刑事訴訟法 第498条の2
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- 不正に作られた電磁的記録又は没収された電磁的記録に係る記録媒体を返還し、又は交付する場合には、当該電磁的記録を消去し、又は当該電磁的記録が不正に利用されないようにする処分をしなければならない。
- 2.不正に作られた電磁的記録については、複写を許してはならない。
- 3.不正に作られた電磁的記録に係る記録媒体が公務所に属する場合において、当該電磁的記録に係る記録媒体が押収されていないときは、不正に作られた部分を公務所に通知して相当な処分をさせなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第498条の2は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第498条の2の条文原文は「不正に作られた電磁的記録又は没収された電磁的記録に係る記録媒体を返還し、又は交付する場合には、当該電磁的記録を消去し、又は当該電磁的記録が不正に利用されないよう…」で始まります。
- 刑事訴訟法第498条の2は第一章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第498条の2の前の条は刑事訴訟法第498条です。
- 刑事訴訟法第498条の2の次の条は刑事訴訟法第499条です。
- 刑事訴訟法第498条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第498条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第498条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/498_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法498条の2は、不正な電磁的記録の入った記録媒体を返還する際、当該記録を消去又は無害化してから返すよう執行機関に義務づける規定である。
Q · 没収されたデータ入りの USB やスマホは、もう返ってこないの?
媒体は返るが、不正データは消去されてから戻る
刑事訴訟法498条の2第1項により、不正に作られた又は没収された電磁的記録の入った記録媒体を返還・交付する場合、執行機関は当該記録を消去するか、不正に利用されないようにする処分をしてから渡さなければなりません。媒体まるごと永久没収ではなく、不正部分のみを無害化して媒体は返るのが原則です。第2項は、押収できない公務所の記録媒体に不正記録がある場合、公務所へ通知して相当な処分(訂正・削除)をさせる仕組みを定めています。
解説
スマホ、USB メモリ、ノート PC。捜査で押収され、中身が「不正に作られた電磁的記録」だと判断されると、それは没収の対象になる。ここで多くの人が誤解する。媒体まるごと永久に取り上げられる、と。実際は違う。刑事訴訟法498条の2は、不正なデータが入った記録媒体を持ち主に返す、あるいは第三者に交付するとき、その不正データを消去するか、二度と悪用されないようにする処分をしてから渡せ、と執行機関に義務づけている。つまり媒体は戻ってくる、ただし不正部分は無害化されてから。さらに第2項は、不正データが役所のシステム(公的データベース)に紛れ込み、それを押収できない場合に、役所へ通知して直させる仕組みを置いている。あなたの個人情報を勝手に使った偽の電子記録が、行政の台帳に残り続けないための安全弁が、この目立たない一条に仕込まれている。
法的な位置づけ
刑事訴訟法498条の2は、電磁的記録に係る記録媒体の返還・交付に伴う執行上の処分を定める規定である。不正に作られた又は没収された電磁的記録について、消去又は不正利用防止の処分を施したうえで媒体を返還すべきこと、及び押収できない公務所の記録媒体については公務所への通知による是正を求めることを規律する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.返還通知を受けたら消去対象の範囲を真っ先に確認 押収物の返還・交付の通知を受け取ったら、受け取る前に『どの電磁的記録が消去・無害化の対象か』を弁護人を通じて書面で確認する。業務データや家族の記録など正規データが混在する場合は特に必須
- 2.『消去』か『不正利用防止処分』かを特定 本条は『消去』と『不正に利用されないようにする処分』の二択を執行機関に委ねている。どちらが予定されているかで残存データの有無が変わるため、処分方法を明示的に確認する
- 3.正規データと不正データの線引きを弁護人と詰める サーバーイメージ複製などで正規業務データと不正記録が混在する場合、どこまでが『不正に作られた部分』として消去対象になるかを弁護人と特定する。曖昧なまま執行されると生きた業務データを巻き添えで失う
- 4.不服があれば執行への異議を処分前に申し立てる 消去範囲や処分方法に不服がある場合、裁判の執行に関する異議(刑訴502条)の余地を検討し、執行指揮があった後すみやかに申し立てる。返還後に巻き添え消去を争うのは困難
よくある質問 AI による整理
Q1電磁的記録の没収とは何ですか?
