刑事訴訟法 第499条
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- 押収物の還付を受けるべき者の所在が判らないため、又はその他の事由によつて、その物を還付することができない場合には、検察官は、その旨を政令で定める方法によつて公告しなければならない。
- 2.第二百二十二条第一項において準用する第百二十三条第一項若しくは第百二十四条第一項の規定又は第二百二十条第二項の規定により押収物を還付しようとするときも、前項と同様とする。この場合において、同項中「検察官」とあるのは、「検察官又は司法警察員」とする。
- 3.前二項の規定による公告をした日から六箇月以内に還付の請求がないときは、その物は、国庫に帰属する。
- 4.前項の期間内でも、価値のない物は、これを廃棄し、保管に不便な物は、これを公売してその代価を保管することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第499条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第499条の条文原文は「押収物の還付を受けるべき者の所在が判らないため、又はその他の事由によつて、その物を還付することができない場合には、検察官は、その旨を政令で定める方法によつて公告…」で始まります。
- 刑事訴訟法第499条は第一章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第499条の前の条は刑事訴訟法第498条の2です。
- 刑事訴訟法第499条の次の条は刑事訴訟法第499条の2です。
- 刑事訴訟法第499条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第499条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第499条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/499
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法499条は、押収物を還付できないとき検察官が公告し、公告の日から6か月以内に還付請求がなければ国庫に帰属すると定める。価値のない物は廃棄、保管に不便な物は公売される。
Q · 不起訴になったのに押収されたスマホが返ってこない。放っておいたらどうなるの?
公告から6か月、請求しないと国庫に帰属して戻りません
刑事訴訟法499条により、所在不明等で押収物を還付できないとき検察官(警察押収なら司法警察員)が公告します。公告の日から6か月以内に還付請求がないと、その物は国庫に帰属します(3項)。起算点は事件終結日ではなく公告の日です。価値のない物は6か月を待たず廃棄でき、保管に不便な物は公売されて代価だけが保管されます(4項)。返してほしければ、自分から書面で還付請求を出すことが現物を取り戻す唯一の道です。
解説
スマホ、パソコン、現金、車。捜査でいったん押収された物は、事件が不起訴で終わっても、無罪でも、黙っていれば自動では戻らない。刑訴499条が定めるのは、捜査機関があなたに物を返そうとしても、所在が分からない等の理由で返せないとき、検察官(警察押収なら司法警察員)が政令の方法で「公告」をするという仕組みだ。問題はその後にある。公告の日から6か月以内に還付請求がなければ、その物は国庫に帰属する(3項)。つまり国のものになり、二度と戻らない。さらに価値のない物は6か月を待たず廃棄でき、保管に不便な物は公売されて代金だけが保管される(4項)。あなたが知っておくべきは、起点が「事件が終わった日」ではなく「あなたが見ていないかもしれない公告の日」だという一点だ。返してほしければ、自分から請求する。それが現物を取り戻す唯一の道になる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法499条は、押収物の還付不能時の公告と国庫帰属を定める規定である。還付を受けるべき者の所在不明その他の事由で物を還付できない場合に検察官等が政令の方法で公告し、公告の日から6か月以内に還付請求がないときは当該押収物が国庫に帰属する旨を規律する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.押収目録の写しを入手して保管 押収された物のリスト(押収目録)の写しを必ず入手し保管する。何がいつ押収されたかを客観的に証明できるようにしておくことが、後の還付請求の土台になる
- 2.事件終結後すぐ書面で還付請求を出す 不起訴・終結の通知が来たら待たずに、検察官(捜査段階の警察押収なら司法警察員)宛てに書面で還付請求を提出する。刑訴222条が準用する123条が根拠。公告と6か月の時計を待たず動けば国庫帰属の土俵に乗らない
- 3.引っ越し時は連絡先を捜査機関に届け出る 新住所・連絡先を検察庁または警察に届け出る。連絡不能だと本人通知ではなく公告(1項)が起点となり、気付かぬうちに6か月で国庫帰属(3項)してしまう
- 4.第三者所有物は所有権書類を添えて名乗り出る 友人・家族の事件で自分の物が押収された場合、車検証・領収書・契約書など所有権を示す書類を添えて早期に還付請求する。所有者だと客観的に示せると手続が速い
よくある質問 AI による整理
Q1押収物の還付請求とは?
押収された物を返してもらう手続です。事件終結を待たず書面で検察官(捜査段階の警察押収は司法警察員)に請求できます。刑訴222条が準用する123条が根拠です。
Q2押収物 国庫帰属の期間は?
公告の日から6か月以内に還付請求がないと国庫に帰属します(刑訴499条3項)。起算点は事件終結日ではなく公告の日である点に注意が必要です。
Q3不起訴で押収物が返ってこないときはどうする?
不起訴でも還付請求すれば返ります。検察庁に書面で還付請求を出してください。連絡不能だと公告され、6か月で国庫に帰属してしまいます。
Q4押収物の公告はどこで確認できる?
政令の定める方法で公告されます。所在不明の本人には個別通知されないため、引っ越し時の連絡先変更を怠ると気付けません。
Q5押収された現金は戻ってきますか?
没収対象でなければ還付請求で戻ります。ただし請求せず公告から6か月を過ぎると国庫に帰属し、二度と戻りません。
Q6押収物が勝手に廃棄されることはある?
価値のない物は6か月を待たず廃棄できます(刑訴499条4項)。保管に不便な車などは公売され、代価だけが保管されます。
Q7第三者の物が押収されたら誰が請求する?
所有者本人が還付請求すれば返ります。車検証や領収書など所有を示す書類を添えて早期に名乗り出るのが有効です。
Q8押収物の還付請求に期限はある?
