刑事訴訟法 第58条
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- 裁判所は、次の場合には、被告人を勾引することができる。
- 一被告人が定まつた住居を有しないとき。
- 二被告人が、正当な理由がなく、召喚に応じないとき、又は応じないおそれがあるとき。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第58条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第58条の条文原文は「裁判所は、次の場合には、被告人を勾引することができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第58条は第八章 被告人の召喚、勾引及び勾留に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第58条の前の条は刑事訴訟法第57条です。
- 刑事訴訟法第58条の次の条は刑事訴訟法第59条です。
- 刑事訴訟法第58条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第58条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第58条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/58
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法58条は、住居不定のとき、又は正当な理由なく召喚に応じないときに、裁判所が被告人を勾引できると定める。勾引後の留置は24時間が上限である。
Q · 裁判所からの呼び出しを無視したら、本当に強制的に連れて行かれるの?
原則は召喚が先だが、住居不定なら直接勾引もありうる
刑事訴訟法58条により、裁判所は被告人を勾引できます。発動要件は二つで、(1)定まった住居を有しないとき、(2)正当な理由なく召喚に応じない又は応じないおそれがあるときです。勾引は逮捕とは別個の強制処分で、執行官が被告人を強制的に法廷へ連行します。引致後の留置は24時間が上限(59条)ですが、その間に勾留要件(60条)を満たすと判断されれば、そのまま勾留へ移行します。住居不定は単独で勾引理由になる点に注意が必要です。
解説
起訴されて被告人になったあなたのもとに、裁判所から召喚状が届く。仕事が抜けられない、気が進まない、そう思って二度三度と無視したら何が起きるか。刑事訴訟法58条がその答えだ。裁判所は令状(勾引状)を発し、執行官があなたを強制的に法廷へ連れて来る。これが勾引(こういん、本人の意思に反して特定の場所へ連行する強制処分)である。逮捕とは別物だが、連行された後は24時間まで留め置かれる(59条)。引き金は二つ。一つは『正当な理由なく召喚に応じない、又は応じないおそれがあるとき』。もう一つが見落とされやすい、『定まった住居を有しないとき』だ。つまり住所不定というだけで、まだ一度も呼び出しに背いていなくても勾引の対象になりうる。ネットカフェ暮らし、転居を繰り返す生活、その状態自体が法的リスクに変わる瞬間がある。
法的な位置づけ
刑事訴訟法58条は被告人の勾引を定める規定であり、定まった住居を有しないとき、又は正当な理由なく召喚に応じず若しくは応じないおそれがあるときに、裁判所が被告人を強制的に法廷へ連行できる旨を規定する。勾引は逮捕とは別個の強制処分であり、公判の確実な実施に向けた出頭確保を目的とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.召喚状が届いたら期日と連絡先を最優先で確認 茶封筒を放置せず開封し、出頭の期日・場所・出頭できない場合の連絡先を真っ先に確認する。『出頭できない場合は連絡を』の一行を見落とさない
- 2.出頭できない事情は期日前に書記官へ疎明 病気・事故・葬儀など正当な理由がある場合、期日より前に裁判所書記官へ連絡し、診断書や事故証明など疎明資料を提出する。欠席後の説明とは評価が大きく異なる
- 3.転居予定があれば新住所を即届け出る 起訴後に引っ越す予定があるなら、新住所を裁判所と弁護人へ速やかに届け出て『住居不定』の評価を先回りで消す。連絡の取れる状態を自分から作る
- 4.勾引されたら直ちに弁護人へ連絡 勾引状が出た又は勾引された場合、まず弁護人へ連絡する(当番弁護士制度も使える)。留置24時間内に住居の確保と出頭意思を具体的に示し、勾留への移行を防ぐ
よくある質問 AI による整理
Q1勾引とは何ですか?
出頭しない被告人を裁判所が強制的に法廷へ連行する手続です。刑事訴訟法58条が根拠で、逮捕とは別個の強制処分にあたります。
Q2勾引状が出たらどうなりますか?
執行官が被告人を強制的に法廷へ連行します。引致後は24時間まで留置でき(59条)、その間に勾留要件を満たせば勾留へ移行します。
Q3住所不定だと勾引されるって本当ですか?
本当です。58条1号は『定まった住居を有しないとき』を単独の勾引理由とし、一度も召喚に背いていなくても対象になりえます。
Q4勾引と同行状の違いは何ですか?
勾引は刑事訴訟法上の強制処分です。同行状は少年法11条など別制度の連行手段で、対象者や要件が異なります。
Q5証人も勾引されることがありますか?
あります。正当な理由なく出頭しない証人には、152条により勾引が及びます。被告人でなくても対象になりえます。
Q6勾引された後、何時間で釈放されますか?
引致した時から24時間以内に勾留状が発せられなければ釈放されます(59条)。この24時間が勾留審査の時間にもなります。
Q7召喚状を無視するとどうなりますか?
無連絡の欠席を繰り返すと『応じないおそれ』と評価され、勾引状が発せられやすくなります。事前の連絡が分岐点になります。
Q8勾引を避けるにはどうすればいいですか?
出頭できない事情があれば期日前に裁判所書記官へ連絡し正当な理由を疎明すること、転居時は新住所を速やかに届け出ることが有効です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判所の呼び出しを一回すっぽかしたら、すぐ連れて行かれるんですか?
