刑事訴訟法 第123条
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- 押収物で留置の必要がないものは、被告事件の終結を待たないで、決定でこれを還付しなければならない。
- 2.押収物は、所有者、所持者、保管者又は差出人の請求により、決定で仮にこれを還付することができる。
- 3.押収物が次の各号に掲げる記録媒体で留置の必要がないものである場合において、当該各号に定める者と当該記録媒体の所有者、所持者又は保管者とが異なるときは、被告事件の終結を待たないで、決定で、当該各号に定める者に対し、当該記録媒体を交付し、又は当該電磁的記録の複写を許さなければならない。
- 一第百十条の二の規定により電磁的記録を移転し、又は移転させた上差し押さえた記録媒体差押えを受けた者
- 二電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法(電磁的記録を記録媒体に移転させるものに限る。)による提供を命ずるものに限る。以下この号において同じ。)により提出させた記録媒体電磁的記録提供命令を受けた者
- 4.前三項の決定をするについては、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴かなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第123条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第123条の条文原文は「押収物で留置の必要がないものは、被告事件の終結を待たないで、決定でこれを還付しなければならない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第123条は第九章 押収及び捜索に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第123条の前の条は刑事訴訟法第122条です。
- 刑事訴訟法第123条の次の条は刑事訴訟法第123条の2です。
- 刑事訴訟法第123条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第123条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第123条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/123
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法123条は、留置の必要がない押収物を被告事件の終結前でも決定で還付しなければならないと定める。所有者等の請求による仮還付や、電磁的記録の複写交付も認められる。
Q · 押収されたスマホやパソコン、事件が終わるまで本当に返ってこないの?
いいえ。留置の必要が消えれば終結を待たず還付されます
刑事訴訟法123条1項により、留置の必要がない押収物は被告事件の終結を待たず、決定で還付しなければなりません。鑑定やデータ複製が済めば原本を留め置く必要は薄れます。さらに2項では所有者・所持者・保管者・差出人の請求による仮還付、3項では電磁的記録媒体に係るデータの複写交付が認められます。捜査段階でも222条の準用により同様に請求でき、請求しなければ事実上放置される点に注意が必要です。
解説
あなたのスマホが、ある事件の捜査で押収された。仕事の連絡先も家族の写真も全部その中に入っている。いつ返ってくるのか、問い合わせても「捜査中です」としか言われない。多くの人は「事件が全部終わるまで戻らない」と諦める。だがそれは誤りだ。刑事訴訟法123条は、押収物のうち「留置の必要がないもの」、つまり証拠として留め置く理由が消えた物は、被告事件の終結を待たず、決定で還付しなければならないと定める。義務であって、捜査機関の気分次第の裁量ではない。さらに2項では、所有者、所持者、保管者、差出人の請求により「仮還付」、つまり一時的に返してもらう道もある。2011年の改正で加わった3項は、スマホやパソコンのデータが押収された場合に、データを写し取った媒体について元の持ち主にデータの複写を許す仕組みを整えた。「返してください」と言える法的根拠が、すでにあなたの手の中にある。
法的な位置づけ
刑事訴訟法123条は、押収物のうち留置の必要がないものを被告事件の終結を待たず決定で還付すべき義務、所有者・所持者・保管者・差出人の請求による仮還付、及び電磁的記録媒体に係るデータの複写交付の手続を定める規定である。捜査段階では222条により準用される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.押収目録の写しを確認する まず押収目録の写しを取得し、何が・いつ・どの根拠で押収されたかを正確に把握する。自分が所有者か、所持者・保管者・差出人にあたるかを確認し、請求権者の立場を固める
- 2.「留置の必要がない」根拠を整理する 対象物が証拠として本当に必要かを検討する。鑑定済み・データ複製済み・事件と無関係・貸与品や生活必需品などは「留置の必要なし」を主張できる。具体的事実を書面化する
- 3.仮還付または還付を請求する 所持者・保管者として123条2項の仮還付、または1項の還付を書面で請求する。捜査段階なら222条準用で検察官・司法警察員に対し同様に請求できる
- 4.データ媒体は複写交付を求める 押収がスマホ・パソコン等の記録媒体なら、123条3項により記録媒体の交付またはデータの複写を請求する。漠然と「返して」ではなく、業務に必要なファイル範囲を特定して求めると応じられやすい
- 5.意見聴取手続で具体的に主張する 4項により検察官・被告人・弁護人の意見を聴く手続があるため、還付を求める主張を書面で提出する。鑑定やデータ複製が済んだ物は留置の必要が消えている可能性が高い点を具体的に指摘する
よくある質問 AI による整理
Q1押収物の還付とは何ですか?
