受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 6 分6 分6 分

刑事訴訟法 第486条

クイックジャンプ
  1. 死刑、拘禁刑又は拘留の言渡しを受けた者の現在地が分からないときは、検察官は、検事長にその者の刑事施設への収容を請求することができる。
  2. 2.請求を受けた検事長は、その管内の検察官に収容状を発せしめなければならない。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第486条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第486条の条文原文は「死刑、拘禁刑又は拘留の言渡しを受けた者の現在地が分からないときは、検察官は、検事長にその者の刑事施設への収容を請求することができる。」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第486条は第一章に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第486条の前の条は刑事訴訟法第485条の2です。
  7. 刑事訴訟法第486条の次の条は刑事訴訟法第487条です。
  8. 刑事訴訟法第486条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第486条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第486条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/486

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法486条は、死刑・拘禁刑・拘留を受けた者の現在地が不明なとき、検察官が検事長に収容を請求でき、検事長が管内の検察官に収容状を発せしめると定める。

Q · 実刑判決が確定した人が姿を消したら、刑はどうなるの?

検察官が検事長に請求し、収容状で身柄を確保します

刑事訴訟法486条により、死刑・拘禁刑・拘留の言渡しを受けた者の現在地が分からないとき、検察官は検事長にその者の刑事施設への収容を請求できます。請求を受けた検事長は管内の検察官に収容状を発せしめます(同条2項)。発付された収容状は勾引状と同一の効力を持ち(488条)、警察が住居に立ち入って身柄を拘束できる強制処分となります。現在地が判明している場合は通常の検察官が収容状を出せる(485条)のに対し、現在地不明という重い事態では検事長へ判断が引き上げられます。

解説

実刑判決が確定したのに、その人が引っ越して連絡が取れない、あるいは意図的に姿を消した。検察官は刑を執行したくても、本人がどこにいるか分からなければ手も足も出ない。そこで本条が動く。死刑、拘禁刑(2025年6月から懲役と禁錮を統合した刑)、拘留の言渡しを受けた者の現在地が分からないとき、検察官は検事長(高等検察庁のトップ、全国に8人)にその者の刑事施設への収容を請求できる。請求を受けた検事長は、管内の検察官に収容状を発せしめる。ここで知っておくべきは、現在地が分かっている場合は通常の検察官が収容状を出せる(485条)のに対し、現在地不明という一段重い事態だからこそ、より広域を統括する検事長に判断が引き上げられるという設計だ。そして発付された収容状は勾引状(裁判所が被告人らを強制的に引致する令状)と同じ効力を持ち(488条)、実質的に指名手配の根拠になる。

法的な位置づけ

刑事訴訟法486条は、死刑・拘禁刑・拘留の言渡しを受けた者の現在地が判明しない場合に、検察官が検事長へその者の刑事施設への収容を請求できる手続を定める規定である。現在地が判明する場合の収容状発付(485条)に対し、より広域を統括する検事長へ判断を引き上げる特則として機能し、発付される収容状は勾引状と同一の効力を有する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.実刑確定後の呼出しに必ず応じる 実刑が確定したら、執行のための呼出し(刑訴484条)に応じるのが基本。無視や逃亡は収容状(勾引状と同一の効力、488条)を招く。通知を受け取れる状態を保つことが最初の防御
  2. 2.転居時は検察庁へ連絡し現在地不明を避ける 実刑確定後に転居する場合は検察庁に新住所・連絡先を伝える。逃亡の意図がなくても現在地不明と扱われれば486条の収容状が発付されるため、住所更新の一手間が身柄拘束の分岐点になる
  3. 3.出頭の意思があれば弁護人を通じて段取りを組む 自主的な収監を望む場合は、弁護人を通じて担当検察官と連絡を取り、出頭日時を調整する。逃げた者と自ら出た者の差は、仮釈放の審査や情状評価で後々まで響く
  4. 4.被害者は検察庁に執行状況を照会する 被害者側は、加害者が収監されたかを検察庁の被害者支援担当・被害者ホットラインに照会できる。執行は検察官の指揮による(刑訴472条)。長期未執行案件では刑の時効(刑法32条)完成前の措置を確認する

よくある質問 AI による整理

Q1収容状とは何ですか?

