刑事訴訟法 第313条
クイックジャンプ
- 裁判所は、適当と認めるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、決定を以て、弁論を分離し若しくは併合し、又は終結した弁論を再開することができる。
- 2.裁判所は、被告人の権利を保護するため必要があるときは、裁判所の規則の定めるところにより、決定を以て弁論を分離しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第313条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第313条の条文原文は「裁判所は、適当と認めるときは、検察官、被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で、決定を以て、弁論を分離し若しくは併合し、又は終結した弁論を再開することができる…」で始まります。
- 刑事訴訟法第313条は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第313条の前の条は刑事訴訟法第312条の2です。
- 刑事訴訟法第313条の次の条は刑事訴訟法第313条の2です。
- 刑事訴訟法第313条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第313条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第313条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/313
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法313条は、裁判所が請求または職権で弁論を分離・併合・再開できると定める。被告人の権利保護に必要なときは弁論の分離が義務づけられる。
Q · 共犯として隣に座る相手が不利な供述を並べてきたら、その場で反対尋問できないの?
原則は裁判所の裁量だが、被告人側も分離を請求でき、権利保護に必要なら分離は義務
刑事訴訟法313条により、弁論の分離・併合・再開は裁判所が請求または職権で決めますが、被告人・弁護人の側からも請求できます。併合審理のままでは共同被告人は『証人』ではないため宣誓のうえの反対尋問ができませんが、弁論を分離すれば相手は別事件の証人となり、偽証罪の制裁を背景に反対尋問できます。さらに第2項は、被告人の権利保護に必要なときは分離を裁判所の義務とします。利益相反が明白な共犯事件では、裁量ではなく義務として分離を迫れます。
解説
共犯者として起訴され、法廷で隣に座る相手があなたに不利な供述を並べ始めた。普通の被告人は、ただ黙って聞くしかないと思い込む。だが刑事訴訟法313条は、裁判所が弁論を「分離」「併合」「再開」できると定めている。ここにあなたの防御の隠れたレバーがある。共同被告人として一緒に裁かれている限り、相手はあなたの事件の「証人」ではないため、宣誓のうえでの反対尋問ができない(被告人質問で問うしかなく、相手には黙秘の自由がある)。ところが弁論を分離すれば、相手は別事件の証人となり、弁護人が偽証罪の制裁を背景に反対尋問で供述の矛盾を突ける。さらに第2項は、被告人の権利保護に必要なとき、裁判所は分離「しなければならない」と義務づける。逆に、バラバラに進む関連事件を併合すれば証拠を一度に整理でき、結審後に決定的な新証拠が出れば再開を求められる。実際に弁論を動かすのは裁判所だが、その引き金を引くよう求めるのはあなたと弁護人だ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法313条は弁論の分離・併合・再開を定める規定であり、裁判所が検察官・被告人・弁護人の請求または職権に基づき、決定をもって弁論を分離・併合し、終結した弁論を再開できる旨を規定する。第2項は、被告人の権利を保護するため必要があるときの弁論分離を裁判所の義務とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.共同被告人の供述が固まる前に分離を検討する 共犯者があなたに責任を押し付ける供述を始めたら、弁護人と早期に弁論分離(313条1項)を協議する。相手の被告人質問が進んでからでは証人化のタイミングを逃すため、公判の早い段階で動くことが鍵
- 2.利益相反を根拠に分離を請求する 共同被告人間の利害対立が明白なら、弁護人を通じて弁論分離請求書を提出する。利益相反が深刻な場合は313条2項の『権利保護のための分離義務』を主張し、裁判所の裁量ではなく義務として迫る
- 3.分離後に共同被告人を証人として反対尋問する 分離が認められたら、別事件の証人となった相手を尋問請求し、宣誓のうえで反対尋問する。偽証罪の制裁を背景に、責任転嫁の動機と供述の矛盾を正面から突く(刑訴304条の方式)
- 4.結審後の新証拠は判決言渡し前に再開請求 結審後にアリバイ映像など決定的な新証拠が出たら、判決期日が来る前に弁論再開請求書を提出する。判決言渡しを過ぎると控訴審でしか争えず、新証拠採用のハードルが跳ね上がる
よくある質問 AI による整理
Q1弁論の分離とは何ですか?
