刑事訴訟法 第276条
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- 裁判所は、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、公判期日を変更することができる。
- 2.公判期日を変更するには、裁判所の規則の定めるところにより、あらかじめ、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴かなければならない。但し、急速を要する場合は、この限りでない。
- 3.前項但書の場合には、変更後の公判期日において、まず、検察官及び被告人又は弁護人に対し、異議を申し立てる機会を与えなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第276条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第276条の条文原文は「裁判所は、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、公判期日を変更することができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第276条は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第276条の前の条は刑事訴訟法第275条です。
- 刑事訴訟法第276条の次の条は刑事訴訟法第277条です。
- 刑事訴訟法第276条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第276条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第276条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/276
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法276条は、裁判所が請求または職権で公判期日を変更できると定める。変更には原則として当事者の意見聴取が必要で、急速を要する場合は事後に異議の機会が与えられる。
Q · 裁判の期日って、裁判所が一方的に動かせるものなんですか?
動かせますが、原則あなたの意見を聴く義務があります
刑事訴訟法276条により、公判期日は検察官・被告人・弁護人の請求または裁判所の職権で変更できます。ただし変更には原則としてあらかじめ当事者の意見を聴く義務があり(2項)、被告人側も意見を述べる権利があります。急速を要する場合は事前聴取を省略できますが、その場合でも変更後の最初の期日で異議を申し立てる機会が与えられます(3項)。意見聴取を欠いた変更は手続違反となり、控訴理由(379条)になりうる場合があります。
解説
刑事裁判の期日は、一度決まったら動かせない、と思っている人が多い。実際は逆だ。刑事訴訟法276条は、裁判所が検察官・被告人・弁護人の請求により、または職権で公判期日を変更できると定める。本当に効いてくるのはその先の手続だ。期日を変更するには、原則としてあらかじめ双方の意見を聴かなければならない(2項)。あなたが被告人なら、検察官が証拠を揃え直すために期日を延ばそうとするとき、それに反対意見を述べる権利がある。さらに急速を要する場合は事前の意見聴取を省略できるが、その場合でも変更後の期日で真っ先に異議を申し立てる機会が与えられる(3項)。つまり、あなたの知らないところで裁判の日程が勝手に動かされ、しかもそれに文句が言えない、という事態は法律上想定されていない。落とし穴は、この権利を知らない被告人が、ただ通知を受け取って黙って従っていることだ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法276条にいう公判期日の変更とは、すでに指定された公判期日を、検察官・被告人・弁護人の請求または裁判所の職権により別の日時へ改める手続をいう。変更には原則として事前の意見聴取が要件とされ、急速を要する場合に限り事前聴取が省略されるが、その場合は変更後の期日で異議申立ての機会が保障される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.変更の理由と必要性を確認する 誰が何のために期日変更を求めているか(自分側の事情か、検察官の捜査立て直しか、裁判所の職権か)を確認する。検察官の延期請求は捜査時間を稼ぐ手段になりうるため、目的を見極める
- 2.意見聴取の場で態度を明確にする 276条2項の意見聴取で、賛否を明確に述べる。勾留中なら「延期は未決勾留の不当な長期化につながる」と反対意見を述べ、必ず調書に残してもらう。沈黙は同意とみなされかねない
- 3.自分側の事情なら速やかに変更を請求する 弁護人の急病や証人の都合など自分側の事情があれば、刑事訴訟規則に従い理由を疎明して速やかに期日変更を請求する。軽い理由での連発は心証を害するため、本当に必要なときに限る
- 4.意見聴取なしの変更には変更後の期日で異議を述べる 急速を要するとして意見聴取なく変更された場合、変更後の最初の期日において本案の弁論に入る前に異議を申し立てる(3項)。この一言を逃すと、後から手続違反を争えなくなる
よくある質問 AI による整理
Q1公判期日の変更とは何ですか?
指定済みの裁判の日を別の日時に改める手続です。刑事訴訟法276条が根拠で、検察官・被告人・弁護人の請求または裁判所の職権で行います。
Q2公判期日の変更に被告人の同意は必要ですか?
同意までは不要ですが、原則として事前に意見を聴かなければなりません(276条2項)。被告人は反対意見を述べる権利があります。
Q3公判期日の変更はいつまでに請求できますか?
明文の期限はありませんが、変更の必要が生じた段階で速やかに理由を疎明して請求します。直前すぎると認められにくくなります。
Q4公判期日変更の異議はいつ申し立てますか?
急速を要するとして意見聴取なく変更された場合、変更後の最初の期日で本案に入る前に異議を申し立てます(276条3項)。逃すと争えません。
Q5公判期日の変更で勾留はどうなりますか?
変更で審理が延びると未決勾留も延びます。勾留中の被告人は延期の不当な長期化を理由に反対意見を述べ、調書に残すことが重要です。
Q6弁護人の都合で公判期日は変更できますか?
できます。被告人側も276条1項で変更を請求できます。必要的弁護事件では弁護人不在のまま審理を強行できません。
Q7公判期日変更が違法になるのはどんな場合ですか?
急速を要しないのに意見聴取を欠いた変更などは訴訟手続の法令違反となり、控訴理由(379条)になりうる場合があります。
Q8公判期日の変更と延期・続行は違いますか?
変更は指定済みの期日を別日に改めること、続行は同一審理を後日に継続すること、延期は開廷後に審理を先送りすることで、根拠と手続が異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁護士が急に出廷できなくなったら、裁判はそのまま進んじゃうんですか?
