刑事訴訟法 第124条
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- 押収した贓物で留置の必要がないものは、被害者に還付すべき理由が明らかなときに限り、被告事件の終結を待たないで、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、決定でこれを被害者に還付しなければならない。
- 2.前項の規定は、民事訴訟の手続に従い、利害関係人がその権利を主張することを妨げない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第124条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第124条の条文原文は「押収した贓物で留置の必要がないものは、被害者に還付すべき理由が明らかなときに限り、被告事件の終結を待たないで、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、決定でこれ…」で始まります。
- 刑事訴訟法第124条は第九章 押収及び捜索に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第124条の前の条は刑事訴訟法第123条の2です。
- 刑事訴訟法第124条の次の条は刑事訴訟法第124条の2です。
- 刑事訴訟法第124条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第124条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第124条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/124
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法124条は、押収した贓物で留置の必要がないものを、被害者への還付理由が明らかなときに限り、事件の終結を待たず決定で被害者に還付すると定める。
Q · 盗まれた物が証拠品として押収されたら、裁判が終わるまで返ってこないの?
いいえ。証拠の必要がなくなれば終結前でも還付されます
刑事訴訟法124条により、押収された贓物で留置の必要がなく、被害者に還付すべき理由が明らかなものは、被告事件の終結を待たずに、裁判所が決定で被害者に還付しなければなりません。「しなければならない」と義務的に定められており、裁判官の裁量ではありません。ただし還付は占有を戻すだけで、誰が真の所有者かを確定するものではなく、善意で買った第三者などの利害関係人は民事訴訟で権利を主張できます(同条2項)。
解説
自転車を盗まれ、犯人が捕まり、あなたの自転車は警察に証拠品として押収された。ところが「裁判が全部終わるまで返せません」と言われ、結局一年以上手元に戻らない。多くの被害者がこれを当然と諦める。だが刑事訴訟法124条は別の道を用意している。押収された贓物(盗まれた品物)で、もう証拠として留め置く必要がなく、あなたに返すべき理由が明らかなものは、事件の終結を待たずに、裁判所が決定で被害者に還付(押収した物を持ち主に返すこと)しなければならない。「しなければならない」と書かれている、裁判官の気分次第ではない。さらに2項が効いてくる。この還付はあくまで占有を戻すだけで、誰が本当の所有者かを最終確定するものではない。だから善意で買い取った第三者は、別途民事訴訟で権利を争える。刑事で物が戻っても、所有権の決着は民事という二段構えだ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法124条は、押収物のうち贓物(財産犯により被害者から不法に奪われた財物)の被害者還付を定める規定である。留置の必要がなく被害者への還付理由が明らかな場合に、被告事件の終結を待たずに、検察官と被告人・弁護人の意見を聴いて、決定により被害者へ還付する手続を規律する。同条2項は、この還付が民事上の権利主張を妨げない旨を明らかにする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.所有を証明する資料を準備する 盗まれた物が自分の所有であることを示す証拠(購入レシート、保証書、製造番号・シリアル控え、本人と物が写った写真)を集める。複数を組み合わせると還付理由が明らかと判断されやすい
- 2.終結前還付を担当者に申し出る 起訴後は担当検察官、捜査中は警察・検察に、「証拠としての留置はもう必要ないはず。終結を待たず還付してほしい」と書面で明確に伝える
- 3.意見聴取に備える 還付の決定前には検察官・被告人側の意見聴取がある。所有を裏付ける主張と、留置の必要が尽きている理由を整理しておく
- 4.第三者が争ってきたら民事を検討する 善意の第三者が取得を主張して争う場合、刑事の還付は占有回復にとどまるため、所有権は民事訴訟で別途争う(124条2項)。取引記録を保全し弁護士へ相談する
よくある質問 AI による整理
Q1押収物の還付とは何ですか?
捜査や裁判のために押収された物を、留置の必要がなくなった段階で持ち主に返す手続です。刑事訴訟法123条・124条が根拠で、贓物は被害者に還付されます。
Q2贓物の被害者還付はいつ申し出ればいいですか?
