刑事訴訟法 第462条の2
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- 検察官は、略式命令の請求をする場合において、その事件について被告人との間でした第三百五十条の二第一項の合意があるときは、当該請求と同時に、合意内容書面を裁判所に差し出さなければならない。
- 2.前項の規定により合意内容書面を裁判所に差し出した後、裁判所が略式命令をする前に、当該合意の当事者が第三百五十条の十第二項の規定により当該合意から離脱する旨の告知をしたときは、検察官は、遅滞なく、同項の書面をその裁判所に差し出さなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第462条の2は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第462条の2の条文原文は「検察官は、略式命令の請求をする場合において、その事件について被告人との間でした第三百五十条の二第一項の合意があるときは、当該請求と同時に、合意内容書面を裁判所に…」で始まります。
- 刑事訴訟法第462条の2は第六編に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第462条の2の前の条は刑事訴訟法第462条です。
- 刑事訴訟法第462条の2の次の条は刑事訴訟法第463条です。
- 刑事訴訟法第462条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第462条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第462条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/462_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法462条の2は、協議・合意のある事件で検察官が略式命令を請求する際、合意内容書面を裁判所に同時提出する義務を定める。離脱時には離脱書面も提出する。
Q · 司法取引で罰金(略式命令)になったとき、裁判所はその取引を知っているの?
はい、検察官が合意内容書面を裁判所に必ず提出します
刑事訴訟法462条の2により、検察官が協議・合意制度(350条の2)の合意がある事件で略式命令を請求するときは、請求と同時に合意内容書面を裁判所へ差し出す義務があります。さらに裁判所が略式命令をする前に当事者が合意から離脱した場合(350条の10第2項)、検察官は離脱書面も提出しなければなりません。これにより、罰金で終わる簡易手続でも、裏で交わされた取引の存在と内容が必ず裁判官の目に触れる仕組みになっています。
解説
「日本に司法取引はない」、多くの人はそう信じている。だが2018年6月から、特定の犯罪に限って『協議・合意制度』が静かに動いている。会社ぐるみの談合や脱税で、末端のあなたが上司や会社の不正を検察に明かす見返りに、自分は軽い処分で済ませてもらう、それが日本版の司法取引だ。462条の2は、その取引が略式命令(罰金で終わる簡易な手続)と交わる地点に置かれた一本の歯車である。検察官があなたの事件で略式命令を請求するとき、あなたとの間に合意があれば、検察官は合意の内容を書いた書面を裁判所に同時に差し出さなければならない。なぜか。裁判所が『なぜこの被告は罰金で済むのか』を知らないまま判を押さないためだ。さらにあなたが途中で合意から離脱すれば(350条の10第2項)、その離脱の書面も裁判所に届く。取引の存在を裁判所に隠せない、それがこの条文の仕事だ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法462条の2は、略式命令の請求と協議・合意制度との接点を規律する手続規定である。検察官は、合意のある事件で略式命令を請求する際に合意内容書面を、合意からの離脱があった際に離脱書面を、それぞれ裁判所に提出する義務を負う。簡易迅速な略式手続においても取引の存在を裁判所に開示させ、司法的統制を確保する点に意義がある。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分の事件が対象犯罪か確認する 協議・合意制度は談合・脱税・贈収賄など特定犯罪に限られる(刑訴350条の2)。まず自分の事件がそもそも対象犯罪に当たるかを弁護人と確認する。対象外なら取引の余地はない
- 2.弁護人を通じて検察官と協議する 協議・合意には弁護人の関与が法律上の要件(刑訴350条の3、350条の4)。弁護人なしの合意は成り立たないため、必ず弁護人を選任し、協力できる供述・証拠の範囲を整理する
- 3.合意内容書面に処分の見込みを明記させる 合意内容書面に『略式命令(罰金)で終わらせる』など自分の処分の見込みを可能な限り具体的に書き込ませる。起訴前で検察が証言を欲しがるこのタイミングが最大の交渉力を持つ
- 4.離脱するなら略式命令の前に告知する 合意から離脱する場合は、裁判所が略式命令をする前に告知しなければ効力を生じない(本条2項、刑訴350条の10第2項)。離脱書面が裁判所に提出されるため、タイミングと供述の扱いを弁護人と詰める
よくある質問 AI による整理
Q1略式命令とは何ですか?
