刑事訴訟法 第405条
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- 高等裁判所がした第一審又は第二審の判決に対しては、左の事由があることを理由として上告の申立をすることができる。
- 一憲法の違反があること又は憲法の解釈に誤があること。
- 二最高裁判所の判例と相反する判断をしたこと。
- 三最高裁判所の判例がない場合に、大審院若しくは上告裁判所たる高等裁判所の判例又はこの法律施行後の控訴裁判所たる高等裁判所の判例と相反する判断をしたこと。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第405条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第405条の条文原文は「高等裁判所がした第一審又は第二審の判決に対しては、左の事由があることを理由として上告の申立をすることができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第405条は第三章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第405条の前の条は刑事訴訟法第404条です。
- 刑事訴訟法第405条の次の条は刑事訴訟法第406条です。
- 刑事訴訟法第405条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第405条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第405条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/405
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法405条は、最高裁への上告理由を憲法違反・憲法解釈の誤り・判例違反の三つに限定する。事実誤認や量刑不当はこれに含まれず、救済は411条の職権破棄に限られる。
Q · 高裁で負けたら、最高裁にはどんな理由でも上告できるの?
原則として憲法違反か判例違反がなければ上告できません
刑事訴訟法405条により、最高裁への上告は、憲法違反または憲法解釈の誤り、最高裁判例との相反、判例がない場合の大審院・高裁判例との相反の三つの理由がある場合に限られます。証拠評価の誤りや量刑不当はこの三つに入りません。これらは411条の職権破棄(重大な事実誤認・甚だしい量刑不当)を通じてしか最高裁には届かず、ハードルは高くなります。
解説
高裁で負けた。あなたは「まだ最高裁がある」と思う。だがその扉は、あなたが想像しているような広い門ではない。刑事訴訟法405条は、最高裁への上告が許される理由をたった三つに絞っている。憲法違反または憲法解釈の誤り、最高裁判例と相反する判断、判例がない領域での大審院・高裁判例との相反。それだけだ。「証拠の評価がおかしい」「量刑が重すぎる」は、この三つのどれにも入らない。多くの被告人が、事実認定や刑の重さへの不満を握りしめて上告し、入口で機械的に棄却される。最高裁は事実をやり直す第三審ではなく、法令解釈を全国で統一する番人だからだ。ただし、ここに玄人だけが使う抜け道がある。405条の理由がなくても、411条が「著しく正義に反する」場合に最高裁が職権で原判決を破棄する道を残している。量刑不当も重大な事実誤認も、この411条経由でしか最高裁には届かない。上告趣意書をどう組むかで、あなたの上告が三秒で捨てられるか、裁判官の机に残るかが決まる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法405条は、高等裁判所の第一審または第二審判決に対する上告理由を定める規定である。上告は、憲法違反もしくは憲法解釈の誤り、最高裁判所の判例と相反する判断、または最高裁判例がない場合の大審院・高裁判例との相反のいずれかを理由とする場合に限り申し立てることができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.まず14日以内に上告申立書を提出 上告趣意書の中身を練る前に、判決宣告の日から14日以内に上告申立書を提出する。この期間を1日でも過ぎると判決が確定し、最高裁の扉は永久に閉じる。趣意書はその後でよい
- 2.不満を405条と411条に仕分ける 自分の不満が、憲法違反・判例違反(405条で正面から争える)なのか、量刑不当・重大事実誤認(411条の職権破棄でしか届かない)なのかを切り分ける。根拠条文を間違えると入口で機械的に棄却される
- 3.判例相反は事件番号レベルで特定 405条2号で判例相反を主張するなら、相反する判例の事件番号と判示部分を正確に特定して引用する。「過去の判例と違う気がする」という曖昧な主張は読まれずに棄却される
- 4.405条+411条の二段構えで趣意書を組む 上告趣意書には、405条の形式的理由と、411条の職権発動を促す実質的事由を併せて書き込む。同じ事実でもどの条文に乗せるかで、裁判官が中身を読む確率が変わる
- 5.最高裁指定の趣意書提出期限を厳守 上告趣意書の提出期限は最高裁が別途指定する。徒過すると上告趣意書不提出として上告棄却決定になる(刑訴414条・386条)。期限管理を最優先する
よくある質問 AI による整理
Q1上告理由とは何ですか?
最高裁に上告するために必要な法律上の理由です。刑事訴訟法405条が、憲法違反・憲法解釈の誤り・判例違反の三つに限定しています。
Q2刑事の上告と控訴の違いは何ですか?
