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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

刑事訴訟法 第123条の2

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  1. 電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号ロに掲げる方法(電磁的記録を記録媒体に移転させるものに限る。)による提供を命ずるものに限る。)により移転させた電磁的記録について、当該電磁的記録提供命令を受けた者に保管させないこととする理由がなくなつたときは、当該者の請求により又は職権で、被告事件の終結を待たないで、決定で、当該者に対し、当該電磁的記録の複写を許さなければならない。
  2. 2.前条第四項の規定は、前項の決定について準用する。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第123条の2は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第123条の2の条文原文は「電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号ロに掲げる方法(電磁的記録を記録媒体に移転させるものに限る。」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第123条の2は第九章 押収及び捜索に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第123条の2の前の条は刑事訴訟法第123条です。
  7. 刑事訴訟法第123条の2の次の条は刑事訴訟法第124条です。
  8. 刑事訴訟法第123条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第123条の2
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第123条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/123_2

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法123条の2は、電磁的記録提供命令で移転させた記録について、保管させない理由がなくなったとき、裁判所が被告事件の終結を待たず決定で複写を許さなければならないと定める。

Q · 捜査で持っていかれた会社のデータ、裁判が終わるまでコピーも手に入らないんですか?

刑訴法123条の2で、判決を待たず複写許可を請求できます。

刑事訴訟法123条の2は、電磁的記録提供命令のうち「記録媒体への移転」型(102条の2第1項1号ロ)で提出させた電磁的記録について、命令を受けた者に保管させないこととする理由がなくなったときは、被告事件の終結を待たないで、決定で複写を許さなければならないと定めます。「許すことができる」ではなく「許さなければならない」であり、裁判所に拒否の裁量はありません。請求によるほか職権でも発動します。ただし同条2項が123条4項を準用するため、決定前に検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴く手続を経る必要があります。

解説

捜査機関があなたの会社のサーバーから業務データを丸ごと吸い上げていった。差押えではなく「電磁的記録提供命令」という手続で、あなたは自分の記録媒体にデータを移転させて提出した。ここで多くの人が誤解する。原本はあなたの手元に残っているのだから何も失っていない、と。だが刑事訴訟法123条の2が想定しているのは逆の状況である。命令を受けたあなたが、そのデータを「保管し続けなければならない」立場に置かれ、消去も上書きもできず、システム更新も止まる。本条は、その保管させておく理由が消滅したときに、裁判所が被告事件の終結を待たずに、決定であなたに複写を許さなければならないと定める。「許すことができる」ではなく「許さなければならない」。裁判所に裁量はない。しかも請求を待たず職権でも動く。あなたが動かなければ、この決定は何年も先の判決確定まで出てこない可能性がある。請求できるという事実そのものが、あなたの手にある一本の鍵である。

法的な位置づけ

刑事訴訟法123条の2は、電磁的記録提供命令により記録媒体へ移転させた電磁的記録の複写許可を定める規定である。命令を受けた者に保管させないこととする理由が消滅したとき、裁判所は請求又は職権により、被告事件の終結を待たず決定で複写を許さなければならない。有体物を対象とする押収物の還付(同法123条)に対応する、電磁的記録固有の原状回復手続である。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.命令書の類型が「移転型」かを特定する 受領した電磁的記録提供命令が、102条の2第1項1号ロの方法のうち「電磁的記録を記録媒体に移転させるもの」に当たるかを確認する。複写型であれば元の記録が手元に残るため本条の適用対象外となる。この特定を誤ると請求そのものが空振りになる
  2. 2.保管させないこととする理由の消滅を確認する 当該記録が争点から外れたか、他の証拠で代替されたか、捜査が終結したかを、担当検察官又は被告人側弁護人を通じて確認する。理由消滅の時点が請求のスタートラインであり、公判が進むほど保管者の事情は後回しになる
  3. 3.請求書を「理由消滅」の立証構成で作成する 「複写を許してほしい」という懇請ではなく「保管させないこととする理由が既に存在しない」ことを立証する構成にする。あわせて複写が得られないことで停止している業務、遅延日数、発生コストを具体的な数字で記載する
  4. 4.受訴裁判所に提出し意見聴取手続に備える 被告事件が係属している裁判所に請求書を提出する。同条2項により123条4項が準用され、検察官及び被告人又は弁護人の意見聴取を経る。検察官が保管継続の必要性を主張する可能性を想定し、反論資料を先に用意しておく
  5. 5.決定後に複写を実施し、不許可なら不服申立てを検討する 複写を許す決定が出たら、指定された方法・媒体で速やかに複写を実施し、実施記録を残す。請求が却下された場合は、押収に関する裁判に対する抗告・準抗告の枠組みで不服申立ての可否と期間を確認する

よくある質問 AI による整理

Q1電磁的記録提供命令とは何ですか?

