刑事訴訟法 第353条
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被告人の法定代理人又は保佐人は、被告人のため上訴をすることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第353条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第353条の条文原文は「被告人の法定代理人又は保佐人は、被告人のため上訴をすることができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第353条は第一章 通則に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第353条の前の条は刑事訴訟法第352条です。
- 刑事訴訟法第353条の次の条は刑事訴訟法第354条です。
- 刑事訴訟法第353条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第353条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第353条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/353
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法353条は、被告人の法定代理人又は保佐人が被告人のために上訴できると定める。弁護人と異なり本人の意思に反しても行使でき、控訴期間は判決宣告の翌日から14日である。
Q · 本人が「控訴しない」と言ったら、もう誰も控訴できないの?
本人が拒んでも、法定代理人や保佐人は独立して上訴できます
刑事訴訟法353条により、被告人の法定代理人(親権者・成年後見人など)又は保佐人は、被告人のために上訴できます。重要なのは「独立して」行使できる点で、弁護人の上訴を被告人の明示意思に従わせる同法356条の制限がこの規定には及びません。つまり本人が「もう控訴しない」と言っても、法定代理人と保佐人は自らの判断で控訴できます。控訴期間は判決宣告の翌日から14日(同法373条)であり、本人が動けない間に代理人が先に申し立てて期間を確保することも実務上行われています。
解説
判決が言い渡された。本人は呆然として控訴するかどうかの判断すらできない、あるいは認知症が進んで自分の置かれた状況を理解できない。そんなとき、刑事訴訟法353条が静かに効いてくる。被告人の法定代理人(親権者や成年後見人など、本人に代わって法律行為をする立場の人)や保佐人(判断能力が不十分な人を支えるため家庭裁判所が選んだ支援者)は、被告人本人とは別に、独立して上訴(控訴・上告)できる。ここで多くの人が見落とすのは「独立して」という部分だ。弁護人の上訴は本人の明示の意思に反してはできない(356条)が、法定代理人と保佐人は356条の対象外。つまり本人が「もういい、控訴しない」と言っても、親や後見人は本人のために控訴できる。判断能力が落ちた人を守る最後の安全装置が、この一条に仕込まれている。
法的な位置づけ
刑事訴訟法353条は、被告人の法定代理人又は保佐人に対し、被告人のために上訴する固有の権限を認める規定である。これは原則的な上訴権者を定める同法351条に対する拡張であり、弁護人の上訴を被告人の明示意思に従わせる同法356条の制限の対象外とされる点に特色がある。判断能力が不十分な被告人の防御を実効的に保障する機能を担う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分が法定代理人・保佐人にあたるか確認する 戸籍(親権者)や後見・保佐開始の審判書(成年後見人・保佐人)で、自分が被告人の法定代理人又は保佐人の立場にあることを裏付ける。立場が確定して初めて353条の固有の上訴権を行使できる
- 2.控訴期間14日を宣告日から数える 判決宣告の翌日から14日(刑訴373条)が控訴期間。本人が放心状態でも代理人の期間は同時に進行するため、宣告日を起点に最優先でカウントダウンを始める
- 3.本人の意思に関わらず控訴を申し立てる 本人が「控訴しない」と言っても、353条により自分の名で控訴の申立てを行う。弁護人が356条で動けない場合でも、法定代理人・保佐人の固有権で控訴できる。まず控訴して期間を確保し、後で本人と方針を詰める
- 4.弁護人と連携し控訴趣意書につなげる 控訴提起後、弁護人と本人の利益(量刑不当・事実誤認)を整理し、控訴趣意書を期限内に提出する。方針を一本化したい場合の上訴取下げ(刑訴360条)は本人と代理人の関係を踏まえ慎重に判断する
よくある質問 AI による整理
Q1刑事裁判で上訴できるのは誰ですか?
原則は検察官と被告人本人(刑訴351条)ですが、353条により被告人の法定代理人と保佐人も、被告人のために独立して上訴できます。弁護人も上訴できますが本人の意思に縛られます。
Q2法定代理人とは誰のことですか?
本人に代わって法律行為をする立場の人で、未成年者の親権者や成年後見人が典型です。刑訴353条では、これらの者が被告人のために上訴できる権限を持ちます。
Q3控訴の期限は何日ですか?
判決宣告の翌日から14日です(刑訴373条)。法定代理人・保佐人の上訴期間も被告人と同じく進行し、一日でも過ぎると控訴は不適法として棄却されます。
Q4弁護人と法定代理人の上訴権はどう違いますか?
弁護人は被告人の明示意思に反して上訴できません(356条)が、法定代理人・保佐人は356条の対象外で、本人が拒んでも独立して上訴できます。
Q5成年後見人は刑事裁判で上訴できますか?
できます。成年後見人は法定代理人にあたるため、刑訴353条により被告人本人が上訴を諦めても、自らの判断で控訴・上告を申し立てられます。
Q6本人が上訴を取り下げたら法定代理人の上訴はどうなりますか?
上訴の放棄・取下げは固有の上訴権者ごとに判断され、本人の取下げが当然に代理人の上訴を消すわけではありません(刑訴360条の手続による)。具体的判断は弁護人に確認すべきです。
Q7保佐人の上訴に本人の同意は必要ですか?
不要です。刑訴353条の保佐人の上訴権は固有の権限であり、被告人本人の同意がなくても、本人のために独立して上訴できます。
Q8法定代理人の上訴期間はいつから数えますか?
被告人の上訴期間と同じく、判決宣告の翌日から14日です。代理人の知不知で期間が延びることはないため、宣告日を起点に最優先で数える必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1本人が「控訴しない」と言っているのに、親の私が勝手に控訴していいんですか?