控訴(高裁)は事実と法律の両方を争えますが、上告(最高裁)は原則として法律審で、憲法違反や判例違反などに理由が限られます。
Q3上告の申立期限はいつまでですか?
判決宣告の日から14日以内です(刑訴414条が準用する373条)。1日でも過ぎると判決が確定し、上告できなくなります。
Q4判例違反を理由とする上告とは何ですか?
自分の事件と同種の最高裁判例と、原判決が相反する判断をした場合です(405条2号)。相反する判例の事件番号の特定が鍵です。
Q5411条の職権破棄とは何ですか?
405条の上告理由がなくても、重大な事実誤認や甚だしい量刑不当などで著しく正義に反するとき、最高裁が職権で原判決を破棄できる制度です。
Q6上告趣意書とは何ですか?
上告の理由を具体的に記載して最高裁に提出する書面です。提出期限を過ぎると上告趣意書不提出として棄却されます(刑訴414条・386条)。
Q7上告が棄却されると判決はどうなりますか?
原判決が確定します。確定後は原則として再審(刑訴435条以下)の道しか残りません。弁論を経ない書面棄却もあります(408条)。
Q8事件が大法廷に回付されるのはどんな場合ですか?
従来の最高裁判例を変更する必要があると判断された場合です(裁判所法10条)。405条2号の判例相反主張が回付の入口になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1最高裁まで行けば、もう一回ちゃんと審理してくれるんですよね?
いいえ。最高裁は事実をやり直す第三審ではなく、法律審です。405条の理由(憲法違反・判例違反)がなければ、弁論を開かず書面だけで棄却されます(刑訴408条)。証人尋問のやり直しは原則ありません。実務のポイント:弁護士は「最高裁は事実を見てくれない」と最初から分かっているので、上告では事実論を捨てて法律論一本に絞ります。事実への不満をそのまま書いた上告趣意書は、読まれもせず棄却される確率が極めて高い
Q2量刑が重すぎるのは、最高裁に訴える理由になりませんか?
405条には量刑不当という理由はありません。届く唯一の道は411条2号「刑の量定が甚だしく不当」で、しかも破棄しなければ著しく正義に反すると最高裁が判断したときに限る職権破棄です。ハードルは高い。実務のポイント:実務では、量刑不当を405条の体裁(例えば手続の憲法違反)に絡めつつ、本命は411条の職権発動を促す書き方をします。条文の表と裏を両方使うのが上告趣意書の技術で、これを知らないと門前払いされる
Q3上告理由なんて見つからないんですが、出すだけ無駄ですか?
405条の三理由がなくても、411条には重大な事実誤認(3号)や再審事由(4号)など別の救済経路があります。諦める前に自分の事案が411条各号に当たらないか精査する価値はあります。実務のポイント:上告は申立てさえすれば、いったん判決の確定が止まります。趣意書で勝ち目が薄くても、その間に示談・被害弁償を進め、411条の「正義に反する」評価を動かす材料を作る、という時間稼ぎの実務的使い方もある。ただし濫用とみられない範囲で
間違えやすい点 AI による整理
- 「最高裁まで争えば、もう一度ゼロから審理してくれる」と思っている人が多いが、前提が根本的に誤っている。上告審は事実審ではなく法律審だ。最高裁は原則として高裁が認定した事実を前提に、法解釈の当否だけを見る。証人をもう一度呼んで証拠を見直す場ではない。あなたが立てるべき問いは「事実認定が間違っている」ではなく「法令解釈または憲法判断が間違っている」でなければならない
- 量刑が重すぎることは上告理由になると信じられているが、405条のどこにも書かれていない。量刑不当が最高裁に届く唯一の経路は411条2号の職権破棄、しかも「甚だしく不当」で「著しく正義に反する」という高いハードルを越えたときだけ。405条で量刑不当を主張するのは、入口の番号を間違えてノックするようなものだ
- 「上告理由がないなら上告しても無駄」と諦める人がいるが、それは411条を知らないからだ。405条の三理由がなくても、判決に影響する重大な事実誤認や再審事由があれば、最高裁が職権で破棄しうる。諦める前に、自分の不満が411条各号のどれに当たるかを精査する価値がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 審理の性質 | 405条(上告・最高裁):原則として法律審、事実の再審理なし | 384条(控訴・高裁):事実審かつ法律審、事実誤認も理由になる 411条(職権破棄):405条理由がなくても職権で実質審査しうる |
| 主張できる理由 | 憲法違反・憲法解釈の誤り・判例相反の三つに限定 | 訴訟手続の法令違反・事実誤認・量刑不当など幅広い 重大な事実誤認・甚だしい量刑不当・再審事由・判決後の刑廃止等 |