一回の欠席で即勾引、とは限りません。58条は『正当な理由なく召喚に応じない、又は応じないおそれ』を要件とし、裁判所が総合的に判断します。ただし無連絡の欠席を繰り返すと『応じないおそれ』が認定されやすくなる。実務のポイント:欠席する際、事前に裁判所書記官へ一本電話を入れて事情を伝えるだけで、評価は大きく変わります。弁護人は『連絡だけは絶対に入れろ』と必ず言う。連絡の有無こそ、勾引状の発付を左右する最大の分岐点です
Q2勾引と逮捕、勾留って何が違うんですか?
勾引(58条)は出頭しない被告人を法廷へ連れて来る手続で、留置は24時間まで(59条)。逮捕は罪の疑いに基づく初期の身柄確保。勾留(60条)は逃亡や証拠隠滅のおそれを理由とする継続的な拘束です。実務のポイント:勾引の本当の怖さは、その24時間が勾留審査の時間にもなりうる点。連れて来られただけのつもりが、そのまま勾留へ移行することがある。だから勾引の段階でも、住居と出頭意思をはっきり示すことが、身柄を守る決め手になります
間違えやすい点 AI による整理
- 『裁判所を無視したら逮捕される』という問いの立て方が、そもそもずれている。58条の勾引は逮捕ではない。逮捕は罪を犯した疑いに基づく初期の身柄確保、勾引は出頭しない被告人を法廷へ連れて来る手続である。両者を混同すると、自分が今どの手続の渦中にいるのかを見失い、打つべき手を間違える
- 『勾引されても、ちょっと連れて行かれるだけ』と軽く考える人がいる。実際は連行後24時間まで留置でき(59条)、その間に裁判所が勾留の要件(60条)を満たすと判断すれば、そのまま勾留へ移行する。半日の連行のつもりが、長期の身柄拘束の入口になりうる。問題はその深刻度を知らないことだ
- 『正当な理由があれば欠席は自由』と思われがちだが、その理由を裁判所に示さなければ意味がない。病気でも事故でも、事前または直後に診断書や連絡で疎明しなければ『正当な理由なく応じない』と扱われる。判断されるのは理由の有無ではなく、理由を示したかどうかである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 目的・性質 | 勾引(58条):不出頭の被告人を法廷へ連行する強制処分 | 召喚(57条):任意の出頭を求める前段階の手続 勾留(60条):逃亡・証拠隠滅のおそれを理由とする継続的拘束 |
| 発動要件 | 住居不定、又は正当な理由なき不出頭・そのおそれ | 公判期日への出頭を求める必要があること 住居不定・逃亡のおそれ・罪証隠滅のおそれ |
| 拘束時間 | 引致後24時間まで(59条) | 拘束を伴わない 原則2か月、更新可能 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は、合法に召喚されながら正当な理由なく出頭しない被告に拘提を認める(75条)ほか、住居不定など一定事由では召喚を経ない拘提を認める(76条)。日本の58条と発想が近い。
韓国も出頭しない被告人等に対する구인(拘引)を認め、令状主義の下で運用される。日本の勾引と機能的に対応する。
ドイツは公判に出頭しない被告人につき Vorführung(連行)や Haftbefehl を認める。出頭確保の手段である点で日本の勾引に対応する。
米国は出廷義務違反に対し裁判官が bench warrant を発し身柄を確保する。日本の勾引と機能的に類似するが、保釈制度と密接に結び付く点が異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、起訴された後に転居を繰り返して裁判所と連絡が取れなくなったら? あなたは『住居不定』とみなされ、召喚の段階を飛ばして直接勾引状を出されうる。逃げる気がまったくなくても、住所が安定しないというだけで強制連行のレールに乗ってしまう
- あなたは被告人で、明日が公判期日。だが家族が急に倒れて病院に泊まり込み、裁判所に何も連絡しないまま欠席した。この事情は『正当な理由』になりうるが、事前か直後に裁判所書記官へ伝えたかどうかが分水嶺になる。黙って休むと『応じないおそれ』と評価され、次は勾引される。残された猶予は次回期日までだ
- ネットカフェで寝泊まりしながら働くあなた。起訴された瞬間、『定まった住居なし』が単独で勾引の理由になる。一度も呼び出しに背いていなくても、だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 召喚状が届いたら、まず期日・場所・出頭できない場合の連絡先を確認する2. 出頭できない事情(病気・事故・葬儀など)があれば、期日より前に裁判所書記官へ電話し、診断書など正当な理由を疎明する3. 転居予定があれば新住所を裁判所と弁護人へ即届け出て『住居不定』の評価を消す4. 弁護人がついていれば、欠席や住所変更は必ず弁護人経由で連絡し、自己判断で動かない
訴えられた側:1. すでに勾引状が出た、または勾引された場合、まず弁護人へ連絡する(当番弁護士制度も使える) 2. 勾引後の留置は24時間が上限(59条)、それを超える拘束には勾留状が必要だと知っておく3. その24時間内に裁判所が勾留要件(60条)を検討するため、住居の確保と出頭の意思を具体的に示し、勾留への移行を防ぐ4. 不出頭に正当な理由があったなら、その疎明資料(診断書・事故証明など)を直ちに提出する
時効(請求できる期限):勾引そのものに公訴時効のような期間制限はないが、勾引した被告人を留置できるのは裁判所へ引致した時から24時間以内(刑事訴訟法59条)。この24時間内に勾留状が発せられなければ、釈放しなければならない
学説
通説:勾引制度の趣旨は、被告人の出頭なしには公判審理が原則として成り立たないため、その出頭を確保する点にある。もっとも身体の自由への制約であることから、要件を住居不定・正当な理由なき不出頭等に限定し、留置を24時間に制限することで、出頭確保と人身の自由との均衡を図っていると解されている。
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