医療法 第46条の4
クイックジャンプ
- 評議員となる者は、次に掲げる者とする。
- 一医療従事者のうちから、寄附行為の定めるところにより選任された者
- 二病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院の経営に関して識見を有する者のうちから、寄附行為の定めるところにより選任された者
- 三医療を受ける者のうちから、寄附行為の定めるところにより選任された者
- 四前三号に掲げる者のほか、寄附行為の定めるところにより選任された者
- 2.次の各号のいずれかに該当する者は、医療法人の評議員となることができない。
- 一法人
- 二心身の故障のため職務を適正に執行することができない者として厚生労働省令で定めるもの
- 三この法律、医師法、歯科医師法その他医事に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
- 四前号に該当する者を除くほか、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
- 3.評議員は、当該財団たる医療法人の役員又は職員を兼ねてはならない。
- 4.財団たる医療法人と評議員との関係は、委任に関する規定に従う。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第46条の4は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第46条の4の条文原文は「評議員となる者は、次に掲げる者とする。」で始まります。
- 医療法第46条の4は第三款に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第46条の4の前の条は医療法第46条の3の6です。
- 医療法第46条の4の次の条は医療法第46条の4の2です。
- 医療法第46条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第46条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第46条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/46_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法46条の9は、財団医療法人の評議員の資格を定める。医事関係法令で罰金以上の刑を受けた者は執行終了から2年間欠格となり、役員・職員との兼任も禁止される。
Q · 財団医療法人の評議員には誰がなれて、誰がなれないの?
理事・職員は兼任不可、医事法令の罰金刑なら執行後2年は不可
医療法46条の9により、評議員は医療従事者、病院等の経営に識見を有する者、医療を受ける者、その他寄附行為が定める者から選任されます。法人、心身の故障により職務を適正に執行できない者、医事関係法令で罰金以上の刑を受け執行終了等から2年を経過しない者、それ以外で拘禁刑以上の刑の執行を終えていない者は評議員になれません。また当該法人の役員・職員を兼ねることはできず、法人との関係は委任として善管注意義務を負います。
解説
病院の廊下で順番を待っている患者が、病院を運営する法人の「監視役」になれる。財団の医療法人では、法律がそれを正式な選択肢として定めている。評議員の候補として条文が挙げるのは四つのグループで、医療従事者、病院や介護施設の経営に詳しい人、医療を受ける者、そして寄附行為(財団の根本ルールを書いた設立文書)が定めるその他の者である。一方で、院長の右腕である理事や、毎日働く職員は評議員になれない。監視する側とされる側を同じ人が兼ねれば、チェックは形だけになるからだ。欠格の線引きにも気をつけたい。医師法などの医事関係の法律で罰金以上の刑を受けた人は、刑の執行が終わってからさらに2年間、評議員になれない。それ以外の犯罪では、拘禁刑を受けて執行を終えるまで(執行猶予中を含む)が欠格期間で、執行が終われば制限は解ける。医療の法律に違反した罰金のほうが、一般犯罪の拘禁刑より長く尾を引くことがあるわけだ。さらに評議員と法人の関係は「委任」、つまりプロとしての注意義務(善管注意義務)を負う契約関係である。名前を貸すだけの名誉職だと思って引き受けると、責任だけが残る
法的な位置づけ
医療法第46条の9は、財団たる医療法人における評議員の選任対象、欠格事由、兼任禁止および法人との法律関係を定める規定である。評議員は寄附行為の定めに基づき医療従事者等から選任され、当該法人の役員または職員を兼ねることができず、法人との関係には民法の委任に関する規定が適用される。
手順
- 1.寄附行為の選任規定を確認 評議員の定数、選任方法、各号(医療従事者・経営識見者・医療を受ける者・その他)の構成比の定めを寄附行為で確認し、候補者がどの号に該当するかを整理する
- 2.候補者から欠格事由の確認書を取得 候補者全員について、法人でないこと、心身の故障がないこと、医事関係法令による罰金以上の刑から2年を経過しているか、拘禁刑の執行中・執行猶予中でないかを書面で申告してもらう。処罰歴がある場合は根拠法令と執行終了日を特定する
- 3.役員・職員名簿と照合し兼任を排除 候補者を理事・監事名簿および職員名簿と突き合わせ、兼任者がいればどちらの地位を辞するかを就任前に決めてもらう
- 4.就任前に情報開示を受けて承諾 評議員として就任する側は、承諾書に署名する前に寄附行為と直近の事業報告書等の写しを受け取り、委任の受任者として負う善管注意義務の範囲を確認してから承諾する
よくある質問 AI による整理
Q1医療法人の評議員とは何ですか?
