刑事訴訟法 第406条
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最高裁判所は、前条の規定により上告をすることができる場合以外の場合であつても、法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件については、その判決確定前に限り、裁判所の規則の定めるところにより、自ら上告審としてその事件を受理することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第406条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第406条の条文原文は「最高裁判所は、前条の規定により上告をすることができる場合以外の場合であつても、法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件については、その判決確定前に…」で始まります。
- 刑事訴訟法第406条は第三章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第406条の前の条は刑事訴訟法第405条です。
- 刑事訴訟法第406条の次の条は刑事訴訟法第407条です。
- 刑事訴訟法第406条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第406条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第406条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/406
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法406条は、上告理由がない事件でも、最高裁が法令解釈上の重要事項を含むと認めれば、判決確定前に限り自ら上告審として受理できる裁量制度を定める。
Q · 刑事で控訴審に負けたら、最高裁にもう一度出せるんですか?
原則は無理。最高裁の裁量で法令解釈の重要問題に限られます
刑事の上告は法律審であり、上告理由は原則として憲法違反か判例違反に限られます(刑訴405条)。事実誤認や量刑不当はそれだけでは上告理由になりません。406条は、上告理由がない事件でも、最高裁が「法令の解釈に関する重要な事項を含む」と認めれば、判決確定前に限り、自ら上告審として受理できる裁量制度です。あくまで最高裁の裁量であり、申立てはできても受理されるとは限りません。
解説
控訴審で有罪判決を受け、弁護士に「これは最高裁では争えません」と言われた経験は、刑事裁判の現実を凝縮している。刑事事件で最高裁に上告できる理由は、原則として二つしかない。憲法違反(刑訴405条1号)か、最高裁判例との矛盾(同2号)か。事実誤認も量刑不当も、それだけでは上告理由にならない。だが406条は、その壁に小さな隙間を空けている。「法令の解釈に関する重要な事項を含む」と最高裁自身が認めれば、405条の理由がなくても、最高裁は自らその事件を上告審として受理できる。注意すべきは二点。第一に、これはあなたの権利ではなく最高裁の裁量だ。申立てはできるが、受理するかは向こうが決める。第二に、判決確定前という時間の壁がある。控訴審判決を受け取った瞬間から、上告期間のカウントはもう始まっている。
法的な位置づけ
刑事訴訟法406条は上告受理を定める規定であり、405条の上告理由を欠く事件でも、最高裁判所が法令の解釈に関する重要な事項を含むと認めた場合に、判決確定前に限り、裁判所規則の定めるところにより自ら上告審として事件を受理できる旨を規定する。権利上告(405条)と職権破棄(411条)の中間に位置する裁量的制度である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.控訴審判決後すぐ争点を仕分ける 控訴審に負けたら、まず争点を「事実誤認」と「法令解釈の誤り」に仕分ける。事実の争いは原則として上告理由にならないため、法令解釈の問題として組み替えられる論点を抽出する
- 2.405条の権利上告か406条の受理申立てかを判断 憲法違反・判例違反(刑訴405条)があればそれを主軸に上告する。なければ406条の上告受理申立てを検討し、411条の職権破棄も視野に入れる
- 3.期間内に上告を申し立てる 控訴審判決の宣告(送達)から14日以内に上告を申し立てる(刑訴414条・373条準用)。一日でも徒過すれば原判決が確定し、406条の受理の余地は永久に消える
- 4.上告趣意書を法令解釈問題として構成する 上告趣意書(刑訴407条)では、その法解釈が同種事件全体に及ぶ一般的重要性を前面に出す。最高裁は個人救済ではなく法統一のために受理するため、その視点で書けるかが分水嶺となる
よくある質問 AI による整理
Q1上告受理とは何ですか?
上告理由がない事件でも、最高裁が法令解釈上の重要問題を含むと認めれば自ら上告審として事件を受理する制度です。刑訴406条が根拠で、当事者の権利ではなく最高裁の裁量による点が特徴です。
Q2刑事事件で最高裁に上告できる理由は何ですか?