公開の法廷を開かず、書面審理だけで100万円以下の罰金・科料を科す簡易な刑事手続です(刑訴461条)。被告人の同意が前提で、不服なら14日以内に正式裁判を請求できます。
Q2合意内容書面とは何ですか?
協議・合意制度で検察官と被告人が交わした合意の内容を記載した書面です。462条の2により、合意のある事件で略式命令を請求する際、検察官が裁判所に同時提出する義務を負います。
Q3日本の司法取引の対象犯罪は何ですか?
談合・カルテル、脱税、贈収賄、詐欺、薬物・銃器犯罪などの特定犯罪に限られます(刑訴350条の2)。殺人・強盗・性犯罪などは対象外で、すべての犯罪で使えるわけではありません。
Q4略式命令はいつ正式裁判にできますか?
略式命令の告知を受けた日から14日以内に正式裁判を請求できます(刑訴465条)。期間を過ぎると確定し、確定判決と同一の効力を持ちます。
Q5協議・合意制度はいつから始まりましたか?
平成28年(2016年)改正で導入され、平成30年(2018年)6月1日から施行されました。462条の2もこの改正で新設された条文です。
Q6合意があれば必ず略式命令になりますか?
なりません。裁判所は合意に拘束されず、略式命令が相当でないと判断すれば通常の公判手続に移します(刑訴463条)。合意は検察官の約束であって裁判所の保証ではありません。
Q7司法取引の合意は弁護人なしでできますか?
できません。協議・合意には弁護人の関与が法律上の要件です(刑訴350条の3、350条の4)。弁護人の同意がない合意は成立しません。
Q8略式命令と通常の裁判の違いは何ですか?
通常裁判は公開の法廷で口頭弁論を行いますが、略式手続は非公開の書面審理のみで罰金・科料を科します。迅速ですが、争いたい事件では正式裁判の請求が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1日本の司法取引って、自分の罪を認めれば軽くしてもらえるんですか?
それは誤解です。日本の協議・合意制度(刑訴350条の2)は『捜査・公判協力型』のみで、他人の犯罪の解明に協力する場合に限られます。自分の罪を認めるだけの『自己負罪型』は日本では採用されていません。実務のポイント:対象も特定犯罪(談合、脱税、贈収賄、薬物・銃器犯罪など)に限られ、殺人や強盗では使えない。『取引で自分の刑を軽く』を狙うなら、まず自分の事件がそもそも対象犯罪かを確認する必要がある
Q2合意して証言したあと、やっぱり撤回したくなったら撤回できますか?
できます。刑訴350条の10第2項で合意から離脱でき、略式命令の場面では裁判所が命令をする前なら検察官が離脱書面を差し出します(本条2項)。ただし離脱すれば、協議の過程で話した内容が問題になる場面が出てきます。実務のポイント:離脱は自由でも『話したことはなかったこと』にはならない。協議段階の供述の証拠使用には一定の制限(刑訴350条の12等)があるが、完全に消えるわけではない。だから最初に何を話すかこそ慎重に
間違えやすい点 AI による整理
- 「日本の司法取引も、アメリカのドラマみたいに『自分の罪を認めれば軽くしてもらえる』制度だ」と思っている人が多い。それは誤りだ。日本の協議・合意制度(刑訴350条の2)は『捜査・公判協力型』のみで、あなたが他人の犯罪の解明に協力する場合に限られる。自分の罪を自白するだけの取引(自己負罪型)は日本では採用されていない。『自分の罪を認めて取引する』という問いそのものが、日本では成り立たない
- 合意さえあれば望んだ処分が必ず通ると思いがちだが、その効力を過大評価している。裁判所は合意に拘束されない。略式命令が相当でないと裁判所が判断すれば、通常の公判手続に移される(刑訴463条)。合意は『検察官の約束』であって『裁判所の保証』ではない
- 一度合意したら最後まで縛られると思っているが、350条の10で離脱できる。ただしあなたから見れば『抜けるだけ』でも、検察官から見れば離脱書面が裁判所に残り、協議で話した内容の扱いに影響が及ぶ。離脱は自由だが、無傷ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 462条の2:合意のある略式請求での合意内容書面・離脱書面の提出義務 | 462条:略式命令の請求手続の本体 463条:略式不相当の場合の通常手続への移行 |
| 適用の前提 | 協議・合意制度(350条の2)の合意が存在する | 罰金・科料に当たる事件で被告人の異議がない 略式命令をすることが相当でないと裁判所が判断 |
