刑事訴訟法 第401条
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被告人の利益のため原判決を破棄する場合において、破棄の理由が控訴をした共同被告人に共通であるときは、その共同被告人のためにも原判決を破棄しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第401条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第401条の条文原文は「被告人の利益のため原判決を破棄する場合において、破棄の理由が控訴をした共同被告人に共通であるときは、その共同被告人のためにも原判決を破棄しなければならない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第401条は第二章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第401条の前の条は刑事訴訟法第400条です。
- 刑事訴訟法第401条の次の条は刑事訴訟法第402条です。
- 刑事訴訟法第401条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第401条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第401条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/401
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法401条は、被告人の利益のため原判決を破棄する際、破棄理由が控訴した共同被告人に共通すれば、その者のためにも破棄しなければならないと定める。控訴しなければ及ばない。
Q · 共犯の片方だけ控訴して勝ったら、控訴してない方も救われるの?
控訴を維持していれば、共犯者の勝訴に相乗りできます
刑事訴訟法401条により、被告人の利益のために原判決を破棄する場合、その破棄理由が控訴をした共同被告人に共通するなら、その者のためにも原判決を破棄しなければなりません。ただし救済されるのは『控訴をした』共同被告人だけです。控訴を見送った者、または控訴を取り下げた者は、どれだけ破棄理由が共通していても判決が確定したまま動きません。さらに破棄理由がその人固有の事情(その人だけのアリバイ等)であれば、共通しないため他の被告人には及びません。
解説
共犯として二人で起訴され、一審で二人とも有罪。あなたは「どうせ控訴しても結果は変わらない」と諦め、相方だけが控訴した。半年後、高裁は相方の控訴を認め、二人に共通する証拠の違法を理由に原判決を破棄した。だが、その恩恵はあなたには届かない。控訴しなかったからだ。刑事訴訟法401条は、被告人の利益のために原判決を破棄するとき、その破棄理由が「控訴をした共同被告人」に共通するなら、その者のためにも破棄しなければならないと定める。鍵は「控訴をした」の一語にある。共通の理由で相方が勝っても、あなたが控訴していなければ、あなたの有罪は確定したまま一ミリも動かない。一審で負けた多数被告事件では、自分の勝ち目が薄く見えても控訴を捨てるな。それが、この一条が静かに教えていることだ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法401条は、破棄理由の共通による破棄の拡張を定める規定である。被告人の利益のために原判決を破棄する場合において、その破棄理由が控訴を提起した共同被告人に共通するときは、控訴審はその共同被告人のためにも原判決を破棄しなければならない。救済の対象は控訴を維持した共同被告人に限られ、控訴しなかった者には及ばない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.控訴提起期間(14日)を死守する 一審で有罪となり共同被告人がいるなら、判決宣告の日の翌日から14日の控訴提起期間(刑訴373条、初日不算入)を最優先で死守する。自分の控訴理由が弱く見えても、まず期間内に控訴を提起しておく
- 2.共同被告人の弁護方針を確認する 弁護人を通じて共同被告人の控訴趣意の内容を把握する。相方が証拠の違法収集や法令解釈の誤りといった共通の破棄理由で争うなら、自分の控訴を維持する価値が大きく跳ね上がる
- 3.控訴を安易に取り下げない 控訴を取り下げると判決が確定し、後から相方が共通の理由で勝訴しても401条の恩恵は二度と及ばない。取下げを勧められたら理由を確認し、共通の破棄理由の可能性が残る間は維持する
- 4.共通する破棄理由を控訴趣意で援用する 共同被告人の主張の中に自分にも共通する破棄理由が浮上したら、自分の控訴趣意書でもその点を明示的に援用し、裁判所に『共通性』を意識させる。401条は職権適用だが見落としを防げる
よくある質問 AI による整理
Q1破棄理由の共通とは何ですか?
控訴審で原判決を破棄する理由が、複数の共同被告人に同じように当てはまる状態をいいます。証拠の違法や法令解釈の誤りなど、その人固有でない理由が典型例です。
Q2控訴を取り下げたらどうなりますか?
控訴を取り下げると判決が確定し、その後に共犯者が共通の理由で勝訴しても401条の救済は一切及びません。取下げは確定を招くため慎重に判断すべきです。
Q3共同被告人の控訴期間はいつまでですか?
控訴提起期間は判決宣告の日の翌日から14日です(刑訴373条、初日不算入)。この期間を過ぎると控訴できず、401条の対象から外れます。
Q4破棄理由が共通かどうかは誰が判断しますか?
控訴審の裁判所が職権で判断します。401条は職権適用されますが、弁護人が控訴趣意書で共通性を明示すると見落としを防げます。
Q5刑訴401条は職権で適用されますか?
適用されます。控訴をした共同被告人が自ら主張しなくても、破棄理由が共通する限り裁判所はその者のためにも破棄する義務を負います。
Q6量刑だけが共通する場合も破棄されますか?
量刑の前提となる共通の事実認定や法令適用の誤りが破棄理由であれば、共通として401条が及びます。情状などその人固有の事情は共通せず及びません。
Q7控訴しなかった被告人は再審で救われますか?
401条は再審には働きません。本条は上訴中の被告人を救う規定であり、確定後の救済は再審(刑訴435条以下)という別ルートになります。
Q8破棄理由がその人だけの事情なら共犯者に及びますか?
