刑事訴訟法 第403条の3
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- 拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた被告人について、次に掲げる裁判の告知があつたときは、当該被告人に対しては、第三百四十二条の二の規定は、適用しない。
- 一拘禁刑以上の刑に処する原判決を破棄する判決
- 二拘禁刑以上の刑に処する原判決に係る被告事件についての公訴を棄却する決定
- 2.前項第一号に掲げる判決の宣告があつた場合(第四百条ただし書の規定により更に第三百四十五条に規定する裁判をした場合を除く。)には、第三百四十二条の八第一項(第一号に係る部分に限り、第四百四条において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る勾留状は、その効力を失う。
- 3.拘禁刑以上の刑に処する判決に対する控訴が棄却されたときは、第三百四十二条の二(第四百四条において準用する場合を含む。)の許可は、その効力を失う。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第403条の3は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第403条の3の条文原文は「拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた被告人について、次に掲げる裁判の告知があつたときは、当該被告人に対しては、第三百四十二条の二の規定は、適用しない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第403条の3は第二章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第403条の3の前の条は刑事訴訟法第403条の2です。
- 刑事訴訟法第403条の3の次の条は刑事訴訟法第403条の4です。
- 刑事訴訟法第403条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第403条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第403条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/403_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法403条の3は、控訴審が拘禁刑以上の原判決を破棄すると報告命令が適用除外となり勾留状が失効し、控訴が棄却されると報告命令の許可が失効すると定める。
Q · 控訴審で原判決が破棄されたら、保釈中の報告命令や勾留はどうなる?
報告命令は適用除外、勾留状は失効します
刑事訴訟法403条の3により、控訴審が拘禁刑以上の原判決を破棄する判決を告知すると、報告命令(342条の2)は適用されなくなり、勾留状はその効力を失います(1項・2項)。いずれも別途の申立てを要せず、裁判の告知と同時に効果が生じます。逆に控訴が棄却されると有罪が確定に向かい、報告命令の許可は失効します(3項)。これは監視からの解放ではなく収監に向かう局面である点に注意が必要です。
解説
実刑判決を受けたあと、控訴して保釈で外にいる。その間、裁判所はあなたに「報告命令」(刑訴法342条の2、住居や行動を報告させ逃亡を防ぐ仕組み、2023年新設)を課せる。ゴーン事件以降の逃亡防止強化で生まれた制度だ。403条の3は、その監視がいつ「切れる」かを定める。控訴審があなたの実刑原判決を破棄すれば、報告命令は適用されなくなり、勾留状も効力を失う(1項、2項)。逆に控訴が棄却され有罪が確定すれば、報告命令の許可は効力を失う(3項、もう刑務所に入るのだから監視は不要になる)。つまりこの条文は、あなたの自由に対する制約のオンオフを切り替える配電盤のスイッチだ。どの裁判が告知された瞬間に何が切れるのかを知らなければ、不要な監視に縛られ続けるか、逆に何が始まるのかを読み違えることになる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法403条の3は、拘禁刑以上の刑に処する判決を受けた被告人に対する報告命令および勾留状の失効を定める規定である。控訴審が原判決を破棄する判決等を告知した場合に報告命令を適用除外とし勾留状を失効させ、控訴が棄却された場合に報告命令の許可を失効させる。2023年の逃亡防止強化に伴い新設された。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分を縛る根拠条文を弁護人と確認 保釈中に課されている報告命令(342条の2)と勾留決定(342条の8)の根拠を弁護人と確認し、控訴審の結論ごとにどの制約がいつ切れるかを事前に整理する
- 2.判決言渡し期日に身柄解放の準備 破棄判決を目指す場合、言渡し期日に向けて受入先・荷物・連絡先を整え、破棄告知と同時に勾留状失効(2項)を前提とした即時解放を主張できるよう準備する
- 3.破棄判決後の拘束継続に即応 破棄判決後も身柄拘束が続く場合、勾留状失効により法的根拠を欠く拘束となるため、直ちに準抗告など不服申立てを検討し書面を提出する
- 4.棄却見込みなら収監に向け先回り 控訴棄却の見込みなら、許可失効=確定・収監への移行と理解し、家族・仕事の引継ぎ等の身辺整理を前倒しで進め、上告の可否と期限を弁護人と確認する
よくある質問 AI による整理
Q1報告命令とは何ですか?
