刑事訴訟法 第408条
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上告裁判所は、上告趣意書その他の書類によつて、上告の申立の理由がないことが明らかであると認めるときは、弁論を経ないで、判決で上告を棄却することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第408条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第408条の条文原文は「上告裁判所は、上告趣意書その他の書類によつて、上告の申立の理由がないことが明らかであると認めるときは、弁論を経ないで、判決で上告を棄却することができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第408条は第三章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第408条の前の条は刑事訴訟法第407条です。
- 刑事訴訟法第408条の次の条は刑事訴訟法第409条です。
- 刑事訴訟法第408条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第408条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第408条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/408
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法408条は、上告裁判所が書類審査により上告に理由がないことが明らかと認めるとき、弁論を経ず判決で上告を棄却できると定める。
Q · 最高裁に上告したのに、なぜ法廷が開かれず書類だけで棄却されるの?
上告審は法律審で、理由がなければ弁論なしに棄却できるからです
刑事訴訟法408条により、上告裁判所は上告趣意書その他の書類だけで上告の理由がないことが明らかと認めれば、口頭弁論を開かず判決で上告を棄却できます。上告できる理由は405条で「憲法違反」と「最高裁判例との相反」にほぼ限られ、「量刑が重い」「事実認定がおかしい」と書いても405条の理由に当たりません。そのため刑事上告の大多数が、法廷を一度も開かないまま書面審査で棄却されています。
解説
判決に不服で最高裁まで争う、それが上告だ。多くの人は「最高裁の法廷で、もう一度堂々と主張できる」と思い込む。だが刑事訴訟法408条が、その期待を静かに打ち砕く。最高裁は、提出された上告趣意書とその他の書類を読んだだけで、上告に理由がないことが明らかだと判断すれば、法廷を開かず、口頭弁論も経ず、書面審査だけで判決により上告を棄却できる。実際、刑事の上告のうち圧倒的多数が、この条文によって弁論なしで処理されている。なぜなら上告できる理由は405条で「憲法違反」と「最高裁判例との相反」にほぼ限られており、ただ「量刑が重すぎる」「事実認定がおかしい」と書いても405条の理由に当たらず、紙の上で門前払いになるからだ。あなたの最後の運命は、開かれない法廷ではなく、提出した一通の書面の中で決まっている。
法的な位置づけ
刑事訴訟法408条は、上告棄却の書面審理を定める規定である。上告裁判所は、上告趣意書その他の書類によって上告の申立ての理由がないことが明らかと認める場合、口頭弁論を開かず、判決で上告を棄却することができる。上告審が法律審であることを前提とし、上告事件の効率的処理を担保する手続規定として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.上告期限と上告趣意書の提出期限を最優先で確認 上告申立ては判決宣告から14日以内(刑訴414条が準用する373条)。続いて裁判所が指定する上告趣意書の提出期限を必ず把握する。1日の遅れで中身を見られず棄却されうるため、ここが最初の関所
- 2.不満を405条の理由の形に翻訳する 「量刑が重い」「事実認定がおかしい」という感想を、「どの憲法条文に違反するか」「どの最高裁判例と矛盾するか」へ組み替える。405条1号・2号の枠に入らなければ408条で弁論なし棄却になる
- 3.405条に入らないときは411条の職権破棄を狙う 405条の理由が立たない場合、上告趣意書で「この判決を放置すれば著しく正義に反する」と裁判官に思わせる事実を正面から主張する。著しい量刑不当・重大な事実誤認等を具体的に書き込む
- 4.刑事上告に強い弁護士に書面を点検させる 上告審は書面勝負の世界であり、起案力が結果を左右する。法廷で語る機会を得るに値する争点が立っているか、提出前に刑事上告の経験ある弁護士に最終確認を依頼する
よくある質問 AI による整理
Q1上告審は事実審ですか法律審ですか?