及びません。401条は『共通の』破棄理由に限られ、その被告人固有のアリバイや責任能力など個別事情による破棄は他の者に波及しません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1共犯の片方だけ控訴して勝ったら、控訴してない方も自動で無罪になるんですか?
なりません。刑訴法401条が救うのは『控訴をした共同被告人』だけです。控訴しなかった人は、破棄理由が完全に共通していても判決が確定したまま動きません。実務のポイント:多数被告事件では、勝ち目が薄く見える被告でも弁護人が控訴を勧めることが多い。相方の控訴で共通の破棄理由が出れば相乗りできるからで、控訴を取り下げた瞬間にその保険が消える。取下げを安易に勧める相手には理由を問うべき
Q2これって最高裁の上告でも同じことが起きるんですか?
起きます。刑訴法414条が控訴の規定を上告審に準用するため、401条は上告審でも働きます。上告した共同被告人に共通する破棄理由があれば、その者のためにも原判決が破棄されます。実務のポイント:実務では上告審は法律審で破棄率が極めて低い。だが共犯者の一人に有利な憲法違反・判例違反が認められると、共通する限り他の上告人にも波及する。だからこそ共同被告事件では、誰か一人でも上訴を維持させる戦略が取られることがある
間違えやすい点 AI による整理
- 「共犯者が勝てば自分も自動的に助かる」と思われがちだが、401条が救うのは『控訴をした共同被告人』だけだ。控訴しなかった者は、どれだけ破棄理由が共通していても、岸に置き去りにされる
- 401条の存在は知っていても、その射程の狭さを知らない人が多い。救われるのは『破棄の理由が共通する』場合に限られる。相方が勝った理由が相方固有の事情(その人だけのアリバイなど)であれば、あなたには及ばない。共通か否かの線引きが、あなたの運命を決める
- 「自分の控訴理由が弱いから控訴しても無駄だ」という問いの立て方そのものが誤っている。401条の下では、あなたの控訴理由の強弱は決定打ではない。相方の控訴で見つかる共通の破棄理由が、あなたを救う。問うべきは『控訴を維持しているか』であって、『自分の理由が強いか』ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の機能 | 401条:破棄理由が共通する控訴した共同被告人にも破棄を拡張 | 397条:控訴審が原判決を破棄できる一般的な要件 402条:被告人側の控訴で刑を重くできない(不利益変更の禁止) |
| 救済の対象 | 控訴を提起・維持した共同被告人(共通理由がある場合) | 控訴した本人 控訴した本人(量刑面の保障) |
| 適用の前提 | 被告人の利益のための破棄 + 破棄理由の共通 + 控訴の存在 | 訴訟手続の法令違反・事実誤認・量刑不当等の控訴理由 被告人側のみが控訴・上告した事件 |
| 上告審への準用 | 414条により上告審に準用される | 414条により上告審に準用される 414条により上告審に準用される |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾も共同被告人に対する上訴の効力の波及を扱うが、要件・射程は個別規定の確認を要する
ドイツは上訴(Revision)が成功した場合の効果を共同被告人に拡張するが、控訴の有無を問わず及ぶ点で日本401条(控訴をした者に限る)より射程が広い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたと友人が共謀の疑いで一緒に起訴され、一審で二人とも実刑。友人は控訴したが、あなたは費用と時間を理由に控訴を見送った。控訴審では「自白の任意性なし」という二人共通の理由で破棄。だが破棄されるのは控訴した友人だけで、あなたの実刑は確定する。控訴を見送った一枚の書面が、数年の自由を分けた
- もし、共犯とされた相方の控訴審で、あなたにも当てはまる法令解釈の誤りが見つかったとしたら? あなたが控訴期間内(判決宣告の翌日から14日)に控訴を済ませていれば、401条であなたも救われる。だが期間を1日でも過ぎていれば、その扉はもう閉じている
- 三人の共同被告。一人が上告し、量刑の前提となる共通の事実認定が覆った。上告審にも401条は414条によって準用される。控訴・上告という乗船券を握った者だけが、その波に乗れる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 一審で有罪となり共同被告人がいるなら、まず控訴期間(判決宣告の日の翌日から14日、刑訴法373条)を死守する2. 自分の控訴理由が弱くても控訴を取り下げない。共犯者の控訴で共通の破棄理由が認められれば401条で救われる3. 弁護人に共同被告人の控訴趣意書の内容を確認してもらい、共通点を洗い出す4. 控訴を取り下げると判決が確定し、後から相方が勝っても二度と巻き込まれない。取下げは慎重に
訴えられた側:1. 自分の控訴理由が共同被告人にも共通するなら、控訴趣意書でその共通性を明示し、401条の適用を裁判所に意識させる2. 不利益変更の禁止(刑訴法402条)があるため、被告人側からの控訴で刑が重くなる心配は原則ない3. 共通でない自分固有の事情(情状など)は相方に及ばないことを理解しておく4. 控訴審の途中で相方が控訴を取り下げると、その者は401条の対象から外れる点に注意
時効(請求できる期限):控訴提起期間は判決宣告の日の翌日から14日(刑事訴訟法373条、初日不算入)。この期間内に控訴しなければ判決が確定し、共同被告人がのちに勝訴しても401条の恩恵は一切及ばない。控訴の取下げも同じく確定を招くため、上訴中の維持が大前提(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:401条による破棄の拡張は、破棄理由が客観的に共通する場合に限られ、かつ控訴を提起・維持した共同被告人にのみ及ぶと解されている。控訴をしなかった者や取り下げた者には、共通の破棄理由があっても及ばない。
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