媒体上のデータ(電磁的記録)を刑の対象として取り上げることです。不正に作られた記録が対象で、刑訴498条の2により返還時に消去・無害化されます。
Q2刑事訴訟法498条の2とは何ですか?
没収・不正な電磁的記録の入った媒体を返す際、データを消去するか不正利用されない処分をしてから返すことを執行機関に義務づける規定です。
Q3没収されたパソコンのデータは消去されますか?
不正に作られた電磁的記録と認定された部分は消去または無害化されます。正規の業務データまで巻き添えにしないよう、返還前の範囲確認が重要です。
Q4不正な電磁的記録の消去はいつ行われますか?
記録媒体を持ち主や第三者へ返還・交付する局面で行われます。返還手続の前が、消去対象の範囲を交渉できる最後のタイミングです。
Q5役所のデータにある偽記録は訂正できますか?
押収できない公務所の記録媒体に不正記録がある場合、刑訴498条の2第2項により検察官が公務所へ通知し、相当な処分をさせる義務があります。
Q6没収物の返還に不服があるときどうしますか?
裁判の執行に関する異議(刑訴502条)を検討します。返還を受けた後に巻き添え消去を争うのは困難なため、処分前に動くのが鉄則です。
Q7電磁的記録不正作出罪とは何ですか?
権利義務や事実証明に関する電磁的記録を不正に作る罪です(刑法161条の2)。この罪で生じた記録が、498条の2の消去対象となります。
Q8デジタル証拠の押収で正規データも消されますか?
消去対象は不正に作られた部分に限られます。正規データと混在する場合は線引きが必要なため、弁護人を通じて範囲を特定させるべきです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1没収されたスマホって、もう返ってこないんですか?
中のデータが『不正に作られた電磁的記録』として没収対象になっても、媒体自体は不正データを消去または無害化したうえで返還・交付されるのが原則です(刑訴498条の2第1項)。媒体まるごと永久没収ではありません。実務のポイント:実務では『消去』か『不正利用防止処分』かで残るデータが変わります。正規データの巻き添えを避けたいなら、返還前に消去範囲を弁護人経由で特定させるのが鍵。受け取ってからでは遅い
Q2役所のデータに勝手に作られた偽の記録、消してもらえるんですか?
押収できない公的記録に不正な電磁的記録がある場合、検察官が公務所に通知して相当な処分(訂正・削除)をさせる義務があります(同条 第2項)。あなたが個別に役所と交渉するより、刑事手続に乗せた方が動きが早いことがあります。実務のポイント:この第2項は知名度が低く、被害者側の弁護士でも刑事手続中に積極活用する例は多くない。刑事事件の進行に合わせて検察官に促すと、民事の是正請求より先に役所が動くケースがある
間違えやすい点 AI による整理
- 「没収されたデバイスは二度と返ってこない」と思われがちだが、不正データを消去または無害化したうえで、媒体自体は返還・交付されるのが原則。没収の対象は『不正に作られた電磁的記録』であって、媒体そのものを永久に奪うための条文ではない
- この条文を『データを消すだけの地味な手続』と理解している人は、その射程の深さを見落としている。第2項は押収すらできない公的データベース上の偽記録にまで効力を及ぼし、役所に是正を強制する。物理媒体の処理にとどまらず、行政記録の正確性を守る装置でもある
- 「不正データは全部きれいに消える」と安心するのは早い。条文は『消去』または『不正に利用されないようにする処分』の二択を執行機関に委ねている。完全消去とは限らず、アクセス制限などの別手段で済ませる場合もある。あなたから見れば消えたつもりが、技術的には残存している、という落差がありうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象と局面 | 498条の2:電磁的記録媒体の返還・交付時のデータ消去/無害化 | 498条:偽造・変造された物の返還・公務所通知(物に関する対応) 496条:没収物は検察官が処分する(処分の一般原則) |
