刑事訴訟法 第9条
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- 数個の事件は、左の場合に関連するものとする。
- 一一人が数罪を犯したとき。
- 二数人が共に同一又は別個の罪を犯したとき。
- 三数人が通謀して各別に罪を犯したとき。
- 2.犯人蔵匿の罪、証憑湮滅の罪、偽証の罪、虚偽の鑑定通訳の罪及び贓物に関する罪とその本犯の罪とは、共に犯したものとみなす。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第9条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第9条の条文原文は「数個の事件は、左の場合に関連するものとする。」で始まります。
- 刑事訴訟法第9条は第一章 裁判所の管轄に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第9条の前の条は刑事訴訟法第8条です。
- 刑事訴訟法第9条の次の条は刑事訴訟法第10条です。
- 刑事訴訟法第9条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第9条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第9条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法9条は関連事件を定義し、一人が数罪を犯した場合や、犯人蔵匿罪・盗品等関係罪を本犯と共に犯したものとみなす。関連すれば管轄が併合される。
Q · 盗品を買っただけなのに、なぜ泥棒と同じ裁判所で裁かれるの?
盗品故買は本犯と『共に犯した』とみなされ関連事件になるから
刑事訴訟法9条2項は、盗品等関係罪を本犯の窃盗・強盗と『共に犯した』ものとみなします。その結果、あなたの事件は本犯と『関連事件』となり、3条・6条により本犯の事件がある裁判所へ管轄が併合され、8条・313条により共犯者と同じ法廷で審理されることがあります。別件のつもりでも、手続上は一つの塊として扱われるのです。
解説
友人が事件を起こして行き場を失い、数日かくまった。あるいは相場より安い品を盗品と承知で買い取った。これらは窃盗犯や強盗犯という『本犯』とは別人による、別個の罪だ。ところが刑事訴訟法9条2項は、犯人蔵匿罪、証拠隠滅罪、偽証罪、虚偽鑑定通訳罪、盗品等関係罪については、本犯の罪と『共に犯したものとみなす』と定める。意味するところはこうだ。あなたの事件が『関連事件』として、本犯と同じ裁判所、時には同じ法廷に括り付けられる。1項はさらに広く、一人が数罪を犯したとき、複数人が共同で、あるいは通謀して別々に罪を犯したときも、すべて関連する。関連すれば、遠方の裁判所に管轄が併合され(3条、6条)、共犯者と同じ法廷で裁かれる(8条、313条)。共犯者の自白があなたの心証を汚し、防御が他人の言動に引きずられていく。たった一つの定義条文が、あなたがどこで、誰と並んで裁かれるかを静かに決めている。
法的な位置づけ
刑事訴訟法9条は関連事件の範囲を画する定義規定であり、一人が数罪を犯した場合、数人が共同又は別個に罪を犯した場合を関連事件とする(1項)。さらに犯人蔵匿罪、証拠隠滅罪、偽証罪、虚偽鑑定通訳罪、盗品等関係罪は本犯の罪と共に犯したものとみなし(2項)、管轄の併合や弁論の併合・分離の前提となる。
よくある質問 AI による整理
Q1関連事件とは何ですか?
刑事訴訟法9条が定める概念で、一人が数罪を犯した場合や、数人が共同・別個に罪を犯した場合、盗品等関係罪と本犯などが互いに関連する事件をいいます。
Q2弁論の分離はどうやって請求しますか?
刑事訴訟法313条に基づき裁判所に申し立てます。共犯者の供述が法廷に出る前、できるだけ早い段階で請求するのが防御上有利です。
Q3共同被告人の自白は自分に不利になりますか?
同じ法廷で共犯者が『主犯はあいつだ』と供述すると、裁判官の心証に影響しえます。弁論の分離で証拠の『もらい事故』を防げます。
Q4盗品の転売は罪になりますか?
盗品と知って買い受け・転売すると盗品等関係罪(刑法256条)が成立し、9条2項で本犯の窃盗事件と関連事件になります。
Q5関連事件だと裁判所はどこになりますか?
3条・6条により本犯の事件がある裁判所に管轄を併合できます。地元で済むはずの事件が遠方の裁判所に括られることがあります。
Q6犯人をかくまうと何罪ですか?
犯人蔵匿罪(刑法103条)が成立しえます。9条2項により、その事件は相手の本犯事件と『共に犯した』ものとして関連事件になります。
Q7関連事件の併合に異議は言えますか?
併合が決まる前なら、関連性が薄い・防御が著しく困難になる等を理由に併合の相当性を争う余地があります。決定後は覆しにくいです。
Q8応訴管轄と関連事件の違いは?
応訴管轄は管轄違いに被告が異議せず本案弁論して管轄が生じるもの。関連事件は9条が定める事件相互の関連で、併合の前提となります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1盗品とは知らずに買った場合でも、泥棒と一緒に裁判にされるんですか?
盗品等関係罪(刑法256条)は『盗品と知っていた』ことが成立要件なので、本当に知らなければそもそも犯罪が成立せず、関連事件にもなりません。知って買った場合に限り、刑事訴訟法9条2項で本犯と『共に犯した』とみなされます。実務のポイント:実務では『知っていたか』が最大の争点で、相場より極端に安い、入手経路を確認しなかった等の事情から『知り得た(未必の故意)』と推認されやすい。買った時点のやり取りの記録が、知情の有無を分ける
Q2共犯者と同じ法廷で裁かれると、何が不利なんですか?
