刑事訴訟法 第7条
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土地管轄を異にする数個の関連事件が同一裁判所に係属する場合において、併せて審判することを必要としないものがあるときは、その裁判所は、決定で管轄権を有する他の裁判所にこれを移送することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第7条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第7条の条文原文は「土地管轄を異にする数個の関連事件が同一裁判所に係属する場合において、併せて審判することを必要としないものがあるときは、その裁判所は、決定で管轄権を有する他の裁判…」で始まります。
- 刑事訴訟法第7条は第一章 裁判所の管轄に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第7条の前の条は刑事訴訟法第6条です。
- 刑事訴訟法第7条の次の条は刑事訴訟法第8条です。
- 刑事訴訟法第7条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第7条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第7条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法7条は、同一裁判所に係属する関連事件のうち併せて審判する必要がないものを、決定で管轄権ある他の裁判所へ移送できると定める。6条の併合と対をなす分離規定である。
Q · 共犯者と一緒の裁判所にまとめられた事件は、ずっとそこで裁かれるの?
裁判所の決定で本来の管轄裁判所へ移送される場合があります
刑事訴訟法7条により、土地管轄を異にする関連事件が同一裁判所に係属していても、併せて審判する必要がないものは、その裁判所が決定で管轄権を有する他の裁判所へ移送できます。6条の併合管轄でいったん集められた事件を、裁判所の裁量で本来の管轄裁判所へ切り離す仕組みです。移送は裁判所の職権で行われ、被告人に正式な請求権はありませんが、決定前に弁護人を通じて意見を述べる余地はあります。
解説
犯罪地の裁判所で裁かれる、多くの人はそう思い込んでいる。だが共犯がいる事件では話が変わる。あなたが東京で詐欺に関わり、共犯者が大阪で別の詐欺をしていたとする。この二つは「関連事件」として、いったん大阪地裁にまとめて係属することがある(刑訴法6条の併合管轄)。ところが裁判所が「これは一緒に裁く必要はない」と判断すれば、第7条によって、あなたの東京の事件は決定一つで本来の管轄裁判所へ送り返される。つまり、あなたがどこで裁判を受けるかは、犯罪地だけでは決まらない。共犯者の動き、事件の関連性、裁判所の訴訟運営の都合が絡んで決まる。そして移送が決まれば、弁護人との打ち合わせ場所も、出廷のための移動も、証人の呼びやすさも、すべて変わる。裁かれる「場所」は、あなたが思うより流動的だ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法7条は関連事件の移送を定める規定であり、土地管轄を異にする数個の関連事件が同一裁判所に係属する場合において、併せて審判する必要がないものについて、当該裁判所が決定により管轄権を有する他の裁判所へ移送する権限を認める。6条の併合管轄と対をなす分離の仕組みである。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.起訴状で係属裁判所と関連事件の所在を確認 起訴状を受け取ったら、まず指定された裁判所名と、共犯者など関連事件がどの裁判所に係属しているかを確認する。自分の犯罪地・住所地と離れた裁判所なら、6条の併合が働いている可能性を疑う
- 2.併合審理が有利か分離が有利かを弁護人と検討 弁護人と「主犯の重い事件と一緒に裁かれるか、切り離すか」を戦略的に検討する。関与が軽微なら分離・移送、共通の有利な証拠があれば併合維持を選ぶ。係属裁判所が方針を固める前に判断する
- 3.移送を促す意見を決定前に提出 分離・移送が有利と判断したら、弁護人を通じて「併せて審判する必要がない」旨の意見を裁判所へ提出する。証人の所在、弁護人事務所の場所、被告人の負担など、その裁判所で審理する不都合を具体的に示す
- 4.移送決定後は記録引継ぎと証人段取りを再構築 移送決定が出たら、移送先裁判所での記録引継ぎ、次回期日、証人の出廷可否を一から組み直す。期日が迫る場合は早急に弁護人と防御の段取りを再構成する
よくある質問 AI による整理
Q1関連事件の移送とは何ですか?
同一裁判所に集まった関連事件のうち、併せて裁く必要がないものを、裁判所が決定で本来の管轄裁判所へ送り返す手続です。刑事訴訟法7条が根拠です。
Q2刑事訴訟法7条と6条の違いは何ですか?
6条は土地管轄を異にする関連事件を一つの裁判所にまとめる併合管轄、7条はまとめた事件のうち併合不要なものを切り離して移送する分離規定です。両者は表裏の関係にあります。
Q3関連事件はどんな場合にまとめられますか?
共犯事件など刑訴法9条の関連事件にあたる場合、6条により土地管轄を異にしても一つの裁判所に併合できます。その後7条で不要なものを移送できます。
Q4移送の決定に不服を申し立てられますか?
7条の移送は裁判所の職権による決定で、判決前の訴訟手続に関する決定として不服申立ては原則制限されます(刑訴法420条1項)。決定前の意見表明が現実的です。
Q5共犯者と別々の裁判所で裁かれることはありますか?
あります。いったん同じ裁判所に併合されても、併せて審判する必要がなければ7条で移送され、結果として別の裁判所で審理されることがあります。
Q6事件の分離は被告人に有利ですか?
場合によります。重い主犯の事件と切り離されれば『一味』の心証から距離を置け、長期審理にも巻き込まれません。逆に共通証拠の重複調べが生じることもあります。
Q7事件の移送は誰が決めますか?
事件が係属している裁判所が、職権で決定により移送します。検察官や被告人の申立てではなく、裁判所が訴訟運営上の必要性を判断します。
Q8裁判員裁判の関連事件はどうなりますか?