国庫帰属を避けるには公告から6か月以内が事実上の期限です。価値のない物の廃棄や保管困難物の公売は、6か月以内でも実施されえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1不起訴になったのに、押収されたスマホやパソコンが返ってきません。どうすれば?
不起訴でも押収物は当然に返る権利があります。捜査機関に書面で還付請求をしてください(刑訴222条が準用する123条)。検察官または司法警察員が返そうとしても連絡が取れない等の事情があると、公告(499条)され、6か月で国庫帰属します。実務のポイント:捜査機関は積極的に『返しますよ』と追いかけてはくれません。不起訴通知が来たら、その足で還付請求を出すのが鉄則。待つほど廃棄・公売(4項)のリスクが上がります
Q2友人に貸した車が事件で押収されました。私は無関係なのに失うんですか?
所有者であるあなたが還付請求をすれば、留置の必要がない限り返還されます。ただし請求せず捜査機関があなたの所在を把握できなければ公告(499条1項)され、6か月で国庫帰属(3項)。保管に不便な車は6か月以内でも公売されえます(4項)。実務のポイント:第三者所有物の押収では、車検証など所有権を証明する書類を添えて早期に還付請求すると手続が速い。『自分の物だと名乗り出る』ことが最初の一手です
間違えやすい点 AI による整理
- 「押収された物は事件が終われば自動的に返ってくる」と思いがちだが、原則としてあなたが還付請求をしなければ手続は動かない。捜査機関があなたと連絡を取れなければ公告され(1項)、6か月で国庫帰属する(3項)。返却は権利だが、行使しなければ消える権利だ
- 国庫帰属という制度自体は知っていても、その時計が「事件終結の日」ではなく「公告の日」から回ることを知らない人が多い。自分が一度も見ていない官報の公告を起点に6か月が進む。この時間感覚のズレこそが致命的になる
- 「自分は被疑者じゃないから関係ない」という問いの立て方そのものが間違っている。押収は所有者が誰かを問わない。友人・家族・取引先の事件で、あなたの物が巻き込まれて押収され、あなたが名乗り出て請求しなければ、あなたの財産が失われる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 刑訴499条:所在不明等で還付できない場合の公告と国庫帰属 | 刑訴123条:押収物の還付・仮還付の本体規定 刑訴498条:没収物の処分(執行手続) |
| 物の最終的な行き先 | 請求がなければ国庫帰属、価値なき物は廃棄・公売 | 権利者へ還付(返還) 没収判決に基づき国庫へ |
| 本人の行動の要否 | 還付請求しなければ6か月で失う(沈黙=放棄扱い) | 留置の必要がなくなれば還付請求で返る 判決により処分、本人請求の余地は原則なし |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も押収(扣押)物は留置の必要がなくなれば還付するのが原則。無人領取時の処理は提存等で対応し、公告から一定期間で国庫帰属とする日本型の単一条文とは構成が異なる
韓国はほぼ同型の制度を持ち、所在不明等で還付できない場合に公告し、一定期間(条文上3か月)経過後に国庫帰属とする。日本の6か月より短い点が相違
ドイツは押収物の還付・引渡しを規律しつつ、所有者不明物は別途の保管・換価手続で処理する。期間で一律国庫帰属とする日本型の明文とは設計が異なる
米国は押収物返還の『申立て(motion)』を中心に構成し、無主物・未請求物は民事的没収や州の unclaimed property 制度で処理する。公告+期間制の単一刑訴条文とは枠組みが異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし不起訴になったのに、押収されたスマホが返ってこなかったら? 黙って待つ人は、自分宛ての通知ではなく官報の公告(1項)を見逃し、6か月後に端末ごと、中のデータごと国のものになる。請求しなかったという一点だけで失う
- 友人に貸した車が事件に使われて押収された。所有者はあなた。保管に不便な車は6か月を待たずに公売されうる(4項)。残された時間は、あなたが還付請求を出すまでのわずかな猶予だけ。動かなければ、戻ってくるのは現物ではなく目減りした売却代金になる
- 引っ越して連絡先を届けていない。検察官はあなたを見つけられず公告する。あなたは気付かない。6か月後、押収された現金は国庫へ消える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 押収目録(押収された物のリスト)の写しを必ず入手し保管する2. 事件が終結(不起訴・確定)したら待たずに、検察官(捜査段階の警察押収なら司法警察員)宛てに書面で還付請求を出す(刑訴222条が準用する123条) 3. 引っ越したら新住所を捜査機関に届け出る。連絡不能だと公告(1項)され、気付かぬうちに6か月で国庫帰属(3項) 4. 第三者所有物なら所有権を示す書類(車検証・領収書等)を添えて早期に名乗り出る
訴えられた側:1. 起訴・不起訴に関わらず、押収物の還付は有罪無罪とは別問題。弁護人を通じて還付・仮還付(123条)を早期に請求する2. 留置の必要がなくなった物は被告事件の終結を待たずに還付請求できる3. 没収の判決が出ない限り、あなたの所有物は返る権利がある、あきらめない4. 連絡先を弁護人と検察に常に通知し、公告(499条)による国庫帰属を未然に防ぐ
時効(請求できる期限):公告をした日から6か月以内に還付請求をしないと国庫に帰属する(刑訴499条3項)。起算点は『公告の日』であって事件終結の日ではない。さらに価値のない物の廃棄・保管に不便な物の公売は、6か月以内でも実施されうる(同条4項)
学説
通説:本条の公告・国庫帰属は、押収物保管の終結と法律関係の安定を図る一方、所有者に請求の機会を保障する制度と解される。国庫帰属はあくまで請求権の不行使を要件とし、所有者の請求があれば留置の必要がない限り還付される点に趣旨がある。
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