刑事訴訟法 第495条
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- 上訴の提起期間中の未決勾留の日数は、上訴申立後の未決勾留の日数を除き、全部これを本刑に通算する。
- 2.上訴申立後の未決勾留の日数は、左の場合には、全部これを本刑に通算する。
- 一検察官が上訴を申し立てたとき。
- 二検察官以外の者が上訴を申し立てた場合においてその上訴審において原判決が破棄されたとき。
- 3.前二項の規定による通算については、未決勾留の一日を刑期の一日又は金額の四千円に折算する。
- 4.上訴裁判所が原判決を破棄した後の未決勾留は、上訴中の未決勾留日数に準じて、これを通算する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第495条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第495条の条文原文は「上訴の提起期間中の未決勾留の日数は、上訴申立後の未決勾留の日数を除き、全部これを本刑に通算する。」で始まります。
- 刑事訴訟法第495条は第一章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第495条の前の条は刑事訴訟法第494条の14です。
- 刑事訴訟法第495条の次の条は刑事訴訟法第496条です。
- 刑事訴訟法第495条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第495条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第495条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/495
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法495条は、上訴提起期間中の未決勾留を全部本刑に通算し、上訴申立後の勾留は検察官上訴または原判決破棄の場合に限り通算すると定める。
Q · 判決を待つ間ずっと勾留されていた日数は、控訴しても刑期から引かれるの?
上訴提起期間中は引かれるが、上訴申立後は勝たない限り引かれない
刑事訴訟法495条により、上訴提起期間中(控訴を決める14日間など)の未決勾留は全部刑期に通算されます。しかし、あなたが控訴を申し立てた後の勾留日数は原則として通算されず、例外は控訴審で原判決が破棄された場合だけです。検察官が控訴したときは、あなたの勾留は全部通算されます(495条2項1号)。未決勾留1日は刑期1日または罰金4,000円に折算されます。
解説
判決で懲役2年が言い渡された。あなたは控訴するか14日以内に決めなければならない。多くの人が知らないのは、この「控訴するか否か」という選択が、あなたが実際に塀の中で過ごす日数を左右するという事実だ。刑訴495条は、判決確定までの未決勾留(裁判中、身柄を拘束されていた日数)を刑期に算入するルールを定める。ただし機械的ではない。上訴提起期間中(控訴を決める14日間)の勾留は全部刑期に通算される。だが、あなたが控訴を申し立てた後の勾留日数は、原則として通算されない。例外は、あなたが控訴審で勝って原判決が破棄された場合だけだ。つまり、勝てない控訴をして勾留され続けると、その日数は刑期から差し引かれず、結果としてあなたは判決の刑期より長く拘束されることになる。「控訴はタダ、やらなきゃ損」という助言の裏に、この落とし穴が隠れている。
法的な位置づけ
未決勾留の通算とは、裁判確定前に被告人が身柄拘束されていた日数を、言い渡された本刑の刑期へ差し引いて算入する制度をいう。刑事訴訟法495条は、上訴提起期間中の勾留を全部通算し、上訴申立後の勾留は検察官上訴または原判決破棄の場合に限り通算すると定め、未決勾留1日を刑期1日または罰金4,000円に折算する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.判決後すぐ、未決勾留日数を数える 判決を受けたら、逮捕日から判決宣告日までの勾留日数を正確に数える。上訴提起期間中(宣告翌日から14日)と、その後の申立後の日数を区別してメモする
- 2.通算の通算範囲を弁護人に確認する 上訴提起期間中の勾留は全部通算されるが、控訴申立後の勾留は勝たない限り通算されない(495条2項の反対解釈)。控訴の勝算とは別に、勾留がいつまで続くか・通算されるかを弁護人に確認する
- 3.控訴中も勾留が続くなら保釈を同時申請 控訴審でも勾留が継続する見込みなら、控訴の判断と同時に保釈(刑訴90条)を申請する。保釈が取れれば、申立後の勾留が通算されない問題そのものが消える
- 4.罰金刑なら4,000円折算の主張を準備 罰金刑で判決前の未決勾留がある場合、1日4,000円換算の折算(495条3項)を主張する。労役場留置(刑法18条)に送られる前に、未決勾留による相殺を確認する
よくある質問 AI による整理
Q1未決勾留とは何ですか?
