医療法 第44条
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- 医療法人は、その主たる事務所の所在地の都道府県知事(以下この章(第三項及び第六十六条の三を除く。)において単に「都道府県知事」という。)の認可を受けなければ、これを設立することができない。
- 2.医療法人を設立しようとする者は、定款又は寄附行為をもつて、少なくとも次に掲げる事項を定めなければならない。
- 一目的
- 二名称
- 三その開設しようとする病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院(地方自治法第二百四十四条の二第三項に規定する指定管理者として管理しようとする公の施設である病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院を含む。)の名称及び開設場所
- 四事務所の所在地
- 五資産及び会計に関する規定
- 六役員に関する規定
- 七理事会に関する規定
- 八社団たる医療法人にあつては、社員総会及び社員たる資格の得喪に関する規定
- 九財団たる医療法人にあつては、評議員会及び評議員に関する規定
- 十解散に関する規定
- 十一定款又は寄附行為の変更に関する規定
- 十二公告の方法
- 3.財団たる医療法人を設立しようとする者が、その名称、事務所の所在地又は理事の任免の方法を定めないで死亡したときは、都道府県知事は、利害関係人の請求により又は職権で、これを定めなければならない。
- 4.医療法人の設立当初の役員は、定款又は寄附行為をもつて定めなければならない。
- 5.第二項第十号に掲げる事項中に、残余財産の帰属すべき者に関する規定を設ける場合には、その者は、国若しくは地方公共団体又は医療法人その他の医療を提供する者であつて厚生労働省令で定めるもののうちから選定されるようにしなければならない。
- 6.この節に定めるもののほか、医療法人の設立認可の申請に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第44条は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第44条の条文原文は「医療法人は、その主たる事務所の所在地の都道府県知事(以下この章(第三項及び第六十六条の三を除く。」で始まります。
- 医療法第44条は第二節に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第44条の前の条は医療法第43条です。
- 医療法第44条の次の条は医療法第45条です。
- 医療法第44条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第44条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第44条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/44
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法44条は、医療法人の設立に主たる事務所所在地の都道府県知事の認可を要求し、定款又は寄附行為に12項目の記載を義務付ける。残余財産の帰属先は国や医療法人等に限られる。
Q · クリニックを医療法人にするには、何が必要で、何を失うの?
知事の認可が必要で、残余財産は個人に戻せない
医療法44条により、医療法人の設立には主たる事務所所在地の都道府県知事の認可が必要です。設立者は定款又は寄附行為に、目的、名称、開設する病院・診療所等、資産及び会計、役員、理事会、解散、定款変更、公告方法など12項目を定めなければなりません。解散時の残余財産の帰属先を定める場合は、国、地方公共団体、医療法人等に限られるため、院長個人や家族を指定することはできません。
解説
院長の名札がそのままでも、医療法人になった後の診療所は「法人のもの」である。44条は、医療法人を作るには主たる事務所がある都道府県の知事の認可(役所が「作ってよい」と正式に認める決定)が必要だと定め、定款または寄附行為(法人の憲法にあたる基本ルール)に書くべき12項目を指定している。見落とされやすいのは第5項だ。解散したときに残った財産を誰が受け取るかを定款に書く場合、受け取れるのは国、地方公共団体、他の医療法人など、厚生労働省令で定める者に限られる。2007年4月以降に設立された法人は持分(出資者が払戻しを請求できる権利)のない形が原則なので、院長や家族が出資金に利益を上乗せして取り戻す道は、設立の時点でほぼ閉じている。節税の話だけ聞いて法人化すると、10年後の事業承継や引退の場面で「お金を外に出せない」という壁にぶつかる。定款は、所有をどこまで手放すかの設計図として読むべきである
法的な位置づけ
医療法第44条は、医療法人の設立について都道府県知事の認可制を採用し、設立者に対し、定款又は寄附行為で目的、名称、開設施設、資産及び会計、役員、理事会、解散、定款変更、公告方法等の必要記載事項を定めることを義務付ける規定である。残余財産の帰属先を定める場合は、国、地方公共団体、医療法人等に限定される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.都道府県の受付スケジュールを確認する 主たる事務所を置く都道府県の医療法人設立の手引きを入手し、仮申請・本申請の受付時期と医療審議会の開催予定を確認する。決算期ではなく受付締切から逆算して準備計画を立てる
- 2.定款又は寄附行為の案を作る 44条2項の12項目を網羅した定款案を作る。特に「目的」「開設しようとする施設」「解散に関する規定」は、将来の分院展開や事業承継を見越して設計する。残余財産の帰属先は国・地方公共団体・医療法人等から選ぶ
- 3.仮申請(事前相談)で論点を出し尽くす 都道府県担当者に定款案と財産目録を提出し、文言や資産要件(41条)の指摘を受けて修正する。本申請後の修正より時間のロスが小さい
- 4.本申請を行い、認可を待つ 設立認可申請書と添付書類を提出する。知事は資産要件と定款の法令適合性を審査し、都道府県医療審議会の意見を聴いた上で認可・不認可を決定する(45条)
- 5.設立登記と開設手続を進める 認可後、主たる事務所の所在地で設立登記を行う。登記により法人が成立する(46条)。続けて法人名義での診療所開設許可、保健所への手続、地方厚生局での保険医療機関指定を、保険診療の空白日が生じないよう段取りする
よくある質問 AI による整理
Q1医療法人とは何ですか?
