刑事訴訟法 第8条
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- 数個の関連事件が各別に事物管轄を同じくする数個の裁判所に係属するときは、各裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定でこれを一の裁判所に併合することができる。
- 2.前項の場合において各裁判所の決定が一致しないときは、各裁判所に共通する直近上級の裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で事件を一の裁判所に併合することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第8条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第8条の条文原文は「数個の関連事件が各別に事物管轄を同じくする数個の裁判所に係属するときは、各裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定でこれを一の裁判所に併合することができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第8条は第一章 裁判所の管轄に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第8条の前の条は刑事訴訟法第7条です。
- 刑事訴訟法第8条の次の条は刑事訴訟法第9条です。
- 刑事訴訟法第8条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第8条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第8条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法8条は、事物管轄を同じくする複数の裁判所に係属する関連事件を、検察官または被告人の請求により決定で一つの裁判所に併合できると定める。
Q · 詐欺で東京地裁、窃盗で横浜地裁。同じ自分の事件を一つにまとめてもらえますか?
請求すれば一つの裁判所にまとめられ、量刑にも影響する
刑事訴訟法8条により、各別に事物管轄を同じくする複数の裁判所に係属する関連事件は、検察官または被告人の請求に基づき、決定で一つの裁判所に併合できます。併合は移動の手間を省くだけでなく、併合罪(刑法45条以下)として処理されることで量刑の上限が変わりうる点が重要です(刑法47条)。各裁判所の決定が一致しない場合は、共通する直近上級の裁判所に請求する道もあります(同条2項)。
解説
詐欺事件で東京地裁、別件の窃盗で横浜地裁。同一人物のあなたが、二つの裁判所から別々に呼び出されている。多くの被告人は、これは仕方ないと思い込み、二つの法廷を別々に戦う。だが刑事訴訟法8条は、検察官だけでなく被告人自身も、事物管轄を同じくする複数の関連事件を一つの裁判所にまとめてくれと請求できると定める。まとめる意味は移動の手間を省くことだけではない。別々に有罪判決を受けると刑が積み上がりやすいが、一つの手続で裁かれれば併合罪(刑法45条以下)として処理され、最も重い罪の刑に2分の1を加えた範囲が上限になる(刑法47条)。つまり、まとめるかどうかで最終的な服役年数そのものが動きうる。この請求権の存在を知っているかどうかが、あなたの数年を左右する。
法的な位置づけ
刑事訴訟法8条は関連事件の併合を定める規定であり、各別に事物管轄を同じくする複数の裁判所に係属する関連事件について、検察官または被告人の請求に基づき、決定で一つの裁判所に併合する手続を規律する。各裁判所の決定が一致しない場合は、共通する直近上級の裁判所が併合を決定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.関連事件の係属状況を一覧化する 自分の関連事件が、それぞれどの裁判所に、どの審理段階で係属しているかを整理する。事物管轄が同じか、関連事件(刑訴9条)に当たるかを確認し、併合の前提を満たすかをチェックする
- 2.併合の損得を弁護人と検討する 併合した場合の量刑メリット(併合罪処理・刑法47条)と、一方の事件の証拠や前科的事情が他方の心証を悪化させるデメリットを天秤にかける。併合が常に有利とは限らない点を前提に方向を決める
- 3.第一審係属中の早い段階で併合を請求する 併合が有利と判断したら、各事件が第一審に係属している間のできるだけ早い段階で、書面により併合を請求する(刑訴規則5条)。判決期日が近づくほど実益と認められやすさが減る
- 4.決定が一致しないときは直近上級裁判所へ 各裁判所の決定が一致しない場合は、各裁判所に共通する直近上級の裁判所に対し、検察官または被告人として併合を請求する(8条2項)
よくある質問 AI による整理
Q1関連事件の併合とは何ですか?
各別に複数の裁判所で進む関連事件を、決定で一つの裁判所にまとめる手続です。刑事訴訟法8条が根拠で、検察官または被告人が請求できます。
Q2事件の併合はいつまでに請求できますか?
法定の期限はありませんが、各事件が第一審に係属している間に限られます。一方の判決が確定すると併合の実益はほぼ失われるため、早期の請求が有利です。
Q3併合されると刑はどうなりますか?
併合罪(刑法45条以下)として処理され、最も重い罪の刑に2分の1を加えた範囲が上限になります(刑法47条)。別々に確定するより刑が軽くなることがあります。
Q4併合請求は書面が必要ですか?
刑事訴訟規則5条が請求手続を定めています。実務上は書面で請求し、対象事件・係属裁判所・併合を求める理由を明示するのが通常です。
Q5共犯者と別々の裁判所にいる場合も併合できますか?
関連事件(刑訴9条)に当たれば併合の対象になり得ます。併合により事実認定が統一され、共犯者間で主犯・従犯の評価が食い違う事態を防げます。
Q6裁判所が併合を認めないことはありますか?
あります。8条は「併合することができる」と定める裁量規定で、審理の段階や防御への影響を踏まえ、裁判所が決定で判断します。
Q78条の管轄の併合と公判の弁論の併合は違いますか?
違います。8条は係属裁判所自体を一つにする管轄の併合で、弁論の併合(刑訴313条)は同一裁判所内で複数事件の審理を一括する手続です。
Q8裁判員裁判の対象事件も併合できますか?
できますが、裁判員法4条の特則が関係します。対象事件と関連事件の併合は、手続全体が裁判員裁判になるかにも影響するため慎重な判断が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1別々の裁判所で裁かれるのと、一つにまとめるのとで、何がそんなに違うんですか?
