刑事訴訟法 第10条
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- 同一事件が事物管轄を異にする数個の裁判所に係属するときは、上級の裁判所が、これを審判する。
- 2.上級の裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で管轄権を有する下級の裁判所にその事件を審判させることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第10条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第10条の条文原文は「同一事件が事物管轄を異にする数個の裁判所に係属するときは、上級の裁判所が、これを審判する。」で始まります。
- 刑事訴訟法第10条は第一章 裁判所の管轄に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第10条の前の条は刑事訴訟法第9条です。
- 刑事訴訟法第10条の次の条は刑事訴訟法第11条です。
- 刑事訴訟法第10条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第10条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第10条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/10
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法10条は、同一事件が事物管轄の異なる複数の裁判所に係属した場合、上級の地方裁判所が審判すると定める。被告人は2項で簡裁への移送を請求できる。
Q · 同じ事件で簡裁と地裁の両方から書類が届いたら、どっちで裁判されるの?
原則は上級の地方裁判所。ただし被告人は簡裁への移送を請求できる
刑事訴訟法10条1項により、同一事件が事物管轄を異にする複数の裁判所に係属したときは、上級の裁判所(地方裁判所)が審判します。簡易裁判所は手を引きます。ここまでは自動です。ただし2項では、上級裁判所が検察官または被告人の請求により、決定で管轄権を持つ下級裁判所(簡裁)に審判させることができると定めています。簡裁は言い渡せる刑に上限があるため(裁判所法33条、原則拘禁刑3年)、軽微な事案では簡裁への移送を請求する意味があります。
解説
同じ一つの事件について、簡易裁判所と地方裁判所の両方に公訴が提起される。こんなことが現実に起こる。検察官側の処理のずれ、訴因の評価の違い、併合と分離の判断の食い違い。その結果、被告人であるあなたのもとに、二つの裁判所から別々の書類が届きかねない。刑事訴訟法10条はこの混乱を一刀両断する。事物管轄(どの種類の裁判所が扱うか、つまり簡裁か地裁か)を異にする複数の裁判所に同じ事件が係属したら、上級の裁判所、すなわち地方裁判所が審判する。簡裁は手を引く。ここまでは自動だ。だが2項にあなたの武器が隠れている。上級裁判所は検察官またはあなた(被告人)の請求により、決定で、管轄権を持つ下級裁判所に審判させることができる。簡裁の手続は軽く、進行も速く、言い渡せる刑の上限も低い。地裁に引き取られたまま黙っているか、簡裁に戻すよう請求するか。その選択権が、条文の2項に書いてある。
法的な位置づけ
刑事訴訟法10条は管轄の競合を定める規定であり、同一事件が事物管轄を異にする数個の裁判所に係属する場合、上級の裁判所が審判する旨を規定する。さらに上級裁判所は、検察官または被告人の請求により、決定で管轄権を有する下級裁判所にその事件を審判させることができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.二つの裁判所から書類が来たら係属状況を確認 同じ事件で複数の裁判所から呼出状や書類が届いたら、放置せず各裁判所の事件番号と係属時期を記録する。検察官に係属状況を確認し、二重係属が事物管轄を異にするものか同じくするものかを切り分ける
- 2.事物管轄を整理し有利不利を判断 弁護人とともに各裁判所の事物管轄(簡裁か地裁か)を整理する。事案が軽微で簡裁の量刑上限(裁判所法33条、原則拘禁刑3年)に収まる見込みなら、簡裁にとどまる方が有利かを検討する
- 3.簡裁への移送を上級裁判所へ請求 簡裁にとどまる方が有利と判断したら、刑事訴訟法10条2項に基づき、上級裁判所(地裁)に対して下級裁判所への移送を請求する。請求は上級裁判所での証拠調べが本格化する前に行う
- 4.重い事案では移送請求の実益を見極める 簡裁が刑を3年超と判断する見込みの重い事案では、簡裁が職権で地裁に送る(刑事訴訟法332条)ため移送請求の実益が消える。事案の重さを正確に見極めてから2項を使うか判断する
よくある質問 AI による整理
Q1管轄の競合とは何ですか?