法律審です。事実を調べ直す場ではなく、下級審に憲法違反(405条1号)か最高裁判例との相反(同2号)があるかだけを書面で審査します。新証拠の提出は原則できません。
Q2弁論を経ない上告棄却とは何ですか?
上告趣意書その他の書類だけで理由がないと明らかなとき、口頭弁論を開かず判決で棄却することです。刑事訴訟法408条が根拠で、刑事上告の多くがこの方式で処理されます。
Q3量刑が重すぎることを理由に上告できますか?
原則できません。量刑不当は405条の上告理由に当たらず、そのまま書けば408条で弁論を経ず棄却されます。救済を狙うなら411条の職権破棄を主張する必要があります。
Q4上告趣意書はいつまでに提出しますか?
上告裁判所が指定する期限内に提出します。期限を過ぎると内容を問わず棄却されうるため、提出期限の厳守が最重要です(最新の手続をご確認ください)。
Q5刑事の上告はどのくらい認められますか?
認容率は極めて低く、大半が408条で弁論なし棄却されます。405条の理由に当てはまらない不満をそのまま書くと門前払いになるためです。
Q6上告趣意書に書くべき上告理由は何ですか?
405条の「憲法違反」と「最高裁判例との相反」が中心です。これらに当たらない場合は、411条の職権破棄事由(著しい量刑不当・重大な事実誤認等)を前面に出します。
Q7411条の職権破棄とは何ですか?
405条の上告理由がなくても、判決を放置すると著しく正義に反する場合に、最高裁が職権で原判決を破棄できる制度です。書面でこの事由を訴える余地があります。
Q8民事でも書面だけで上告が棄却されますか?
されます。民事訴訟法319条に同様の仕組みがあり、最高裁は口頭弁論を開かず書面のみで上告を棄却できます。書面審査は最高裁という場所そのものの性格です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1最高裁に上告すれば、もう一度法廷で言い分を聞いてもらえますよね?
原則として聞いてもらえません。刑事の上告審は法律審で、下級審に憲法違反(405条1号)か最高裁判例との相反(同2号)があるかを書面で審査する場です。408条により、理由がないことが明らかなら口頭弁論を開かず判決で棄却されます。実務のポイント:弁護士は「上告は通らないのが原則」と分かっていても依頼者には言いにくい。だが刑事上告の認容率は極めて低く、最初から411条の職権破棄を狙う書面戦略を組める弁護士かどうかで結果が変わる
Q2上告が棄却されたら、もう打つ手はないんですか?
通常の不服申立ては尽きますが、終わりではありません。判決確定後も、無罪を示す新証拠が出れば再審請求(刑訴435条)、判決に重大な法令違反があれば非常上告(刑訴454条、検事総長のみ申立可)という道が残ります。実務のポイント:再審のハードルは高いが、判決が確定しなければ再審ステージにすら進めない。408条で上告が棄却され確定することが、皮肉にも再審という最後の扉を開く前提になる。だから棄却を即「終わり」と決めつけず、確定後の戦略を確定前から準備しておく弁護士は少数派だが存在する
間違えやすい点 AI による整理
- 「上告すれば最高裁でもう一度争える」という問いの立て方自体が誤っている。上告審は事実審ではなく法律審で、新しい証拠を出して争い直す場ではない。下級審の判断に憲法違反か判例違反があるかだけを審査する。だから「もう一度争いたい」ではなく「どの法的瑕疵を突くか」に問いを組み替えないと、出発点で408条の棄却に向かう
- 「上告棄却=負けた」という結論は誰でも知っているが、その意味の深刻さは知られていない。弁論なしの棄却は、あなたが法廷で語る機会を与えるに値する争点すら立てられなかった、と評価されたことを意味する。単なる敗訴ではなく、土俵にすら上がれなかったという評価が確定する
- あなたから見れば「量刑が不当だ」「事実認定が間違っている」は最も言いたい核心だろう。だが法律から見れば、それらは405条の上告理由に当たらない。この落差を理解せず素のままぶつけると、主張の正しさとは無関係に408条で棄却される。正しさではなく、理由の形が合っているかが問われている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 408条:理由が明らかにないとき弁論を経ず棄却 | 405条:上告できる理由(憲法違反・判例違反)を限定 411条:405条外でも認める職権破棄事由 |