併合して審理していた共犯者の事件を別々に切り分けて審理することです。分離されると共同被告人は別事件の証人となり、宣誓のうえで反対尋問できるようになります(刑訴313条)。
Q2弁論の併合とは何ですか?
関連する複数の被告事件を一つの手続でまとめて審理することです。証拠を一度に整理でき訴訟経済に適いますが、共同被告人間で供述が相互汚染するリスクがあります(刑訴313条)。
Q3共同被告人を証人として尋問できますか?
併合審理のままでは証人適格がなく被告人質問しかできませんが、弁論を分離すれば別事件の証人となり、宣誓のうえ反対尋問できます。これが分離の最大の戦略的価値です。
Q4弁論の分離は被告人から請求できますか?
できます。313条1項は検察官・被告人・弁護人の請求による分離・併合・再開を明記しています。裁判所の職権任せではなく、防御側から能動的に請求できます。
Q5弁論の再開はいつまで請求できますか?
判決の言渡し前までです。結審後に決定的な新証拠が出たら、判決期日が来る前に再開を請求します。期日を過ぎると控訴審でしか争えなくなります(刑訴313条1項)。
Q6弁論の分離が義務になるのはどんな場合ですか?
被告人の権利を保護するため必要があるときです(313条2項)。共同被告人間の利益相反が明白で、併合のままでは反対尋問権や黙秘権が侵害される場合などが典型です。
Q7特殊詐欺で複数まとめて起訴された場合、分離した方が有利ですか?
関与が限定的なら、分離で自分の事件だけ先に区切り、主犯の供述の渦から逃れる選択肢があります。一方、証拠が共通し共闘が有利なら併合維持も検討します。一概には言えません。
Q8弁論の分離・併合の決定に不服があるときは?
分離・併合は裁判所の訴訟指揮に関する決定で、独立した上訴の対象になりにくいのが実務です。争うなら判決に対する控訴の中で手続違背として主張するのが基本です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1共犯の相手が法廷で全部こっちのせいにしてくるんですが、その場で反論できないんですか?
併合審理のままだと、相手は『共同被告人』なので宣誓のうえの証人尋問ができず、反対尋問で崩しにくい。だが弁論を分離(313条1項)すれば相手は別事件の証人となり、弁護人が偽証罪の制裁を背景に反対尋問できる。実務のポイント:分離して証人化させるか、併合のまま被告人質問で攻めるか、この選択は防御戦略の分水嶺。弁護人が分離請求を切り出すタイミングで結果が変わるため、相手の供述が固まる前に動けるかが鍵になる
Q2一度結審したのに、後からアリバイを証明する証拠が出たら、もう手遅れですか?
判決の言渡し前であれば、弁論の再開(313条1項)を請求できる。裁判所が認めれば審理が再開し、新証拠を取り調べられる。実務のポイント:再開を認めるかは裁判所の裁量だが、無罪を左右する決定的証拠なら認められやすい。問題はタイミングで、判決期日を過ぎれば控訴審(刑事訴訟法372条以下)でしか争えず、新証拠採用のハードルが跳ね上がる。結審後に証拠が出たら、判決期日が来る前に再開請求書を出すスピードが命になる
間違えやすい点 AI による整理
- 弁論の分離・併合は裁判所が職権で勝手に決めるもので、被告人は口を出せないと思われている。実際には、313条1項は検察官・被告人・弁護人の「請求」による分離・併合・再開を明記しており、あなたの側から能動的に求められる。動かないのは権利を知らないからにすぎない
- あなたから見れば共犯者は「同じ船に乗った仲間」だが、法律から見れば、分離された瞬間に相手は「あなたを不利にしうる証人」へと立場が変わる。この視角の落差を理解しないまま併合審理を漫然と続けると、相手があなたに責任を押し付ける供述を、反対尋問できないまま積み上げられてしまう
- 「併合審理は手間が一度で済んで被告に有利」と知っている人は多い。だがその併合が、共同被告人間の供述の相互汚染を招き、あなたの黙秘権や反対尋問権を実質的に削り取るという深刻さまでは見えていない。効率の裏で防御権が静かに目減りしている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の機能 | 313条:弁論の分離・併合・再開(審理単位の組み替え) | 311条:被告人質問と供述拒否権(共同被告人尋問の制約) 304条:証人尋問の方式(分離後の尋問手順) |