捜査機関が押収した物を権利者へ返すことです。刑事訴訟法123条1項により、留置の必要がない物は被告事件の終結を待たず、決定で還付しなければなりません。
Q2「留置の必要がない」とはどういう意味ですか?
証拠として留め置く理由が消えた状態を指します。鑑定済み、データ複製済み、事件と無関係などが典型で、この時点で還付義務が生じます。
Q3押収物の還付は誰が請求できますか?
仮還付は所有者・所持者・保管者・差出人が請求できます(123条2項)。自分の物でなくても、貸した・預かった立場の所持者・保管者も請求権者です。
Q4押収物はいつ返ってきますか?
留置の必要が消えた時点でいつでも請求でき、特定の期間制限はありません。捜査中・公判中を問わず、終結を待つ必要はありません。
Q5還付の決定は誰がするのですか?
公判係属中は裁判所、捜査段階は222条準用により検察官・司法警察員が決定します。決定には検察官・被告人・弁護人の意見聴取が必要です(4項)。
Q6押収された現金や預金は返ってきますか?
事件と無関係で留置の必要がない売上金などは仮還付の対象です。請求すれば返る余地がありますが、没収対象や被害者還付の対象は別途検討されます。
Q7還付を受ける人が分からない場合はどうなりますか?
還付すべき者が判明しない等の場合、公告から6か月で国庫に帰属します(刑事訴訟法499条)。放置せず早期に請求することが重要です。
Q8弁護人を通じて還付請求はできますか?
できます。弁護人が「証拠価値が乏しく留置の必要がない」と具体的に主張すると、4項により裁判所・検察官は意見を聴く義務を負います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1押収されたスマホ、事件が終わらないと本当に返ってこないんですか?
いいえ。刑事訴訟法123条1項は、留置の必要がない物は被告事件の終結を待たずに還付しなければならないと定めます。鑑定やデータ複製が済めば、原本を留め置く必要は薄れます。実務のポイント:捜査機関は請求しない限り積極的に返さないことが多い。弁護人を通じて仮還付を請求すると、事件係属中でも手元に戻る可能性がある。黙って待つ人と請求する人で、返却時期が何ヶ月も変わる
Q2データだけ必要なら、スマホ本体は警察に置いたままデータをもらえますか?
2011年改正で入った123条3項がまさにそのための規定です。電磁的記録を移転して差し押さえた媒体について、差押えを受けた人と所有者が異なる場合などに、記録媒体の交付やデータの複写が認められます。実務のポイント:実務では必要なデータの複製を交付してほしいと範囲を特定して請求するのが鍵。漠然と返してではなく、業務に必要なファイル範囲を明示すると応じられやすい(最新の運用をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「事件が終わるまで押収物は返ってこない」と思い込んでいるが、123条1項は留置の必要がない物は被告事件の終結を待たずに還付しなければならないと定める。判決前でも、証拠としての役目が済めば返す義務が発生する
- 還付を請求できること自体は知っていても、何もしなければ放置されるという深刻さを多くの人は知らない。捜査機関が積極的に返してくれるとは限らず、請求しなければ押収物は事件終結まで眠ったままになる
- あなたから見れば「証拠なんだから留め置かれて当然」だが、法律から見れば留置の必要がない物の留め置きは財産権の侵害だ。この落差を知らないと、本来返るはずの物を何ヶ月も取り戻せないまま耐えることになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 返還の性質 | 123条:留置の必要がない押収物の還付・仮還付(権利者一般) | 124条:贓物の被害者還付(被害者への還付) 222条:捜査段階での123条の準用 |
| 返還の前提 | 留置の必要がないこと/請求(仮還付) | 押収物が贓物で被害者に還付すべき理由が明らかなこと 捜査機関による押収であること |
| 返還の相手 | 所有者・所持者・保管者・差出人 | 被害者 123条と同じ(請求権者) |
