刑事訴訟法 第315条
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開廷後裁判官がかわつたときは、公判手続を更新しなければならない。但し、判決の宣告をする場合は、この限りでない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第315条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第315条の条文原文は「開廷後裁判官がかわつたときは、公判手続を更新しなければならない。但し、判決の宣告をする場合は、この限りでない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第315条は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第315条の前の条は刑事訴訟法第314条です。
- 刑事訴訟法第315条の次の条は刑事訴訟法第315条の2です。
- 刑事訴訟法第315条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第315条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第315条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/315
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法315条は、開廷後に裁判官が交代したときは公判手続を更新しなければならないと定める。判決の宣告のみを行う場合は更新不要である(但書)。
Q · 裁判の途中で裁判官が代わったら、それまでの審理はどうなるの?
公判手続を更新し、新任裁判官の前でやり直します
刑事訴訟法315条により、開廷後に裁判官が交代したときは公判手続を更新しなければなりません。更新とは、それまでの審理を新任裁判官の前でやり直す手続です。判決を書く裁判官は自分の目と耳で証拠を確かめた者でなければならない(直接主義)からです。実務では証拠書類の朗読を簡略化して済ませることが多いですが、被告人・弁護人が求めれば重要証人の再尋問も可能です。ただし判決の宣告だけをする場合は更新は不要です(但書)。
解説
刑事裁判が一年、二年と続くうちに、担当裁判官が転勤や定年で入れ替わる。そのとき何が起きるか、知っている人は少ない。刑事訴訟法315条はこう命じる。開廷後に裁判官がかわったら、公判手続を更新しなければならない、と。更新とは、それまでの審理を新しい裁判官の前でやり直す手続だ。なぜそんな面倒をするのか。日本の刑事裁判は直接主義に立つからである。判決を書く裁判官は、自分の目と耳で証拠を確かめた者でなければならない。前任者が聞いた証言を、後任者が記録だけ読んで判決を書くことは、本来許されない。実務では証拠書類の朗読を簡略化して済ませることが多いが、ここにあなたの武器が眠っている。裁判官が代わった瞬間、あなたの弁護人は重要証人をもう一度、新任裁判官の目の前で尋問するよう求められる。判決を下す人間に、生の証言を聞かせ直す最後の機会だ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法315条は公判手続の更新を定める規定であり、開廷後に審理を担当する裁判官が交代した場合、新任裁判官の前で従前の公判手続をやり直すことを要求する。判決を下す裁判官が自ら証拠調べに関与したことを求める直接主義の表れであり、判決の宣告のみを行う場合は例外として更新を要しない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.裁判官の交代を公判調書で監視する 公判が長期化したら、毎回の公判調書で審理に関与した裁判官の氏名を確認する。定期人事異動(毎年三月)前後は交代リスクが高い。交代の内示・連絡を受けたら直ちに次の手順へ進む
- 2.弁護人と更新手続の方針を協議する 前任裁判官の心証が不利だったかを評価し、更新を仕切り直しのチャンスとして使うか、書面朗読で簡潔に済ませるかを決める。無罪を争う事件で不利な心証なら、再尋問による仕切り直しを検討する
- 3.重要証人の再尋問を更新手続の段階で請求する 更新手続は次回公判期日に行われるため、再尋問を求めるならその段階で請求する。新任裁判官に生の証言を直接聞かせ直す最後の機会であり、朗読で流すと再起動のチャンスは消える
- 4.更新の形骸化を確認し、必要なら控訴で争う 更新手続が省略・形骸化していないか公判調書で確認する。直接主義違反が疑われる場合は、判決後の控訴(訴訟手続の法令違反、刑訴379条)で争う準備をする
よくある質問 AI による整理
Q1公判手続の更新とは何ですか?
開廷後に裁判官が交代したとき、それまでの審理を新任裁判官の前でやり直す手続です。判決を書く裁判官は自ら証拠調べに関与した者でなければならないという直接主義を担保します(刑訴315条)。
Q2裁判官が交代すると裁判はやり直しになりますか?
原則として公判手続を更新します。ただし実務では証拠書類の朗読を簡略化することが多く、全証人を呼び直すとは限りません。被告人・弁護人が求めれば重要証人の再尋問が認められます。
Q3公判手続の更新を怠るとどうなりますか?
直接主義に反する訴訟手続の法令違反となり、判決後の控訴理由になりえます(刑訴379条)。更新がきちんと行われたかは公判調書で確認できます。
Q4判決の宣告だけなら裁判官が代わってもいいのですか?
315条但書により、判決の宣告のみを行う場合は更新不要です。判決内容は評議で確定済みで、宣告は読み上げる行為にすぎないためです。
Q5公判手続の更新はどうやって行いますか?
次回公判期日に、起訴状朗読・従前の証拠調べ結果の要旨告知や証拠書類の朗読などを行います。具体的な方式は刑事訴訟規則213条の2が定めます。
Q6直接主義とは何ですか?
判決を下す裁判官が自らの目と耳で証拠を取り調べなければならないとする原則です。前任者が聞いた証言を後任者が記録だけ読んで判決を書くことを許さない考え方で、315条はこれを手続面で支えます。
Q7裁判員裁判でも公判手続の更新はありますか?
あります。裁判官や裁判員が交代すれば更新が必要です。これを避けるため、公判前整理手続で争点を絞り、連日的開廷(集中審理)で短期に終わらせる運用が定着しています。
Q8簡易公判手続でも更新は必要ですか?
簡易公判手続では原則として更新は不要ですが、検察官・被告人・弁護人が請求すれば更新されます(刑訴315条の2但書)。自白事件でも新任裁判官の心証形成の起点が変わります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判の途中で裁判官が代わったら、また一から証人尋問をやり直すんですか?