| 義務の内容 | 不正な電磁的記録を消去又は不正利用されない処分をしてから返す | 偽造部分の表示・除去等の処分をして返還 没収物全般の換価・処分・交付 |
| 公務所への対応 | 押収できない公務所の記録媒体は通知して相当な処分をさせる(第2項) | 偽造物が公務所に属するときの通知規定あり 規定なし(一般処分のみ) |
| 不服申立て | 502条の執行異議で処分前に争う | 502条の執行異議 497条の交付請求・502条の執行異議 |
他国ではどう定めているか 1 か国
台湾も没収物の処分手続を有し、不法な電磁紀録の没収根拠を刑法に置く。返還時のデータ消去を独立の明文条項とする点で日本の方が手続が細密
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 誰かがあなたの名義で偽の電子的な在職証明や電子契約データを作り、それが事件の証拠として押収された。裁判が終わって媒体が容疑者側に返るとき、この条文がなければ偽データはそのまま戻る。498条の2があるから、あなたを騙る不正記録は消去されてから返却される。被害者が知らない場所で守りの工程が回っている
- もし、あなたの住民記録や登記情報が何者かに改ざんされ、その偽の電磁的記録が役所のサーバーに残っていたとしたら? 第2項は、押収できない公的記録について、検察官が役所へ通知し、相当な処分(訂正や削除)をさせる義務を定める。泣き寝入りで放置されない仕組みだ
- あなたのノート PC が押収され、一部に不正データがあると認定された。返却前に正規の仕事ファイルまで消されないか。返還手続の前が、範囲を交渉できる最後の窓だ。執行が動き出したら、もう止まらない
- 会社のサーバーがイメージごと複製・押収され、不正アクセスで作られたログが正規の業務データと混在していた。返還時、どこまでが「不正に作られた部分」として消去対象になるのか。線引きを弁護人と詰めないと、生きた業務データを巻き添えで失う
取るべき行動
被害を受けた側:1. あなたを騙る偽の電磁的記録が刑事事件の証拠になっていると分かったら、被害申告と並行して、その記録の没収・消去がどう扱われるかを担当検察官に確認する2. 公的データベース(住民記録・登記等)に偽記録が残る場合、第2項の公務所通知を促し、役所側の訂正処分を求める3. 名誉・信用の回復は民事(民法709条)で別軌道に並行させる。刑事の消去だけでは、あなたが被った損害そのものは回復しない
訴えられた側:1. 押収された媒体に業務データや家族写真など正規データが混在するなら、返還前に弁護人を通じて消去範囲を特定させる2. 『消去』か『不正利用防止処分』かで残存の有無が変わるため、どちらの処分が予定されているか確認する3. 不服があれば裁判の執行に関する異議(刑事訴訟法502条)の余地を検討。返還を受けた後に巻き添え消去を争うのは困難なので、必ず処分前に動く
時効(請求できる期限):没収の執行に伴う処分であり、本条自体に固有の出訴期間はない。没収という刑の執行は刑の時効(刑法 第32条)の枠内で行われ、返還・交付の局面で本条の消去義務が発生する。執行への不服は、執行指揮があった後すみやかに異議申立て(刑事訴訟法 第502条)を検討すべき(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成23年(2011年)新設 情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律により新設。電磁的記録の没収・返還に伴って不正に作られた電磁的記録を消去または無害化する執行手続と、押収できない公的記録についての公務所通知手続を整備した
改正の年表
- 1.平成23年(2011年) 新設:情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律により新設。電磁的記録の没収・返還に伴う消去・無害化の執行手続と、押収できない公務所の記録についての公務所通知手続を整備した
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