進みません。被告人側も期日変更を請求できます(276条1項、変更請求の方式は刑事訴訟規則が定める)。とくに必要的弁護事件(死刑・無期・長期3年を超える事件、刑事訴訟法289条)では、弁護人がいないまま審理を開けません。実務のポイント:弁護人の都合による期日変更は実務上認められやすいが、軽い理由で何度も繰り返すと裁判所の心証を害する。本当に動かせない事情のときに使い、連発は避けるのが弁護人の常識です
Q2検察官が『もう少し捜査したい』と言って期日を延ばしてきました。断れますか?
あなたに意見を述べる権利があります(276条2項)。延期に反対する意見を述べ、それを調書に残してもらうことが肝心です。とくに勾留中なら、延期はそのまま未決勾留の長期化を意味します。実務のポイント:延期に黙って同意した記録は、後で『被告人も納得していた』という形で使われます。反対なら必ず言葉にして残す。沈黙は同意とみなされかねない、というのが刑事弁護の現場感覚です
間違えやすい点 AI による整理
- 「裁判の期日は裁判所が一方的に決めるもので、被告人は従うしかない」と思われているが、276条2項は期日変更に際して被告人・弁護人の意見聴取を義務づけている。意見を述べる場が法律上保障されている
- 意見を聴かれること自体は知っていても、その重さを知らない人が多い。意見聴取を欠いた期日変更は手続違反であり、場合によっては控訴理由(訴訟手続の法令違反、刑事訴訟法379条)になりうる。単なる形式的なお伺いではない
- あなたから見れば「ただの日程調整」だが、検察官から見れば期日の延期は捜査を立て直す時間を稼ぐ手段になりうる。この落差に気付かず延期に同意すると、あなたの身柄拘束だけが延びていく
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 276条:公判期日の変更と意見聴取・異議の手続 | 273条:公判期日の指定(変更の前提となる原則手続) 289条:必要的弁護事件(弁護人不出頭時の審理制限) |
| 守ろうとする利益 | 変更の必要性と当事者の手続関与の調整 | 審理開始の枠組みの確定 重大事件における弁護権の実質的保障 |
| 被告人側の手段 | 意見聴取(2項)・異議申立て(3項) | 期日指定への意見・準備期間の確保 弁護人不在のままの審理を阻止 |
| 違反したときの帰結 | 訴訟手続の法令違反 → 控訴理由(379条)になりうる | 期日手続の瑕疵として争いうる 審理無効・控訴理由になりうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も審判期日の指定を裁判所が行うが、変更時の事前意見聴取を独立条文で明示する日本ほど手続を細分化していない
韓国も公判期日の変更を明文化し、当事者の手続関与を保障する点で日本と類似する
ドイツは期日の指定(§ 213)と中断・延期(§ 228)を区別し、変更そのものより審理の連続性確保に重点を置く
米国は当事者の継続申立て(continuance)を裁量で判断し、迅速裁判条項(Speedy Trial)との緊張関係で運用される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが勾留中の被告人で、検察官が「追加で捜査が必要」として期日延期を請求してきた。延期されればその分、未決勾留(判決前の身柄拘束)が一か月、二か月と延びる。あなたには意見を述べる権利(2項)がある。黙って従えば、拘束だけが静かに長くなる。あと数日で次の期日、反対するなら今が動くときだ
- もし、あなたの弁護人が当日に急病で出廷できなくなったら、裁判はそのまま進んでしまうのか? 期日変更を請求できるのは被告人側も同じだ。とくに必要的弁護事件(重い罪の事件)では、弁護人がいないまま審理を強行できない仕組みがここにつながっている
- 重要証人が直前になって来られなくなり、裁判所が職権で期日を変更した。変更後の日程について、あなたは意見を言える
取るべき行動
被害を受けた側:被害者参加人として審理を見守る立場で期日が繰り返し延期されるなら、1. まず延期理由を担当検察官に確認し、正当な事由か単なる時間稼ぎかを見極める2. 被害者参加弁護士を通じて、迅速な審理を求める意見を検察官経由で裁判所に伝える3. 不当な遅延が続く経緯は記録に残す。被害者側に期日変更の同意権はないが、意見を届ける経路は存在する
訴えられた側:1. 自分側の事情(弁護人の病気、証人の都合)で変更が必要なら、刑事訴訟規則に従い理由を疎明して速やかに期日変更を請求2. 検察官の延期請求には、勾留中なら未決勾留の長期化を理由に明確な反対意見を述べ、調書に残す3. 急速を要するとして意見聴取なしに変更されたら、変更後の最初の期日で必ず異議を申し立てる(3項) 4. 延期が不当に積み重なれば、迅速な裁判を受ける権利(憲法37条1項)の侵害を主張する余地がある
時効(請求できる期限):期日変更そのものに時効はない。ただし3項の異議は「変更後の公判期日において、まず」申し立てる機会が与えられる、つまりその期日で弁論に入る前に述べなければ機会を失う。2項の意見聴取も期日変更の「あらかじめ」が要件であり、事後の説明では足りない
学説
通説:276条2項の意見聴取は単なる形式的なお伺いではなく、期日変更の必要性を当事者にチェックさせる手続的歯止めである。急速を要する事由なく意見聴取を欠いた変更は訴訟手続の法令違反となり、判決に影響を及ぼすかぎりで控訴理由になりうると解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定に伴い、当事者主義を踏まえた公判手続の一環として公判期日の変更に関する意見聴取・異議の手続が整備された。
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