刑事訴訟法 第37条の2
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- 被疑者に対して勾留状が発せられている場合において、被疑者が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判官は、その請求により、被疑者のため弁護人を付さなければならない。ただし、被疑者以外の者が選任した弁護人がある場合又は被疑者が釈放された場合は、この限りでない。
- 2.前項の請求は、勾留を請求された被疑者も、これをすることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第37条の2は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第37条の2の条文原文は「被疑者に対して勾留状が発せられている場合において、被疑者が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判官は、その請求により、被疑者のため弁護…」で始まります。
- 刑事訴訟法第37条の2は第四章 弁護及び補佐に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第37条の2の前の条は刑事訴訟法第37条です。
- 刑事訴訟法第37条の2の次の条は刑事訴訟法第37条の3です。
- 刑事訴訟法第37条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第37条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第37条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/37_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法37条の2は、勾留された被疑者が貧困等で弁護人を選任できないとき、裁判官が請求により国費で弁護人を付すと定める。2018年から勾留全事件が対象となった。
Q · お金がなくても、起訴される前から弁護士をつけられるの?
勾留されれば、起訴前でも国費で弁護人を請求できます
刑事訴訟法37条の2により、勾留状が発せられた被疑者が貧困その他の事由で弁護人を選任できないときは、裁判官は請求に応じて国の費用で弁護人を付さなければなりません。2018年6月からは事件の軽重を問わず勾留された全事件が対象です。さらに第2項により、勾留がまだ請求された段階の被疑者も請求でき、勾留質問に弁護士の助言を間に合わせられます。ただし逮捕直後の72時間は対象外で、その空白は弁護士会の当番弁護士が埋めます。
解説
深夜、警察に逮捕された。取調室で刑事が「正直に話せば楽になる」と迫ってくる。あなたの頭を占めるのは「弁護士なんて高くて雇えない」という思い込みだ。ここで多くの人が、人生を左右する供述をしてしまう。だが刑事訴訟法37条の2は別の道を用意している。勾留状が出されている被疑者が、貧困その他の事由で弁護人を選任できないとき、裁判官は請求に応じて国の費用で弁護人を付さなければならない。2018年6月からは、事件の重い軽いを問わず、勾留された全事件が対象になった。さらに2項を見てほしい。勾留がまだ「請求された」段階の被疑者も請求できる。勾留が正式に決まる前、勾留質問の場に弁護士を立ち会わせる道があるということだ。注意点は一つ、これは勾留段階の制度であり、逮捕直後の72時間はまだ対象外、そこは弁護士会の当番弁護士が埋める。
法的な位置づけ
刑事訴訟法37条の2は被疑者国選弁護を定める規定であり、勾留状が発せられた被疑者が貧困その他の事由で弁護人を選任できないとき、裁判官が請求に基づき国の費用で弁護人を付すことを義務づける。2018年施行の改正で対象が勾留全事件に拡大され、第2項は勾留請求段階の被疑者にも請求権を認める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.逮捕の一報を受けたら当番弁護士を要請 勾留前の最大72時間は国選(37条の2)の対象外。最寄りの弁護士会に当番弁護士(無料・原則1回)を要請し、逮捕直後の取り調べの空白を埋める。来た当番弁護士に勾留後の国選または私選をそのまま引き継いでもらうのが実務の定石
- 2.資力を確認し請求ルートを判定 現金・預金等の資力が基準額50万円未満なら直接国選を請求できる(37条の2)。50万円以上なら弁護士会の私選紹介を先に通す必要がある(37条の3)。境界線上の人はこの手順を踏まないと請求が通らない
- 3.勾留段階で裁判官に国選を請求 勾留状発付後に本人が裁判官へ国選弁護を請求する。第2項を使えば勾留が請求された段階(勾留質問の前後)からも請求でき、勾留の可否を分ける勾留質問に弁護士の助言を間に合わせられる
- 4.取り調べでは黙秘権を行使し供述を控える 弁護人の到着前は「弁護人選任を請求します」と明言し、それ以上の供述を控える。一度作られた供述調書は後から覆すのが極めて難しい。最初の数日の対応が起訴・不起訴を分ける
よくある質問 AI による整理
Q1被疑者国選弁護とは何ですか?
勾留された被疑者が貧困等で弁護人を選任できないとき、裁判官が請求により国の費用で弁護人を付す制度です。刑事訴訟法37条の2が根拠で、起訴前の捜査段階から利用できます。
Q2国選弁護人の費用は誰が負担しますか?
国が負担します。被疑者国選では弁護人報酬を国が支払うため、本人の費用負担は原則ありません。資力に応じて後日一部を国に償還する場合があります。
Q3国選弁護はいつから勾留全事件が対象になりましたか?
