告人のための上訴を認め、日本と同じ防御権補完の構造を持つ
ドイツは弁護人が被告人のために上訴できると定めるが、被告人の明示の意思に反してはできない点でも日本356条と類似する
米国では上訴主体は被告人本人であり、弁護人は被告人のために上訴申立書(notice of appeal)を提出する代理人として機能する。独立の上訴権という構成は採らない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 実刑判決を言い渡され、その場で勾留された。控訴期限は14日、だが拘置所の中で書類をどう出せばいい? 実は、原審で付いていた弁護人があなたのために控訴状を出せる。あなたが一枚も書かなくても上訴権は守られる
- 判決公判の帰り道、頭が真っ白で何も決められない。弁護人に「とりあえず控訴だけ出しておいてください」と一言。それで14日の崖は越えられる
- あなたは判決を受け入れて早く終わらせたいのに、弁護人が控訴すべきだと言う。弁護人はあなたの意思に反して上訴できるのか。356条が答えを持っている。あなたが明示で拒めば、弁護人は上訴できない
- 国選弁護人だったから判決で終わりだと思っていた。だが原審の国選弁護人も、355条であなたのために控訴を出せる立場にある。ただし控訴審の弁護人は別途選任が必要で、その段取りを判決前に確認しておく必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:不利な判決を受け、上訴を考えている被告人の場合:1. 判決言渡しの日を起点に控訴期限14日を即カウント、初日は算入しない(刑訴55条) 2. 原審の弁護人に連絡し、権利保全のため控訴状を提出してもらう(355条)、あなた自身が動けなくても上訴は成立する3. 控訴審の弁護人は審級ごとに別途選任が必要、私選か国選かを早期に決める4. 控訴後、裁判所が指定する控訴趣意書の提出期限までに、本格的な争点整理を進める
訴えられた側:検察官が上訴してきた、または弁護人と上訴方針が食い違う場合:1. 検察官の上訴(351条)に対しては、答弁書・反論の準備を弁護人と詰める2. あなたが上訴を望まないのに弁護人が上訴しようとするなら、356条により、あなたの明示の意思表示で弁護人の上訴権を止められる、ただし口頭でなく書面で残すのが確実3. 逆に弁護人が消極的でも、あなた本人(351条)や法定代理人(353条)が独立して上訴できる4. 取り下げる場合は357条の手続による、取り下げると同一審級での再上訴はできない点に注意
時効(請求できる期限):控訴・上告とも提起期間は14日(刑訴358条、控訴は373条、上告は414条が373条を準用)。期間は裁判が告知された日から進行し、初日は算入しない(刑訴55条)。即時抗告は3日(刑訴422条)。期間を1日でも過ぎると上訴権は消滅する
学説
通説:355条の上訴権は、被告人の防御権を実効化するため原審の代理人・弁護人に認められた独立の上訴権であるが、356条により被告人の明示した意思に反しては行使できないと解される。
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