裁判員の参加する刑事裁判では、複数の関連事件について区分審理など特則があり、併合・分離の扱いが一般事件と異なる場合があります。個別に確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1共犯者と別の県で逮捕されたら、必ず同じ裁判所で一緒に裁かれるんですか?
必ずではありません。関連事件は一つの裁判所にまとめられることがありますが(刑訴法6条の併合管轄)、裁判所が「一緒に審判する必要はない」と判断すれば、第7条で本来の管轄裁判所へ移送されます。実務のポイント:併合のままか分離かで、量刑の心証が変わることがある。重い共犯と一緒だと『一味』の印象がつきやすい。弁護人は、依頼者の関与が軽いケースほど早期の分離を狙う。
Q2移送された裁判所が遠くて通えません。文句を言えますか?
第7条の移送は裁判所の職権による決定で、被告人に正式な請求権はありません。決定前であれば弁護人を通じて意見を述べられますが、決定後の不服申立ては、判決前の訴訟手続に関する決定として原則制限されます(刑訴法420条1項)。実務のポイント:移送先が固まる前の段階で、証人の所在や弁護人事務所の場所など『その裁判所で審理する不都合』を具体的に裁判所へ届けておくことが、唯一の現実的な働きかけになる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「罪を犯した場所の裁判所で裁かれるはずだ」という前提そのものが、関連事件では崩れる。共犯者の事件が別の裁判所にあれば、あなたの事件はそこへ引き寄せられたり(6条)、また戻されたり(7条)する。問うべきは「どこで裁かれるか」ではなく「どの裁判所に係属させるのが自分に有利か」だ
- 移送が「単なる事務手続」だと知ってはいても、その重さを見落としている。裁判所が変われば担当裁判官が変わり、量刑の傾向も、審理のテンポも変わりうる。同じ事件でも、最終的に係属する裁判所次第で結論が動く余地がある
- 「移送は被告人に不利な手続だ」と思われがちだが、逆のこともある。重い主犯の事件と切り離されれば、あなたは『共犯の一味』という心証から距離を置ける。分離はときに最良の防御になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 機能 | 7条:併合された関連事件のうち不要なものを移送(分離) | 6条:土地管轄を異にする関連事件を一裁判所に併合 19条:便宜による事件の移送(一般規定) |
| 発動主体 | 係属裁判所の職権(決定) | 管轄規定による併合(裁判所) 裁判所の職権または当事者の請求 |
| 適用前提 | 数個の関連事件が同一裁判所に係属 + 併合審判の必要なし | 関連事件(刑訴9条)+ 土地管轄を異にする 管轄裁判所が審判するのが適当でない等の事情 |
| 当事者の関与 | 請求権なし、決定前の意見表明のみ | 管轄の問題として主張可 当事者の請求が明文で認められる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も相牽連案件の併合管轄を認め、管轄の指定移転(10条)で個別事件を適切な裁判所へ振り分ける。日本の6条・7条と同様、併合と分離の調整を制度化している。
ドイツは関連事件(zusammenhängende Strafsachen)の併合(Verbindung)と分離(Trennung)を § 2・§ 4で規律し、裁判所の裁量で結合・分離を柔軟に行う。日本7条の分離機能に近い。
米国は Rule 8で併合(joinder)、Rule 14で偏見回避のための分離(severance)、Rule 21で venue 移送を定める。当事者の申立てを広く認める点が職権主義の日本7条と異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 共犯者があなたと別の県で逮捕され、その県の裁判所に二人分の事件がまとめられたら、どうなる? あなたは地元から遠く離れた裁判所に通うことになるかもしれない。だが裁判所が「併せて審判する必要はない」と判断すれば、第7条であなたの事件だけ本来の管轄裁判所へ戻る可能性がある
- 三人の共犯のうち、主犯格の事件が複雑で長期化。あなたの関与は軽微だった。裁判所はあなたの事件を切り離し、本来の管轄裁判所へ移送する。あなたの裁判は、主犯の長い審理に巻き込まれずに済む
- 移送決定の通知が届いた。次回期日まであと十日。弁護人は新しい裁判所での記録引き継ぎと、証人の出廷可否を一から組み直さなければならない。審理する場所が変わるだけで、防御の段取りがやり直しになる
取るべき行動
被害を受けた側:被害者として刑事裁判に参加したい場合(被害者参加制度、刑訴法316条の33以下)、事件がどの裁判所に係属するかは出廷の負担に直結する。関連事件が遠方の裁判所にまとめられそうなら、検察官に対し、傍聴・参加のしやすさへの配慮を早めに伝える。第7条の移送は裁判所の職権だが、検察官を経由して被害者の事情を裁判所に届ける余地はある。
訴えられた側:複数の関連事件に巻き込まれたら、まず弁護人と「併合審理が有利か、分離・移送が有利か」を戦略的に検討する。主犯の重い事件と切り離したいなら、第7条の移送を促す意見を、裁判所が方針を固める前に提出する。逆に併合を望むなら6条を主張する。移送決定は職権で、不服申立ての可否は限定的とされるため、決定前の働きかけが決定的になる。
時効(請求できる期限):第7条の移送に特定の期限はないが、裁判所が併合審理の方針を固める前、すなわち審理が本格化する前の段階で意見を述べることが実務上重要。移送決定に対する不服申立ては、判決前の訴訟手続に関する決定として原則制限される(刑訴法420条1項、実務上、可否の解釈が分かれている)。
学説
通説:7条の移送は、6条による併合後に「併せて審判する必要がない」関連事件を切り離すためのもので、審理の効率と各事件の適正処理を事案ごとに調整する裁判所の裁量規定と解される。移送決定は判決前の訴訟手続に関する決定として、不服申立ては原則制限される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定に伴い、関連事件の併合管轄(6条)と対をなす移送規定として整備された。
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