刑事訴訟法 第307条
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証拠物中書面の意義が証拠となるものの取調をするについては、前条の規定による外、第三百五条の規定による。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第307条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第307条の条文原文は「証拠物中書面の意義が証拠となるものの取調をするについては、前条の規定による外、第三百五条の規定による。」で始まります。
- 刑事訴訟法第307条は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第307条の前の条は刑事訴訟法第306条です。
- 刑事訴訟法第307条の次の条は刑事訴訟法第307条の2です。
- 刑事訴訟法第307条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第307条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第307条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/307
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法307条は、証拠物たる書面の取調べについて、306条の展示に加え305条の朗読も行うべきことを定める。物の存在と書面の意味の双方を法廷に顕出させる規定である。
Q · 脅迫状みたいな証拠は、法廷で見せるだけでいいの?読み上げも必要なの?
展示と朗読の両方が必要です
刑事訴訟法307条により、証拠物たる書面(脅迫状や偽造文書など、物でもあり書面でもある証拠)の取調べには、306条による展示だけでなく305条による朗読も必要です。物として見せるだけでは書面の意味が法廷に顕出されず、逆に読み上げるだけでは物の存在が確認できません。実務では朗読に代えて要旨の告知で済ませる運用もありますが、核心部分が漏れていないかは確認が必要です。
解説
法廷で脅迫状が証拠として出される場面を考える。その紙には二つの顔がある。一つは「物」としての顔、誰が見ても紙が存在し、筆跡があり、指紋が残る。もう一つは「書面の意味」としての顔、そこに書かれた「殺すぞ」という文言そのものが脅迫の事実を語る。刑訴法307条は、この二つの顔を持つ証拠について、展示(306条、物として見せる)だけでも、朗読(305条、文言を読み上げる)だけでも足りず、両方やれと命じる。なぜこれがあなたに関係するのか。実はこの「証拠物たる書面」という分類こそ、伝聞法則(320条)を通すか飛ばすかの分岐点だからだ。脅迫状は「誰かが過去にこう言った」という供述の記録ではなく、文書の存在そのものが犯罪行為。だから伝聞の壁を越えて、原則そのまま証拠になる。同じ一枚の紙を「証拠書類」と呼ぶか「証拠物たる書面」と呼ぶか、その呼び方の違いが、証拠能力の運命を決める。
法的な位置づけ
刑事訴訟法307条は、証拠物のうち書面の意義が証拠となるもの(証拠物たる書面)の取調べ方式を定める規定である。証拠物の展示を定める306条に加え、証拠書類の朗読を定める305条を準用し、物としての展示と書面内容の朗読の双方を要求する。脅迫状や偽造文書がこれに当たる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.証拠等関係カードで証拠の分類を確認 証拠調べの冒頭で、検察請求の証拠が「証拠書類(305条)」「証拠物(306条)」「証拠物たる書面(307条)」のどれで請求されているかを真っ先に見極める。分類が伝聞法則を通すか素通りするかを決める
- 2.証拠物たる書面なら展示と朗読の双方を確認 307条該当の証拠については、現物の展示(306条)と書面内容の朗読または要旨の告知(305条)の双方が行われているかを確認する。要旨の告知の場合は核心部分が漏れていないかをチェックする
- 3.方式に疑義があれば即座に異議を述べる 取調べの方式に違法があれば、その取調べの直後に遅滞なく刑訴法309条の異議を申し立てる。タイミングを逃すと控訴審で手続違法を取り上げてもらうのが難しくなる
- 4.文書と被告人の結びつき(関連性)を検討 証拠物たる書面は内容の真偽を反対尋問で崩す道がないため、文書を被告人が作成・所持していたかという関連性を断つ方向に攻めどころを定める
よくある質問 AI による整理
Q1証拠物たる書面とは何ですか?
脅迫状や偽造文書のように、物としての存在と書面に書かれた意味の双方が証拠となるものをいいます。刑訴法307条が取調べ方式を定めています。
Q2刑訴法305条・306条・307条はどう使い分けますか?
305条は証拠書類の朗読、306条は証拠物の展示、307条は両方の性質を持つ証拠物たる書面に展示+朗読の双方を要求する規定です。
Q3要旨の告知だけで証拠調べは適法ですか?
朗読に代えて要旨の告知で済ませる運用は実務上広く認められ適法ですが、書面の核心部分が告知から漏れていないかは弁護側がチェックすべき急所です。
Q4脅迫状はどうやって法廷で取り調べますか?
脅迫状は証拠物たる書面なので、307条により現物を展示すると同時に、書かれた文言を朗読(または要旨の告知)して取り調べます。
Q5偽造文書は中身を読み上げないと証拠にできませんか?
偽造文書は書面の意義が証拠となるため、展示だけでは内容が法廷に顕出されません。朗読または要旨の告知まで揃って初めて判決の基礎に使えます。
Q6SNS の投稿のスクリーンショットは証拠物たる書面ですか?
投稿が脅迫や名誉毀損の行為そのものを構成する場合、その文言の存在が証拠となるため証拠物たる書面として扱われることがあります。
Q7証拠物たる書面は伝聞法則の適用を受けますか?
原則として受けません。文書の存在や形式そのものが証拠であり、誰かの過去の供述を内容とするものではないため、伝聞の壁を越えて証拠になります。
Q8証拠物たる書面の取調べ方式を誤ると判決はどうなりますか?
展示か朗読の一方が欠けると書面の意義が顕出されず、その内容を有罪認定の基礎にできるか争う余地が生まれます。方式違法は控訴の材料になり得ます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1「証拠書類」と「証拠物たる書面」って、結局なにが違うんですか?