財団たる医療法人に置かれ、評議員会を通じて理事会の業務執行を外部から監督する立場の人です。医療法46条の9が選任対象と欠格事由を定めています。
Q2医療法人の評議員になれる人の条件は?
医療従事者、病院・診療所・介護施設等の経営に識見を有する者、医療を受ける者、その他寄附行為が定める者から、寄附行為の定めに従い選任されます。
Q3医療法人の評議員の欠格事由は?
法人、心身の故障で職務を適正に執行できない者、医事関係法令で罰金以上の刑から2年未経過の者、それ以外で拘禁刑以上の刑の執行を終えていない者です。
Q4評議員と理事の兼任はできる?
できません。医療法46条の9第3項が、評議員は当該財団医療法人の役員(理事・監事)または職員を兼ねてはならないと定めています。
Q5執行猶予中でも医療法人の評議員になれる?
拘禁刑の執行猶予中は「執行を受けることがなくなるまでの者」にあたり欠格です。医事関係法令違反の場合は、猶予期間満了から2年を経過するまで欠格です。
Q6医療法人の評議員に報酬はある?
本条は報酬を定めていません。法人との関係は委任であり、報酬の有無や額は寄附行為等の定めによります。無報酬でも善管注意義務は負います。
Q7医療法人の評議員の責任は?
法人との関係が委任であるため、民法644条の善管注意義務を負います。議案を検討せず賛成を繰り返すと、義務違反を問われる余地があります。
Q8社団医療法人にも評議員はいる?
評議員・評議員会は財団たる医療法人の機関です。社団医療法人では、社員で構成する社員総会が最高意思決定機関として同様の監督機能を担います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1理事長の奥さんが評議員になるのってアリなんですか?
医療法46条の9の欠格事由に「役員の親族」は入っていないので、配偶者であることだけでは評議員になれないわけではありません。ただし配偶者がその法人の理事や職員でもある場合は、3項により兼任できません。実務のポイント:法律上可能でも、評議員を親族で固めると、行政の指導や税務上の評価で不利に働く場面があります。特に財団の公益性が問われるときは、外部の評議員が何人いるかが見られます
Q2昔、医師法違反で罰金を払ったことがあるんですが、評議員になれますか?
医師法は本条2項3号の医事に関する法律にあたるため、罰金を納め終えた日から2年が経っていれば欠格ではありません。2年が経っていなければ評議員になれません。実務のポイント:どの法律が「医事に関する法律」にあたるかは政令で定められており、医師法や歯科医師法のほかにも対象が並んでいます。薬機法など周辺の法律で処罰された人は、政令の一覧を必ず確認してください(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 評議員は顔ぶれをそろえるための名誉職だと思われがちだが、4項は法人との関係を委任と定めている。つまり民法上の善管注意義務を負う受任者であり、議案を読まずに賛成を繰り返すことは、責任を問われる場面では弁解にならない
- 「前科があれば一律にアウト」でも「刑を終えれば一律にセーフ」でもない。医事関係の法律なら罰金でも執行終了後2年間は欠格、それ以外の犯罪なら拘禁刑以上に限って執行が終わるまで欠格と、線の引き方が二本立てになっている。どちらの線にかかるかは、刑の重さより先に「どの法律で処罰されたか」で決まる
- 「患者が評議員になれるなんて建前だ」と思うかもしれないが、条文は1項3号で医療を受ける者を正面から候補に挙げている。株主のいない財団で、患者の目線を経営チェックに組み込むための制度上の入口であり、使うかどうかは寄附行為の書き方と法人の姿勢しだいである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 監督の対象と位置づけ | 医療法46条の9:財団医療法人の評議員(理事会を外から監督) | 医療法46条の5周辺:医療法人の役員(業務執行側、条番号要確認) 一般法人法173条:一般財団法人の評議員 |
| 兼任禁止 | 当該法人の役員・職員との兼任禁止(3項) | 監事は理事・職員との兼任不可とされる(条番号要確認) 理事・監事・使用人との兼任禁止(173条2項) |
| 法人との関係 | 委任(4項、民法644条の善管注意義務) | 委任(善管注意義務) 委任(173条1項) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾の医療財団法人は董事会が中心で、評議員会に相当する外部監督機関はない。董事の一定割合を医事人員とする構成規制などで公益性を担保する