2018年(平成30年)6月1日からです。それまで重大事件に限定されていた被疑者国選が、勾留状が発せられた全事件に拡大されました。
Q4資力申告書とは何ですか?
現金・預金などの資力を裁判所に申告する書面です。資力が基準額50万円未満なら直接国選を請求でき、50万円以上なら弁護士会の私選紹介を先に通す必要があります。
Q5外国人でも国選弁護を受けられますか?
受けられます。在留資格の有無を問わず、勾留された被疑者であれば対象です。通訳の費用も国が負担するため、言葉の壁を理由に諦める必要はありません。
Q6国選弁護人の通訳費用は自己負担ですか?
自己負担ではありません。日本語が不自由な被疑者の取り調べや弁護人との打ち合わせに必要な通訳費用は、国が負担します。
Q7勾留と逮捕は何が違いますか?
逮捕は最大72時間の短期身柄拘束、勾留は裁判官の決定による原則10日(延長で最大20日)の拘束です。国選(37条の2)は勾留段階からで、逮捕直後は当番弁護士が対応します。
Q8国選弁護を請求しないとどうなりますか?
請求しなければ弁護人はつきません。本制度は請求主義のため、本人または家族が裁判官に請求する必要があります。請求が遅れるほど不利な供述調書が積み上がります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1逮捕されたらすぐ無料で弁護士を呼べるんですよね?
正確には、逮捕直後の段階(最大72時間)では国選弁護人(37条の2)はつきません。この時期に無料で来てくれるのは弁護士会の当番弁護士制度です。国選がつくのは勾留状が出てから。実務のポイント:逮捕直後こそ自白の山場なのに国選の空白がある。だから当番弁護士を最初の1回必ず呼び、その弁護士に勾留後の国選または私選をそのまま引き継いでもらうのが実務の定石。家族は逮捕の一報を受けたら、まず最寄りの弁護士会に当番弁護士を要請する
Q2国選弁護人って、やる気のない弁護士が来るって本当ですか?
報酬は私選より低いですが、国選名簿に登録しているのは通常の弁護士で、刑事弁護に意欲のある人も多くいます(選任は38条が規定)。もし相性が悪くても、正当な理由があれば解任・再選任を求められます。実務のポイント:国選から私選への切り替えは可能で、逆もできる。重大事件で本気の弁護を望むなら、家族が費用を工面して途中で私選に切り替える手もある。国選だから諦める必要はない
Q3お金はあるけど今すぐ用意できないときは?
資力(現金・預金等)が基準額50万円以上ある場合は、まず弁護士会を通じた私選弁護人の紹介を申し込む必要があります(37条の3)。それで見つからなければ国選に移れます。50万円未満なら直接国選を請求できます。実務のポイント:資力申告書には虚偽記載への罰則があるので正直に書く。逆に言えば50万円未満を正しく申告すれば確実に国選がつく。資産を過大に書いて私選前置に回され、貴重な捜査期間を浪費する人がいる
Q4勾留される前から弁護士を呼べるって聞いたんですが?
はい、37条の2第2項により、勾留を請求された段階の被疑者も国選を請求できます。これにより、裁判官があなたを勾留するか判断する勾留質問に、弁護士の助言を間に合わせられます。実務のポイント:この2項の早期請求を使う人は少ない。だが勾留質問は勾留の可否を分ける重要な場面。ここで弁護士が勾留の必要性を争えば、勾留そのものを回避できることもある。早く動いた人だけが得をする条文だ
間違えやすい点 AI による整理
- 「国選弁護人は裁判になってからしかつかない」と思い込んでいる人が大半だが、2018年6月からは起訴される前の勾留段階でも、事件の軽重を問わず全件で国選がつく。捜査段階の防御の空白という最大の弱点が、すでに制度上は埋められている
- 「黙っていればいい」とは知っていても、取り調べの初期に弁護士の助言があるかどうかが、その後の起訴・不起訴の判断を左右するという深刻さまでは理解されていない。一度作られた供述調書は、後から覆すのが極めて難しい。最初の数日の有無が、結末そのものを変える
- 「当番弁護士と国選弁護人は同じもの」という前提自体が誤っている。当番弁護士は逮捕直後に一回だけ無料で駆けつける弁護士、37条の2の国選は勾留後に継続して付く弁護士だ。この二つを混同すると、当番が来たから安心と思い込み、肝心の捜査本番で弁護士が不在になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる段階 | 37条の2:勾留段階の被疑者(起訴前) | 36条:起訴後の被告人 37条の4:精神障害等で職権付与(被疑者) |
| 付与の要件 | 勾留 + 貧困その他の事由 + 請求 | 被告人 + 貧困その他の事由 + 請求 心身の障害等の疑い(請求がなくても職権で可) |
