刑事訴訟法 第32条
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- 公訴の提起前にした弁護人の選任は、第一審においてもその効力を有する。
- 2.公訴の提起後における弁護人の選任は、審級ごとにこれをしなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第32条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第32条の条文原文は「公訴の提起前にした弁護人の選任は、第一審においてもその効力を有する。」で始まります。
- 刑事訴訟法第32条は第四章 弁護及び補佐に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第32条の前の条は刑事訴訟法第31条の2です。
- 刑事訴訟法第32条の次の条は刑事訴訟法第33条です。
- 刑事訴訟法第32条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第32条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第32条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/32
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法32条は、起訴前の弁護人選任は第一審まで効力が続き、起訴後の選任は審級ごとに必要と定める。控訴審では改めて選任届を出さなければならない。
Q · 一審で頼んだ弁護士は、控訴審もそのまま弁護してくれるの?
いいえ。起訴後の選任は審級ごとで、控訴審は選任し直しが必要です
刑事訴訟法32条によれば、公訴提起前にした弁護人の選任は第一審においても効力を有します(1項)。そのため捜査段階で選んだ弁護人は、起訴後も新たな手続なく第一審を担えます。一方、公訴提起後の選任は審級ごとに必要です(2項)。第一審の弁護人は控訴した時点でその控訴審では当然には弁護人とならず、改めて選任届を提出しなければなりません。資力がなければ控訴審用に国選弁護人を請求します(36条)。
解説
弁護士を一度雇えば、事件が終わるまで面倒を見てくれる。多くの人がそう信じている。だが刑事事件では、それは半分しか正しくない。刑事訴訟法32条は、弁護人の選任がいつまで効力を持つかを二つに分けている。起訴される前に立てた弁護人は、第一審まで自動的に効力が続く(1項)。つまり捜査段階で雇った弁護士は、新たな手続なしに第一審を戦える。ところが起訴された後の選任は「審級ごと」だ(2項)。第一審で頼んだ弁護士は、あなたが控訴した瞬間、その控訴審では当然には弁護人でなくなる。同じ弁護士に続けて頼むにも、控訴審用の選任届を改めて出さなければならない。これを知らずにいると、控訴したのに弁護人がいない空白期間が生まれ、その隙間に重要な書類が届く。
法的な位置づけ
刑事訴訟法32条は、弁護人選任の時間的効力を規律する規定である。公訴提起前にした弁護人の選任は第一審においても効力を有し(1項)、公訴提起後の選任は審級ごとにしなければならない(2項)。これにより、捜査段階の弁護活動は第一審まで継続する一方、上訴審では各審級ごとに改めて選任届の提出が必要となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.一審判決の宣告直後に控訴と控訴審依頼を確認 判決宣告を法廷で聞いた直後に、弁護人へ控訴するか・控訴審も依頼できるかをその場で確認する。判決後14日は短く、探し直してから動くと控訴趣意書の準備時間が消える
- 2.控訴申立てを14日以内に提出 控訴する場合、判決宣告日の翌日から14日以内(刑訴373条)に控訴申立書を原裁判所へ提出する。期限を一日でも過ぎると控訴できなくなる
- 3.控訴審用の弁護人選任届を改めて提出 同じ弁護士に続けて頼む場合でも、起訴後の選任は審級ごと(32条2項)のため、控訴審用に新たな弁護人選任届を弁護人と連署して提出する
- 4.資力不足なら控訴審用に国選弁護人を請求 弁護士費用を払えない場合、控訴審用に改めて国選弁護人を請求する(36条)。控訴申立てと同時に動かし、選任が切れた空白期間を作らない
よくある質問 AI による整理
Q1弁護人選任届とは何ですか?
被告人らが特定の弁護士を弁護人に選んだことを裁判所に届け出る書面です。これがないと弁護人として訴訟活動ができず、審級ごとに提出が必要になります(刑訴32条2項、刑訴規則18条)。
Q2審級ごとの選任とはどういう意味ですか?