証拠書類は書かれた内容(供述・報告)が証拠になるもので、伝聞法則(320条)の制約を受けます。証拠物たる書面は、文書の存在や形式そのものが証拠になるもの(脅迫状、偽造文書など)で、原則として伝聞法則を受けません。実務のポイント:この一線が、その文書を反対尋問で崩せるかどうかを決めます。弁護人は証拠意見の段階でどちらに当たるかを真っ先に見極める。ここを見落とすと、本来争えた証拠を素通りさせてしまう
Q2取調べの方式を間違えた証拠は、あとで無効にできますか?
証拠調べの方式に違法があれば刑訴法309条で異議を申し立てられますが、その取調べの直後に遅滞なく述べる必要があります。タイミングを逃すと、控訴審でその手続違法を取り上げてもらうのは難しくなります。実務のポイント:実務では朗読の代わりに「要旨の告知」で済ませる運用が広く行われています。それ自体は適法ですが、書面の核心部分が告知から漏れていないかは弁護側がチェックすべき急所。漫然と見過ごすと、不利な文言が知らぬ間に証拠化される
間違えやすい点 AI による整理
- 「証拠調べの方式なんて細かい手続で、有罪無罪には関係ない」と問いを立てる人がいるが、その問いの立て方そのものがずれている。証拠物たる書面か証拠書類かの分類は、見せ方の問題ではなく、その文書が伝聞法則を越えて証拠になれるかという証拠能力の問題に直結する
- 脅迫状が証拠になること自体は知っていても、それが「被告人が脅迫したという供述」ではなく「脅迫という行為そのもの」として扱われる深刻さを知らない人が多い。供述証拠なら証人を反対尋問で弾劾できるが、文書の存在自体が証拠なら、その土俵がそもそも存在しない
- 「物として展示すれば証拠調べは完了」と思われがちだが、書面の意義が証拠となるものは、展示だけでは中身が法廷に現れない。朗読(または要旨の告知)まで揃って初めて、裁判官はその文言を判決の基礎に使える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 取調べの対象 | 307条:証拠物たる書面(物+書面の意義) | 305条:証拠書類(書面内容が証拠) 306条:証拠物(物の存在・形状が証拠) |
| 取調べ方式 | 展示+朗読(要旨の告知で代替可) | 朗読(要旨の告知で代替可) 展示 |
| 伝聞法則(320条) | 原則として適用を受けない | 原則として適用を受ける 対象外(供述ではない) |
| 典型例 | 脅迫状・偽造文書・名誉毀損のビラ | 供述調書・鑑定書・捜査報告書 凶器・盗品・指紋付着物 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も証物の提示(164条)と書証の朗読・要旨告知(165条)を別建てで定め、両性質を持つ準文書には双方を要求する点で日本と類似する。
韓国は証拠書類の調査方式(292条)と証拠物の調査方式(292条の2)を分け、書面の意義が証拠となる場合は朗読と提示を併用する点で日本と近い。
ドイツは書証の取調べを朗読(Verlesung)で行うのが原則。物的証拠は Augenschein(StPO § 86)で取り調べ、文書が物としても意味を持つ場合は両者が併用される。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが名誉毀損で起訴され、問題のビラが証拠請求された。検察官がそれを「証拠書類」として朗読だけで処理しようとしたら、弁護人は「これは証拠物たる書面だ、物としての展示も必要だ」と方式を争える。手続の組み立て方が、その文言を判決の基礎にできるかを左右する
- もし、偽造された契約書が証拠物として展示されただけで、中身が一度も読み上げられなかったら? 書面の「意義」が法廷に顕出されていないことになり、その内容を有罪認定の根拠にできるか争う余地が生まれる
- 公判で証拠調べの方式に疑義があるなら、その場で異議を述べなければならない。後から「あの取調べは違法だった」と言っても遅い。異議は瞬間の判断だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. あなたが被害者参加人として刑事裁判に関わる場合、脅迫状やビラなど物でもあり書面でもある証拠が、展示と朗読の両方で適切に取り調べられているか確認する2. 展示だけで内容が読み上げられないと、その文言の意味が判決に反映されにくい3. 検察官に対し、307条に基づく完全な取調べ(展示+朗読、または要旨の告知)を求めるよう働きかける4. 文書の作成者・所持者が被告人だと結びつける証拠が揃っているかも併せて確認する
訴えられた側:1. 検察官が証拠物たる書面を「証拠書類」として請求してきたら警戒する、書面内容を伝聞法則(320条)でブロックできるかが変わる2. 逆に証拠書類なら、作成者の真意や正確性を反対尋問・伝聞例外要件で争う余地を探る3. 証拠調べの方式に疑義があれば、その公判廷で即座に異議を述べる(刑訴法309条) 4. 手続の瑕疵を公判調書に残せば、控訴審で争う材料になる
時効(請求できる期限):証拠調べの方式に対する異議は、刑事訴訟法309条に基づき、その取調べの直後に遅滞なく申し立てなければならない。公判がさらに進行してから過去の手続違法を持ち出しても、原則として取り上げられない。異議のタイミングは「その瞬間」しかない
学説
通説:証拠物たる書面は、文書の存在・形式そのものが証拠となる点で証拠書類と区別される。前者は原則として伝聞法則の適用を受けず、後者は受ける。307条はこの種の証拠に展示と朗読の双方を要求し、物と意味の双方を法廷に顕出させる。
実務運用:朗読は手続の迅速化のため要旨の告知で代替されるのが通例であり、それ自体は適法とされる。ただし書面の核心部分が告知から漏れると、その内容を判決の基礎にできるか争う余地が残る。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:戦後の現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)制定により、証拠書類の朗読(305条)・証拠物の展示(306条)と並んで、証拠物たる書面の取調べ方式として両者を併用する307条が置かれた。
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