捐助法人に理事会等の意思決定機関と監事会等の監督機関の設置を求める。監督機関の資格要件は個別法令に委ねられる
財団の機関は定款(Satzung)で広く設計でき、監督機関(Kuratorium・Beirat)の設置は任意。国家の財団監督が外部統制を担う
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 地元の財団医療法人から「地域代表として評議員になってほしい」と頼まれた。報酬はほぼなく、年に数回会議に出るだけと言われる。だが法人との関係は委任なので、議案を読まずに賛成し続ければ善管注意義務(プロとして当然払うべき注意)を怠ったと評価される余地が生まれる
- 理事長が「うちの事務長は信頼できるから評議員も兼ねてもらおう」と言い出した。3項があるので兼任はできない。事務長を評議員にしたいなら、まず職員を辞めてもらう必要がある。何も知らずに名簿を作れば、次の行政の検査で指摘されることになる
- 医師法違反で罰金刑を受けた元勤務医を、罰金を払い終えた翌月に評議員に迎えたら、どうなるか。医事関係の法律による罰金なので、払い終えた日から2年が経つまでは評議員になれない。「罰金はもう払ったから大丈夫」は通用しない
- 来月の評議員会の準備中に、候補者の一人が別の事件で拘禁刑の執行猶予中だと分かった。猶予期間中は「執行を受けることがなくなるまで」にあたるので欠格である。招集通知を出すまで、残り一週間で差し替えの候補を探さなければならない
- 親族が理事長を務める財団医療法人で、相続対策の一環として配偶者と子を評議員に並べる計画が出た。家族であること自体は欠格事由ではない。だが評議員会が理事を選び、その理事が評議員の家族という構図になれば、法人のガバナンスとして周りから問題視されやすい
取るべき行動
被害を受けた側:評議員の人選や法人運営に疑問を持つ関係者(患者、他の評議員、職員)の立場なら:1. 評議員名簿と寄附行為の評議員の選任規定を確認する2. 理事や職員を兼ねた評議員がいれば3項違反を指摘し、法人に是正を書面で求める3. 改善されなければ、医療法人を監督する都道府県の担当部署に情報提供する4. 欠格の疑いがある人物については、根拠となる判決などの公開情報を手元にそろえてから動く
訴えられた側:法人側や評議員本人として問題を指摘された場合:1. 候補者全員について欠格事由(法人でないか、医事関係の法律による罰金以上の刑から2年が経っているか、拘禁刑の執行中や執行猶予中ではないか、心身の故障がないか)を書面で確認する2. 兼任が見つかれば、評議員を辞めるか職員・役員を辞めるかを直ちに選ばせる3. 過去の評議員会の決議が影響を受けるかは、医療法人に詳しい弁護士に確認する4. 寄附行為の選任規定を見直し、再発防止策を議事録に残す
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。欠格期間は、医事関係の法律による罰金以上の刑について刑の執行が終わった日または執行を受けることがなくなった日から起算して2年。それ以外の犯罪では、拘禁刑以上の刑の執行を終えるか、執行を受けることがなくなるまで(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成27年(2015年)医療法改正(要検証) 医療法人のガバナンス強化の一環として、評議員・評議員会に関する規律が整備されたとされる。条番号の移動を含め、人的検証が必要
- 令和元年(2019年)成年後見制度適正化関係の改正(要検証) 成年被後見人等を一律に欠格とする規定が見直され、「心身の故障のため職務を適正に執行することができない者として厚生労働省令で定めるもの」に改められたとみられる
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法改正に伴い、欠格事由の「禁錮以上の刑」が「拘禁刑以上の刑」に改められた
改正の年表
- 1.令和7年(2025年) 改正:刑法改正に伴う関係法律整理により、2項4号の「禁錮以上の刑」が「拘禁刑以上の刑」に改められ、2025年6月1日に施行
- 医療法 第39条医療法人の定義、社団と財団の区別
- 医療法 第44条設立認可と寄附行為の記載事項
- 医療法 第46条の5役員の選任と欠格事由(現行効力を要確認)
- 民法 第644条受任者の善管注意義務を適用
- 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 第173条財団評議員の兼任禁止の並行規定
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める