第一審・控訴審・上告審それぞれで別個に弁護人を選任し直すことです。起訴後の選任は一つの審級でしか効力を持たず、控訴すると前審の弁護人は当然には弁護人でなくなります。
Q3起訴前に頼んだ弁護士は起訴後も有効ですか?
有効です。公訴提起前にした弁護人の選任は第一審においても効力を有します(刑訴32条1項)。起訴されても第一審用に選任し直す必要はありません。
Q4控訴審で弁護人を選任する期限はいつまでですか?
明文の期限はありませんが、控訴提起期間は判決宣告日の翌日から14日(刑訴373条)。控訴趣意書の提出期限までに選任を済ませないと弁護人不在の空白が生じます。
Q5国選弁護人も審級ごとに請求が必要ですか?
必要です。被告人の国選弁護人は審級ごとに請求します(刑訴36条)。一審の国選はそのまま控訴審に引き継がれないため、控訴審用に改めて請求します。
Q6弁護人選任届は誰が提出するのですか?
被告人本人のほか、法定代理人・配偶者・直系親族・兄弟姉妹も選任できます(刑訴30条)。選任届は弁護人と連署して裁判所へ提出します。
Q7被疑者国選と被告人国選の違いは何ですか?
起訴前(被疑者段階)の国選は刑訴37条の2、起訴後(被告人段階)の国選は刑訴36条が根拠です。対象事件の範囲や請求のタイミングが異なります。
Q8弁護人がいないと裁判は開けないのですか?
必要的弁護事件(死刑・無期・長期3年超の事件など、刑訴289条)では弁護人なしに開廷できません。私選がいなければ国選弁護人が付されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1一審で頼んだ弁護士に、そのまま控訴審もお願いできないんですか?
同じ弁護士に頼むこと自体はできますが、自動では続きません。起訴後の選任は審級ごと(32条2項)なので、控訴審では新たに選任届を出す必要があります。実務のポイント:控訴審は一審とは別契約・別料金になるのが実務の常です。一審の着手金に控訴審は含まれていません。判決後に「当然続けてくれる」と思い込んでいると、費用と依頼の意思確認で時間を取られ、14日の控訴期限が削られます
Q2捜査段階で弁護士に払ったお金は、起訴されたら無駄になりますか?
無駄になりません。起訴前にした弁護人の選任は、第一審においても効力を有します(32条1項)。つまり捜査段階の弁護活動は第一審まで地続きで活きます。実務のポイント:だからこそ逮捕・取調べの段階でどの弁護士を選ぶかが、第一審の防御方針の質をそのまま左右します。「起訴されてから本格的に弁護士を探せばいい」という発想が、最も不利な時期に弁護を手薄にしてしまう落とし穴です
Q3控訴したいけれど弁護士費用がない場合はどうすれば?