実刑判決を受けた者の身柄を刑事施設に収容するため発付される令状です。勾引状と同一の効力を持ち(刑訴488条)、警察が立ち入って身柄を拘束できます。

Q2収容状は誰が発付しますか?

現在地不明のときは、検察官の請求を受けた検事長が管内の検察官に発せしめます(486条)。現在地が判明している場合は検察官が発します(485条)。

Q3実刑判決の執行は誰が指揮しますか?

裁判の執行は原則として検察官が指揮します(刑訴472条)。判決確定で自動執行されるのではなく、検察官が執行のスイッチを押します。

Q4検事長とはどんな役職ですか?

高等検察庁のトップで全国に8人います。現在地不明という重い事態では、通常の検察官より広域を統括する検事長へ収容の判断が引き上げられます。

Q5収容状が発付されるのはどんなときですか?

死刑・拘禁刑・拘留の言渡しを受けた者の現在地が分からないときです。所在が判明していれば485条で通常の収容状が発付されます。

Q6刑の時効は何年ですか?

拘禁刑は無期30年、10年以上の有期20年、3年以上10年未満10年、3年未満5年で執行が免除されます(刑法32条)。起算点は刑の言渡し確定時です。

Q7死刑に時効はありますか?

ありません。2010年(平成22年)改正で死刑の執行時効は廃止され、何年経過しても執行され得ます。

Q8収容状が出たらどうなりますか?

勾引状と同一の効力(488条)で、警察が住居に立ち入って身柄を拘束できます。任意の出頭要請とはまったく重みが異なる強制処分です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1実刑判決を受けた後にバレずに逃げ続けたら、刑は本当に消えるんですか?

拘禁刑などは刑の時効(刑法32条)が完成すれば執行が免除されます。3年未満の拘禁刑なら5年、無期なら30年です。ただし死刑は2010年の改正で時効が廃止され、何年経っても執行されます。実務のポイント:時効は国外にいる間は進行が停止します(刑法33条)。海外に逃げれば安全という発想は逆効果で、時計が止まったまま帰国を待たれるだけ。さらに収容状は勾引状と同じ効力で全国手配の根拠になり、逃げ切るのは現実的に極めて困難です

Q2引っ越しただけで検察庁に住所を伝えなかったら、いきなり手配されることはありますか?

現在地が分からないと判断されれば、検察官は検事長に収容を請求でき、収容状が発付されます(本条、485条)。逃亡の意図がなくても結果は同じです。実務のポイント:実刑確定後は検察庁が呼出し(484条)をかけてきます。この通知を受け取れる状態を保つこと、つまり住所や連絡先を更新しておくことが、強制的な身柄拘束を避ける最も簡単な防御策。確定後に音信不通になるのが最悪手です

間違えやすい点 AI による整理

  • 「逃げていれば、いつか刑は時効で消えるはず」と考える人がいる。問いの立て方そのものが危うい。確かに刑の時効(刑法32条)はあるが、死刑は2010年改正で執行の時効が完全に廃止され、しかも国外逃亡中は時効が停止する(刑法33条)。逃げ切れるという前提が崩れている
  • 収容状を「ただの呼び出し状」程度に思っている人がいる。実際は勾引状と同じ効力を持ち(488条)、警察が住居に立ち入って身柄を拘束できる強制処分だ。任意の出頭要請とは重みがまるで違う
  • 「現在地不明なら検察官が勝手に手配できる」と思われがちだが、本条は通常の検察官ではなく検事長への請求を要求する。現在地不明という重い事態だからこそ、より上位の広域機関に判断を委ねる慎重な手続が組まれている
比較の観点この条文ほかの条文
発動する局面486条:現在地が分からない(不明)とき485条:現在地が判明しているとき
484条:執行のための呼出し(収容前)
誰が令状を出すか検察官の請求 → 検事長が管内検察官に発せしめる検察官が自ら収容状を発する
検察官が呼出しを行う(令状ではない)
強制力収容状=勾引状と同一の効力(488条)、強制的身柄拘束収容状=勾引状と同一の効力(488条)、強制的身柄拘束
任意の出頭要請、応じなければ収容状へ移行