実刑判決後・確定前の被告人の逃亡を防ぐため、住居や行動を裁判所に報告させる制度です。刑訴法342条の2が根拠で、2023年に新設されました。
Q2勾留状はいつ失効しますか?
控訴審が拘禁刑以上の原判決を破棄する判決を告知した時点で、403条の3第2項により勾留状は当然に効力を失います。別途の申立ては不要です。
Q3控訴が棄却されたら報告命令はどうなりますか?
控訴棄却により有罪が確定に向かい、報告命令の許可は効力を失います(3項)。監視からの解放ではなく、収監手続へ移行する局面です。
Q4報告命令の失効に申立ては必要ですか?
不要です。破棄判決の告知と同時に適用除外・勾留状失効の効果が自動で生じます。失効に別途の申立てが要ると誤解しないことが重要です。
Q5破棄差戻しでも勾留状は失効しますか?
原判決破棄により一旦失効しますが、差戻し審で改めて勾留される可能性があります。『破棄=完全に自由』ではない点に注意が必要です。
Q6報告命令制度はいつできたのですか?
2023年(令和5年)法律第28号で新設されました。カルロス・ゴーン被告の国外逃亡事件を直接の引き金とする逃亡防止強化策の一部です。
Q7報告命令に違反するとどうなりますか?
報告義務に違反した場合、保釈の取消しや罰則の対象となり得ます。違反は逃亡のおそれを高める事情として身柄拘束に直結します。
Q8破棄判決後も拘束が続いている場合はどうすべきですか?
勾留状は既に失効しているため、法的根拠を欠く拘束となります。直ちに弁護人に連絡し、準抗告など不服申立てを検討すべきです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1実刑判決を受けたのに、なぜ刑務所に入らず保釈で外にいられるんですか?
判決がまだ確定していないからです。一審で実刑判決が出ても、控訴すれば確定せず、新たに保釈が認められる余地があります(刑訴法90条)。ただし逃亡リスクが高いため、2023年改正で報告命令(342条の2)を課せるようになりました。実務のポイント:実刑判決後の保釈は一審段階の保釈より審査が厳しく、保証金も高額化しやすい。報告命令や監督者の指定を受け入れる姿勢を先に示すことが、保釈許可を引き出す実務上の鍵になります。
Q2控訴審で逆転無罪じゃなくて『破棄』ってどういう意味ですか?
破棄は原判決を取り消すことで、必ずしも無罪を意味しません(刑訴法397条以下)。破棄して自ら判決をやり直す場合(自判)もあれば、原審に差し戻す場合もあります。いずれにせよ拘禁刑以上の原判決が破棄されれば、403条の3により報告命令は適用除外、勾留状は失効します。実務のポイント:破棄差戻しの場合、いったん身柄拘束の根拠が切れても、差戻し審で改めて勾留される可能性があります。『破棄=完全に自由』ではないので、自判か差戻しかを必ず確認することが大切です。
間違えやすい点 AI による整理
- 「実刑判決を受けたら、控訴中はずっと勾留されたまま」と思われがちだが、新たに保釈が認められて外にいるケースは現実に多い。そのとき課されるのが報告命令で、破棄判決が出れば403条の3によって自動で適用除外になる。勾留が続くのが当然ではない
- 報告命令という言葉は聞いたことがあっても、それが「破棄判決の告知と同時に自動で失効する」ことまでは知られていない。失効には別途の申立てが要ると思い込み、不要な拘束期間や手続コストを無駄にする人がいる。深刻なのは、自動失効の効果を主張しないまま放置されることだ
- 「控訴が棄却されたら報告命令はどうなるか」と問う人がいるが、問いの立て方そのものが現実と逆を向いている。棄却された瞬間に許可は失効するが、それは身軽になるからではなく、判決が確定して収監に向かうからだ。失効=自由回復と読むと、最も大事な局面で足元をすくわれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 失効のトリガー | 403条の3:破棄判決・公訴棄却決定・控訴棄却の告知 | 345条:無罪・免訴・刑の免除等の裁判の告知 342条の8:勾留決定そのもの(失効ではなく発生) |
| 効果の対象 | 報告命令の適用除外・許可失効 + 勾留状の失効 | 勾留状の失効 報告命令対象者への勾留 |