控訴審でも資力に応じて国選弁護人を請求できます(36条)。ただし選任は審級ごとなので、一審の国選がそのまま控訴審に引き継がれるわけではなく、控訴審用に改めて請求が必要です。実務のポイント:控訴申立てと国選請求を同時に動かさないと、選任が切れた空白期間に控訴趣意書の提出期限が来ることがあります。一審の弁護人や裁判所書記官に、控訴審の国選請求の手順をその場で確認しておくのが安全です
間違えやすい点 AI による整理
- 「一度頼んだ弁護士が、判決が確定するまで最後まで見てくれる」と思い込んでいる人が多い。だが起訴後の選任は審級ごと(32条2項)。第一審の弁護人は、控訴した瞬間その控訴審では当然には弁護人でなくなる。続けて頼むにも、新たな選任届がいる
- 審級ごとに選任し直すという仕組み自体は知っていても、その手続が控訴期間14日(刑訴373条)と同時並行で走る厳しさを軽く見ている人がいる。控訴するか迷っているうちに、選任の段取りまで14日に押し込まれ、弁護人不在のまま期限が過ぎる
- 「起訴される前に払った弁護士費用は、起訴されたら一からやり直しで無駄になる」と誤解している人がいる。実際は逆。起訴前の選任は第一審まで自動で効力が続く(32条1項)。捜査段階で良い弁護人を選ぶことが、そのまま第一審の土台になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 効力の及ぶ範囲 | 32条1項:起訴前選任は第一審まで継続 | 32条2項:起訴後選任は当該審級のみ 36条:被告人国選も審級ごと |
| 選任の主体 | 私選(被告人・親族等が選任、30条) | 私選(被告人・親族等が選任、30条) 国選(裁判所が付す、36条) |
| 審級が変わるときの手続 | 第一審までは追加手続不要 | 控訴審で選任届を再提出 控訴審で国選請求を再度行う |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も委任状の提出を要し、弁護人依頼権の保障は共通。審級ごとの受任確認という運用面でも近い
韓国も起訴前の選任が第一審に及び、上訴審は審級ごととする構造で日本と酷似する
ドイツは弁護人選任の審級拘束を原則とせず、委任の効力が手続全体に及ぶのが通例で、日本の審級代理とは発想が異なる
米国は憲法上の弁護人依頼権を基礎とし、上訴審の弁護は別途選任・別途国選(appellate counsel)として扱われる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 一審で実刑判決を受けた。控訴したいが、一審の弁護士から「控訴審は別途ご契約です」と言われた。控訴期限まであと10日。誰が、いつまでに、控訴審用の選任届を出すのか。ここで段取りを誤ると、控訴は形式上できても、肝心の控訴趣意書を弁護人不在で書く羽目になる
- 捜査段階で私選弁護人をつけた。検察官に起訴された。だが慌てて選任届を出し直す必要はない。32条1項により、起訴前の選任は第一審まで効力が続く。あなたは同じ弁護士とそのまま第一審に臨める
- もし国選弁護人がついた事件で一審が有罪になり、あなたが控訴したらどうなるか。一審の国選はそこで役目を終え、控訴審では改めて国選弁護人の請求が要る。請求のタイミングを逃すと、控訴審の冒頭を弁護人なしで迎えかねない
取るべき行動
被害を受けた側:捜査段階で私選弁護人を立てた立場なら、まず安心してよい。その選任は第一審まで効力が続く(32条1項)ので、起訴されても第一審で出し直す必要はない。ただし第一審判決が出た瞬間から話は変わる。控訴を視野に入れるなら、判決宣告の場で弁護人に控訴審も依頼できるかを確認し、選任の段取りを判決後14日の枠内で並行して進める
訴えられた側:第一審で不本意な判決を受け控訴を考えるなら、二つの手続を別々に動かす。(1) 控訴申立て(判決宣告日の翌日から14日以内、刑訴373条)、(2) 控訴審の弁護人選任届の提出(同じ弁護士でも審級ごとに必要、32条2項)。資力がなければ控訴審用に改めて国選弁護人を請求する(36条)。一審の弁護士が控訴審を受けない場合は、空白を作らないよう早急に次の弁護人を探す
時効(請求できる期限):控訴の提起期間は判決宣告日の翌日から14日(刑訴373条、358条による翌日起算)。この14日のうちに、控訴申立てと審級ごとの弁護人選任の両方を完了させる必要がある。起算点は判決が言い渡された日の翌日。上告も同様に審級ごとの選任が必要(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:32条2項の「審級ごと」とは、起訴後の弁護人の代理権が各審級に限られる趣旨であり、上訴により審級が変われば前審の選任の効力は当然には及ばないと解する。被告人の防御権を確保しつつ、各審級で受任の意思と訴訟関係を明確にする趣旨とされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定に伴い、戦後の当事者主義的訴訟構造のもとで弁護人選任の時間的効力を整理。起訴前選任の第一審への継続と、起訴後選任の審級ごとの原則を明文化した。
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