刑事訴訟法 第484条の2
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前条前段の規定による呼出しを受けた者が、正当な理由がなく、指定された日時及び場所に出頭しないときは、二年以下の拘禁刑に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第484条の2は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第484条の2の条文原文は「前条前段の規定による呼出しを受けた者が、正当な理由がなく、指定された日時及び場所に出頭しないときは、二年以下の拘禁刑に処する。」で始まります。
- 刑事訴訟法第484条の2は第一章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第484条の2の前の条は刑事訴訟法第484条です。
- 刑事訴訟法第484条の2の次の条は刑事訴訟法第485条です。
- 刑事訴訟法第484条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第484条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第484条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/484_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法484条の2は、刑の執行の呼出しを受けた者が正当な理由なく出頭しないと二年以下の拘禁刑に処すると定める。2023年改正で新設された規定である。
Q · 実刑が確定して刑務所への呼び出しが来たのに行かなかったら、それ自体が罪になるの?
なる。2023年改正で正当な理由のない不出頭は二年以下の拘禁刑
刑事訴訟法484条の2により、刑の執行のための呼出し(同法484条前段)を受けた者が、正当な理由なく指定された日時・場所に出頭しないと、二年以下の拘禁刑に処されます。2023年改正で新設されました。かつては出頭を無視しても収容状で連行されるだけでしたが、今は不出頭という不作為自体が、待機中の本刑とは別個の独立した犯罪になります。入院や災害など客観的に出頭不可能な事情があれば罪に問われませんが、それを事前に示すことが重要です。
解説
懲役や拘禁刑が確定したのに、まだ刑務所に入っていない人がいる。保釈中に上訴が棄却された、在宅のまま実刑判決が確定した、そういうケースだ。検察官は刑の執行のため、その人を呼び出す(刑訴484条前段の呼出し)。かつては、呼び出しを無視しても収容状で連れて行かれるだけで、無視そのものは罪ではなかった。2023年の改正がこの穴を塞いだ。正当な理由なく、指定された日時・場所に出頭しなければ、二年以下の拘禁刑。つまり、刑から逃げようとした行為に、新しい刑が上乗せされる。待っている本刑とは別個の、独立した犯罪だ。あなたが知るべきは、出頭しないという選択が、もはや単なる手続違反ではなく、前科の積み増しになったという点である。連れ戻されて終わり、ではなくなった。
法的な位置づけ
刑事訴訟法484条の2は執行不出頭罪を定める規定であり、刑の執行のための呼出し(同法484条前段)を受けた者が、正当な理由なく指定された日時及び場所に出頭しない不作為を、二年以下の拘禁刑をもって処罰する。2023年改正で新設され、待機中の本刑とは別個の独立した犯罪を構成する。
よくある質問 AI による整理
Q1執行不出頭罪とは?
刑の執行のための呼出し(刑訴484条前段)を受けた者が、正当な理由なく指定日時・場所に出頭しない罪です。法定刑は二年以下の拘禁刑で、2023年改正で新設されました。
Q2刑事訴訟法484条の2はいつ新設された?
2023年(令和5年)の刑事訴訟法等改正で新設されました。保釈中の海外逃亡などが社会問題化したことが立法の背景です。
Q3拘禁刑とは何ですか?
2022年改正で懲役と禁錮を一本化して創設された刑罰で、2025年6月1日施行です。484条の2の法定刑もこの拘禁刑(二年以下)によります。
Q4収容状とは?
確定刑を執行するため対象者を刑事施設に収容する令状です(刑訴485条・486条)。逃亡やそのおそれ、所在不明の場合に検察官が発します。
Q5実刑確定後に逃亡したら時効で逃れられる?
逃れにくくなっています。不出頭自体が484条の2の罪を生むうえ、逃亡中は刑の時効の進行が制限される方向です(最新の改正状況をご確認ください)。
Q6保釈中に実刑が確定したらどうなる?