早いほど有利です。証拠としての記録・鑑定が済めば留置の必要は薄れます。起訴後は担当検察官に、捜査中は警察・検察に、終結を待たない還付を書面で申し出ます。
Q3還付の決定は誰がするのですか?
公判段階では裁判所が決定で還付します(124条)。捜査段階では222条の準用により検察官・司法警察職員が判断します。どの段階かで相手が変わります。
Q4仮還付と還付の違いは何ですか?
還付は占有を確定的に戻す処分、仮還付は留置を続けつつ一時的に使用を認める処分です。123条が両者を定め、まだ証拠の必要が残る物は仮還付が使われます。
Q5還付を受ける人が分からない押収物はどうなりますか?
還付を受けるべき者が判明しない押収物は公告され、公告から6か月で国庫に帰属します(刑事訴訟法499条、最新の改正状況をご確認ください)。
Q6捜査中でも盗品を返してもらえますか?
返してもらえる場合があります。222条が123条・124条を捜査段階に準用し、留置の必要がなくなれば検察官・司法警察職員の判断で還付されます。
Q7自分の物だと証明できないと還付されませんか?
還付には「被害者に還付すべき理由が明らか」であることが必要です。購入レシート・保証書・製造番号・写真など、所有を裏付ける資料を提出すると判断が進みます。
Q8盗品を善意で買った場合、払った代金は戻りますか?
競売や店舗、同種の物を扱う商人から善意で買った場合、民法194条で被害者に代価の弁償を求められます。刑事の還付前に意見聴取で主張を記録に残すのが有効です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1盗まれた物が証拠品になったら、裁判が終わるまで本当に返ってこないんですか?
いいえ、必ずしもそうではありません。刑事訴訟法124条は、押収した盗難品で証拠としての留置の必要がなく、被害者に返すべき理由が明らかなものは、事件の終結を待たずに裁判所が決定で還付しなければならないと定めています。実務のポイント:実務では、証拠固めが済んでいても被害者が何も言わなければ物は棚に眠り続けます。検察官に「留置の必要はもうないはず」と早めに書面で申し出る人だけが、判決を待たずに取り戻せます。黙って待つのが一番損です
Q2フリマで買った中古品が盗品だった。警察に持っていかれて、私が払ったお金は戻りますか?
刑事手続では本来の被害者に還付されることがありますが、それで権利が終わるわけではありません。124条2項は、利害関係人が民事訴訟で権利を主張することを妨げないと定めています。とくに競売や店舗、同種の物を扱う商人から善意で買った場合、民法194条で被害者に代価の弁償を求められます。実務のポイント:刑事の還付に応じる前に、意見聴取の場で「自分は善意取得者で代価弁償の立場だ」と主張を記録に残すこと。この一言があるかないかで、後の民事の戦い方が大きく変わります
間違えやすい点 AI による整理
- 刑事事件の証拠になった盗難品は、判決が確定するまで一切返ってこないと思い込んでいる。だが124条は、証拠として留め置く必要がなくなり被害者への還付理由が明らかなら、事件の終結を待たずに返せると定める。本当の落とし穴は、この制度の存在を知らないと誰も申し出ず、物が何年も棚で眠り続けることだ
- 還付されれば自分のものだと確定した、と安心しがちだ。だが還付はあくまで占有を戻す手続にすぎない。124条2項が明記するとおり、誰が本当の所有者かは民事訴訟で別に争える。刑事で物を取り戻しても、所有権の決着はまだついていない。ここを知らないと、後から第三者の権利主張に足元をすくわれる
- 「警察に頼めば返してくれるはず」と問いを立てる人が多いが、その問い自体が段階を取り違えている。捜査中の還付は222条が準用する規定で検察官・司法警察職員が判断し、起訴後の公判段階の還付は124条で裁判所が決定する。どの段階にいるかで、誰に何を求めるかが根本から変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用対象 | 124条:贓物で留置不要かつ被害者還付理由が明らかな物 | 123条:押収物一般(留置の必要がないもの) 222条:捜査段階で押収した物(123条等を準用) |
