受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

刑事訴訟法 第279条

クイックジャンプ

裁判所は、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第279条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第279条の条文原文は「裁判所は、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第279条は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第279条の前の条は刑事訴訟法第278条の3です。
  7. 刑事訴訟法第279条の次の条は刑事訴訟法第280条です。
  8. 刑事訴訟法第279条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第279条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第279条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/279
裁判例 1件に引用されています

関連度の高い1件を表示しています

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法279条は、裁判所が公務所や公私の団体に照会して必要事項の報告を求める制度を定める。被告人・弁護人の請求でも動かせるが、強制力はない任意の協力依頼である。

Q · 裁判で自分の無実を示す記録が会社や病院にある。裁判所に取り寄せてもらえる?

裁判所が役所や会社に記録の報告を求める制度。被告人側も請求できる

刑事訴訟法279条により、裁判所は検察官・被告人・弁護人の請求または職権で、公務所(役所)や公私の団体(銀行・病院・通信会社・勤務先など)に照会して必要な事項の報告を求められます。被告人や弁護人の側からこれを動かせるのが特徴です。ただし強制処分である差押えとは異なり、あくまで協力の求め(任意処分)であり、相手が守秘義務や個人情報保護を理由に報告を拒んでも直接の罰則はありません。本気で押さえるなら差押え(刑訴99条以下)という別の手段が必要です。

解説

無実を裏づける記録が、どこかの会社のサーバーや病院のカルテ、携帯会社の通信履歴の中に眠っている。事件当夜、あなたが現場から30キロ離れた場所にいたことを示す GPS ログがあるとする。だが個人として「見せてくれ」と頼んでも、相手は個人情報保護を盾に門前払いする。ここで効くのが刑訴279条だ。裁判所が、公務所(役所)や公私の団体(銀行、病院、通信会社、勤務先など)に対して、必要な事項の報告を「照会」できる。しかも被告人や弁護人の請求でこれを動かせる。あなたが直接ぶつかれば断られる壁を、裁判所の名前で抜ける道がここにある。注意すべきは、これは強制処分(差押え)ではなく協力依頼だという点だ。だが裁判所からの照会は事実上の重みが違い、団体が応じる確率は個人の請求とは桁違いに上がる。証拠は黙っていても出てこない。誰が、どの権限で、どのタイミングで頼むか、それを設計できる人だけが手にする記録がある。

法的な位置づけ

刑事訴訟法279条が定める公務所等照会は、裁判所が検察官・被告人・弁護人の請求または職権により、公務所または公私の団体に対して必要な事項の報告を求める証拠収集制度である。強制処分である差押えとは異なり、相手方の任意の協力を前提とする任意処分に位置づけられる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.防御に役立つ客観記録を洗い出す 防犯カメラ、通信履歴、GPS ログ、入退室記録、カルテ、取引明細など、自分の無実を裏づける記録がどの団体に保管されているかを具体的に特定する
  2. 2.記録の保存期間を確認し、消える前に動く 防犯カメラは数日〜数週間、通信記録は数か月で削除される。保存期間が切れる前に動くことを最優先に、各団体の保存期間を確認する
  3. 3.弁護人に279条照会を明示的に依頼する 弁護人に「刑訴279条で裁判所から公務所等照会を請求してほしい」と明示的に依頼する。何の記録を何のために必要とするか理由を整理して渡す
  4. 4.公判前整理手続中なら早期に照会を組み込む 公判前整理手続に付された事件では、証拠請求や争点整理のスケジュールの中に早期に照会請求を組み込み、検察の主張が固まる前に客観記録を確保する

よくある質問 AI による整理

Q1公務所等照会とは何ですか?

裁判所が役所や銀行・病院・通信会社などの団体に照会して必要な事項の報告を求める証拠収集制度です。刑事訴訟法279条が根拠で、被告人・弁護人の請求でも動かせます。

Q2公務所等照会と弁護士会照会の違いは何ですか?

弁護士会照会(弁護士法23条の2)は弁護士会の名で出すもので拒否時の強制力が弱い。279条の公務所等照会は裁判所の名で出すため発信元の重みが違い、団体の応諾率が上がります。

Q3公務所等照会は拒否できますか?