原則は憲法違反(刑訴405条1号)と最高裁判例との矛盾(同2号)の二つだけです。事実誤認や量刑不当は、それだけでは上告理由になりません。例外的な隙間が406条の上告受理です。
Q3上告の申立期間は何日ですか?
上告の申立ては控訴審判決の宣告(送達)から14日です(刑訴414条による373条準用)。406条の受理は判決確定前に限られるため、期間を徒過すれば原判決が確定し受理の余地は消えます。
Q4法令解釈の重要事項とは何ですか?
その事件固有の問題ではなく、同種事件全体に及ぶ一般的な法解釈の問題を指します。新類型のネット犯罪や経済犯罪の構成要件解釈など、判例統一の必要がある論点が典型です。
Q5上告受理されたら無罪になりますか?
受理は審理に進む入口にすぎず、無罪を意味しません。受理後に原判決が破棄されるかは別問題で、刑事の上告破棄率は低く、406条の裁量受理自体が例外的です。
Q6上告中も身柄拘束は続きますか?
刑は判決確定後に執行されるため上告中は執行されませんが、未決勾留は続きうります。保釈が認められなければ、身柄を拘束されたまま最高裁の判断を待つことになります。
Q7上告趣意書には何を書きますか?
上告理由を具体的に明示します(刑訴407条)。406条の受理を狙うなら、争点を事実誤認ではなく法令解釈上の重要問題として、一般的重要性が伝わるよう構成することが要点です。
Q8民事の上告受理申立てと刑事の違いは何ですか?
民事は民訴318条で比較的広く使われますが、刑事の406条は最高裁の職権発動の色が濃く、通る理屈が異なります。民事の感覚で刑事の上告を考えると戦略を読み違えます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1最高裁に上告すれば、もう一度事実を見直してもらえるんですよね?
原則として見直してもらえない。刑事の上告は法律審で、上告理由は憲法違反か判例違反に限られる(刑訴405条)。事実誤認や量刑不当は、それだけでは上告理由にならない。406条の受理も「法令解釈の重要事項」が対象で、事実の再評価ではない。実務のポイント:ただし最高裁は411条で「著しく正義に反する」と認めれば職権で原判決を破棄できる。実務では、上告趣意書で正面から411条の発動を促す書き方をする弁護人もいる。表向きの間口は狭いが、裏の救済ルートは残されている
Q2上告受理の申立ては自分でできますか、弁護士なしでは無理ですか?
申立て自体は被告人本人でも可能(刑事訴訟規則257条)。ただし406条の受理は最高裁の裁量で、「法令解釈の重要事項」を説得的に示す上告趣意書が要になる。法律論の構成力が結果を左右するため、実務上は弁護人なしでの受理は極めて困難。実務のポイント:受理されるかは、争点を「この事件固有の問題」ではなく「同種事件すべてに影響する一般的な法解釈問題」として描けるかにかかる。最高裁は個人を救うためでなく法を統一するために受理する、その視点で書けるかが分かれ目だ
間違えやすい点 AI による整理
- 「最高裁ならもう一度ちゃんと事実を見てくれる」という期待そのものが、問いの立て方を誤っている。最高裁は法律審であって事実審ではない。あなたが「無実だ、証拠の評価がおかしい」と訴えても、それは原則として上告理由にならない。争うべき土俵を「事実の当否」から「法令解釈の誤り」へ、最初から組み替える必要がある
- 上告受理の申立てができること自体は知っていても、その受理率の低さを知る人は少ない。刑事の上告で原判決が破棄されるのはごく一部で、406条による裁量受理はさらに例外的。申立てが可能イコール勝てる、ではない。受理されること自体が独立した一つの関門だと理解して初めて、弁護戦略の現実が見えてくる
- 「上告すれば刑の執行は止まる」と思われがちだが、刑は判決が確定して初めて執行される以上、上告中はそもそも執行されない。だが代わりに未決勾留は続きうる。保釈が認められなければ、身柄を拘束されたまま最高裁の判断を待つ時間が、現実の重荷としてのしかかる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 性質 | 406条:最高裁の裁量による上告受理 | 405条:当事者の権利上告 411条:最高裁の職権破棄 |