| 裁判所の関与 | 合意の存在・内容と離脱の事実を必ず把握する | 書面審理で罰金・科料を科す 通常の公判手続で審理し直す |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は被告が罪を認めて検察官と量刑等を協議する認罪協商を採り、裁判所が協商内容を審査して判決する。協議内容の司法的審査がある点で日本の透明化規定と方向性が近い。
韓国は約式命令の制度を持つが、日本のような協議・合意制度(司法取引)は正式には導入されていない。略式手続単体の比較対象にとどまる。
ドイツは公判での合意(Verständigung)を法定し、合意の内容や経緯を公判調書に記録して透明化する。取引を裁判所の統制下に置く発想は日本462条の2と共通する。
米国は自己負罪型を含む広範なプリー・バーゲンを認め、裁判官が公開法廷で合意を審査する。日本は他人の犯罪解明への協力型に限定する点で大きく異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたは中堅メーカーの営業課長。同業他社との価格カルテルに関与していたが、検察との協議で会社と上司の関与を証言した。見返りに、あなた個人の処分は独占禁止法違反の罰金、略式命令で決着する。検察官は略式請求と同時に、あなたとの合意内容書面を裁判所に差し出す。『なぜ罰金で済んだか』の理由が、裁判官の手元に必ず残る
- もし合意して証言したあと、『やっぱり会社を売りたくない』と心変わりしたら? 略式命令が出る前であれば、350条の10第2項で合意から離脱できる。そのときも検察官は離脱の書面を裁判所に差し出す義務を負う。取引の途中経過まで、すべて裁判所が把握する仕組みだ
- 脱税事件。経理担当のあなたが、社長の指示を検察に明かす。あなた自身は略式罰金で決着する
- 合意から離脱するか迷っているなら、タイムリミットは『裁判所が略式命令をする前』。そこを過ぎれば、もう離脱の余地は閉じる
取るべき行動
被害を受けた側:(協議・合意で協力する側のあなた)1. 弁護人を必ず通すこと。協議・合意は弁護人の関与が法律上の要件(刑訴350条の3、350条の4)で、弁護人なしの合意は成り立たない。2. 合意内容書面に『あなたの処分の見込み(略式罰金等)』を可能な限り具体的に書き込ませる。3. 虚偽の証言には別途刑事罰(刑訴350条の15)があるので、誇張や創作は厳禁。4. 離脱の選択肢(350条の10)と、離脱した場合の供述の扱いを事前に弁護人と詰めておく
訴えられた側:(合意によって名指しされる側のあなた)1. 共犯者が司法取引であなたを名指しした可能性を疑う。協力者の供述には『自分を軽くするため』という動機があり、信用性に疑問符が付く。2. 弁護人を通じて協力者の合意内容書面の開示を求める。なぜその人物が証言したのか、見返りは何かを把握する。3. 協力者供述を裏付ける補強証拠の有無を精査する。4. 自分自身も協議・合意の対象になりうるか弁護人と検討する
時効(請求できる期限):合意からの離脱は『裁判所が略式命令をする前』までに告知しなければ効力を生じない(本条2項、刑訴350条の10第2項)。略式命令が出た場合は、その告知を受けた日から14日以内に正式裁判を請求できる(刑訴465条)。(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:462条の2は、簡易迅速を旨とする略式手続に協議・合意制度を接続する際、取引が裁判所の目の届かない密室で完結することを防ぐための統制規定と理解される。合意内容書面・離脱書面の提出義務は、簡易手続の効率性を損なわずに合意の存在を可視化し、司法的統制を及ぼす均衡点に位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
- 平成28年(2016年)改正、平成30年(2018年)6月1日施行 協議・合意制度(刑訴350条の2以下)の新設に伴い本条を新設。略式命令の請求時に合意内容書面の提出を、合意からの離脱時に離脱書面の提出を検察官に義務付けた
改正の年表
- 1.平成28年(2016年) 新設:協議・合意制度(刑訴350条の2以下)の新設に伴い本条を新設。略式命令の請求時に合意内容書面の提出を、合意からの離脱時に離脱書面の提出を検察官に義務付けた。平成30年(2018年)6月1日施行。
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