279条は強制処分ではなく協力の求めなので、守秘義務や個人情報保護を理由に報告を拒んでも直接の罰則はありません。本気で押さえるなら差押え(刑訴99条以下)が必要です。

Q4公務所等照会は被告人も請求できますか?

できます。279条は検察官だけでなく被告人・弁護人の請求でも動かせます。受け身でいると有利な記録は出てこないため、弁護人に具体的に依頼することが重要です。

Q5公務所等照会と捜査関係事項照会の違いは何ですか?

捜査関係事項照会(刑訴197条2項)は捜査機関が捜査段階で行うもの。公務所等照会(279条)は裁判所が公判段階で行うものです。主体と段階が異なります。

Q6公務所等照会で個人情報は開示されますか?

照会先が報告すれば第三者の情報も開示され得ますが、相手は個人情報保護法や守秘義務との衝突を理由に報告範囲を絞ったり拒んだりできます。強制ではない点が限界です。

Q7防犯カメラ映像は公務所等照会で取れますか?

店舗等への279条照会で取れる可能性があります。ただし映像は数日〜数週間で消えるため、保存期間が切れる前に弁護人に照会を急いでもらうことが分水嶺です。

Q8公務所等照会と民事の調査の嘱託(民訴186条)はどう違いますか?

発想は同じ兄弟制度ですが、279条は刑事手続、民訴186条は民事手続で用います。刑事の当事者になると普段閉じた記録が別の開き方をする場合があります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1弁護士に頼めば、裁判所を通さなくても会社や病院から記録を取れるんじゃないですか?

弁護士単独では限界があります。弁護士会照会(弁護士法23条の2)という制度はありますが、相手に報告義務はあるものの拒否されたときの強制力は弱い。刑訴279条は裁判所の名で出す照会で、団体の応諾率が段違いです。実務のポイント:実務では、まず弁護士会照会で軽く当たり、断られたら279条で裁判所経由に切り替える二段構えがよく使われます。最初から重い手を出すより、相手の出方を見て道具を持ち替えるのが手練れの弁護人のやり方です

Q2照会したのに『個人情報なので出せません』と断られたら、もう打つ手はないんですか?

279条の照会は協力の求めであって強制処分ではないので、拒否されても直接の罰則はありません。ただ次の手段があります:本当に重要な記録なら、裁判所に差押え(刑訴99条以下)や証人尋問(刑訴226条以下)を請求して強制的に押さえる道です。実務のポイント:照会を一度拒否された事実そのものが、「この団体は任意では出さない」という根拠になり、差押許可状の請求を後押しすることがあります。断られた経験は無駄にならず、より強い手段への足がかりに使えるのです

間違えやすい点 AI による整理

  • 「証拠集めは捜査機関と弁護士の仕事で、被告人は待つだけ」と思い込んでいる人が多いが、279条の照会は被告人本人や弁護人の請求で動かせる。あなたが「この記録を裁判所から照会してほしい」と具体的に求めなければ、裁判所が職権で動くとは限らない。受け身でいる限り、有利な記録は永遠に法廷に出てこない
  • 公務所等照会と弁護士会照会(弁護士法23条の2)を同じものだと思っている人がいるが、別物だ。弁護士会照会は弁護士会の名で出すもので、相手に報告義務はあるが拒否されても直接の強制力は弱い。279条は裁判所の名で出す。発信元の重みが違い、団体の応諾率も変わる。どちらのルートで攻めるかで、記録が出るか出ないかが分かれる
  • 「照会すれば必ず記録が手に入る」と期待しがちだが、279条は強制処分ではなく協力の求めにすぎない。相手が守秘義務や個人情報保護を理由に報告を拒んでも、それ自体に直接の罰則はない。本気で押さえるなら差押え(刑訴99条以下)という別の強制手段が要る。照会の限界を知らないと、断られた瞬間に手詰まりになる
比較の観点この条文ほかの条文
主体・段階刑訴279条:裁判所が公判段階で照会(被告人・弁護人も請求可)刑訴197条2項:捜査機関が捜査段階で照会
刑訴99条:裁判所による差押え(公判・捜査)
強制力任意処分(協力の求め、拒否しても直接の罰則なし)任意処分(捜査関係事項照会、拒否に直接の罰則なし)
強制処分(許可状により強制的に取得)
拒否されたとき差押えや証人尋問など強制手段に切り替える差押えへ移行
原則拒否不可(強制処分)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国刑事訴訟法第163条・第196条の1