最大の違いは量刑です。別々に確定すると刑が積み上がりやすいですが、一つの手続でまとめて裁かれれば併合罪(刑法45条以下)として処理され、最も重い罪の刑に2分の1を加えた範囲が上限になります(刑法47条)。実務のポイント:弁護士は併合が常に被告人有利とは考えません。片方の事件の証拠が他方の心証を悪くする見込みがあると、あえて分離のまま戦った方が得な場合がある。だから「とりあえず併合」とは勧めず、量刑と心証の両面を計算してから方向を決めます
Q2被告人の自分から、まとめてくれと言えるんですか?
言えます。8条1項は請求権者として検察官と被告人を並べており、被告人は検察官と対等にこの請求ができます。各裁判所の決定が食い違ったときは、共通する直近上級の裁判所に請求する道(8条2項)もあります。実務のポイント:多くの被告人は併合を裁判所や検察官が決めるものと思い込み、自分の請求権を使わないまま終わります。実際には、被告人側からの併合請求が量刑戦略の入口になることがあり、この一手を知っているかどうかが結果を分けます
間違えやすい点 AI による整理
- 「どの裁判所でまとめて裁くかは裁判所が勝手に決めること」と考えて、請求すら検討しない人が多いが、問いの立て方が違う。8条は当事者の請求を起点にする条文であり、被告人が動かなければ、裁判所が必ず職権で併合してくれるとは限らない。動かない限り、有利な併合の機会が静かに流れていく
- 「まとめてもらえれば手間が減って楽になる」程度に思われているが、その効果の大きさを見誤っている。併合罪処理(刑法47条)で量刑の上限が変わるため、まとめるかどうかで実際の服役年数が変動しうる。手続の便宜ではなく、刑の重さに直結する選択である
- あなたから見れば「併合=常に得」だが、防御戦略から見ると逆のこともある。一方の事件の証拠や前科的事情が、別の事件の心証を悪化させて引きずられる危険がある。まとめるべきか、あえて分けて戦うべきか、その判断こそが勝負どころになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 刑訴8条:複数裁判所に係属する関連事件を一つの裁判所に併合 | 刑訴9条:関連事件の定義(併合の対象を画定) 刑訴6条:土地管轄を異にする関連事件の併合管轄 |
| 前提となる管轄 | 各別に事物管轄を同じくする複数の裁判所に係属 | —(関連性の有無を定義) 土地管轄が異なる場合 |
| 請求権者・手続 | 検察官または被告人の請求 → 決定で併合 | — 一個の事件につき管轄権を有する裁判所が併合管轄 |
| 決定不一致時 | 共通する直近上級の裁判所が決定(8条2項) | — 刑訴7条による分離も視野 |
他国ではどう定めているか 4 か国
相牽連案件について、同級の数裁判所が管轄するときは併合してその一の裁判所に管轄させ得る点で日本と類似。請求と裁判所の判断を介在させる構造を持つ
관련사건의 관할 병합を定め、複数の裁判所に係属する関連事件をまとめる仕組みを持つ点で日本と近い
ドイツは関連刑事事件の Verbindung(併合)と Trennung(分離)を定め、訴訟経済と被告人の防御の調整を裁判所の裁量に委ねる
米国は罪・被告人の Joinder と複数起訴の Consolidation を定めるが、不当な不利益があれば Rule 14により分離が認められる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 詐欺で東京地裁、窃盗で横浜地裁、同一人物のあなたが二つの法廷を別々に戦っている。併合を請求すれば一人の裁判官が両事件を見て、併合罪として一つの刑を言い渡す。バラバラに進むと、刑が積み上がる危険を抱えたまま走り続けることになる
- もし共犯者と自分が別々の裁判所で裁かれていたら、どうなる? 一方の裁判所はあなたを主犯と認定し、他方は従犯と認定する、矛盾した事実認定が起こりうる。8条の併合は、この食い違いを一つの法廷に収束させ、裁判所ごとに評価がぶれる事態を防ぐ
- 二つ目の事件の判決期日まで、あと数週間。併合を求めるなら今しかない。一方の判決が確定してしまえば、もう一つにまとめる実益は大きく減る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被害者・告訴人の立場で、関連する複数の事件が別々の裁判所で進み、供述や証拠の評価が裁判所ごとにぶれる懸念があるなら、まず担当検察官にその不安を具体的に伝える2. 8条の請求権を持つのは検察官または被告人であり、被害者に直接の請求権はない。だからこそ、検察官に併合請求を検討するよう働きかけるルートが現実的3. 被害者参加制度(刑訴法316条の33以下)を使っている場合は、参加弁護士を通じて意向を手続に反映させる
訴えられた側:1. まず自分の関連事件が、それぞれどの裁判所に、どの段階で係属しているかを一覧化する2. 弁護人と、併合した場合の量刑メリット(併合罪処理)と、デメリット(一方の事情が他方の心証に波及する危険)を天秤にかける3. 併合が有利と判断したら、第一審係属中のできるだけ早い段階で、書面により併合請求を行う4. 各裁判所の決定が一致しない場合は、共通する直近上級の裁判所への請求(8条2項)も視野に入れる
時効(請求できる期限):法定の請求期限は定められていないが、各事件が第一審に係属している間に限られ、審理が判決へ進むほど併合の実益と認められやすさが減る。特定の消滅時効が走る条文ではないが、実質的には早期の請求が決定的に有利
学説
通説:8条の併合は審理の効率と事実認定の統一を図る制度であり、検察官・被告人いずれも請求できる裁量的併合と解される。併合は被告人に量刑上有利に働く一方、悪性格立証の波及など防御上の不利益もあるため、当事者の請求と裁判所の決定の双方でチェックさせる構造とされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定に伴い、関連事件の併合に関する規定として整備。事物管轄を同じくする複数裁判所間の併合と、決定不一致時の直近上級裁判所による併合を定める。
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