保釈は失効し、検察官から執行の呼出しが来ます。正当な理由なく出頭しないと484条の2の罪に問われ、収容状でも連行されます。
Q7在宅起訴のまま実刑が確定することはある?
あります。一度も身柄拘束されないまま実刑が確定する場合もあり、その人が執行の呼出しを無視すれば新たな前科がつきます。
Q8刑の執行は誰が指揮するの?
検察官です(刑訴472条)。確定後に検察官が執行を指揮し、484条前段に基づく呼出しもこの執行指揮の一環として行われます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1判決が確定したのに刑務所に行かなかったら、本当に新しく罪になるんですか?
なります。2023年改正で新設された刑事訴訟法484条の2により、執行のための呼び出し(484条前段)を受けながら、正当な理由なく出頭しないと、二年以下の拘禁刑です。連れ戻されるだけで済んだ時代は終わりました。実務のポイント:かつて実刑確定者の「とりあえず逃げる」を直接抑止する規定がなく、保釈中の逃亡が社会問題化したことが立法の背景です。今は、逃げる行為そのものにコストがついた、と理解しておくべきです
Q2『正当な理由』ってどこまで認められるんですか?仕事が休めないとかは?
「仕事が休めない」「心の準備ができない」では足りません。客観的に出頭が不可能な事情(入院、災害による交通遮断、別件での身柄拘束など)が必要です(刑事訴訟法484条の2)。実務のポイント:正当な理由は「あったかどうか」より「事前に示したかどうか」で評価が分かれます。当日すっぽかして後から弁解するより、出頭日の前に書面と資料で申し出ておくほうが、はるかに通りやすい
Q3もう出頭日を過ぎちゃったんですが、今からでも自分から出頭した方がいいですか?
速やかに弁護人を通じて出頭・連絡するほうが有利です。逃亡を続ければ収容状(刑事訴訟法485条・486条)で連行されるうえ、不出頭罪も重く評価されかねません。実務のポイント:執行の段階でも弁護人は付けられます。一人で抱えて逃げ続けるより、弁護人を経由して出頭意思を示すほうが、『逃亡の意思はなかった』方向の評価につながりうる
間違えやすい点 AI による整理
- 「呼び出しを無視しても、最悪は収容状で連れて行かれるだけ」と思っている人が多いが、2023年改正後は、無視そのものが二年以下の拘禁刑の対象になった。連れ戻されることと、新たに罰を受けることは別の話である
- 「正当な理由があれば出頭しなくていい」は知っていても、その「正当な理由」のハードルの高さを知らない人が多い。単なる多忙や心理的抵抗では足りず、客観的に出頭が不可能な事情(入院、災害、別件での身柄拘束など)が要る。理由があっても、それを示せなければ罪に問われうる
- 「逃げ切れば刑の時効で逃れられる」という前提自体が、もう崩れている。逃亡という行為が484条の2の新たな罪を生むうえ、近年の改正で逃亡中は刑の時効の進行が制限される方向にある(最新の改正状況をご確認ください)。逃げる時間は、あなたの不利にしか働かない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者の状態 | 484条の2:呼出しを受けたが未収容の者 | 485条:逃亡又はそのおそれがある者 刑法97条:すでに拘禁されている者 |
| 効果の性質 | 二年以下の拘禁刑(刑罰の上乗せ) | 収容状による身柄確保(強制処分) 逃走罪としての処罰 |
| 成立の要件 | 正当な理由のない不出頭という不作為 | 逃亡またはそのおそれの存在 拘禁状態からの離脱という作為 |
| 本刑との関係 | 待機中の本刑とは別個に加算 | 本刑の執行を確保する手段 拘禁中の別罪として加算 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は執行のための伝喚・拘提で対応し、不到場そのものは独立した犯罪として処罰しない。日本の改正前の枠組みに近い
韓国は형집행장(執行状)による구인で身柄を確保する。不出席自体の独立犯罪化はしておらず、機能的に日本の収容状に近い