台湾では法院が職権で証拠を調査する権限の中で機関への函査(照会)が行われる。条文単位で日本のように独立した照会規定を置くのではなく、証拠調査権の一環として運用される点が異なる。

韓国
대한민국 형사소송법 제272조

韓国の形事訴訟法272条は『法院は職権または当事者の申請により公務所等に照会して必要事項の報告または書類の送付を求めることができる』と定め、日本の279条とほぼ同一の構造を持つ。

ドイツ
StPO § 161

ドイツでは捜査機関の情報請求権が中心で、公的機関には職務援助(Amtshilfe)義務がある。公判段階の証拠収集は § 244以下の証拠調べ規定で扱われ、日本のような独立の照会規定とは構造が異なる。

アメリカ
Subpoena duces tecum (Fed. R. Crim. P. 17)

米国では文書提出命令(subpoena duces tecum)により第三者に記録の提出を強制でき、応じない場合は法廷侮辱の制裁がある。任意の協力にとどまる日本の照会より強制力が強い。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 傷害事件で被告人にされたが、防犯カメラの映像があれば自分が先に殴られたこと(正当防衛)を立証できる。だが店は「個人情報なので渡せない」と拒否。弁護人を通じて裁判所に279条の照会を請求すれば、店側は裁判所からの依頼として応じやすくなる。映像の保存期間が切れる前に動けるかどうかが分水嶺
  • もし、あなたのアリバイを証明する唯一の記録が、退職した会社の入退室ログだったとしたら? 元社員のあなたが頼んでも会社は相手にしない。だが裁判所からの照会なら話が変わる。あと数か月でログが自動削除される前に、弁護人に照会請求を急いでもらう必要がある
  • 詐欺の被告人にされ、相手の口座への送金が「貸付の返済」だったと主張したい。銀行の取引履歴がそれを裏づけるが、他人名義の口座情報は個人では取れない。公務所等照会で銀行に取引明細の報告を求めれば、第三者の金融記録に裁判所経由でアクセスする道が開ける

取るべき行動

被害を受けた側:1. 自分の防御に役立つ客観記録を洗い出す:防犯カメラ、通信履歴、GPS ログ、入退室記録、カルテ、取引明細など、どの団体が持っているかを具体的に特定2. その記録の保存期間を確認、消える前に動くことが最優先3. 弁護人に「刑訴279条で裁判所から公務所等照会を請求してほしい」と明示的に依頼、何の記録を何のために必要とするか理由を整理して渡す4. 公判前整理手続中の事件なら、証拠請求や争点整理のスケジュールの中で早期に照会請求を組み込んでもらう

訴えられた側:1. あなたが照会を受ける側(記録を持つ団体)であれば、まず受け取った書面が刑訴279条の裁判所照会か、弁護士会照会(弁護士法23条の2)か、捜査関係事項照会(刑訴197条)かを正確に見分ける、根拠条文で対応が変わる2. 報告には原則協力が望ましいが、守秘義務・個人情報保護法・職業上の秘密との衝突がある場合は、報告範囲を必要最小限に絞れるか、法務担当や顧問弁護士に確認3. 強制処分(差押え)ではないため、正当な理由があれば報告を留保・拒否する余地はあるが、後の信用や差押えへの発展も見据えて判断する

時効(請求できる期限):公務所等照会の請求自体に固有の時効はないが、証拠調べに間に合う時期に行う必要がある。公判前整理手続に付された事件では証拠請求等に期限が設定される(刑訴316条の13以下)。実務上の真の締切は、照会先が記録を保存している期間(防犯カメラ数日〜数週間、通信記録数か月)であり、起算点は事件発生時。記録が消えれば照会しても得られない(最新の各社保存期間をご確認ください)

学説

通説:刑訴279条の公務所等照会は、相手方の任意の協力を前提とする任意処分であり、強制処分である差押え(刑訴99条以下)とは性質を異にする。照会先が守秘義務や個人情報保護を理由に報告を拒んでも、それ自体に直接の制裁はないと解されている。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和23年(1948年) 制定:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定に伴い、公判段階で裁判所が公務所・公私の団体に照会して報告を求める証拠収集制度として整備された。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

刑事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第一節 公判準備及び公判手続

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›