刑事訴訟法 第496条
クイックジャンプ
没収物は、検察官がこれを処分しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第496条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第496条の条文原文は「没収物は、検察官がこれを処分しなければならない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第496条は第一章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第496条の前の条は刑事訴訟法第495条です。
- 刑事訴訟法第496条の次の条は刑事訴訟法第497条です。
- 刑事訴訟法第496条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第496条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第496条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/496
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法496条は、没収物の処分を検察官の権限と定める。換価価値のある物は公売で国庫に納付され、覚醒剤や違法銃器など違法な物は焼却・破棄される。
Q · 没収された物は、その後どうなるんですか?
検察官が処分し、公売か廃棄に分かれます
刑事訴訟法496条により、没収物の処分は検察官の権限とされます。換価価値のある物(高級品・車両など)は公売にかけられ、代金が国庫に納付されます。覚醒剤・違法銃器・偽ブランド品など違法な物は焼却・破棄され、誰の役にも立ちません。なお、没収物が真の所有者である第三者のものであった場合、その第三者は別途還付を請求できます(刑訴497条)。還付不能の公告から6か月で国庫帰属となる点に注意が必要です(刑訴499条)。
解説
覚醒剤事件で「末端価格数億円相当を押収」と報道される。あの薬物はその後どうなるか、考えたことがあるだろうか。答えはこの一文にある。没収された物は、検察官が処分する。覚醒剤や違法銃器は焼却・廃棄され、価値のある物は公売にかけられ国庫に入る。だが本当に知っておくべきはここからだ。もしあなたが友人に貸した車が、その友人の犯罪に使われて没収されたら。あなたは真の所有者である「第三者」として、その車の還付を請求できる(刑訴497条)。没収物の処分を検察官に委ねるこの条文の裏には、あなたの財産が他人の事件に巻き込まれたとき、それを取り戻すための道筋が隠れている。没収イコール永久に消える、ではない。
法的な位置づけ
刑事訴訟法496条は没収物の処分を定める執行規定であり、確定した没収の裁判に基づき国家に帰属した没収物について、その処分権限を検察官に一元的に委ねる旨を規定する。換価・廃棄・国庫納付への振り分けを通じ、刑罰執行の実効性を担保する手続的基礎として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.係属中か確定済みかを当日中に確認 没収の通知や報道に接したら、まず刑事手続が係属中か、すでに判決が確定しているかを確認する。確定前なら手続参加で強く防げるが、確定後は還付請求という限られた窓口しか残らないため、最初の分岐点となる
- 2.真の所有者であることを示す証拠を確保 購入時の領収書、登録証、リース契約書、貸出のやり取りの記録など、自分が真の所有者であることを客観的に示す資料を集める。所有権の立証が還付の可否を決める
- 3.確定前は第三者所有物没収手続に参加 刑事手続が係属中なら、第三者所有物の没収手続への参加を申し立て、告知・弁解・防御の機会を得る(応急措置法)。手続保障を欠く第三者所有物の没収は違憲とされている
- 4.確定後は検察官に還付を請求 すでに判決確定後に没収された場合は、執行を指揮する検察官に対し還付を請求する(刑訴497条)。並行して還付不能の公告(刑訴499条)が出ていないか確認する
- 5.還付不能公告の6か月期限を死守 還付を受けるべき者の所在不明などで還付できない場合、検察官の公告から6か月以内に請求しないと財産は国庫に帰属する(刑訴499条)。公告を見逃さず期限内に動く
よくある質問 AI による整理
Q1没収物の処分は誰が行いますか?
検察官が行います(刑訴496条)。裁判の執行指揮者である検察官が、換価できる物は公売に、違法な物は廃棄にと振り分けて処分します。
Q2没収された車は戻ってきますか?
あなたが真の所有者なら還付を請求できます(刑訴497条)。判決確定前なら第三者として没収手続に参加して防ぐ方が強力です。
Q3没収と追徴の違いは何ですか?
没収は犯罪に関わる物そのものを国家が剥奪する処分、追徴は没収できない物の価額相当を金銭で徴収する処分です。いずれも附加刑です。
Q4没収物の公売はどこで見られますか?
検察庁や国の公売情報で公開されます。高級腕時計やブランド品が出ることもあり、一般人も入札に参加できます。
Q5第三者の所有物が没収されたらどうすればいいですか?
所有を示す書類を揃え、確定前なら没収手続に参加し、確定後は検察官に還付を請求します(刑訴497条)。早期の弁護士相談が鍵です。
Q6没収物の還付請求の期限はいつまでですか?
還付不能の公告(刑訴499条)が出た場合、公告から6か月以内に請求しないと財産は国庫に帰属します。期限を逃さないことが重要です。
Q7没収された現金は国庫に入りますか?
原則として国庫に納付されます。ただし第三者の正当な財産が混ざっている場合は、還付請求の対象となる余地があります。
Q8没収の裁判に不服がある場合どうすればいいですか?
没収は主刑に付加される附加刑なので、主刑とともに上訴で争えます。控訴期間14日が唯一の勝負所で、確定後の取り戻しは事実上困難です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1没収された物って、結局は国が使うんですか?
物によって行き先が分かれます。換金価値のある物は公売にかけられ代金が国庫に入りますが、覚醒剤・違法銃器・偽ブランド品などは焼却・破棄され、誰の役にも立ちません。処分を担うのは検察官です(刑訴496条)。実務のポイント:押収された高級腕時計やブランド品が公売に出ることがあり、一般人も参加できます。検察庁や国の公売情報を追えば、いわく付きながら相場より安く落札できる世界が存在します
Q2他人の事件で自分の物が没収された、取り返せますか?