| 量刑不当の扱い | 上告理由にならない | 正面から控訴理由になる 411条2号で職権破棄の対象になりうる(高いハードル) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も第三審上訴を「判決違背法令」を理由とする場合に限定し、事実審ではなく法律審とする点で日本405条と構造が近い。
韓国も上告理由を限定列挙し、憲法・法律違反、量刑甚だしく不当などを号で定める。日本の405条+411条の機能を一条に統合した形に近い。
ドイツの Revision は法律違反(Gesetzesverletzung)のみを理由とし、事実問題を扱わない。日本の上告の法律審性の源流に位置する。
米国連邦最高裁への上訴は裁量上訴(certiorari)であり、理由の限定というより受理自体が裁量。日本のような理由の法定限定とは制度設計が異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 高裁で実刑判決を受けた。「一審より明らかに重い、これはおかしい」と最高裁に上告したい。だが量刑不当は405条の上告理由ではない。これを405条だけで主張すると、弁論すら開かれず書面審理で棄却される。狙うなら411条2号「刑の量定が甚だしく不当」へ。同じ不満でも、根拠条文を間違えると入口で終わる
- もし、あなたの事件と瓜二つの過去の最高裁判決と、今回の高裁判決が正反対の結論だったら? それはまさに405条2号「判例と相反する判断」に直撃する、最強の上告理由だ。相反する判例の事件番号と判示部分を特定して引用できるかどうかで、上告の生死が分かれる
- 検察側として。無罪判決が高裁で維持された。検察官も上告できるが、同じ405条の壁に縛られる。「証拠の見方が甘い」だけでは上がらない。憲法解釈の誤りか判例違反、なければ411条3号の重大な事実誤認に構成し直す必要がある
- 判決宣告から14日。これがあなたに残された上告申立の時間だ。この期間を一日でも過ぎれば判決は確定し、いかなる理由があっても最高裁の扉は永久に閉じる。趣意書の中身を練る前に、まず申立書を期限内に出す、それが第一関門
- あなたが確立した最高裁判例そのものを覆したい弁護士だったら? 405条2号の「判例相反」をあえて正面から主張する。これが認められれば事件は最高裁の大法廷に回り、判例変更の土俵に乗る。判例を変えるための入口が、この条文に隠れている
取るべき行動
被害を受けた側:被害者・検察側として原判決を維持したい、または相手が上告してきた場合。1. 相手の上告趣意書が405条のどの号を主張しているか確認、憲法違反か判例違反か、それとも411条狙いか2. 判例相反の主張なら、引用された判例が本当に事案を同じくするか(射程が及ぶか)を精査、射程外なら反論で潰せる3. 検察官として上告する側なら、無罪・軽すぎる量刑への不満を405条ではなく411条2号・3号に構成し直す4. 上告審は書面中心、弁論が開かれない棄却(刑訴408条)も多いため、趣意書の完成度が全て
訴えられた側:被告人として上告する側。1. まず判決宣告から14日以内に上告申立書を提出、これを逃すと全て終わる2. 自分の不満を仕分け、憲法違反・判例違反があれば405条で正面から、量刑不当・重大事実誤認なら411条各号で職権破棄を促す構成にする3. 判例相反を主張するなら相反判例を事件番号レベルで特定4. 上告趣意書の提出期限は最高裁が指定、徒過すると上告棄却決定(刑訴414条→386条)になるため期限厳守5. 国選・私選を問わず、上告審経験のある弁護人を選ぶ、控訴審までとは戦い方が全く違う
時効(請求できる期限):上告の申立ては判決宣告の日から14日以内(刑事訴訟法414条が準用する373条)。起算は宣告日。上告趣意書の提出期限は最高裁判所が別途指定し、その期間を過ぎると上告趣意書不提出として棄却される(同414条・386条)。確定後は原則として再審(435条以下)の道しか残らない
学説
通説:上告審は法律審であり、最高裁は原審の認定事実を前提として法令解釈・憲法判断の当否のみを審査するのが原則。405条で入口を厳格に限定しつつ、411条で「著しく正義に反する」場合の職権破棄という安全弁を残す二段構造として理解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定により、上告理由を憲法違反・判例相反に限定する405条が置かれた。戦前の旧刑訴と異なり、上告審を法令解釈統一機能に純化した。
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