できます。刑事訴訟法353条は法定代理人に独立した上訴権を与えており、弁護人の上訴を制限する356条は353条には及びません。本人が「控訴しない」と明言しても、親権者や成年後見人は自分の判断で控訴できます。実務のポイント:弁護人は本人が拒めば手が縛られますが、法定代理人にはその縛りがない。本人が一時の感情で諦めたケースでは、まず法定代理人の名で控訴して期間を確保し、後で本人と落ち着いて方針を決める、という実務上の使い分けがある
Q2保佐人って財産のことだけじゃないんですか? 刑事裁判で何かできるんですか?
できます。保佐人は財産管理のために選任されることが多いですが、刑事訴訟法353条はその地位に独立した上訴権を結びつけています。被告人本人が控訴を諦めても、保佐人は本人のために控訴できます。実務のポイント:保佐人がついていること自体を刑事弁護人が把握していないことすらある。家族が成年後見・保佐の審判を受けているなら、弁護人に早い段階でそれを伝えるだけで、上訴の選択肢が一本増える
間違えやすい点 AI による整理
- 上訴できるのは被告人本人か弁護士だけだと思われているが、法定代理人と保佐人も自分の判断で被告人のために上訴できる。本人が動けない場面で、もう一系統の上訴ルートが用意されている
- 法定代理人が上訴を「手伝える」ことは知っていても、それが本人の意思に反してでもできる独立した権利だと知らない人が多い。弁護人は356条で本人の明示意思に縛られるが、353条の法定代理人・保佐人にはその縛りがない、この決定的な差を見落とす
- 「保佐人をつけたのは財産管理のためだから刑事には関係ない」と問いを立てる人がいるが、その前提が誤っている。保佐人の地位は刑訴353条の上訴権を当然に伴い、財産目的で選任されていても刑事裁判で本人のために上訴できる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 上訴権者 | 刑訴353条:被告人の法定代理人・保佐人 | 刑訴351条:検察官・被告人本人 刑訴355条:原審の代理人・弁護人 |
| 本人の意思との関係 | 356条の対象外。本人の明示意思に反しても上訴できる | 本人自身の意思で行使 356条により本人の明示意思に反しては上訴できない |
| 権利の性質 | 固有の上訴権(本人の同意不要) | 本来的・原則的な上訴権 本人の意思に従属する付随的上訴権 |
| 典型的な活用場面 | 本人が判断能力不十分・諦め・未成年で動けないとき | 通常の上訴 弁護人が本人の意思を確認して上訴するとき |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は被告の法定代理人に加えて配偶者にも独立上訴権を認める点で、保護される代理人の範囲が日本より広い
韓国も法定代理人が被告人のために上訴できると定め、本人の意思に拘束されない固有権と解する点で日本と類似する
ドイツは被告人の法定代理人に独立した上訴権を認めつつ、上訴期間を被告人のそれと同じく扱う。日本の構造に近い
米国は単一の条文ではなく判例法理として、無能力の被告人のために next friend や guardian ad litem が手続を追行できる枠組みを持つ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの成人した子が傷害事件で有罪判決を受け、留置場で「もう疲れた、控訴しない」と言ったとしたら? あなたが子の成年後見人や保佐人であれば、子の意思に関わらず14日以内に控訴を申し立てられる。本人が動かないなら、あなたが動く番だ
- 判決の重さに頭が真っ白になり、控訴の話を聞いても上の空。そんな本人に代わって、保佐人が静かに控訴状を出していた。気づいたときには審理が続いていた。
- 認知症の親が詐欺の被告人にされ、有罪判決。本人は事態を理解できず、弁護人は「本人がやめろと言うので控訴できない」と渋る。だが残り10日、法定代理人であるあなたには356条の壁が及ばない。弁護人にできないことが、あなたにはできる
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず自分が被告人の法定代理人(親権者・成年後見人)または保佐人にあたるかを確認、戸籍や後見・保佐の審判書で立場を裏付ける2. 判決宣告の翌日から14日が控訴期間(刑訴373条)、この期限を最優先で数える3. 本人が控訴を望まなくても353条で独立して控訴できる、弁護人が356条で動けない場合は自分の名で控訴の申立てを行う4. 弁護人と連携しつつ、本人の利益(量刑不当・事実誤認)を整理して控訴趣意書につなげる
訴えられた側:1. 自分に法定代理人や保佐人がいる場合、自分が控訴しなくても彼らが独立して控訴できることを理解しておく2. 本当に控訴を望まないなら、その意思を弁護人と法定代理人に明確に伝える、ただし法定代理人・保佐人の上訴は356条の対象外なので止められない場合がある3. 控訴後に方針を一本化したいなら、上訴の取下げ(刑訴360条)は本人と代理人の関係を踏まえて慎重に4. 14日の期限内に弁護人と量刑・事実認定の争点を確認する
時効(請求できる期限):控訴の提起期間は判決宣告の翌日から14日(刑事訴訟法373条)、上告も同様に14日(同414条による準用)。法定代理人・保佐人の上訴期間も被告人の上訴期間と同じく進行する。期間を一日でも過ぎると控訴は不適法として棄却される
学説
通説:353条の法定代理人・保佐人の上訴権は、被告人の上訴権から派生する代理権ではなく、判断能力が不十分な被告人の防御を保障するために認められた固有の権限と解されている。したがって本人の同意を要せず、本人の上訴放棄によっても当然には消滅しない。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の全面制定に伴い、上訴権者に関する規定群(351条以下)の一部として、法定代理人・保佐人の固有の上訴権を定める本条が置かれた。
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