裁判が確定するまでの間、被告人や被疑者が逮捕・勾留により身柄を拘束されている状態をいいます。この日数の一部が刑期に通算されます。
Q2法定通算と裁定通算の違いは何ですか?
法定通算は刑訴495条により上訴提起期間中などで自動的に算入されるもの、裁定通算は刑法21条により裁判官が裁量で算入するものです。
Q3未決勾留は1日いくらで罰金に折算されますか?
刑訴495条3項により、未決勾留1日は刑期1日、または罰金4,000円に折算されます。罰金刑では未決勾留で支払い済み扱いになる場合があります。
Q4検察官が控訴した場合、勾留日数はどうなりますか?
刑訴495条2項1号により、検察官が上訴したときは上訴申立後の勾留も全部刑期に通算されます。自ら争っていない不利益を防ぐ保護です。
Q5罰金が払えず勾留された日数はどう扱われますか?
未決勾留1日を4,000円換算で罰金に折算でき、労役場留置(刑法18条)に入る前にこの通算を主張できる場合があります。
Q6上訴提起期間は何日ですか?
控訴・上告とも判決宣告の翌日から14日です(刑訴358条、373条)。この期間中の勾留は全部刑期に通算されます。
Q7控訴審で原判決が破棄されたら勾留日数は通算されますか?
通算されます。刑訴495条2項2号により、被告人側の上訴で原判決が破棄された場合は上訴申立後の勾留も全部通算されます。
Q8未決勾留の通算は判決のどこに書かれますか?
裁定通算は判決主文に「未決勾留日数中○日を本刑に算入する」と明記されます。法定通算は条文の効果として当然に生じます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判前にずっと留置されていた日数は、全部刑期から引かれるんですか?
全部とは限りません。刑訴495条が自動で通算(法定通算)するのは上訴提起期間中などに限られ、それ以外は刑法21条で裁判官が裁量的に算入(裁定通算)します。判決主文に「未決勾留日数中○日を本刑に算入する」と書かれます。実務のポイント:弁護人は最終弁論で『未決勾留日数の全部算入』を求めるのが定石です。裁判官が何日算入するかは判決を見るまで分からず、この点を争点として意識する弁護人とそうでない弁護人とで、依頼者の収監日数が変わる
Q2控訴したら、控訴審までの勾留日数も当然刑期に入りますよね?
あなた(被告人)が控訴した場合、控訴申立後の勾留日数は原則として通算されません。例外は控訴審で原判決が破棄されたとき(495条2項2号)。つまり勝てば通算、負ければ通算されない、という構造です。実務のポイント:勝算の薄い控訴は、勾留が続く限り実質的に収監期間を延ばすリスクをはらみます。だが弁護士は『控訴はとりあえず出せます』としか言わないことが多い。控訴の前に保釈の見込みと通算の有無をセットで確認できるかどうかが、分かれ目になる
間違えやすい点 AI による整理
- 未決勾留が刑期に算入されること自体は知っていても、その算入が「条件付き」であることまで知る人は少ない。控訴申立後の勾留は、勝たなければ算入されない。算入されると思い込んで控訴し、結果的に拘束日数が積み増しになる
- 「控訴すれば刑が軽くなるかも」と問いを立てがちだが、本当に問うべきは「控訴中の勾留日数は刑期に通算されるか、保釈は取れるか」だ。問いの立て方を間違えると、刑が軽くなる前に拘束日数が増える
- 「未決勾留は全部刑期に入る」と思われているが、刑訴495条が自動で通算(法定通算)するのは一部に限られる。残りは刑法21条による裁判官の裁量(裁定通算)に委ねられ、必ず全部入るとは限らない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 通算の性質 | 刑訴495条:法定通算(要件を満たせば当然に通算) | 刑法21条:裁定通算(裁判官の裁量で算入) 刑訴90条:保釈(勾留そのものを解く) |