| 申立ての要否 | 不要(裁判の告知と同時に当然失効) | 不要(裁判の告知と同時に失効) 裁判所の職権または請求による決定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は2019年に限制出境・出海制度を明文化。逃亡防止のための行動制約という機能面で報告命令に近く、原判決の変動に応じて制約が消長する点も類似する
韓国は保釈条件として住居制限や出頭義務等を課す。判決確定や上級審の判断に連動して条件が変動する構造を持つ
ドイツは § 116で条件付の勾留執行停止(Haftverschonung)を認め、§ 123で手続終了等に伴う措置の失効を定める。裁判の進展に措置を連動させる発想が共通する
米国は上訴係属中の釈放条件を連邦法で規律し、有罪確定や上訴の帰趨に応じて拘束・釈放が切り替わる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたは一審で実刑判決を受け、控訴して保釈中。報告命令で所在の報告を義務付けられている。控訴審が原判決を破棄したその日、あなたを縛っていた報告命令も勾留状も同時に消える。弁護人がこの仕組みを把握していれば、破棄判決の瞬間に身柄解放を即座に主張できる
- もし控訴が棄却されたら、保釈中のあなたはどうなる? 有罪が確定し、報告命令の許可は効力を失う。だがそれは監視が消えて自由になるという意味ではなく、いよいよ収監に向かうという意味だ。許可失効を朗報と誤読すると、心の準備の時間を失う
- 破棄判決から数時間。勾留状は既に失効している。にもかかわらず身柄拘束が続いていれば、それは法的根拠を欠く拘束だ。今すぐ弁護人に連絡を
- 家族が実刑判決後に保釈され、報告命令の対象になった。控訴審の結果で何がどう切り替わるのかを家族として知っておけば、判決言渡しの日に受入れ準備をすべきか、収監準備をすべきかを先回りできる
取るべき行動
被害を受けた側:あなたが控訴中の被告人で破棄を目指すなら、1. 自分を縛る報告命令と勾留の根拠条文(342条の2、342条の8)を弁護人と確認する2. 控訴審で破棄判決が出れば、その告知と同時に報告命令は適用除外、勾留状は失効すると把握しておく3. 判決言渡し期日に身柄解放の準備(受入先、荷物、連絡先)を整え、失効を即時に主張する4. 万一拘束が続けば、法的根拠を欠く拘束として準抗告など不服申立てを検討する
訴えられた側:控訴が棄却される見込みなら、1. 棄却の瞬間に報告命令の許可が失効し、判決確定と収監手続へ移ることを理解する2. 収監前にやるべき身辺整理(家族、仕事の引継ぎ、資産)を前倒しで進める3. 上告(404条の準用関係を含む)の可否と期限を弁護人と確認、上告すれば確定が先送りになる場合がある4. 報告命令の許可失効を自由回復と誤解しない
時効(請求できる期限):この条文自体に独立した時効はない。破棄判決後の勾留状失効、報告命令の適用除外や許可失効は、いずれも裁判の告知と同時に効果が生じ、別途の申立てを要しない。なお控訴審判決に不服なら、上告申立期間は判決宣告から14日(刑訴法414条による373条の準用)が起算する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
立法趣旨(通説的理解):403条の3は、実刑判決後・確定前という宙づりの期間における身柄監視を、裁判結果に厳密に連動させる規定と理解される。原判決破棄なら監視を即座に外し、控訴棄却なら許可を失効させることで、過剰な拘束を防ぎつつ逃亡防止の実効性を確保する均衡装置と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
- 令和5年(2023年)法律第28号 実刑判決後・確定前の被告人の逃亡を防ぐ報告命令制度等(342条の2以下)の新設に伴い、本条を新設。控訴審で原判決が破棄され又は公訴棄却された場合の報告命令の適用除外・勾留状の失効、控訴棄却の場合の許可の失効を定めた
改正の年表
- 1.令和5年(2023年) 新設:令和5年法律第28号により、実刑判決後・確定前の被告人の逃亡を防ぐ報告命令制度(342条の2以下)の新設に伴い本条を新設。控訴審で原判決が破棄され又は公訴棄却された場合の報告命令の適用除外・勾留状の失効、控訴棄却の場合の許可の失効を定めた。
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