病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院の開設を目的として、医療法に基づき設立される法人です。非営利性が求められ、剰余金の配当は禁止されています(医療法54条)。
Q2医療法人の定款に必ず書く事項は?
医療法44条2項により、目的、名称、開設施設の名称と場所、事務所所在地、資産及び会計、役員、理事会、社員総会等、解散、定款変更、公告方法などを定める必要があります。
Q3医療法人の設立認可はどこに申請する?
主たる事務所の所在地の都道府県知事に申請します(医療法44条1項)。多くの都道府県では本申請の前に事前相談や仮申請の段階が設けられています。
Q4医療法人の設立に必要な書類は?
設立認可申請書のほか、定款又は寄附行為、財産目録、事業計画、役員の就任承諾書などが求められます。詳細は医療法施行規則と各都道府県の手引きで確認します。
Q5医療法人を作るのに資本金はいくら必要?
法律上の最低金額の定めはありませんが、業務を行うのに必要な資産を有することが求められます(医療法41条)。具体的な目安は都道府県の審査基準で確認します。
Q6認可前に「医療法人」と名乗ったら違法?
医療法人でない者が名称に「医療法人」の文字を用いることは医療法40条で禁止されています。認可と設立登記が済むまで、看板や広告での使用は控えるべきです。
Q7医療法人化のデメリットは?
法人の財産を個人に戻しにくいこと、剰余金の配当禁止、定款変更に知事の認可が必要なこと、毎年の事業報告書の提出など、運営上の制約と事務負担が増えることです。
Q8医療法人の設立認可が下りなかったら?
不認可は行政処分なので、行政不服審査法に基づく審査請求や取消訴訟で争う道があります。記載不備が原因なら、修正して次の受付で再申請するほうが早いことが多いです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1医療法人って、申請したらどれくらいで作れるんですか?
44条は知事の認可を要件とし、知事は認可・不認可の判断前に都道府県医療審議会の意見を聴く(45条)。この審議会の開催日程に合わせて、申請の受付を年に数回に絞っている都道府県が多い。仮申請から認可まで半年前後かかる例は珍しくない。実務のポイント:節税を急ぐなら、決算期から逆算するより先に、都道府県の受付スケジュールから逆算する。一回の締切を逃すと、法人化による1年分の税効果が丸ごと飛ぶことがある
Q2法人を解散したら、残ったお金は理事長の自分がもらえますか?
2007年4月以降に設立された医療法人では、原則としてもらえない。44条5項により、残余財産の帰属先は国、地方公共団体、医療法人など、厚生労働省令で定める者に限られる。実務のポイント:実務で個人に資金を戻す主な経路は、在任中の役員報酬と、退任時の役員退職金である。退職金の支給規程を設立時に整えておくかどうかで、引退時に受け取れる額と税負担が大きく変わる
Q3社団と財団、どっちで作るのが普通ですか?
実務では人が集まって作る社団医療法人が圧倒的に多い。財団は財産の寄附で設立する形で、評議員会の設置(44条2項9号)など統治が重くなる。実務のポイント:社団では社員総会が最高意思決定機関になる。親族だけで社員を固めるのか、外部の医師を入れるのかで、将来の理事長交代の主導権が決まる。「社員たる資格の得喪」の条文は、定款の中でも特に揉め事の火種になりやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 医療法人は株式会社と同じで、出資したお金は後で株式のように売ったり払い戻したりできると思われがちだが、2007年4月以降に設立できるのは原則として持分のない法人である。出資は払戻し請求権のない拠出になり、解散時の残余財産も第5項の範囲に限られる。基金拠出型にすれば拠出額の返還は可能だが、利息は付かない
- 定款の12項目は雛形を写せば終わると考えるのは問いの立て方がずれている。問題は「何を書くか」ではなく「書いた内容を後から変えるには知事の認可が要る(50条)」という点だ。目的や開設施設の書き方を狭くすると、分院の開設や介護施設への進出のたびに定款変更の認可を待つことになり、事業のスピードが役所の審査スケジュールに縛られる
- 院長から見れば法人化は税務上の選択にすぎない。行政から見れば、公益性のある非営利法人を一つ新しく認める行為である。この認識の差は、剰余金の配当禁止(54条)、理事会による統治、毎年の事業報告書の提出となって、設立後の毎年にのしかかる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 医療法44条:設立の入口(知事認可と定款の必要記載事項) | 医療法45条:認可の審査 医療法56条:解散時の出口 |
| 主な内容 | 都道府県知事の認可なしに設立不可、定款又は寄附行為に12項目を記載 | 資産要件(41条)と定款の法令適合性を審査し、医療審議会の意見を聴いて決定 残余財産は定款又は寄附行為の定めに従い帰属し、処分されない財産は国庫に帰属 |