| 適用される場面 | 上訴提起期間中・検察官上訴・原判決破棄の場合 | 法定通算の対象外となる未決勾留日数 勾留中の被告人が身柄解放を求める場面 |
| 結果の確実性 | 要件該当なら確実に全部通算 | 判決主文に何日算入するかは裁判官の判断次第 保釈が認められれば通算問題自体が消滅 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も裁判確定前の羈押1日を有期徒刑・拘役1日または罰金額に折抵する点で日本と構造が近い
韓国は判決宣告前の未決구금日数の산입を定め、全部または一部の算入を扱う点で日本と類似
ドイツは未決勾留(Untersuchungshaft)を原則として刑に算入し、外国での勾留も算入対象とする
米国連邦法は判決前の拘束日数を連邦刑へ credit するが、別件で算入済みの日数は重複算入しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、懲役1年6月の判決に納得できず控訴したら、どうなるか。控訴審までの半年も勾留が続き、しかも控訴が棄却されたら、その半年は刑期に算入されない。あなたが実際に塀の中で過ごすのは1年6月+半年で2年近くになりうる。控訴を決める前に、この計算を弁護人と必ずやる
- 罰金30万円を払えず、判決前に75日勾留されていた。1日4千円換算で75日は30万円(495条3項)。あなたの罰金は未決勾留で完済扱いになる場合がある。労役場留置(刑法18条)に入る前に、この通算を主張できるか確認すべきだ
- 控訴期限まであと3日。勾留されたまま控訴すべきか。勝算が薄いなら、控訴期間中の勾留は通算されるが、申立後は通算されない。残り3日で結論を出さねばならない
- あなたは一審で軽い判決を得たが、検察官が量刑不当で控訴してきた。この場合、控訴審中のあなたの勾留は全部刑期に通算される(495条2項1号)。自分から争ったわけでないのに不利益を被らないための保護が、ここに用意されている
取るべき行動
被害を受けた側:あなたが被害者・遺族で、加害者の刑が「思ったより短い」と感じたら、未決勾留の通算が効いている可能性がある。加害者が長く勾留されていれば、その日数が刑期から差し引かれ、実際の収監期間が短くなる。これは法律上の正当な制度で個別に覆せるものではないが、刑事手続で被害者参加(刑訴316条の33以下)し量刑意見を述べることで、量刑判断そのものに働きかける道はある
訴えられた側:1. 判決を受けたら、控訴の勝算とは別に「控訴提起期間中・申立後の勾留が刑期に通算されるか」を弁護人に確認する2. 控訴中も勾留が続くなら、同時に保釈申請を検討、保釈が取れれば通算問題は消える3. 勝算の薄い控訴で勾留が続く場合、申立後の日数は通算されない(495条2項の反対解釈)ことを踏まえ、控訴の是非を再考4. 罰金刑で未決勾留があれば、1日4千円換算の通算(495条3項)を主張する(最新の改正状況をご確認ください)
時効(請求できる期限):上訴提起期間は判決宣告の翌日から14日(刑訴358条、373条、414条)。この14日間の勾留は全部刑期に通算される。控訴するか否かはこの期間内に決める必要があり、期間中の全部通算と申立後の非通算の分岐点も、まさにここにある
学説
通説:刑訴495条の法定通算は、上訴提起期間中の勾留など条文が定める範囲で当然に生じ、それ以外の未決勾留日数は刑法21条の裁定通算により裁判官の裁量で本刑へ算入される、という二段構えで未決勾留の刑期算定を理解するのが一般的である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定に伴い、未決勾留日数の本刑通算ルールとして495条が置かれた。
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