刑事訴訟法102条の2に基づき、電磁的記録を保管する者に対し、その記録を記録媒体に移転させ又は複写させた上で提出させる処分です。名宛人は被告人以外の第三者にも及びます。

Q2複写を許す決定は誰が請求できますか?

条文上の請求権者は「当該者」、すなわち電磁的記録提供命令を受けた者です。命令の名宛人でない第三者は請求権者になりません。裁判所は職権でも決定できます。

Q3電磁的記録の複写許可はいつまでに請求すればよいですか?

期間の定めはありません。保管させないこととする理由がなくなった以降であれば、被告事件の終結を待たずいつでも請求できることが条文上明記されています。

Q4請求してから複写が許されるまでどのくらいかかりますか?

条文に期限はありません。ただし同条2項が123条4項を準用し、決定前に検察官及び被告人又は弁護人の意見聴取を要するため、即日の発令は想定されていません。

Q5複写を許さない決定に不服申立てはできますか?

同条2項が準用するのは意見聴取に関する123条4項です。不服申立ての可否は、押収に関する裁判としての抗告・準抗告の枠組みで個別に検討する必要があります。

Q6押収物の還付と電磁的記録の複写許可は何が違いますか?

還付(123条)は有体物である押収物を返す処分です。電磁的記録は移転により元の記録が手元から失われるため、物の返還ではなく「複写を許す」形で回復させる点が異なります。

Q7捜査段階でも複写を請求できますか?

捜査段階の押収等については222条による準用の有無を条文で個別に確認する必要があります。公判係属前は請求先も異なるため、実務では担当検察官への照会が起点になります。

Q8複写を許す決定に検察官の同意は必要ですか?

同意は不要です。条文は「許さなければならない」と規定しています。ただし決定前に検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴く手続を経る必要があります(同条2項)。

この条文についての質問 AI による整理

Q1うちの会社は事件と関係ないのに、なんでデータを保管し続けなきゃいけないんですか?

電磁的記録提供命令(102条の2)は被告人以外の第三者にも及ぶ制度で、記録を保有している立場それ自体が名宛人になる根拠です。関係の有無ではなく所持の有無で決まります。実務のポイント:保管義務の終期は命令書に書かれていないことが多い。書かれていないから終わりがないのではなく、理由が消えれば123条の2で早期に解放される。命令書に終期の記載がない時点で、この条文を確認するのが実務家の反応です

Q2請求したら裁判所は必ず認めてくれるんですか?

条文は「許さなければならない」と規定しており、保管させる理由がなくなったと認められれば裁判所に拒否の裁量はありません。争点は許すか否かではなく、理由が消滅したかどうかの一点に絞られます。実務のポイント:だからこそ請求書では「複写を許してほしい」と書くのではなく「保管させる理由が既に存在しない」ことを立証する構成にする。争う土俵を間違えると、裁量的な恩恵を乞う書面になってしまう

間違えやすい点 AI による整理

  • 「複写を許す」というのは捜査機関がコピーを取ることだと読み違えられやすいが、条文の名宛人は命令を受けた者、つまり記録を保管させられている側である。あなたが自分のデータを自分でコピーして使えるようにする決定だ。主語を取り違えると、この条文が自分の武器であることに永久に気付かない
  • 電磁的記録は物理的な差押えと違って原本が手元に残るから不利益は小さい、という理解は前提が半分ずれている。問題は所持の有無ではなく、保管義務によって消去・上書き・移行ができなくなることだ。データの性質上、失うのは所持ではなく処分の自由である
  • 「被告事件が終わるまで何もできない」と思い込んでいる人が多いが、本条の核心はまさに『被告事件の終結を待たないで』という文言にある。刑事手続の原則的なタイムラインの外に、第三者救済のための別レーンが引かれている
比較の観点この条文ほかの条文
対象移転型の電磁的記録提供命令で移転させた電磁的記録(102条の2第1項1号ロ)押収物一般(有体物)
押収された記録媒体に記録された電磁的記録
発動要件命令を受けた者に保管させないこととする理由がなくなったこと留置の必要がなくなったこと
差押えを受けた者と記録媒体の所有者等が異なること
裁判所の裁量なし(複写を許さなければならない)なし(還付しなければならない)
あり(交付・複写させることができる)
得られる結果命令を受けた者が電磁的記録を複写して利用できる押収物そのものが返還される
記録媒体の交付又は電磁的記録の複写を受けられる