同一事件が複数の裁判所に同時に係属する状態です。事物管轄が違えば刑事訴訟法10条で上級の地方裁判所が審判し、同じなら11条で先に公訴を受けた裁判所が審判します。
Q2事物管轄と土地管轄の違いは何ですか?
事物管轄はどの種類の裁判所(簡裁か地裁か)が扱うかの問題、土地管轄はどの地域の裁判所が扱うかの問題です。10条は事物管轄の競合を扱います。
Q3二重係属になったらどうなりますか?
事物管轄が異なる場合、刑事訴訟法10条1項により上級の地方裁判所に一本化されます。整理されるまでは二つの法廷で防御を強いられる負担が残るため、早期に弁護人を通じて整理を申し立てます。
Q4簡裁と地裁、どちらで裁かれるか自分で選べますか?
原則は上級の地裁ですが、10条2項により被告人が下級裁判所(簡裁)への移送を請求できます。請求を受けて上級裁判所が決定で判断します。
Q5移送請求はいつまでにすればよいですか?
法定の期限はありませんが、上級裁判所での証拠調べが本格化する前に出さないと、訴訟経済を理由に却下されやすくなります。係属の二重に気づいた最初の段階が勝負です。
Q6簡易裁判所が言い渡せる刑の上限はありますか?
あります。裁判所法33条により、簡裁は原則として拘禁刑3年を超える刑を言い渡せません。3年超が相当なら職権で地裁へ送ります(刑事訴訟法332条)。
Q7裁判員裁判になるのはどの裁判所ですか?
裁判員裁判は地方裁判所の重大事件のみです。事物管轄の振り分けで地裁に上がるか簡裁にとどまるかが、市民が裁判に加わる手続に乗るかの分岐になります。
Q8管轄の競合は誰が決めるのですか?
1項の集約は法律上自動で上級裁判所に移ります。2項の下級裁判所への移送は、検察官または被告人の請求を受けて上級裁判所が決定で判断します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1同じ事件が二つの裁判所に起訴されるなんて、本当に起こるんですか?
起こります。検察官の処理の都合や訴因の評価の違いで、簡裁と地裁の双方に係属することがある。そのとき事物管轄が違えば10条で上級の地裁が審判し、事物管轄が同じなら11条で最初に公訴を受けた裁判所が審判します。実務のポイント:二重係属は「いずれ整理される」と放置されがちですが、整理されるまで二つの法廷で同時に防御を強いられる負担は実在します。気づいた段階で弁護人に係属の一本化を動いてもらうのが、見えないコストを止める早道です
Q2地裁より簡裁の方が刑が軽いと聞きました。簡裁に移してもらえますか?