| 請求の前提手続 | 資力50万円未満は直接、以上は私選紹介前置(37条の3) | 資力申告に基づく付与 裁判官の職権判断 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も偵査段階の羈押審査で強制辯護・指定辯護人を認め、法律扶助法が資力のない被告を支える。捜査段階の弁護保障という方向性は日本と共通。
韓国の国選弁護人制度。一定の事由がある被告・被疑者に国選を付与する点で日本と類似するが、付与の要件構成は異なる。
ドイツは『必要的弁護(notwendige Verteidigung)』事件で資力にかかわらず Pflichtverteidiger を付す。資力要件で線を引く日本とは設計思想が異なる。
米国は連邦最高裁判例で貧困被告人への弁護人国費付与を憲法上の権利とし、捜査段階は Miranda 法理が補完する。判例法で形成された点が特徴。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 痴漢を疑われ、否認したまま勾留された。私選弁護士を雇う貯金はない。だが資力申告書を出して国選を請求すれば、起訴される前から弁護士が付き、否認事件の供述戦略を一緒に立てられる。冤罪が疑われる事件こそ、捜査段階の弁護が生死を分ける
- もし、あなたの家族が逮捕されて3日目、もう勾留が決まりそうだとしたら? あと数日で最大20日の捜査期間が始まり、不利な調書が次々と作られる。今すぐ国選弁護を請求すれば、最も重要な取り調べに弁護士を間に合わせられる
- 酒気帯び運転で逮捕され、勾留された。お金がなくても弁護士はつけられる。請求しなければ、つかない
- 技能実習生の同僚が傷害事件で勾留された。日本語が不自由で、弁護士など雇えないと泣いている。あなたが「国選弁護を請求できる、通訳も国の費用だ」と教えれば、彼の運命が変わる
- 資産が基準額の50万円以上ある場合は、まず弁護士会を通じた私選弁護人の紹介を試みる必要がある。それでも見つからなければ国選に切り替わる。境界線上の人は、この手順を踏まないと請求が通らない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 逮捕の一報を受けたら、まず最寄りの弁護士会に当番弁護士(無料、原則1回)を要請し、逮捕直後の空白を埋める2. 勾留状が出たら本人が国選を請求できる、面会時に「資力がなければ国選を請求して」と必ず伝える3. 資産50万円未満なら直接国選請求(37条の2)、以上なら弁護士会の私選紹介を先に通す(37条の3) 4. 差し入れ、現金管理、職場連絡など外部の動きは家族が担い、弁護士との窓口を一本化する
訴えられた側:1. 取調室では黙秘権を行使し「弁護人選任を請求します」と明言、それ以上の供述は弁護士の到着まで控える2. 勾留質問の場で、または勾留状発付後すぐ、裁判官に国選弁護を請求する(2項なら勾留請求された段階から可能) 3. 資力申告書は正直に記載、50万円未満なら確実に国選がつく4. 来た弁護士と相性が合わなければ、正当な理由で再選任を求められる、後から私選への切り替えも可能
時効(請求できる期限):国選弁護の請求は勾留状発付後いつでも可能だが、捜査段階は短く決定的。逮捕後72時間 + 勾留原則10日 + 延長最大10日で、約23日のうちに起訴・不起訴が決まる。2項を使えば勾留状発付前の勾留請求段階から請求できる。1日でも早く請求するほど、不利な調書の作成を防げる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:被疑者国選弁護は憲法34条の弁護人依頼権を捜査段階で実質化する制度と理解され、2018年の対象拡大はこの保障を勾留全事件へ及ぼした立法的決断と評価される。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年) 被疑者国選弁護制度を新設。当初は死刑・無期・短期1年以上等の重大事件に対象を限定して導入し、平成18年(2006年)から段階的に運用を開始した
- 平成28年(2016年)公布、平成30年(2018年6月1日)施行 対象事件の限定を撤廃し、勾留状が発せられた全事件に被疑者国選を拡大。捜査段階の弁護の空白を制度上ほぼ解消した
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:被疑者国選弁護制度を新設。当初は死刑・無期・短期1年以上等の重大事件に対象を限定し、平成18年(2006年)から段階的に運用開始。
- 2.平成28年(2016年)公布・平成30年(2018年6月1日)施行 改正:対象事件の限定を撤廃し、勾留状が発せられた全事件に被疑者国選を拡大。捜査段階の弁護の空白を制度上ほぼ解消した。
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