| 口頭弁論 | 開かない(書面審査のみ) | 理由が認められれば開かれうる 職権破棄の検討は書面中心 |
| 被告人にとっての意味 | 争点を立てられず門前払い | 通行証となる理由の枠 枠外でも救済が残る最後の窓 |
他国ではどう定めているか 4 か国
第三審法院の判決は原則として言詞辯論を経ないで行うと定め、書面審理を原則とする点で日本と共通する。第三審が法律審である構造も近い
上告審において書面審理により上告を棄却できる仕組みを持ち、上告理由を法律問題に限定する点でも日本と類似する
上告(Revision)が明らかに理由を欠く場合、検察官の申立てにより公判を開かず決定で棄却できる。書面審理による濫上告の効率的処理という発想が日本408条の母法的背景に近い
連邦最高裁は裁量上告(certiorari)の大多数を口頭弁論を経ず不受理とする。制度構造は異なるが、最上級審が書面段階で大半を処理する点で機能的に対応する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 有罪判決を受け、弁護士に「最高裁に上告します」と言われて、まだ法廷で戦えると安心している。だが上告趣意書が405条の理由を満たさなければ、あなたは一度も最高裁の法廷に立つことなく、書類だけで棄却される。法廷に呼ばれる前に、勝負は終わっている
- もし上告趣意書の提出期限まであと3日だとしたら? この書面に「どの憲法条文に違反するか」「どの最高裁判例と矛盾するか」を書き切れなければ、408条で弁論を経ず棄却される。中身を語る機会すらない。残された時間で書面の質が運命を決める
- 刑事事件で被害者側として有罪判決を勝ち取ったが、被告人が上告してきた。「またゼロから争うのか」と消耗を覚悟する。だが上告審は事実を調べ直す場ではなく、被告人の上告に405条の理由がなければ408条で速やかに棄却される。あなたが身構えるほどの再戦ではないことが多い
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被告人が上告しても、検察官を通じて答弁書を出せる立場にあることを確認する2. 被告人の上告趣意書が405条の理由(憲法違反・判例違反)を満たしていなければ、408条で弁論なし棄却される可能性が高い、過度に身構えない3. 被害者参加制度(刑訴316条の33以下)で上告審の進行を把握する4. 確定後の損害賠償命令や民事訴訟(民法709条)の準備を並行して進める
訴えられた側:1. 上告理由は405条の憲法違反・判例違反に厳格に限定される、量刑不当や事実誤認だけでは408条で即棄却されると理解する2. それでも救済を狙うなら411条の職権破棄事由(著しい量刑不当・重大な事実誤認等)を上告趣意書で正面から主張する3. 上告趣意書の提出期限を絶対に守る、1日の遅れで中身を見られず棄却される4. 刑事上告に強い弁護士を選ぶ、書面勝負の世界なので起案力が結果を左右する
時効(請求できる期限):上告の申立ては判決宣告の日から14日以内(刑事訴訟法414条が準用する373条)。上告趣意書は裁判所が指定する期限内に提出しなければならず、これを過ぎると内容を問わず棄却されうる(最新の手続をご確認ください)
学説
通説:上告審を法律審と位置づけ、事実審理と公開法廷での弁論は下級審で既に保障されているとの理解に立つ。これを前提に、書面審査による弁論なし棄却(408条)は憲法32条・37条に反しないと解するのが一般的である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定に伴い、上告審を法律審とする体系のもとで、理由が明らかにない上告を弁論を経ず棄却する権限を上告裁判所に与える規定として整備された。
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