| 共同被告人の立場 | 分離すれば証人へ、併合なら被告人のまま | 被告人質問では黙秘の自由があり崩しにくい 証人となれば宣誓・偽証罪を背景に反対尋問可 |
| 発動の主体 | 検察官・被告人・弁護人の請求または職権 | 被告人質問は裁判長・陪席・当事者が随時可 証人尋問は当事者の請求または職権 |
| 隣接する手続管理 | 313条:審理を分ける/まとめる/再開する | 314条:公判手続の停止(心神喪失等) 315条:公判手続の更新(裁判官交代等) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も相牽連案件の併合と分離調查・審判を認める。共同被告人の供述の信用性確保のため分離調查を活用する点で日本と問題意識が共通する
韓国も裁判所の裁量で弁論の分離・併合を認める。共同被告人の証人化の扱いをめぐる議論も日本と類似する
ドイツは関連刑事事件の併合(Verbindung)と分離(Trennung)を規定。手続経済と被告人の防御権の調和という構造は日本313条と同型
米国は Rule 8で併合、Rule 14で不当な併合からの救済(severance)を規定。共同被告人の供述が他の被告人を害する場合の分離は日本の権利保護分離に近い発想
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 共犯とされ、主犯格と併合審理されている。隣の被告人が「指示されただけ」「主導したのはこいつ」とあなたに責任を押し付ける供述を続ける。弁護人が弁論分離を請求し、相手を証人席に立たせれば、宣誓のうえで反対尋問でき、責任転嫁の動機と供述の矛盾を正面から突ける。併合のまま被告人質問で攻めるか、分離して証人化させるか、その一手で防御の構図が変わる
- もし結審した後に、犯行時刻に別の場所にいたことを証明する防犯カメラ映像が見つかったら、もう手遅れなのか。判決の言渡し前であれば、弁論の再開(313条1項)を請求できる。動けるのはこの一瞬だけで、判決期日が来てしまえば控訴審でしか争えなくなる
- 特殊詐欺グループの末端として5人まとめて起訴された。審理は長引き、保釈の見通しも遠のく。自分の関与は限定的なら、分離で自分の事件だけ先に区切る道がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 共犯者の供述で不利にされているなら、弁護人に、相手を証人として尋問するための弁論分離(313条1項)を早期に請求するよう求める2. 相手の被告人質問が進む前のタイミングが勝負、進んでからでは証言の機会を作りにくい3. 利益相反が明白なら、第2項の権利保護のための分離「義務」を主張し、裁判所の裁量ではなく義務として迫る4. 分離後は相手を証人として反対尋問し、供述の矛盾と責任転嫁の動機を突く
訴えられた側:1. 共犯者と証拠が共通し、まとめて争う方が有利なら、弁論の併合を維持・請求する2. 分離されると共同被告人が証人化してあなたに不利な証言をする危険があるため、相手側の分離請求への対応を弁護人と事前に準備する3. 結審後に有利な新証拠が出たら、判決の言渡し前に弁論再開を請求する4. 審理の長期化が保釈や裁判官の心証に響くなら、分離で自分の事件を先行させる選択肢も検討する
時効(請求できる期限):弁論の分離・併合の請求自体に法定の期限はないが、共同被告人を証人化する効果を得るには、相手の供述が固まる前の早期請求が実務上の鍵。弁論の再開(313条1項)は判決の言渡し前まで、結審後に新証拠が出た場合はこの一瞬を逃すと控訴審でしか争えない
学説
通説:313条1項の分離・併合・再開は裁判所の合理的裁量に委ねられるが、第2項は被告人の防御権保障のための最低限の歯止めとして分離を義務化する。共同被告人間の利益相反や供述の相互汚染がある場合、分離義務は実質的な防御権保障として機能すると解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:新憲法下で刑事訴訟法を全面改正(昭和23年法律第131号)。米国流の当事者主義を導入し、弁論の分離・併合・再開を裁判所の訴訟指揮権限として整備するとともに、被告人の権利保護のための分離義務(2項)を明文化
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める