ドイツは Vollstreckungshaftbefehl(執行拘束令状)で対応。自己の逃亡・不出頭そのものは原則不可罰とする立場で、日本の新罪とは構造が異なる
米国は服役のための出頭義務違反(failure to surrender for service of sentence)を連邦法で犯罪化しており、不出頭自体を処罰する点で484条の2と方向性が一致する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 保釈中に控訴が棄却され、実刑が確定。検察官から執行の呼び出し通知が届いた。出頭日まであと数日。「どうせ収容状で連れて行かれるだけだろう」と封を切らずに放置すると、今はそれ自体に二年以下の拘禁刑が乗る。逃げようとした時間が、自分の刑を増やす
- もし、本当に出頭できない事情が生じたとしたら? 入院、家族の急死、災害による交通遮断。客観的に出頭不可能な「正当な理由」があれば罪にならない。問題は、それを後で証明できるかどうか。診断書や記録を残しておかなければ、ただの逃亡と区別がつかない
- 略式命令の罰金ではなく、実刑判決。執行の呼び出しを一度すっぽかした。それだけで新たな前科がつく
- 執行猶予が取り消され、刑務所行きが確定。動揺してとりあえず姿を消した友人から相談された。あなたは「逃げると別の罪が増えるだけだ。出られない正当な理由があるなら、今すぐ記録を残して検察官に連絡しろ」と説明できる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 出頭日に出られない事情(入院、家族の急変、災害、別件での身柄拘束など)が生じたら、出頭日より前に執行担当の検察官へ連絡する2. 診断書、罹災証明、在院証明など客観的な資料を確保し、書面で提出する3. 弁護人がいれば必ず経由し、出頭する意思があることを記録に残す4. 可能なら代替の出頭日を自分から提案する。事前に動いた事実が、後の「正当な理由」の認定を支える
訴えられた側:1. すでに出頭日を過ぎているなら、逃げ続けず、弁護人を通じて速やかに出頭・連絡する。早く動くほど逃亡の意思を否定しやすい2. 出頭しなかった事情が正当(客観的に出頭不可能だった)なら、その証拠を整理する3. 単なる失念や連絡ミスなら、その経緯を具体的に説明できるよう記録しておく4. この二年以下の拘禁刑は、待っている本刑とは別に加算されうる。これ以上の上乗せを避ける行動を最優先にする
時効(請求できる期限):この罪は、正当な理由なく指定の日時・場所に出頭しなかった時点で成立する。公訴時効は、長期二年の拘禁刑にあたるため原則三年(刑事訴訟法250条2項)。なお、執行を待つ本刑から逃亡している間は、別途、刑の時効の進行が制限されうる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:484条の2の不出頭罪は、執行を待つ本刑とは別個の独立した犯罪であり、刑法97条の逃走罪が及ばない『身柄未拘束者の不出頭』という処罰の空白を埋めるものと解されている。保釈中の逃亡事案の社会問題化が立法の契機とされる。
改正沿革 AI による整理
- 令和5年(2023年) 刑事訴訟法等の改正で新設。確定刑の執行を確実にし逃亡を防ぐため、執行の呼出しを受けた者の正当な理由のない不出頭を初めて犯罪化した。刑種は令和4年改正(2025年6月1日施行)で導入された拘禁刑による(最新の改正状況をご確認ください)
改正の年表
- 1.令和5年(2023年) 新設:刑事訴訟法等の一部改正により484条の2を新設。執行のための呼出しを受けた者の正当な理由のない不出頭を初めて犯罪化し、確定刑からの逃亡抑止を図った
- 2.令和4年(2022年) 改正:刑法等の改正で懲役・禁錮を一本化した拘禁刑を創設(2025年6月1日施行)。本条の法定刑もこの拘禁刑による
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