10条2項により、被告人の請求で上級裁判所が下級裁判所(簡裁)に審判させる決定をすることは可能です。簡裁が言い渡せる拘禁刑は原則3年が上限(裁判所法33条)なので、軽微な事案では量刑の天井を下げる意味があります。ただし簡裁が刑を3年超と判断すれば職権で地裁へ送ります(刑事訴訟法332条)。実務のポイント:移送請求はタイミングが命で、地裁の審理が進む前に出さないと実益を失います。事案が簡裁の量刑枠に収まるかを最初に見極めてから動くのが定石です
間違えやすい点 AI による整理
- 「上級裁判所が審判すると決まっているなら、被告人の自分には何もできない」と思い込みがちだが、2項は被告人にも下級裁判所への移送を請求する権利を与えている。1項の自動ルールに従うか、2項の請求権を行使するかは、あなたの選択だ
- 「簡裁でも地裁でも、どっちで裁かれても結論は同じ」という前提自体が誤っている。簡裁が言い渡せる刑には上限があり(裁判所法33条、原則として拘禁刑3年まで)、手続の重さも、審理にかかる期間も違う。どの裁判所で裁かれるかは、結論を左右する変数だ
- 二重に起訴されること自体は「手続上のミスで、いずれ整理される程度のこと」と軽く見られがちだが、その深刻度は侮れない。整理されるまでの間、二つの法廷で同時に防御を強いられ、別々の裁判官が矛盾した心証を形成するリスクが走り続ける
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 競合の場面 | 刑訴10条:事物管轄を異にする複数裁判所への係属 | 刑訴11条:事物管轄を同じくする複数裁判所への係属 刑訴331条:土地管轄違いの申立て |
| 審判する裁判所 | 上級の裁判所(地方裁判所) | 最初に公訴を受けた裁判所 申立てが認められれば管轄裁判所へ |
| 被告人の請求権 | 2項で下級裁判所(簡裁)への移送を請求できる | 上級裁判所が下級裁判所に審判させる決定が可能 証拠調べ開始前に管轄違いを申し立てる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は同一案件が管轄権を有する数法院に係属する場合、繫属在先の法院が審判するのを原則とし、上級裁判所による指定の余地を認める点で日本と構造が近い。
韓国も事物管轄を異にする競合では上級裁判所が審判する構造をとり、日本法と類似する。
ドイツは複数の裁判所が管轄権を持つ場合、原則として先に手続を開始した裁判所が優先するが、上級裁判所による管轄指定の制度も置く。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが軽微な傷害事件で被告人になり、検察官の処理の都合で簡裁と地裁の双方に起訴されてしまった。放っておけば10条1項で地裁が引き取る。だが簡裁が言い渡せる拘禁刑は原則3年が上限(裁判所法33条)。事案が軽いなら、2項で簡裁に戻すよう請求することが、量刑の天井を下げる一手になりうる
- もし、同じ事件で二つの裁判所から別々の期日呼出状が同じ週に届いたら、あなたはどちらに出頭すればいいのか。答えは、上級の裁判所に一本化される。だが係属が二重のまま放置されると、矛盾した判断や二重の防御負担が現実化する前に、弁護人を通じて整理を申し立てる必要がある
- 弁護人が「これは地裁マターだ」と判断し、簡裁係属分の取下げまたは移送を検察官と詰める。被告人本人は、どちらの裁判所が自分にとって有利かを最初に問う立場にある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 告訴人や被害者参加の立場で、同一事件が複数の裁判所に係属していると気づいたら、まず担当検察官に係属状況を確認する2. 10条1項により原則として上級裁判所(地方裁判所)に集約されることを前提に、被害者参加(刑事訴訟法316条の33以下)の手続をどの裁判所で行うかを整理する3. 損害賠償命令の申立て先も集約後の裁判所になるため、二重に動かず一本化を待つ
訴えられた側:1. 二つの裁判所から書類が来たら、弁護人とともに各裁判所の事物管轄(簡裁か地裁か)と係属時期を整理する2. 事案が軽微で簡裁の量刑上限内に収まる見込みなら、10条2項に基づき下級裁判所への移送を上級裁判所へ請求することを検討3. 請求は上級裁判所での証拠調べが本格化する前に。遅れると訴訟経済を理由に却下されやすい4. 重い事案では簡裁が職権で地裁に送る(332条)ため、移送請求に実益がないことも見極める
時効(請求できる期限):2項の移送請求に法定の出訴期間はないが、上級裁判所での審理が実質的に進行する前に行わないと移送の実益が失われる。土地管轄違いの申立て(刑事訴訟法331条、被告事件につき証拠調べを開始する前)とは別の制度である点に注意(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:10条は事物管轄を異にする裁判所間の二重係属を上級裁判所への集約で処理する規定であり、矛盾判決の回避と被告人の二重防御負担の解消を目的とする。2項の移送は審判の画一的集約に対する例外的調整弁と理解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定に伴い、管轄の競合(事物管轄を異にする裁判所間の処理)を定める規定として設けられた。
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