| 財産との関係 | 5項で残余財産の帰属先を国・地方公共団体・医療法人等に限定 | 業務に必要な資産を有するかを入口で確認 44条5項で設計した帰属先が解散時に実際に適用される |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も医療法人を醫療財團法人と醫療社團法人に分け、主管機関の許可制で設立を管理する。非営利性の担保という点で日本と同じ発想をとる
韓国の医療法人も市・道知事の許可制で設立を管理する。営利法人による病院開設が原則認められない点で日本と共通する
ドイツには医療法人に当たる独自の法人類型はなく、外来診療ではMVZ(医療供給センター)が保険医療参加の認可を受けて組織的に運営される
米国は州ごとに医師の法人化を規律し、多くの州で医師以外の者による医療法人支配を制限する法理(Corporate Practice of Medicine)がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 開業7年目、所得が増えて税理士から「そろそろ法人化を」と勧められた。法人化で所得税の累進を和らげられる可能性はある。一方で、法人に移したお金は院長の財布とは別物になる。役員報酬と退職金の設計を決めずにサインすると、節税した分が引退時の出口で詰まる
- もし定款の「解散に関する規定」で、残余財産を院長の子どもに渡すと書いたら、どうなる? 第5項により、帰属先は国や地方公共団体、医療法人など、省令で定める者に限られる。家族個人を指定した定款では認可が下りない
- あなたは行政書士として初めて医療法人設立を受任した。都道府県の申請受付は年に数回に限られることが多く、次の締切まであと3週間しかない。過去3期分の決算資料、財産目録、役員の就任承諾書が揃わなければ、次の受付までおよそ半年待つことになる
- 市が公立診療所の指定管理者を募集している。第2項第3号は、指定管理者として管理する施設も定款に書くよう求めている。受託が決まった後に定款変更の認可を取り直す流れになり、運営開始日に間に合わない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 不認可や長期の保留を受けたら、書面で理由の提示を求める。不認可は行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)なので、争う道がある2. 指摘された点が41条の資産要件か、定款の記載不備かを切り分ける。記載不備なら修正して次の受付で再申請するほうが早いことが多い3. 判断そのものに納得できなければ、行政不服審査法に基づく審査請求、または行政事件訴訟法に基づく取消訴訟を検討する
訴えられた側:1. 都道府県から定款の修正を求められたら、まず手引きや定款例と照らし、指摘の根拠が法令か運用かを確認する2. 認可前に「医療法人」の名称を看板や広告に使うのは40条違反となり、過料の対象になりうる(最新の改正状況をご確認ください) 3. 設立前に個人名義で結んだリース契約や借入金を法人に引き継ぐなら、財産目録と引継ぎの契約書を整え、審査で指摘される前に説明できるようにしておく
時効(請求できる期限):設立認可の申請自体に時効はないが、受付時期は都道府県ごとに限られることが多い。不認可に対する審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月(行政事件訴訟法14条)。認可後は、認可書の到達から2週間以内に主たる事務所の所在地で設立登記をする(組合等登記令)。登記によって法人が成立する(46条)
学説
通説:医療法人は営利を目的としない医療提供主体であり、設立認可制、剰余金配当の禁止(54条)、残余財産帰属先の限定(44条5項)が一体となって非営利性を担保していると理解されている
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)第五次医療法改正(2007年4月施行) 残余財産の帰属先を国、地方公共団体、医療法人等に限る規定が整備され、持分のある社団医療法人の新設が認められなくなった(項番号の変遷は要確認)
- 平成26年(2014年)地方分権関連改正(2015年4月施行) 二以上の都道府県にまたがる医療法人の設立認可権限が、厚生労働大臣から主たる事務所所在地の都道府県知事へ移ったとされる(要確認)
- 平成27年(2015年)医療法改正 医療法人のガバナンス強化に伴い、理事会に関する規定が定款の必要記載事項に加えられたとされる(施行時期は要確認)
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:医療法の改正により医療法人制度が創設され、医療法人の設立を都道府県知事の認可制とする枠組みが設けられた
- 2.平成18年(2006年) 改正:第五次医療法改正(2007年4月施行)。残余財産の帰属先を国、地方公共団体、医療法人等に限る規定が整備され、持分のある社団医療法人の新設が認められなくなった
- 医療法 第39条医療法人の定義と設立主体
- 医療法 第41条設立に必要な資産要件
- 医療法 第45条認可審査と医療審議会への諮問
- 医療法 第54条剰余金配当の禁止、非営利性の柱
- 医療法 第56条解散時の残余財産の帰属手続
- 地方自治法 第244条の2指定管理者制度、公立施設受託の根拠
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