共同被告人の一人が『主犯はあいつだ』と供述すると、その内容が法廷に顕出し、裁判官の心証に影響します。本来あなたに向けられた証拠でなくても、いわば『もらい事故』で量刑が動く。弁論の分離(刑事訴訟法313条)でこれを防げます。実務のポイント:共同被告人の公判廷供述は、反対尋問の機会が保障されるかで証拠価値が変わる。分離して証人として尋問する形にした方が、相手の供述を切り崩しやすい場面がある
Q3関連事件だと、なぜ遠くの裁判所まで行かされるんですか?
一人が各地で数罪を犯した、または共犯が各地にいる場合、関連事件として一つの裁判所に管轄を併合できます(刑事訴訟法3条、6条)。その結果、本来なら地元で済む事件が、本犯の事件がある遠方の裁判所に括られることがあります。実務のポイント:併合は効率のためですが、被告の出廷や弁護人選任の負担を著しく増やす場合、併合の相当性を争う余地がある。併合が決まる前に異議を述べるかどうかで、その後の負担が大きく変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 『自分は盗品を買っただけ、泥棒とは別件だ』というその前提自体が、刑事手続の上では崩れている。9条2項は盗品等関係罪を本犯の窃盗・強盗と『共に犯した』とみなす。あなたが立てた『別件だから無関係』という問いそのものが、関連事件の枠組みでは成り立たない
- あなたから見れば、自分は事件の脇役で、本犯とは無関係の小さな罪にすぎない。だが裁判所の手続から見れば、あなたの事件は本犯と『関連』する一つの塊だ。この視点の落差が、遠方への呼び出しや共同被告としての不利益を生み出す
- 『関連事件だと一緒に裁かれる』ことは知っていても、その深刻さまで知る人は少ない。共同被告人の法廷では、他人の自白や供述があなたの心証に流れ込む。証拠の『もらい事故』が起き、本来は無関係なはずの言動で、あなたの量刑が動いてしまう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 9条:関連事件の『定義』そのもの | 3条・6条:関連事件の『管轄の併合』 8条・313条:関連事件の『弁論の併合・分離』 |
| 発動する場面 | 一人の数罪・共犯・通謀、蔵匿/証拠隠滅/偽証/盗品等が本犯と関連 | 関連事件が事物・土地管轄を異にして存在するとき 同一裁判所に係属した関連事件の審理を束ねる/切り離すとき |
| 被告への影響 | 事件が本犯と『一つの塊』に括られる前提が決まる | 遠方の裁判所へ出廷を強いられる可能性 共犯者供述の流入リスク/分離による防御の確保 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も『相牽連案件』として、一人犯数罪・数人共犯・牽連犯・本犯と関連する蔵匿等を関連の類型とする点で日本9条と発想が近い
韓国も関連事件(관련사건)の定義規定を置き、管轄の併合・弁論の併合分離の前提とする構造で日本と類似する
ドイツは事件の連関(Zusammenhang)を定義し、同一人の数罪や共犯のほか、蔵匿・盗品等の本犯との連関を含める点で日本と共通する
米国は罪の併合(joinder of offenses)と被告人の併合(joinder of defendants)を区別し、Rule 14で不当な不利益があれば分離(severance)を認める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 友人をかくまっただけのつもりが、起訴状を開くと本犯の強盗事件と同じ裁判所の名前が並んでいる。なぜ自分が縁もゆかりもない遠方の地裁に呼ばれるのか。9条2項が犯人蔵匿罪を本犯と『共に犯した』とみなし、関連事件として管轄が併合された結果だ
- 共犯とされた3人が同じ法廷に並ぶ。隣の被告が『主導したのはこいつだ』と供述した瞬間、あなたの量刑見通しが崩れ始める。弁論の分離(313条)を請求するかどうか、この一手が運命を分ける
- 盗品と知って転売した。本犯の窃盗事件が先に動き出し、あと数日で起訴。あなたの事件も関連事件として、同じ法廷に括られようとしている
- 東京と大阪で別々に起きた事件を、一人の被告がどちらも犯した。9条1項によりこれは関連事件となり、片方の裁判所にまとめて管轄を併合できる(6条)。検察はどちらの裁判所が立証に有利かを見ながら、併合請求のタイミングを計っている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 起訴状の罪名と本犯・共犯者の記載を確認し、自分の事件が9条1項各号か2項のどれで関連付けられたかを弁護人と特定する2. 共同被告人の供述が自分に不利に働く構造なら、第一回公判より前に弁論の分離(313条)を請求する3. 遠方の裁判所に管轄が併合されているなら、関連性や併合の相当性を争えるか検討する4. 分離が認められない場合に備え、共犯者供述の証拠能力と信用性を個別に争う準備を進める
訴えられた側:1. 関連事件として併合された方が量刑上有利か不利かを冷静に試算する。共犯者と量刑差をつけたいなら分離、一括での迅速解決を狙うなら併合維持2. 併合により他被告の不利な供述が自分の法廷に流入するリスクを評価する3. 弁論の分離・併合は裁判所の裁量(313条)なので、申立ての理由を具体的に書面で固める4. 検察の併合請求のタイミングを見て、防御に有利な審理順序を主張する
時効(請求できる期限):関連事件の定義そのものに時効はない。ただし弁論の分離・併合の請求や管轄に関する異議は、手続の早い段階(原則として第一回公判期日前、遅くとも証拠調べ開始前)に動かないと実益を失う。各本犯の罪の公訴時効(刑事訴訟法250条)は罪ごとに別個に進行する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:9条は関連事件の範囲を画する定義規定にとどまり、併合審理の可否や個別防御の調整は3条・6条・8条・313条が担う。併合による訴訟経済と被告人の個別防御権の均衡は、弁論の分離・併合に関する裁判所の裁量で図られるとする。
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