| 還付の決定主体 | 裁判所(公判段階、決定による) | 裁判所(公判段階、還付・仮還付) 検察官・司法警察職員(捜査段階) |
| 終結前還付 | 可(被告事件の終結を待たない) | 可(仮還付を含む) 可(捜査段階で随時) |
| 所有権の確定 | 確定しない(占有回復のみ、民事は別途) | 確定しない 確定しない |
他国ではどう定めているか 4 か国
留置の必要がない押収物は事件終結を待たず裁判所の裁定または検察官命令で還付できる点が日本124条と類似。
押収した贓物で被害者への還付理由が明らかなものを事件終結前に還付できる点が日本と酷似。
被害者(Verletzter)への押収物の返還を定める。捜査・公判段階での還付手続が整理されている。
押収財産の返還を求める申立て制度。被害者ではなく押収された者の返還請求権として構成される点が異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 空き巣に入られ、思い出の詰まった一眼レフを盗まれた。犯人逮捕でカメラは証拠品として押収されたが、検察官は「公判が終わるまで」と言う。だが証拠としての撮影記録・指紋採取が済んでいれば、もう留置の必要はない。124条で終結前還付を申し出れば、判決を待たずに戻る可能性がある。申し出るか黙って待つかで、戻る時期が一年単位で変わる
- もし、あなたがフリマアプリで買った中古ロードバイクが、実は半年前の盗難品だったと判明したら? 刑事手続では本来の被害者に還付されうるが、それで終わりではない。あなたは善意で買った第三者として、民法193条・194条を盾に民事で権利と代価弁償を主張できる。124条2項がその道を残している
- 盗まれた工具を取り戻したいが、犯人の裁判はまだ半年続く。あと数週間で繁忙期、その工具がないと仕事にならない。終結を待たず還付を求められるかが分水嶺だ
- あなたの店から万引きされた商品が押収された。検察官と被告側の意見聴取を経て、終結前に店へ還付される。在庫として売れる物が判決まで倉庫に眠るのを防げる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 盗まれた物が押収されたら、起訴後は担当検察官、捜査中は警察・検察に、その物が自分の所有である証拠(購入レシート、保証書、写真、製造番号)を提出する2. 「証拠としての留置はもう必要ないはず、終結を待たず還付してほしい」と書面で明確に申し出る3. 還付の決定前には意見聴取があるので、所有を裏付ける主張を整理しておく4. 善意の第三者が取得を主張して争ってきたら、民事も視野に弁護士へ相談する
訴えられた側:1. 還付の意見聴取で、自分が善意・無過失で取得した経緯(取引日時、相手、支払証拠)を主張し、安易な還付に異議を述べる2. 競売や店舗、同種の物を扱う商人から買った場合は民法194条で代価弁償を受ける権利を主張する3. 刑事の還付はあくまで占有の回復にすぎないので、所有権は民事訴訟で別途争う(124条2項) 4. 取引記録・出品履歴・やり取りを保全し、後の民事の証拠にする
時効(請求できる期限):還付の決定そのものに特定の請求期限はないが、決定前に検察官と被告人側の意見聴取がある(124条1項)。盗品を善意取得した第三者が取り戻しを争う場合、民法193条により被害者は盗難の時から2年以内に回復請求できる。還付を受けるべき者が判明せず公告された押収物は、公告から6か月で国庫に帰属する(刑事訴訟法499条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:124条の還付は占有の回復を目的とする手続であり、所有権など実体的権利を確定する効力はない。被害者への迅速な財産回復(占有回復)と権利の最終的確定(民事訴訟)を分離する二段構えと理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 制定:現行刑事訴訟法の制定に伴い、押収した贓物の被害者還付を定める規定が置かれた。終結を待たない還付と、民事上の権利主張を妨げない旨(2項)を明文化。
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