原則は更新ですが、実務では証拠書類の朗読を「○号証から○号証まで、同意」と簡略化して済ませることが多いです。ただし被告人・弁護人が重要証人の再尋問を求めれば認められうる(315条、刑事訴訟規則213条の2)。実務のポイント:更新を形式的に流すか、再尋問を求めるかは弁護戦略そのもの。前任裁判官の心証が不利だったなら、更新は仕切り直しのチャンス。新任裁判官に生の証言を聞かせ直せる最後の機会を、ただの朗読で流すのはもったいない
Q2判決を言い渡す日に、裁判官が代わっていることってあるんですか?
315条但書により、判決の宣告だけをする場合は更新不要です。判決内容は評議で確定済みで、宣告は読み上げる行為だからです。ただし合議体では、評議に関与した裁判官が宣告するのが原則。実務のポイント:単独事件で、判決書まで作成した裁判官が異動した直後、後任が宣告だけすることは制度上ありえます。誰が心証を形成したのかを確認したいなら、公判調書で実際に審理へ関与した裁判官を遡って確認できる
間違えやすい点 AI による整理
- 裁判官が代わっても、記録が残っているから前の審理がそのまま引き継がれると思われている。実は逆で、原則は新任裁判官の前でのやり直し(更新)。記録の引き継ぎだけで判決を書くことは、直接主義に反する
- 更新手続があることは知っていても、それが単なる形式ではないことまでは知らない人が多い。実務では証拠書類の朗読を簡略化するが、被告人側が求めれば重要証人の再尋問が可能で、新任裁判官の心証形成をやり直させる実質的な力を持つ
- 「裁判官が代わると不利になるのでは」と心配する人がいるが、問いの立て方が逆だ。代わること自体が問題なのではなく、代わったのに更新を怠ることが問題。更新がきちんと行われるかどうか、そこを監視するのが正しい視点である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用場面 | 315条:開廷後に裁判官が交代したとき | 315条の2:簡易公判手続における更新の特則 314条:被告人の心神喪失等による公判手続の停止 |
| 効果 | 公判手続を更新(新任裁判官の前でやり直し) | 原則更新不要、当事者の請求があれば更新 公判手続を停止(事由解消まで進行しない) |
| 例外・但書 | 判決の宣告のみを行う場合は更新不要(但書) | 検察官・被告人・弁護人の請求で更新を要する 回復の見込みや軽微性等による停止の例外あり |
| 趣旨 | 直接主義の担保(判決者=証拠調べ関与者) | 自白事件における訴訟経済との調整 被告人の防御能力の確保 |
他国ではどう定めているか 4 か国
審判期日には参与した裁判官が始終出廷すべきとし、更易があれば審判手続を更新すると定める。日本315条と同趣旨の直接主義担保規定
公判開廷後に判事が交代したときは公判手続を更新すると定める。日本法をほぼそのまま継受した構造
裁判官の継続的在廷(§ 226)と直接主義(§ 261、公判の総体に基づく心証形成)を要求。裁判体が変われば原則として公判のやり直し(Aussetzung)を要する
公判中の裁判官の死亡・疾病等による交代を規律。陪審審理では同一陪審が全証拠を聴取する原則があり、機能的に直接主義に対応する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの裁判が二年目に入ったころ、担当裁判官に異動の内示が出た。三月の定期人事異動まであと一か月。新任裁判官の前で更新手続が始まり、これまでの審理が形式上やり直される。証人をもう一度呼ぶか、書面の朗読で済ませるか、弁護方針の岐路に立たされる
- もし、無罪を争っている裁判の途中で裁判官が代わったら、せっかく積み上げた有利な心証はリセットされるのか。答えは、更新手続を通じて新任裁判官が一から心証を作り直すということ。前任者が抱いた感触は、後任者には引き継がれない
- 判決直前に裁判長が病気で交代した。だが判決の宣告だけなら更新は不要だ(但書)。あなたの事件は、すでに評議で結論が出ていた。
取るべき行動
被害を受けた側:あなたが被害者参加制度で刑事裁判に関与している場合、裁判官の交代は審理の長期化を意味する。1. 更新手続が予定されたら、参加弁護士に再尋問の要否を確認する2. あなたが意見陳述や被告人質問を行った内容も、新任裁判官は記録で把握するが、重要なら口頭で改めて伝える機会を求める3. 審理の遅延が精神的負担なら、その旨を検察官に伝え、連日的開廷の運用を相談する
訴えられた側:1. 裁判官交代の連絡を受けたら、弁護人と更新手続の方針を即協議する2. 前任裁判官の心証が不利だったなら、更新を逆手に取り、重要証人の再尋問を請求して新任裁判官に直接印象づける3. 逆に有利な審理が積み上がっているなら、書面の朗読で簡潔に更新し、無用な蒸し返しを避ける4. 更新手続が省略・形骸化していないか公判調書で確認する。直接主義違反は控訴理由になりうる
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。裁判官の交代後、更新手続は次回公判期日に行われるため、証人の再尋問を求めるなら、その更新手続の段階で請求する必要がある。更新手続の不履行・違法は、判決後の控訴(刑事訴訟法379条、訴訟手続の法令違反)で争うことになる
学説
通説:315条の公判手続更新は直接主義の手続的担保であり、判決を下す裁判官が自ら証拠調べに関与したことを要求する。更新の方式は刑事訴訟規則213条の2に従い実務上柔軟に運用されるが、その懈怠は訴訟手続の法令違反として控訴理由になりうるとする。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定により、直接主義を担保する公判手続更新義務として315条が置かれた。判決の宣告のみの場合を除く旨の但書を伴う。
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