| 発動の要件 | 法令解釈に関する重要な事項を含むと認められること | 憲法違反または最高裁判例との矛盾 原判決が著しく正義に反すると認めるとき |
| 時間の制約 | 判決確定前に限る | 上告申立期間内(送達から14日) 上告審の審理過程で職権発動 |
| 申立人の主導権 | 申立ては可能だが受理は最高裁の裁量 | 理由があれば権利として上告できる 当事者の申立てを要しない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は第三審上訴を判決の法令違背を理由とする場合に限定する。日本の権利上告に近い構造で、法令解釈の重要性を理由とする裁量受理の明文制度は同一ではない。
韓国は上告理由を法定列挙する。法令解釈の重要性を理由とする最高裁の裁量受理という構造は日本ほど明確でない。
ドイツの刑事 Revision は法律審だが原則として権利としての上訴であり、米国型の裁量受理(cert)の発想とは異なる。
米国連邦最高裁の certiorari は、法律問題の一般的重要性を基準とする典型的な裁量受理制度であり、406条の発想に最も近い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 控訴審で実刑判決。弁護士からは「憲法問題も判例違反もないので上告理由はない」と言われた。ではもう打つ手はないのか。残された道が406条の上告受理申立てだが、判決確定前という時間の壁がある。控訴審判決の送達から動き出すまでが勝負で、迷っている数日が命取りになる
- あなたが前例の乏しい類型の事件(新手のネット犯罪や経済犯罪など)の被告人で、控訴審が示した法解釈に納得がいかない。事実は争わないが、その条文の読み方こそ最高裁に統一してほしい。これがまさに406条が想定する「法令解釈の重要事項」の典型であり、あなたの事件は単なる個別救済を超えた射程を持つ
- 友人が刑事の控訴審に負けた。「最高裁にもう一回出せるよね」と聞いてくる。あなたは原則二つの理由しかないこと、406条という例外の隙間があることを三分で説明できる
取るべき行動
被害を受けた側:1. あなたが被害者で、控訴審が被告人を無罪または軽い刑にした場合、上告できるのは検察官であって、あなた自身に上告権はない2. ただし担当検察官に対し、法令解釈の重要問題(構成要件の解釈、新しい類型の犯罪の射程など)を整理して406条の上告受理申立てを促すことはできる3. 判決確定前という時間制約があるため、控訴審判決後すぐに弁護士や検察庁の被害者支援窓口へ動く4. 並行して民事の損害賠償(民法709条)は別軌道で検討する
訴えられた側:1. 控訴審に負けたら、まず争点を「事実誤認」と「法令解釈の誤り」に仕分ける2. 405条の理由(憲法違反・判例違反)があればそれを主軸に、なければ406条の上告受理申立てを検討3. 上告趣意書では、その法解釈が同種事件全体に及ぶ一般的重要性を持つことを前面に出す4. 同時に411条の職権破棄も視野に、原判決が「著しく正義に反する」点を具体的に指摘する5. いずれも期間内の申立てが絶対条件、一日の遅れが確定を招く
時効(請求できる期限):上告の申立期間は、控訴審判決の宣告(送達)の日から14日(刑訴414条による373条準用)。406条の受理は「判決確定前に限り」可能で、上告趣意書の提出期限は最高裁が別途指定する。期間を一日でも徒過すれば原判決が確定し、406条の小窓は永久に閉じる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:406条の上告受理は、最高裁の法令統一機能を担保するための裁量制度と理解される。権利上告(405条)の硬直性を補い、職権破棄(411条)と並んで、個別救済より法解釈の統一に資する事件を選別して取り上げる機能を持つ。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定に伴い、戦後の英米法の影響のもとで、最高裁が法令解釈の重要事項を含む事件を裁量で受理できる上告受理の制度が整備された。
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