| 決定主体 | 公判中は裁判所(意見聴取あり) | 公判中は裁判所 捜査段階は検察官・司法警察員 |
他国ではどう定めているか 4 か国
扣押物に留存の必要がなければ案件終結を待たず裁定・命令で発還する点が123条1項と酷似。発還主体が裁判所・検察官に分かれる構造も日本と近い
압수물の환부(還付)と가환부(仮還付)を区別する枠組みが日本とほぼ同型。証拠保全と権利者の回復のバランスを取る点も共通
押収物の還付要件として『押収目的の達成・留置の必要消滅』を要する点が共通。ドイツは還付相手の優先順位を細かく規律する
押収物の違法・不要な留置に対し権利者が返還申立て(Motion to Return Property)をできる制度。請求主義である点が123条2項の仮還付請求と通じる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの取引先が脱税の疑いで捜索を受け、その場にあった、あなたが貸した業務用ノートパソコンまで押収されたら? あなたは事件の当事者ではない。123条は「所持者」「保管者」も還付請求権者に含めるから、貸主のあなたは直接返還を求められる
- あなたのスマホが詐欺事件の捜査で押収された。来週には大事な商談の連絡が来るのに、データも電話帳も全部その中。あと数日で機会を逃す。3項のデータ複写交付を急いで請求すれば、本体が戻らなくてもデータだけは取り戻せる
- 自営業の店から、帳簿と一緒にレジの現金まで押収された。事件と無関係な売上金は「留置の必要なし」。請求すれば仮還付される。
- 家宅捜索で家族共用のパソコンが押収され、中には事件と無関係な確定申告データや子どもの写真がある。鑑定が終われば留置の必要は薄れていく。弁護人を通じて還付を求めるタイミングを逃すと、必要のない物を何ヶ月も奪われ続ける
取るべき行動
被害を受けた側:1. 事件と無関係に自分の物を押収された第三者なら、まず押収目録の写しを確認し、何がいつ押収されたか正確に把握する2. その物が証拠として本当に必要か検討、貸与品や預かり物、生活必需品は「留置の必要なし」を主張できる3. 所持者・保管者として123条2項の仮還付を請求、捜査段階なら222条準用で同様に請求できる4. データ媒体なら3項で複写の交付を求め、原本がなくても業務を継続する道を確保する
訴えられた側:1. 自分が被疑者・被告人でも還付・仮還付の請求権はある、諦めない2. すでに鑑定やデータ複製が済んだ物は留置の必要が消えている可能性が高い、その点を具体的に指摘する3. 4項により検察官・被告人・弁護人の意見を聴く手続があるので、還付を求める主張を書面で提出する4. 全部返ると証拠隠滅を疑われないか不安なら、必要時に再提出できる仮還付を選ぶ
時効(請求できる期限):123条の還付・仮還付に特定の期間制限はなく、留置の必要が消えた時点で捜査中・公判中いつでも請求できる。なお還付を受けるべき者が判明しない等の場合、公告から6か月で国庫に帰属する(刑事訴訟法499条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:123条の還付・仮還付は、留置の必要性という基準で捜査・証拠保全の利益と財産権の早期回復を調整する制度と理解される。留置の必要が消滅した押収物の留め置きは正当な根拠を失った財産権侵害であり、還付は義務的処分であって裁量ではない。
改正沿革 AI による整理
- 平成23年(2011年) 情報処理の高度化等に対処するための刑法等改正により、電磁的記録を移転して差し押さえた記録媒体の還付に関する第3項を新設。従前の意見聴取規定が第4項に繰り下げられた
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定により、留置の必要がない押収物の還付義務と仮還付を規定
- 2.平成23年(2011年) 改正:情報処理の高度化等に対処するための刑法等改正により、電磁的記録を移転して差し押さえた記録媒体の還付・複写交付に関する第3項を新設。従前の意見聴取規定が第4項に繰り下げられた
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