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国刑事訴訟法第142条・第133条以下

台湾は押収物の還付・仮還付を有体物中心に規定し、電磁的記録の提供命令・複写許可に特化した条文は未整備。実務は差押えと保管の枠組みで処理される

韓国
대한민국 형사소송법 제106조 제3항・제133조

韓国は情報保存媒体の押収について複製・出力を原則とする明文を持ち、原本押収を例外とする点で、移転により保有者から記録が失われる場面自体を抑制する設計

ドイツ
StPO § 95, § 98, § 110 Abs. 3, § 111n

ドイツは提出義務と押収物返還を分けて規定し、電子記憶媒体は閲覧・データ確保の枠組みで処理。返還請求は押収一般の規定に吸収される

アメリカ
Fed. R. Crim. P. 41(g), 41(e)(2)(B)

米国は電子的に保存された情報の押収後の複製・レビューを規則で明示し、財産の返還申立て(41(g))で救済する構造。裁判所の裁量が広い点が日本の義務規定と対照的

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 取引先が経済事件で摘発され、あなたの会社のクラウド上の受発注ログが電磁的記録提供命令の対象になった。指定された記録媒体に移転させて提出したが、その媒体は「保管させる」扱いで手元にある。半年後、事件の争点から自社データが外れたと弁護人経由で聞いた。ここで123条の2の請求を出せば、判決確定を待たずに複写の許可が下りる
  • もし、システム移行の期限が迫っているのに、提供命令で保管を命じられたデータのせいでサーバーを止められないとしたら? 保管理由が消滅していれば、複写を許す決定を得て、業務継続に必要なコピーを確保する道がある。移行期限まであと30日という状況で、この手続を知っているかどうかが分水嶺になる
  • 会社の情報システム担当者として、あなたは捜査機関からの命令書を受け取る側に立つ。命令の名宛人はあなたの会社であり、保管義務を負うのもあなたの会社である。事件の被告人でも被害者でもないのに、手続の当事者になっている
  • 弁護人から「もう争点ではない」と言われたが、裁判所は何も言ってこない。職権発動を待つのか、自分から請求するのか。待っていれば公判の進行に埋もれる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 命令書の記載を確認し、102条の2第1項1号ロの方法(記録媒体への移転)による提供かを特定する。この類型でなければ本条の適用外である2. 保管させる理由が消滅したと判断できる事情(争点からの脱落、他の証拠による代替、捜査の終結)を弁護人または担当検察官経由で確認する3. 裁判所に対し請求書を提出、保管による具体的な業務上の支障を金額・日数で記載する4. 決定に不服がある場合は前条4項の準用による即時抗告の可否を確認する

訴えられた側:捜査機関側または対立当事者の立場では、保管継続の必要性を具体的に主張することになる。当該記録が今後の証拠調べで原本性の確認や改変の有無の検証に必要であること、複写を許すことで証拠の同一性判断に支障が生じる具体的なおそれを示す。抽象的な捜査上の必要では、本条が「許さなければならない」と規定している以上、保管継続の根拠として弱い

時効(請求できる期限):本条自体に請求期間の定めはなく、保管させる理由が消滅した時点以降であればいつでも請求できる。被告事件の終結を待つ必要がないことが条文上明記されている。決定に対する不服申立ては前条4項の準用によるため、その期間制限(即時抗告は3日、刑事訴訟法422条)に注意すること(最新の改正状況をご確認ください)

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.令和(2020年代) 新設:刑事手続の情報通信技術活用に係る改正により、電磁的記録提供命令(102条の2)とあわせて新設された。具体的な公布年月日・法律番号・施行期日は e-Gov 法令検索の原典で確認を要する。

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刑事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第九章 押収及び捜索

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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