取り戻せる可能性があります。あなたが真の所有者なら、検察官に還付を請求できます(刑訴497条)。さらに本来、第三者の所有物を本人に告知・防御の機会を与えず没収するのは違憲です(最大判昭和37.11.28、これを受けた応急措置法)。実務のポイント:弁護士が真っ先に確認するのは、判決が確定しているかどうか。確定前なら手続参加で強く防げますが、確定後は還付請求という弱い窓口しか残りません。通知が来たら、その日のうちに係属中か確定済みかを確認するのが分かれ目です
間違えやすい点 AI による整理
- 「没収された物は国が有効活用する」と思われがちだが、覚醒剤・偽ブランド品・違法な銃器は焼却・破棄される。国庫が手にするのは、公売で換金できる一部の財産だけ。多くの没収物は、誰の役にも立たずに焼かれて消える
- 「他人の犯罪に自分の物が巻き込まれることなんてない」と油断しているなら、その感覚こそが危険だ。車・スマホ・銀行口座を貸すだけで、それが犯罪に使われれば没収の対象になりうる。本当に深刻なのは、巻き込まれること自体ではなく、取り戻す手続を知らずに放置し、国庫帰属で永久に失う点にある
- 「没収されても、あとで検察官と交渉すればいい」と問いを立てる人がいるが、その問いの立て方そのものがずれている。判決が確定する前なら、第三者として没収手続に参加して防げたはずのものが、確定後は還付請求という限られた窓口しか残らない。勝負の大半は、判決が出る前に決着している
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 刑訴496条:没収物そのものの処分(換価・廃棄・国庫納付) | 刑訴497条:権利者への没収物の還付・交付 刑訴499条:還付不能の公告と国庫帰属の時限 |
| 主体 | 検察官が処分権限を行使 | 検察官が権利者へ還付 検察官が公告、6か月で国庫帰属 |
| 第三者の立場 | 処分の対象、原則として関与の余地は小さい | 還付請求の当事者になれる 公告から6か月以内なら還付請求可能 |
| 時間的ポイント | 没収確定後の執行段階 | 確定後、所有権立証ができる間 公告後6か月の除斥的期間 |
他国ではどう定めているか 4 か国
「没収物は検察官が処分する」と定め、本条とほぼ同一の構造。執行を検察官に一元化する点で日本と共通する
몰수물의 처분を検事の権限とする規定で、日本・台湾と並ぶ東アジア共通の執行構造
ドイツは没収(Einziehung)の執行を規律。執行機関の構成は異なるが、確定後の没収物処分を執行段階で扱う点は共通
米国は没収財産の処分を司法長官(Attorney General)の権限とし、売却・破棄等を定める。検察官系統が処分する点で類似
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 知人に貸したノートパソコンが、その知人の詐欺事件で証拠として押収され、判決で没収された。中のデータも本体も、まるごと国のものになってしまうのか。いや、あなたが本当の所有者だと書類で証明できれば、検察官に還付を請求できる(刑訴497条)。問題は、放置している間に時間が進むという点だ
- あなたが有罪判決を受け、事業に使っていた機材まで没収された。勝負は判決確定までだ。没収は主たる刑に付け加えられる附加刑なので、主刑とともに上訴で争える。確定してしまえば、その機材は検察官の手で処分され、取り戻すのは事実上不可能になる。残された時間は控訴期間の14日
- 押収された覚醒剤は公売されない。焼却される。換金される没収物と廃棄される没収物、その線引きは物そのものの違法性にある
- もし、あなたが名義を貸しただけの銀行口座が、他人のマネーロンダリング事件で犯罪収益と混ざり、没収対象になったとしたら。残高はあなたの生活費だったとしても、名義を貸した瞬間に国家の処分対象に近づいている
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず自分が真の所有者であることを示す証拠を確保する。購入時の領収書、登録証、リース契約書、貸出のやり取りの記録。2. 刑事手続が係属中なら、第三者所有物の没収手続への参加を申し立て、告知・弁解・防御の機会を得る(応急措置法)。3. すでに判決確定後に没収された場合は、検察官に対し還付を請求する(刑訴497条)。4. 還付不能の公告(刑訴499条)が出ていないか確認し、6か月の期限を逃さない。所有権の立証が鍵になるので、書類を揃えて早期に弁護士へ相談すること
訴えられた側:1. 没収は主刑に付加される附加刑なので、主刑とともに上訴で争える。判決確定前が唯一の勝負所。2. 没収の対象物が本当に刑法19条の要件(犯罪を組成した物・供用物・取得物件など)を満たすか精査し、過剰な没収は争点にする。3. 対象物に第三者の所有物が混ざっているなら、その第三者への手続保障の欠如を主張できる場合がある。4. 確定すれば検察官が処分し(刑訴496条)、取り戻しは事実上不可能になる。控訴期間14日を死守すること
時効(請求できる期限):没収の執行後、還付を受けるべき者の所在不明などで還付できないときは、検察官が公告し、公告から6か月以内に還付請求がなければ財産は国庫に帰属する(刑訴499条)。没収裁判への不服申立ては、判決に対する控訴期間14日が起点(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:刑訴496条の処分権限は執行手続上のものであり、実体的な没収の可否は刑法19条で判断される。第三者の財産権保護のため、本条の処分権限は刑訴497条の還付および応急措置法による手続参加と一体で運用されるべきとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定に伴い、裁判の執行に関する編の中で没収物の処分権限を検察官に委ねる規定として置かれた。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める