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国刑事訴訟法第469条

台湾も受刑者が執行のための呼出しに応じない場合に拘提(強制引致)を認める。執行段階での身柄確保という機能が日本の収容状と共通する

韓国
대한민국 형사소송법 제473조

韓国は刑の執行のため検事が形執行状(형집행장)を発付できる。所在不明者の身柄確保を執行検事の判断に委ねる構造が日本と類似

ドイツ
StPO § 457

ドイツは自由刑の執行のため Vollstreckungshaftbefehl(執行勾引状)を認める。確定判決の執行を担保する令状という機能が本条に対応する

アメリカ
Bench warrant / commitment order(各州・連邦)

米国では量刑後に出頭しない者に bench warrant が発せられ、commitment order により収監される。執行段階の身柄確保手続が州ごとに整備されている

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 判決で実刑が確定した加害者が、収監される前に行方をくらましたら、刑はどうなるのか? 検察官は検事長に収容を請求し、管内の検察官が収容状を発する。あなたが被害者なら、執行が進んでいるか検察庁の被害者ホットラインで確認できる
  • 実刑確定後に転居して検察庁への連絡を怠った。逃げたつもりはなくても、現在地不明と扱われれば収容状が出る。これは勾引状と同じ効力(488条)で、警察が住居に立ち入って身柄を押さえに来る
  • 刑の時効まで逃げ切れば刑は消える。拘禁刑3年未満なら5年(刑法32条)。だが死刑にこの逃げ道はない。2010年に廃止された

取るべき行動

被害を受けた側:1. 判決確定後、加害者が収監されたかは検察庁の被害者支援担当や被害者ホットラインに照会できる。執行は検察官の指揮による(刑事訴訟法472条) 2. 加害者が行方不明なら、検察官が検事長に収容を請求し収容状が発付される流れを把握する3. 刑の時効(刑法32条)が問題になりうる長期未執行案件では、時効完成前に措置がとられているか確認する4. 民事の損害賠償(民法709条)は刑の執行とは別軌道、こちらは自分で時効を管理する

訴えられた側:1. 実刑が確定したら、収監の呼出し(刑事訴訟法484条)に応じるのが基本。無視や逃亡は収容状(勾引状と同じ効力、488条)を招く2. 転居時は検察庁に連絡し「現在地不明」扱いを避ける。これだけで強制的な身柄拘束のリスクが下がる3. 収容状が出れば、警察が住居に立ち入り身柄を拘束でき、任意出頭の余地は事実上ない4. 出頭の意思があるなら弁護人を通じて検察官と連絡を取り、自主的な収監の段取りを組む

時効(請求できる期限):本条自体に期限はないが、関わるのは刑の時効(刑法32条)。拘禁刑は無期30年、10年以上の有期20年、3年以上10年未満10年、3年未満5年で執行が免除される。起算点は刑の言渡しが確定した時。ただし死刑は2010年(平成22年)改正で執行の時効が廃止され、国外にいる間は時効が停止する(刑法33条)。(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:現在地不明という事態では、通常の検察官ではなく広域を統括する検事長へ収容の判断を引き上げる点に本条の手続的特色がある。刑罰執行の実効性確保と、強制的身柄拘束に対する適正手続の統制とを両立させる設計と解される。

改正沿革 AI による整理

  • 平成16年(2004年) 刑事訴訟法の現代語化(口語化)に伴う改正。カタカナ文語体からひらがな口語体へ条文表記を変更
  • 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 懲役と禁錮を「拘禁刑」に統合する刑法改正に連動し、本条の刑種表記を「懲役、禁錮」から「拘禁刑」へ変更

改正の年表

  1. 1.平成16年(2004年) 改正:刑事訴訟法の現代語化(口語化)に伴う改正。カタカナ文語体からひらがな口語体へ条文表記を変更
  2. 2.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年6月1日)施行 改正:懲役と禁錮を「拘禁刑」に統合する刑法改正に連動し、本条の刑種表記を「懲役、禁錮」から「拘禁刑」へ変更

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

刑事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第一章

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›